8 番 荒川詔夫

(8 番 荒川詔夫)
(8 番 荒川詔夫)
議席ナンバー8 番、荒川詔夫です。
通告に従いまして、質問をいたします。
まず 1 点目は、TPP 大筋合意と町農業への影響予測等について、お尋ねします。
TPP 問題は、昨年 12 月の定例会で渡邉議員から質問されておりますが、再度私から切り口を変えてお聞きしたい
と思います。
御承知のとおり、TPP は昨年 10 月に大筋合意の上、関係国が本年 2 月 4 日に署名され、今日に至っております。
今般も TPP 大筋合意については、参加国 12 か国の中で、日米の GDP 総額は全体の 8 割を占め、その本質は日米間
の自由貿易協定でもあり、農産品の自由化については、必要なコストと割り切った日本農業総バーゲンセールに近
い大筋合意とも言われております。
なお、内容につきましては、農林水産品の関税撤廃率は、日本以外の 11 か国の平均が 99 パーセントに対し、日
本は 82 パーセントと低いでありますけれども、TPP により日本の関税撤廃率が 20 ポイント近くアップしました。
これらについて、国会決議で一切自由化しない、または再協議とされた農産品の重要 5 品目については、日本は
約 30 パーセントで関税を撤廃して、除外は 26 パーセントにすぎない結果になり、重要品目の聖域確保を求めた国
会決議の検証が求められております。
このほか、物品市場アクセス関連の見直し条項では、協定が発効してから 7 年を経過した時点で、米国ほか、関
係国の要請があれば、要請国と協議をしなければならないという、譲歩条項に対する心配感もあります。
また、農業への影響を少なくして、経済効果を大きく見積もった影響試算の適否も指摘されております。
具体的には、2 年前には GDP の経済効果はですね、3.2 兆円が、昨年 12 月には 13 兆 600 億円。農林水産物の生産
減少額は、3 兆円が、1,300 億から 2,100 億円に減少されたことを指しています。
以上を踏まえて、日本農業の保護政策は、これまで国境措置と国内助成のセットの中で維持存続してきましたが、
しかし、ここまで国境措置が後退すると、日本農業が維持できるかどうか、危惧する声もあります。
以上、合意内容の一部の論点を申し上げましたが、町農業の現状を踏まえた、TPP 大筋合意による影響予測や問題
等について、まず総論的で結構ですが、町長の思いをお聞かせいただきたいと思います。
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
大変大きな問題で、飯綱町としての考え方、どの程度 TPP 問題に影響してくるのかということは甚だ難しい問題
だと思ってますけども、いずれにしても、県農協組合、また長野県の試算で、いわゆる対抗策を実施した場合とし
ない場合で、大幅な違いの数字が出てて、一連の TPP に対する対応策を講じた場合には、長野県の試算なんか見れ
ば、ほとんど影響なしというような結果も出てきております。
そんな中で飯綱町として、私、その今の TPP の今後の影響に、余りに大きな数字を掲げて、皆さんを不安にあお
るとか、その数字に踊らされるようなことってのは、私は当面必要なくて、しっかりやっぱし注視していけばいい
だろうというふうに思っております。
それ以上に TPP 問題もございますけど、それ以上にもう既に飯綱町としては、もう後継者問題から荒廃地対策、
農産物の価格安定、等々、農業に関わる問題は山ほど山積をしているわけであって、この問題をやはり一歩ずつ解
決していくことが、TPP が実施されても、足腰の強い農業になるんだろうと、そんなふうに思って、現状の問題をし
っかり捉えて対応策を立てていこうと、こんなふうに考えています。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
町長の思いですので、これが良いか悪いかってのは指摘も出来ませんので、じゃ次の方に入らさせていただきま
す。
岩手県のこれは町村会だそうですけども、山本賢一さんという町村会の副会長さんと、それからもう 1 人、小田
祐士さんという、肩書は理事さんだそうですけど、二人の町村長が農林水産省を訪れまして、TPP により米や畜産等
が岩手県内の農林水産業に与える影響が大きいとして、万全の対策を講じられるよう森山農林水産大臣に要請をさ
れたっていうことが某新聞に報道されておりました。
今、峯村町長は、特にあまりこの TPP の影響等、前面に出すということは農家の方に、一面、不安を与えるよう
1
な結果になりやしないかと。それより、今掲げられております当面の課題を、ひとつずつ解決することがその対策
であると、こういうふうにおっしゃられましたけれども、一応この TPP はまだこれから国会批准というひとつの関
所があるわけですけれども、これについて、やはり町長個人でもどのような方法でもいいんですけれども、なにか
