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【要請書】
日本電気株式会社 代表取締役 執行役員社長 兼 CEO 新野隆様
国際武器見本市(ユーロサトリ)への出展をしないでください
貴社は、
6月13日から17日にかけて、フランス・パリで開催される国際武器見本市「ユーロサトリ2016」
に出展を予定されています。私たちは、日本の武器輸出に反対する立場から、今回の出展を取りやめ
るよう強く要請します。
2014年4月1日、安倍政権は、議会に諮ることもなく、武器輸出を原則として禁じた武器輸出三原則
を撤廃、「防衛装備移転三原則」を閣議決定し、武器輸出の原則容認へと大きく舵をきりました。そ
して、防衛省・経済産業省が中心となって、武器輸出を積極的に推進する政策を打ち出しました。こ
の年の「ユーロサトリ2014」では、初めて日本ブースが設けられ、日本企業12社が出展しています。
昨年も、防衛装備庁が10月に発足するなど、武器輸出への動きが加速しています。そして、落選し
たものの、オーストラリアへの潜水艦輸出を目指した動きもありました。「ユーロサトリ2016」でも、
日本政府がブースを設け、積極的に企業の出展を促しています。しかし、前回出展しながら、今回は
取りやめた大手企業も多いと伝えられ、武器輸出推進政策に対する危惧も高まっています。
大手で前回に引き続いて参加するのは貴社のみです。今回、貴社は欧州での需要を見込んで無線通
信システムや浄水システムを展示するとされています。世界各国の軍関係者が参加する武器見本市に
おいて、その「需要」に当然ながら軍関係が含まれることになるのは明らかです。そして、防衛装備
庁による軍事研究予算拡大の動きや自民党国防部会による露骨な武器開発提言に見られるように、政
府与党がさらなる武器輸出の拡大を狙っていることも間違いありません。
軍事大国がしのぎを削る武器輸出は、実戦経験がものをいう世界でもあり、武器を売るためには、
より一層、戦争への加担が要求されることになります。事実、近年の戦闘地域では、軍事大国から、
その支援国や組織に対して大量の武器が供給され、使用されています。また、これら大国による空爆、
ミサイル攻撃などによって、多くの人命が奪われる悲惨な状況が繰り返されています。
「ユーロサトリ」への出展をきっかけに、貴社の製品・技術が軍隊に使われたり、軍事転用される
ことになれば、貴社はその先にある他国の人々の殺傷に対する責任を免れることはできないでしょう。
それによって、日本及び日本製品に対するイメージが悪化することも必至です。
幸い、日本の武器輸出はまだ本格化していません。今なら、この動きを止めることができます。ぜ
ひ、貴社におかれましても、「国是」として長年にわたって維持されていた武器禁輸の精神に立ち戻
り、「ユーロサトリ」出展の中止を決断されるよう、重ねて要請します。
最後に、貴社が私たちの要請を受けること自体を拒否されたことに強く抗議します。貴社製品の消
費者でもある市民への説明責任を果たさないその姿勢は、社会的な非難にさらされるであろうことを
警告しておきます。
2016 年 6 月 7 日
武器輸出反対ネットワーク