「三次元光造形エポキシ樹脂製品へのダイレクトめっき技術」の開発

研究開発型企業育成事業
次世代産業創出共同研究成果
「三次元光造形エポキシ樹脂製品へのダイレクトめっき技術」の開発
平成 28 年6月7日
株式会社イクシス代表取締役
榎本 晃
長野県工業技術総合センター所長 宮下純一
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はじめに
株式会社イクシス(箕輪町)と長野県工業技術総合センター(以下、センターという。)精密・電子技術部
門(岡谷市)は、共同で「三次元光造形エポキシ樹脂製品へのダイレクトめっき技術」を開発しました。
3Dプリンターの中でもエポキシ樹脂を用いる紫外線硬化型の光造形は、精度の高い造形品が作製可
能であることから、主に製品の量産前にその機能などを検証するための試作品を製作するために活用され
ています。
今回の開発では、この光造形で製作したエポキシ樹脂製のサンプルに直接めっき処理を行い、金属光
沢をもつ試作品の製作に成功しました。
これは、長野県ものづくり産業振興戦略プランに基づき、平成 24 年度からセンターが進める研究開発型
企業育成事業の次世代産業創出共同研究として、株式会社イクシスが保有する光造形品の表面仕上げ・
加工技術と、精密・電子技術部門のプラスチック表面のめっき処理技術を融合して研究開発を実施した成
果です。
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開発技術と製品の特長
① めっきを施すことが難しい材料であるエポキシ樹脂への装飾めっきが可能
プラスチックへめっきするためには、めっき膜とプラスチックとの密着性を確保するためプラスチック表
面を粗化(粗くする)する必要がありますが、エポキシ樹脂は表面粗化が難しく、いわゆる「難めっき材料」
の一つです。この課題に対し、株式会社イクシスのもつ「プラスチックにめっきをするための表面仕上げ
(表面粗化)技術」とセンターの「プラスチックへのめっき処理技術」を組み合せ、最適化することでエポキ
シ樹脂へのめっき処理を可能にしました。
② 量産ではなく、1個単位のめっき試作品の製作が可能
3Dプリンターで製作するため、最少ロット1個からの試作が可能です。
③ 金属材料の部品製造前に、デザイン検証のための金属光沢モデルを製作可能
量産前の設計品にめっきすることで、金属光沢をもつデザイン検証モデルやめっきの試作部品を作る
ことができます。
長野県章
IXIS 立体ロゴエンブレム
【三次元光造形エポキシ樹脂製品のめっき処理品例】
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センターによる支援内容
プラスチックなどの絶縁材料に金属めっきを行うためには、材料表面に下地めっき(無電解めっ
き)用の触媒活性化処理を施す必要があります。ここで一般的に使用される処理液は酸性度が高く
扱いにくい等の課題があります。センターでは、これまで中性で管理が容易な「触媒活性化処理用
のめっき前処理液」を独自開発してきました。今回、この処理液を難めっき材料であるエポキシ樹
脂へも適用できるよう改良するとともに、この処理液を用いた無電解めっき工法を構築しました。
これにより、一般的な装飾めっき方法である電気めっきでの処理が可能になりました。
試作例
三次元光造形エポキシ樹脂への装飾めっき工程
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今後の展開
本技術によるエポキシ樹脂試作品への装飾めっきは、上記のとおり4層構造のめっき膜から成り
立っています。現状では最表面にクロムめっきを行うことで金属光沢を施していますが、今後は金
や銀などの貴金属めっきを一番上の表面に行うことで、多様な表面仕上げ技術の確立を目指す予定
です。
* この件に関するお問い合わせは、下記までお願いします。
株式会社イクシス
代表取締役 榎本
〒399-4601
晃
長野県上伊那郡箕輪町中箕輪 2994-1
TEL:0265-70-8015
E-mail
FAX:0265-70-8016
[email protected]
長野県工業技術総合センター
精密・電子技術部門
化学部長 三沢 雅芳,研究員 永谷 聡
〒394-0084
長野県岡谷市長地片間町一丁目 3-1
TEL:0266-23-4000(代表)
E-mail
FAX:0266-23-9081
[email protected]