対応されるかそこら辺の考えについて、お聞かせいただきますか。
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
多分、多分っていうことはないですけど、長野県町村会では TPP 問題に大変反対というか、懸念を示す見解をも
う既に出してございます。
長野県の市長会はどういう対応をされるか、若干つかんでございませんけども。
あと全国の町村会、やはりそういう私どものいわゆる組織もございます。その中で国会への陳情、全国大会での
TPP 問題への意思の表明、等々、いろんな機会があるというふうに思います。そんな中でしっかり現状の憂いをちゃ
んと表明していきたいと、このように思ってます。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい。それじゃチャンスを捉えて、ひとつ適切なる対応を求めます。
次に TPP が発効された場合は、町農業にどのような影響が生じるかということで、先ほど町長は総論的な中で、
いろいろコメントされたわけでございますけども、しかし中には不安を持たれている農家の方もいるということは、
事実として受け止めていただきたいと。
そこで、農畜産物の影響予測を算出の上で、やはり問題解決に向けた適切な対策を図るということも求められる
と思います。
よって、これから各論に入っていって質問させていただきますけれども、まず主要 3 品目の減少見込み額等につ
いて、町民の皆様方に額を含めながら情報提供していただきたいと。こういう観点から次の質問をいたします。
まず、米から順次行います。米の国の大筋合意の中身は、国全体で既存の WTO 枠 77 万トンのほかに、米国やオー
ストラリアから発効から 5 年間、5 万トンと 0.6 万トンを無関税で輸入いたしまして、その後、段階的に引き上げら
れまして 13 年目以降は、7 万トンと 0.84 万トンの計 7 万 8,400 トンが無関税で追加輸入がされると、こういう枠の
設定がなされました。
国は、輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れるために生産量や、あるいは農家所得に影響ない
ということで生産、減少額は 0 円としています。県も同様な見解であるようです。
しかし、鈴木宣弘東京大学院教授は、近年の米の在庫と価格の関係を見ますと、在庫量が 1 万トン増加すると米
の価格が 60 キロあたり 41 円程度下落する、そういう傾向にあるというデータから、1,000 億円程度の生産減につな
がるとしています。
次、国産りんごについて、合意内容は時間の関係もありますんで割愛をいたしますけれども、生産減少額は 3 億
から約 6 億円と算出しています。
しかし、鈴木教授は、生産額は 400 億から 500 億円程度減少すると試算されております。県は生産減少額は 6,800
万円と見込んでいます。
次、肉牛について、現在の関税率は 38.5 パーセント、合意内容は 16 年目に最終関税率を 9 パーセントとして関
税撤廃を回避としています。そのため、生産減少額は約 311 億から 625 億円を見込んでいます。
以上を踏まえまして、先ほど町長から答弁いただきましたけれども、町の米、りんご、肉牛の 3 品目について、
生産減少額はどのくらいになるか、それらの金額等についてと、それから、もし仮に減少があるとすれば、その情
報提供の方法を含めて、お伺いさせていただきますけれども、いかがでしょうか。
(議長 寺島渉)
桜井産業観光課長。
(産業観光課長 桜井俊次)
はい。それではお答え申し上げたいと思います。先ほど町長の方から、試算の関係、県の農協グループ、それと
長野県の試算では、影響額がだいぶ差が生じてるという答弁がございました。
私どもも情報としましては、県の農協グループの試算、それと長野県からは試算についての考え方、各品目の考
2
え方ということで、県の方からは通知をいただいております。
ただし、やはりこの差がだいぶ大きいことから、町としましてもどちらを使用といいますか、していいか、それ
とやはり、町の総生産額につきましては、JA さんに御協力いただきまして、総生産額をこれもあくまでも推計をす
るというような、今の現状でございます。
そのようなことから、推計は出来ないことはないんですけども、やはり、先ほど町長申し上げたとおり、数字を
出してしまいますと、それがひとり歩きをしていってしまいまして、やはり農家の皆さんに不安を与えるというよ
うなこともございますので、推計の方の数字につきましては、御容赦いただきたいと思っております。
また、情報提供につきましては、数字以外の情報提供、TPP に関する情報提供につきましては、県の方からも情報
が来ますれば、こちらも広報等で情報提供の方はしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、ちょっと反論をさせていただきますけれども、私はもし仮に、これはあくまでも減少見込み額ですから、
