平成28年度山形県立米沢栄養大学 編入学試験 専門試験問題 注意事項 1.試験開始の合図があるまで、問題冊子の中を見てはいけません。 2.試験開始後、監督者の指示に従い、解答用紙に受験番号を記入してください。 3.問題用紙及び解答用紙を確認し、印刷不鮮明や汚れなどがあれば交換しますので、手を挙げ て監督者に申し出てください。また、試験の途中で解答用紙が破れた場合など、解答用紙の 交換を希望する場合は、試験終了20分前までに申し出てください。 4.試験中、健康上の理由により試験の続行が困難になった、トイレに行きたくなった、筆記用 具を落とした、質問がある、などの場合は、手を挙げて監督者に申し出て、その指示に従っ てください。 5.試験終了後、問題冊子は持ち帰ってください。 -1- 1. 次の文は、ATP 生成反応の一つである電子伝達系と酸化的リン酸化に関する記述である。問 1 ~4 に答えなさい。 電子伝達系は(①)に局在しており、複合体Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのほか(②)、複合体Ⅳと膜間腔に存 在するシトクロム c からなる。複合体(③)では、(④)分子が還元されて(⑤)を生成する。複 合体(⑥)はプロトンポンプであり、ミトコンドリアの(⑦)から膜間腔にプロトンをくみ出 す。複合体Ⅴは ATP 合成酵素であり、(①)に存在する。複合体Ⅴもプロトンポンプであり、膜 間腔と(⑦)の間に生ずるプロトンの濃度勾配を利用して ATP を合成する。電子伝達系で膜間腔 と(⑦)の間に生ずるプロトンの濃度勾配が(⑧)により解消されると酸化的リン酸化は起こら ない。 問 1 ①~ ⑧ の( )内に適切な単語を下記の枠内から選択し、文章を完成させなさい。 (括弧内に入る単語は1つとは限りません) ミトコンドリア外膜、ミトコンドリア内膜、リソゾーム、マトリクス、コエンザイム Q、リポ 酸、カルニチン、リポタンパク質、脱共役タンパク質、レチノール結合タンパク質、酸素、水 素、水素イオン、尿素、水、二酸化炭素、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ 問 2 ミトコンドリアの電子伝達系で、ビタミンを構成成分とする水溶性の分子(化合物)があ るが、その分子の名称(略称も可)を 2 つ記述しなさい。また、その分子を構成するビタミ ン名を記述しなさい。 問 3 ミトコンドリア膜などの生体膜を構成している主要な分子(化合物)名と、その膜構造の 名称を記述しなさい。 問 4 (ⅰ)生体エネルギー分子である ATP は基質準位(レベル)のリン酸化でも産生される。基 質準位(レベル)のリン酸化について簡単に解説しなさい(100 字程度)。(ⅱ)また、この -2- 反応が起こる糖質代謝の反応系(回路または経路名)と反応が起こる細胞内の部位を2つ記 述しなさい。 2. 次の中で血糖値を上昇させるホルモンには○、異なるものには×をつけなさい。 (1)成長ホルモン (2)セクレチン (3)グルカゴン (4)副腎皮質ホルモン (5)アドレナリン(エピネフリン) 3. 次の文章の内容から、各々の筋線維の名前を記述しなさい。 (1)心臓に分布。分枝する横紋筋で不随意筋である。 (2)全身のいわゆる筋肉を作る。横紋筋で随意筋であり、多核細胞である。 (3)消化管、血管などに分布する。不随意筋で、細胞の形は紡錘形である。 4. 以下の(1)~(5)の記述の中で正しいのはどれか。2 つ選びなさい。 (1) ビタミン B6 はピリドキシン、シアノコバラミンなど 10 種類以上の化合物の総称で、成分値は シアノコバラミン相当量で示される。 (2) β-カロテン、β-クリプトキサンチンは、主に植物に含まれるプロビタミン A で、生体内でカ ルシフェロールに転換される。 (3) 肉類は畜肉、家兎、家禽を総称したもので、畜肉は牛、豚、馬、めんようなどであり、家禽は 鶏、七面鳥、あひるなどである。 (4) 普通牛乳のタンパク質の主要なものはカゼインであり、残りがホエーである。カゼインはカル シウムと結合してカゼインミセルを形成し、コロイドとなっている。 (5) 和生菓子は、ゆべし、ういろう、水ようかん、カステラなどで水分を 30%以上含むものである。 -3- 5. 「食物繊維」について記述しなさい。(200 字程度) 6. 栄養素とその特徴と機能に関する記述である。正しいものには○を、誤っているものには×を つけなさい。 (1)尿中 3-メチルヒスチジン排泄量は体脂肪量を反映する。 (2)血清レチノール結合たんぱく質は長期間のたんぱく質栄養状態を示す。 (3)褐色脂肪組織の細胞質内には、多数の小さな脂肪滴が存在する。 (4)脂肪酸は、グルコースの合成材料になる。 (5)ビタミンの中には、他の栄養素からつくられるものがある。 7. 栄養素の過不足により発症する病名である。該当する栄養素の状態を下記の枠内から選び、記 号で答えなさい。 (1) 大腸がん (2) 克山病 (3) クワシオルコル (4) 貧血 (5) ウェルニッケ・コルサコフ症候群 ア. 高脂肪、低食物繊維の食事 イ.たんぱく質の欠乏 ウ.炭水化物の不 足 エ. ビタミン B12 の過剰 オ. セレンの不足 キ. たんぱく質の過剰 ク. 鉄の欠乏 カ. ビタミン Bl の欠乏 8. 幼児期に関する記述である。誤ったものの組み合わせを選びなさい。 a 4 歳から 6 歳までのあいだに乳歯 20 本が生えそろう。 b 体格指数による評価では BMI を用いる。 c 幼児期の肥満の多くは原発性肥満である。 d 鶏卵は幼児期食物アレルギーの原因物質として上位に位置する。 -4- e 幼児期の肥満は、基本的には極端なエネルギー制限は行わない。 (1)a と b (2)a と c (3)a と d (4)b と d (5)a と e 9. 「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選びなさ い。 (1) 食事摂取基準の対象は、健康な個人並びに健康な人を中心として構成されている集団である。 (2) 「推定平均必要量」と「推奨量」は、過剰摂取による健康障害の回避を目的として設定された。 (3) 乳児の年齢区分は、五つに区分されている。 (4) 食事摂取基準では 60 の栄養素について基準を策定している。 (5) エネルギーの収支バランスの維持を示す指標には、体脂肪率を用いる。 10. 栄養補給法についての記述である。正しいものの組合せを選びなさい。 a 中心静脈栄養法では、1 日に必要な栄養量の補給ができる。 b バクテリアルトランスロケーションは、経腸栄養療法でおこりやすい。 c 中心静脈栄養法は、短期の栄養管理に使用される。 d 末梢静脈栄養法は、短期の栄養管理に使用される。 e 胃瘻(いろう)は、中心経静脈栄養法の投与ルートである。 (1) aとb (2) bとc (3) aとd (4) bとe 11. 糖尿病についての記述である。( )に入る適切な語句を下記の枠内より選び、番号で答え なさい。 糖尿病は( ア )作用の不足に基づく慢性の( イ )状態を来す代謝疾患である。三大合 併症として( ウ )( エ )( オ )がある。 -5- ① アミラーゼ ② グルカゴン ③ インスリン ④ 低血糖 ⑤ 高血糖 ⑥ 脳梗塞 ⑦ 網膜症 ⑧ 胃潰瘍 ⑨ 腎症 ⑩ 肝硬変 ⑪ 神経障害 ⑫ 精神障害 12. 「健康日本 21(第 2 次)」についての記述である。誤っているものの組み合わせを選びなさ い。 a 健康寿命の延伸を目標としている。 b 歯や口腔の健康については示されていない。 c 心の健康については示されていない。 d 目標設定の 10 年後に最終評価を行う。 e 未成年者や妊娠中の飲酒や喫煙について示されている。 (1)a と b (2)b と c (3)c と d (4)d と e (5)a と e 13. 公衆栄養活動の歴史についての記述である。最も古いものはどれか。1 つ選びなさい。 (1)山形県鶴岡市の市立忠愛小学校で昼食給食の開始 (2)GHQ(連合国軍総司令部)の指令で東京都民の栄養調査を実施 (3)第 1 次国民健康づくり対策の実施 (4)「食事バランスガイド」の発表 (5)栄養士法の公布 14.給食施設における作業および衛生区分と厨房機器の設置の組み合わせである。正しいのはどれ か。1 つ選びなさい。 (1) 生食果物冷却 ―――――準清潔作業区域 ――――― ブラストチラー (2) 納品食材の保管 ――――― 汚染作業区域 ――――― 冷蔵庫 (3) 洗米 ―――――準清潔作業区域 ――――― 洗米機 (4) 揚げ物調理 ――――― 汚染作業区域 ――――― フライヤー -6- (5) 食器洗浄 ――――― 清潔作業区域 ――――― 食器洗浄機 15.「食中毒予防の 3 原則」について記述しなさい。(100 字以内) -7-
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