公 表 資 料 小金井市 橋りょ 下う長寿命化計画 平成28年3月 小金井市 都市整備部 道路管理課 1. 橋りょう長寿命化計画の目的 小金井市が管理する橋は、全部で72橋あります。その多くが、1960年代から1970年代に建 設されており、今後、老朽化による架替えが集中し、財政負担が大きくなることが懸念されてい ます。 「橋りょう長寿命化計画」は、予防的な修繕を行うことで、橋の延命化、予算の平準化、維持 管理コストの縮減を図り、次世代に大きな負担をかけることなく、道路交通の安全性と信頼性を、 将来にわたり確保することを目的とします。 14 橋の老朽化 財政負担 の増大 将来架替 将来架替え 架替えの集中 12 橋りょう数 10 8 6 4 2 2010-2015 2005-2009 2000-2004 1995-1999 1990-1994 1985-1989 1980-1984 1975-1979 1970-1974 1965-1969 1960-1964 <1960 0 建設年次 小金井市の橋りょうの建設数 10年後 2015年 20年後 12% 38% 46% 54% 62% 88% 50年以上 50年未満 建設後50年以上の橋りょう数の推移 2. 橋りょう長寿命化計画の対象橋りょう 橋りょう長寿命化計画の対象とする橋は、小金井市が重要と判断する主要な道路やバス路線上 に架けられた橋としています。 1級市道 2級市道 その他市道 市道以外 の道路※ 合計 全管理橋りょう数 4 10 47 11 72 橋りょう長寿命化計画対象の橋りょう数 2 4 12 0 18 ※市道以外の道路とは、施設管理用道路や指定私道などを指す。 -1- ◇ インフラの老朽化 インフラの老朽化がもたらすもの 老朽化がもたらすもの 「荒廃するアメリカ」(1980年代) アメリカは日本よりも早く道路整備が進んでいましたが、1980年代までは維持管理に 十分な予算がとられていませんでした。そのため、道路橋の老朽化によって崩落や損傷、 通行止めが相次ぎました。最近では、ミネアポリス橋梁崩落事故等が発生し、大きな問題 になっています。 写真-1 マイアナス橋の落橋 写真-2 Ⅰ-35W橋の落橋(ミネアポリス橋梁) (国立研究開発法人 土木研究所 構造物メンテナンス研究センターHPより) 「笹子トンネル天井板崩落事故」(2012年12月5日) 日本国内においては、2012年12月5日に中央自動車道笹子トンネルにおける天井板の 崩落事故が発生しています。 写真-4 天井板崩落状況② 写真-3 天井板崩落状況① -2- 3. 橋りょう長寿命化計画の内容 ■小金井市では、平成25年度から平成26年度にかけて橋の点検を行い、今後も5年間隔で点検 を行うことで安全確保に努めていきます。 ■点検結果より、橋の健全性の評価を行い、交差条件や路線の状況等に応じて橋の重要性を定め、 計画的な修繕が行えるよう優先順位を決めます。 ■橋の損傷が深刻化してから大規模な修繕や架替え更新を行う対症療法的な事後保全型 事後保全型管理 事後保全型管理から、 管理 損傷が深刻化する前に計画的な修繕を行う予防保全 予防保全型 管理へ転換し、橋の長寿命化を図るとと 予防保全 型管理 もに、修繕に係わる費用の縮減を図ります。 ■一定期間の橋の維持管理にかかる費用であるライフサイクルコスト(LCC)の試算を行い、 予防保全型の維持管理へ転換した場合の効果を確認します。 これまでの維持管理 これまでの維持管理 これからの 維持管理 事後保全型管理 予防保全型管理 ⼤きな損傷の発⾒まで放置 ※落橋も... 定期点検による損傷の早期発⾒ 転換 ⼤規模な修繕・架替え 早期の対策実施 工事費の増大 工事費の低減 ◇ 人間に 人間に例えると・・・ 健診を受けずに 定期的に健診 病気が深刻化 病気の早期発見 転換 大手術を実施 簡易な治療で回復 ※場合によっては手遅れに... ⇒大手術の 大手術の負担の 負担の蓄積 ⇒身体へ 身体への負担軽減 負担軽減 ⇒完治が 完治が難しい場合 しい場合もあり 場合もあり ⇒健康の 健康の長期維持 ⇒医療費負担 医療費負担の 負担の増大 ⇒医療費負担 医療費負担の 負担の軽減 -3- 4. 橋りょう長寿命化計画による効果 橋の長寿命化と安全性の確保 橋の長寿命化と安全性の確保 橋の損傷が深刻化してから修繕や架替え更新を行う事後保全型管理の橋は、大きな損傷が発 見されるまで放置されるため、危険な状態が続きます。 計画的な修繕を行う予防保全型管理に転換することで、安全性の確保と長寿命化が図れます。 橋の維持管理シナリオ 維持管理シナリオ ←←←← :予防保全型管理 :事後保全型管理 高 い 健 全 性 →→→→ 低 い 予防保全修繕工事 大規模修繕工事 架替え工事 予防保全修繕工事 予防保全修繕工事 予防保全修繕工事 予防保全修繕工事 経 過 年 数 ←←←← 高 額 修 繕 費 累 計 事後保全型修繕費 予防保全型修繕費 経 過 年 数 ◇ 補修事例 「鋼部材の塗装塗替」(橋梁の長寿命化修繕計画 国土交通省 中部地方整備局より) 対策前 対策後 「コンクリートの断面修復」(橋梁の長寿命化修繕計画 国土交通省 九州地方整備局より) 対策前 対策後 -4- 予算の平準化 対症療法的な事後保全型管理では大規模な修繕・架替え更新を行うため、単年度の事業費が 大きくなります。予防保全型管理により計画的に修繕を行うことで、予算の平準化が図れます。 ライフサイクルコストの縮減 今後、50年間を対象としたライフサイクルコストの試算では、予防保全型管理の累計額と 事後保全型管理の累計額の差は約8億円になり、非常に大きな縮減効果が見込めます。 費用 (億円) 16 20 17.2 14 18 16 縮減効果額 8億円 累計約8 累計約 14 12 10 12 9.0 8 8.3 5.8 5.3 4 6 3.5 2 0.5 0.0 2015-2019 3.3 2.5 2.4 0 8 6.5 6 0.3 0.2 4 3.4 2.1 1.0 0.1 10 2 0.6 0.4 0 2020-2024 2025-2029 2030-2034 事後保全型管理 2035-2039 2040-2044 予防保全型管理 2045-2049 2050-2054 累計 / 事後保全型管理 2055-2059 2060-2065 累計 / 予防保全型管理 このまま放置していくと、大規模な対策工事を行うことは避けられません。 今から対策 から対策を 対策を行い、「橋 、「橋の長寿命化と 長寿命化と安全性の 安全性の確保」「 確保」「予算 」「予算の 予算の平準化」 平準化」 「ライフサイクルコストの縮減 ライフサイクルコストの縮減」 縮減」を図ります。 ります。 -5- 5. 助言を頂いた学識経験者 学 識 経 験 者 : 法政大学 デザイン工学部 溝渕 利明 教授 都市環境デザイン工学科 法政大学の溝渕教授に「橋りょう長寿命化計画」の妥当性についてご意見をいただきました。 計画策定担当部署:小金井市 都市整備部 道路管理課 TEL 042-383-1111(代) -6-
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