この数字が、結果が出て実際に経過しなければ、これもう良いか悪いかってのは、これはもう国の試算額だって、
これ分からないと。これはこうだと思います。
しかし、町としても、やはり一定の、もし仮に影響があるとすればどのくらいかと。それで先ほど町長が言われ
たように、そういうことがあるんで生産者の不安を払拭するために、じゃあ町としてはこんな施策を展開する、だ
から、決して不安を持たないようにと、こういう考え方もあると思うんですけども、そこら辺はいかがでしょうか。
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
それは持論としては成立して正しいお話しだと思いますけど、今現在の中において、TPP の影響がどうふうに出て
くるかも分からないものを見越して、いやぁ農業水路を直しますよ、だから安心してください、米の価格を補償し
ますよ、だから安心してくださいっていうのは、ちょっとね、今の時点では非常に、少なくとも私は議会に出して
も、議会でそれはなかなか分かったっと言ってくれないっていうような気がしていますけども、ただ、全く影響が
ないなんてことも、どの根拠をもって言えるんか、そんなことで、ほんとに先ほど注視なんていうふうに申させて
いただいたんですが、ある意味、影響が出てくるような方向がすっかり見えたら、私はそれなりに手を打っていけ
ばいいんじゃないかなってふうには思ってます。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、これをですね、考え方で手を打ってからっということもなると、これはまさに、やっぱり対策にはならな
いというふうに思いますんで、そこら辺含めてですね、これ以上やってもちょっと議論がかみ合いませんので、十
分な検討をしていただいて、ほんとに、ある程度、見込まれるかどうか、そこら辺含めて検討をされることを要望
さしていただきます。
次、3 番目ですけれども、国は TPP の大筋合意によって、今度は事前の策として農業の体質強化策等を図るほか、
予算措置も補正予算等の中で既に措置がなされております。
町は、国、県と同様に、事前対策、これに予算措置を講じられるかについてお尋ねをさしていただきます。
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
はい、それらの御質問は、いわゆる国では 3,122 億の 27 年度で補正予算を組みました。その中身はしっかりつか
んだつもりでございます。
一度議員の中にも GATT の話が出てきておりましたけども、ウルグアイラウンド対策で農水省の事業で、病院と学
校はできないけど、後はなんでもできるっていうような、大変な農業関係で補助があったのを御記憶だというふう
に思うんですけども、その二の舞は踏まないという、どうも国の考え方で、本当に農業をやりたい、中核的認定農
3
業者を中心にして支援をしていきたいという、こういう方針の中で動いているようでございます。
したがいまして、私どもの方も既に 2 件ほど、中核的認定農家の方から機械等の整備の要望が出ておりまして、
今回 3 月の末の補正予算で予算措置を議案として提出をする予定にしてございます。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それでね、例えばこの事前対策として県も既に具体的に対策を講じられておると。そこら辺に関連して、
町の事前対応策ってのはどうなんでしょう。検討されて、既に検討されてるかどうか、そこら辺の状況はどうなん
でしょう。
(議長 寺島渉)
桜井産業観光課長。
(産業観光課長 桜井俊次)
町の事前策対応ということで御質問でございますけれども、やはり先ほど町長申し上げましたとおり、国の方か
ら 3,100 億円の補正予算が組まれたということで、
私どもも国のそれぞれの施策を町として当てはめながら検討し、
対応ができる事業がありますれば、それで対応をしていきたいというふうなかたちで、先ほど町長申し上げたとお
り、補正予算、あるいはもうひとつは、飯綱町の地域農業再生協議会の方でも、そのようなかたちで事業を取り組
めないかということで、今検討してるところでございます。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃしっかり検討をしていただくことを要望させていただきます。
次に町農業の直近の現状と 10 年後後継者等世代交代が一気に進み、大きく変化される町農業を魅力ある産業に向
け、どのように今から想定されてるかを農業の基本指標事項とされております事項について、どのように数値目標
について、いわゆる検討されたか見解を含めて、これから順次お聞きします。
まずひとつは、基本指標事項とされております町農業の就業人口と、総就業人口の比率の現状と 10 年後の想定さ
れる、想定といいますか、計画を求められる目標数値について、算出根拠を含めてお聞かせいただきたいと思いま
す。
(議長 寺島渉)
桜井産業観光課長。
(産業観光課長 桜井俊次)
農業就業人口と就業人口比率ということでございますけども、御質問でございますけども、直近の現状というこ
とで、大きな質問の主旨でございますけども、私どもも数字っていいますか把握をする中では、農林業センサスの
数字を一番に考えているというような現状もございます。
直近ですと、平成 27 年に農林業センサスを実施してございますけども、その数字につきましては、大筋は出たん
ですけども、まだ飯綱町としての細かな数字が出て、報告がされてないような状況がございまして、やはり平成 27
年のこの公表されました農林業センサスに基づきまして、改めて 10 年後の推計等も考えていきたいと思っておりま
す。
また、加えて、29 年度から第 2 次飯綱町総合計画が作られることになってございます。その中でも各指標等がござ
います。あるいは目標値がございます。それらも合わせながら今後作ってまいりたいと思いますので、この場では
直近といいますと、平成 22 年の時の農林業センサスの人数等は、お答えできますけれども、10 年後につきましては、
大変申し訳ございませんけども、現在のところ数値というところは持ち合わせございませんので、よろしくお願い
したいと思います。
ちなみに平成 22 年の農林業センサスでは、農業就業人口 1,774 人ということで、比率につきましては 26.14 パー
セントというような数字が出てございます。以上です。
(議長 寺島渉)
4
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃこれからですね、例えば農業総算出額、うち米だとか、あるいは果樹の生産額のシェアだとか、
あるいは耕地面積、耕地利用率、それから農家戸数とですね、一戸あたりの耕作面積、これらについても順次お聞
きしたいと思いましたけれども、先ほど 27 年の農業センサス、大筋は出ておるけれども具体的な数字はまだ報告い
ただいていないと。あるいは目標額等についても 29 年度から始まる第 2 次基本計画の中に策定をしたいと、こうい
うことで現時点では 10 年後の目標数値等は、今まだ算出できないと、こういうことでございますんで、一応それで
は 29 年度、第 2 次基本計画、28 年度中に策定をされるわけですけども、28 年度中には、ここら辺の数字は明らか
になるでしょうか、どうでしょう。
(議長 寺島渉)
桜井産業観光課長。
(産業観光課長 桜井俊次)
総合計画の中で、どのような指標と目標値を持ってくかは、大変申し訳ございませんけども、これから決めてく
ところでございますので、今ほど御質問がございました、この 3 点等につきまして、今の段階では指標、あるいは
目標値として載せるかどうかっていうところは、今のところ不明でございますので、出来るだけ目標値等々、定め
てまいりたいとは思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それ今ね、質問はその数値目標等々いろいろ、28 年度中にある程度明確にされるか、そこら辺はどうでし
ょう。
(議長 寺島渉)
桜井産業観光課長。
(産業観光課長 桜井俊次)
すいません。第 2 次の飯綱町の総合計画、29 年度から始まりますので、28 年度中にはそういう指標、あるいは目
標値等、定めていきたいと思っております。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、これは非常にですね、今後の町の農業政策にとっては、大変重要な事項に関わるというふうに、私は承知
しております。
したがいまして、是非、十分検討のうえ、お願いをしたいということを要望させていただきます。
次、5 番目といたしまして、TPP 大筋合意を踏まえ、町農業の課題解消と儲かる農業の確立への主たる施策と実施
時期について、これからちょっとお伺いしたいと思います。
町の人口減少に合わせて、5 年後における当町の農業基幹的従事者の高齢化率が 83 パーセントに達すると見込ま
れております。このため後継者や新規就農者等の担い手確保については、十分検討のうえ、取り組まなければなら
ない課題のひとつであると思います。
また、2013 年の農水省の経営規模別農業所得調査結果によりますと、兼業農家では水田耕作の場合は 0.5 ヘクタ
ール未満にかかる農家の農業所得はマイナス 9 万 3,000 円。0.5 ヘクタールから 1 ヘクタールでは農業所得は 7,000
円という結果が出ています。
したがって、これらの農家の農業所得は、赤字かほとんど儲けがない状態で米を作り続けているのが現状かと思
います。
これらの結果、一例として、農業機械の故障等ほか、様々な要因によりリタイアする農家が既に発生しつつあり
ます。
今後、農家戸数や農業就業人口は更なる減少が想定されます。このことにより、農地を誰に託するのか、農地の
5
経営規模拡大と集約化にかかる対策等、諸課題も山積しております。
そこで、町の基幹産業として、夢と希望の持てる農業再構築に向け、ICT を活用しての農業への挑戦等が今年度か
ら着手されることになっております。これらの取り組みは大いに評価し、定着を期待するところです。是非これら
を足掛かりにして、飯綱町で農業をやってみたいと、そういう環境づくり形成をしていただきたいと思います。
あわせて、農畜産物のブランド化及びピーアール作戦等に努められることが、行政等に課せられた喫緊の課題と
思います。よって、TPP 合意内容を踏まえ、町農業の課題解消と儲かる農業確立への主たる具体策と実施時期等につ
いての見解を伺います。
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
はい、もう再三お答えを申し上げてきておりますけども、TPP 問題も大きな問題として、それは捉えてはおります
けども、議員おっしゃる、その今の幾つか掲げられた農業に関する問題は今に始まったことではないんです。その
克服のために今まで農業生産の法人化、または地域に受け入れになるような農業集団の育成、強化、組織、6 次産業
化の推進、そして若い人たちに魅力を持ってもらうような ICT を使った、新しい最先端農業への取り組み、等々を
総合的に取り組む中で、飯綱町の農業をなんとかして維持をしていきたいと、こうふうに考えてございます。
そして、度々申し上げてるんですが、この専業農家をどんどん伸ばしていくという、ひとつの農業も大事だとい
うふうに捉えておりますが、飯綱町の場合、先ほど 0.5 ヘクタール以下の農家にとっては、非常に経営上、赤字体
質の経営になると。しかしながらですね、農業を維持していく、このいわゆる違った面での人間性の向上といいま
すか、親子で農地を耕すことにより、またそういう農村風景を維持することにより、どのぐらい違った価値観の幸
せを感じていただくか、そういう点についても大きな価値観を持ちたい。
したがって、兼業農家のある意味では勧めというものも、かたやしっかり進めていく中で、この飯綱町の農業を
守っていきたいと、かように思っております。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、町長の今の考えは、何回も私もこういう場で質問させていただく中で、今のような見解を述べられており
ますけども、なかなか現状はそうもいってないと。
例えば、人農地プランでも、人農地プランでもこれは確かに集落座談会の中で、例えば普光寺地区の水田を誰を
担い手として、誰に託したらいいかと、確かにそういう話の場を持たれましたけれども、しかし現状は、やはり理
解等もいっていなくて、今の現状ってのは、そんなふうな方向には決して進んでないと。だから私は何回も、この
しつっこくお聞きしておるんですけど、もう少し具体策っていいますか、計画を持って、やはり推進していただく
と、こういうスタンスが必要じゃないかと。いろいろ先ほどの議論聞きますと、やはりこれは、ひとつは人材確保、
そういうこともプランを作りながら実行するには、そういうことも必要なんで、是非ひとつ現下の情勢を踏まえて、
もう一度、再構築、検討していただきたいと、こんなことを要望させていただきまして次に入ります。
次、大きい 2 番目として、上水道水源地のかん養等の取り組みについて質問をいたします。
上水道の水源地は森が豊かなほど安全でおいしい地下水が生み出されるといわれております。このため 50 年先、
100 年先を見据えて、水を綺麗にし、保水力も高い豊かな土壌を育てていくためには、様々な木や植物や生き物が混
じり合う、多様性に富んだ森を育む必要があります。
サントリーホールディングスでは、2003 年から既に天然水の森づくりのために、水源地の荒廃した森林で間伐や
枝打ち、植林など、学識経験者、林業家、地元の住民、自治体等が協力いたしまして、水源地の整備を行っている
そうです。
これらの取り組みにより、水源地の水資源のかん養はもちろんのこと、土砂災害、松枯れ、ナラ枯れ等、防止や
景観を含めた、多面的機能の観点から不可欠と考えます。
また、水源流域の森林が海外資本の標的等に遭遇されていることから、平成 24 年度には森林法が改正され、面積
に関わらず、森林の売買は市町村へ届出が義務付けられてきました。
当町でも、町環境基本条例や町自然環境保全条例施行規則が制定されております。しかし、森林の大層は、所有
者の高齢化、木材価格の下落、境界不明等により、手入れができず、放置されているのが現状かと思います。
そこで、人材育成同様に 100 年先を見据え、上質な水を育てるため、水源かん養等の視点に立ち、以下 5 点につ
いて、順次伺います。
まず 1 点目、水源かん養等の観点から、森づくりの必要性について、お考えをお聞かせください。
6
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
はい、いわゆる水源かん養林としての森づくりというのは、これは議員おっしゃるとおり、極めて必要なことだ
と、こうふうに思っておりますけども、具体的には、旧牟礼地区の水源かん養林と呼ばれるところは、ほとんどが
国有地でございます。
したがって、一部、進入道路等々の民有地もございますが、大きな水を供給している霊仙寺山、飯縄山、またそ
の山麓は、国、県、町有地でございますので、そういう意味では、現状、山としての維持はされてるなとふうに思
っています。
三水地区については、鳥居川という河川からの引水と、あと深井戸でございますが、やはりその辺について、も
し新たに水源を求めるような地域をあるとすれば、やはりその地域の山を維持していく、こういうことは非常に大
事だというふうに思っておりますけども、現状、土橋とか等々については、今、そこが将来的にも水源として、ふ
さわしい所かどうかは、今調査をしてるところでございますが、基本的な考え方として、山を守ってくことは大賛
成でございます。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、分かりました。それでは 2 点目ですね、当町における水源かん養に向けた取り組みについて、町環境基本
条例等が制定されておりますけれども、規制を含めた水源地かん養の現状はどうか。
また、水源かん養に向けた課題及びその方策についてお尋ねします。
(議長 寺島渉)
森建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
はい、議員の御指摘の水源流域の森林が海外資本の標的となった場合のことと思いますが、確かに町の自然環境
保全条例では対応しきれない部分があります。
そこで長野県では、目的不明な土地取得による地下水への影響、かん養機能の低下により地下水の減少などを契
機に、長野県豊かな水資源の保全に関する条例が平成 25 年に制定されました。
指定には、市町村長の申し出が必要なってくるわけですが、もしものときには、水源、水資源保全区域の指定を
受け、対応していきたいと思っております。
また、課題につきましては、先ほど町長さんがおっしゃられたとおり、牟礼の第一水源につきましては、確かに
取付けっていいますか、管理道路が民地の中を通させていただいて、取水口の管理をしている状況であります。
また、民有地の中に給水管も敷設されているっていうことが、現状として、課題としてひとつあります。
それから、深井戸につきましては、水位一定の水準を保っていますが、過剰な取水は井戸水の枯れを起こす原因
となりますので、町水計画に乗った量を超える取水はしないように心掛けております。以上です。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、三水地勢の水源地の現状と課題等について、お聞きさせていただきます。
(議長 寺島渉)
建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
はい、三水地籍の現状と課題ですが、現在、鳥居川の水を 1,200 立米、日 1,200 立米、供給量としていただいて
おります。これは、全体の 6 割から 7 割が鳥居川の表流水というかたちでございます。
あと、今の深井戸についての課題ですが、井戸の掘ってある所は町有地ということでなっておりますが、その周
7
りに関しましては民有地ですので、確たる保全かといわれると、ちょっと今んとこ森林に手は付いてございません
が、そういう状況の中にあります。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それでは特に、そういうその国有林ということになってると、若干制約はありますけども、周辺が民有林
ということであれば、先ほど冒頭申しましたように、水源地のかん養等の中でいろいろまた検討していただきなが
ら、要は将来にわたって上質な水が確保できるような、そんな対策を今から講じておく必要があるということを検
討していただきたいと思います。
次に、当町はクリーンな環境維持や天然資源の有効利用等の促進のため、自然エネルギーの有効活用に向けて既
に取り組まれております。
町基本条例の中には、資源エネルギーの合理的、かつ、好環境的な利用を求めております。
そういう中で雨水について、お聞きしたいんですけれども、雨水は全体量のうち、蒸発散が約 36 パーセントぐら
いで、残りの大半がそのまま川に流れ、使用できる量は僅かでありますけれども、農業用水等に活用されておりま
す。水資源の有効活用の観点等を踏まえながら、異常気象の昨今、雨水事業を多方面から捉えて、現状と活用にあ
たっての課題及び方策についてお聞きします。
(議長 寺島渉)
それでは住民環境課長。
(住民環境課長 原章胤)
はい、雨水の現状と課題及び方策、対応策でございます。まず、現状でございますが、雨水の量は、なんといっ
ても特に霊仙寺湖、霊仙寺湖を筆頭に、例えば黒川地区、平出地区、東柏原地区にあります農業用のため池そのも
のが雨水の量というふうに捉えております。
また、公共施設におきましては飯綱中学校でございますけれども、特別教室棟の屋根を利用いたしまして、雨水
貯留タンク、これを設置しまして、花壇等に利用しているという事例もございます。
また、一般家庭におきましては、やはり家庭菜園、庭木等に散水というかたちで貯留タンクを設置している家庭
があるというふうにお聞きしております。
また、雨水利用の課題でございますけれども、まず基本的には、まず何をこう雨水利用で目指していくのか、ま
たその達成度をどこに置くかっていうのを、まずね、行政としては捉えていかなきゃいけないんだろうと、まずそ
れが一番だろうと思ってます。
ただ、担当課としては、先ほど議員さんもおっしゃられました、自然エネルギー、または資源の有効活用、異常
時の気象の等々ということを踏まえますと、この雨水利用、他のやはり自治体でも、いろいろと活用してる事例が
ございます。そういうのを踏まえますと、やはり飯綱町においても、各家庭でやはり雨水貯留槽ですか、全家庭に
設置していただくと、飯綱町がひとつの小さなダムみたいな役割が果たすと思うんです。ただそれには、全部の家
庭が設置しなければいけないという、やはりそういう課題が残ります。
また当然、そこには財政的な課題、また維持管理という問題が出てきます。
また、この仮に全家庭がこの雨水貯留タンクを利用したというふうになりますると、当然、節水にはなるかと思
います。集中豪雨等には、一定の効果があって、節水にはなると思いますが、ただ今度は、水道会計の方でいくと、
ちょっといかがな問題があるのかなというのが、ひとつ影響があるかなと思います。
また、この先ほど議員おっしゃられました対応でございますが、やはり先進事例等、他の自治体ございますので、
まずはその先進事例で、どういう効果が生んでるんかというのを、まず勉強させていただいて、そこから検討して
まいりたいと思っております。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃよろしく、今後ですね、検討していただきたいと思います。
次に時間の関係もございますんで、本年度、行われました三水地区の土橋水源地の水量調査結果について、どう
であったか、まず伺いをさせていただきたいと思います。
8
(議長 寺島渉)
森建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
はい、昨年の 7 月 27 日から 30 日に掛けまして、水中カメラによるカメラの調査を行いました。その結果、スク
リーン、網目の部分にですね、大量のスケールといいまして、硬化したゴミが付着しておりました。
また、浮遊物も多くありましたので、10 月 19 日から 23 日に掛けまして、井戸の洗浄を行いました。
その結果、濁度 3.2 から 1.0 に、アルミニウムの含有量が 0.22 ミリグラムパーリットルから 0.06 ミリグラムパ
ーリットルに改善がみられたと思います。
ただ、水質改善の効果はあったと思われるんですが、一定期間の調査が必要でありますので、もうしばらく、試
験等してみたいと思っております。
それから、浄水量の試験はですね、平成 28 年度行う予定でおりますので、水量につきましては、見た目では確保
はできているような気がするんですが、詳しい数字は来年度やる予定でおりますので、よろしくお願いいたします。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃ水量の結果は、28 年度にですね、実施されるということでございますんで、次にちょっとお聞き
したいと思いますけれども、同様に三水地区には他の水源地も用意しております。それで今後、そこら辺の水源地
の調査の実施について、どのような考え方でおられるかお聞かせいただきますか。
(議長 寺島渉)
森建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
はい、今年、土橋の水源をやりましたので、この他にまだ三水には清水窪の水源、舟岳の水源、坂下の水源と深
井戸を持っておりますので、計画的に調査をしていければと思っております。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃよろしくお願いします。
はい、それでは次に上水道水源の一元化について、健全財政の観点を含めて、私は度々、質問しておるわけでご
ざいます。
その結果、概略は町長から水源一元化の課題として、例えば災害等有事の際は水源一元化は、危険負担があると、
こういうことで、そこら辺の危惧感、それから今まさに町は人口減少の歯止め対策と、企業誘致等、これを一所懸
命取り組んでおるんで、牟礼地区の水源で賄うっていうことは、若干現在の情勢においては厳しいと。
それで、じゃ今後の対応策として、じゃどんなふうなことを考えていられるかということについては、まず 1 点
目として、平成 29 年度から始まる第 2 次基本計画で、前期同様に記載をしていきたいと。
それからもうひとつは、三水地区への水の供給に当たっては、行政として創意工夫と汗をかくと同時に、上質な
水の供給を行うことが責務であるという答弁をいただきました。
以上踏まえますと、上質な水の供給をなんとか増したいと、こういう町長の熱き思いは理解しております。
なお今、今後ですね、一層取り組みについて、御期待申し上げるわけでございます。
それで、三水の施設等の老朽化による今後想定される改修見込み金額等、もし試算されておれば、経費の推定額
をお聞かせいただきますか。
(議長 寺島渉)
森建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
はい、現在の処理場の老朽化の見込みなんですけれども、来年度、アセットマネジメントという事業を業者委託
いたしまして、総合的な管理の仕方、それから施設の修繕の費用等を業者委託でお願いする予定をおりますので、
9
今現在ちょっと試算はしてありませんので、申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それから次にですね、現行の二元管理の水源管理と一元化した場合による維持費等に要するランニングコ
スト、この比較額等は検討されているでしょうか。どうでしょうか。
(議長 寺島渉)
森建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
その件につきましても、来年度のアセットマネジメントで一緒にやってく予定でおりますので、申し訳ございま
せんがよろしくお願いいたします。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃ分かりました。
次、水源地別の浄水場の現水量と配給水量の 10 年先の見込みはどうか、ここら辺の観点からお聞きしたいんです
けども、いかがでしょうか。
(議長 寺島渉)
森建設水道課長。
(建設水道課長 森佳也)
はい、お答えいたします。まず、現在、牟礼地区の水源の供給量は 2,828 立米です、1 日。それに対しまして、給
水量が 2,370 立米。
三水につきましては、1,565 立米の供給量に対しまして、1,304 立米が給水量となっております。
10 年後の平成 37 年の給水見込みですが、
飯綱町の人口ビジョンを基に算出してみましたところ、1 日の給水量は、
牟礼は 1,980 立米。それから三水の場合は 1,120 立米の試算となっております。
(議長 寺島渉)
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、じゃ今非常に 10 年先の見込み等の推定としてですね、算出いただきまして、ここら辺を基に、ひとつこれ
からの管理のあり方について、十分な検討をしていただきたいと。
時間の関係で最後に水道会計の健全財政面や上質な水の供給等を踏まえて、合理的、望ましい水源管理のあり方
を具体的にお聞かせいただきますか。町長にちょっとお聞きしたいんですけど。
(議長 寺島渉)
峯村町長。
(町長 峯村勝盛)
合理的な水源管理の方法ということですので、水源はいずれにしても、一元化はちょっと難しいということです
ので、水源は三水地区に、やはり上質の水源をなんとか確保したいっていうのが、非常に今、大きな目標として取
り組んでおりますけども、全体として、おいしい水を、安全なおいしい水を供給をするというのは、私は行政の責
任だというふうに思っておりますので、なんとか水源を確保して整備をしていきたいと、事業を進めていきたいと
思ってます。
(議長 寺島渉)
10
荒川議員。
(8 番 荒川詔夫)
はい、それじゃ時間も、もう 1、2 分になりました。
それで、私もですね、今現在の牟礼地区の例えば伏流水のですね、浄水場の水源と表流水、6 割から 7 割っていう
に言われましたね、先ほど。そこの現在の水質検査の状況を調べてみましたら、全て基準内に達しておると、こう
いうことでそこはなんら問題ないと。
ただやはり、この成分を比較検討すると、三水地区の表流水を使った水道水ってのは、基準内には達しておるん
ですけども、比較対照した場合は牟礼地区の方が低い数値と。
例えばトリハロメタン、これは非常に問題な成分なんですけども、やはり最大値で、やっぱりこう見ると三水の
浄水場は 0.022 ミリグラム、リッター当たりですね。飯綱浄水場は 0.008 ミリリットルと。その差は 0.014 と、こ
ういうことでなっておりますんで、ひとつ今、町長が是非三水地区にも上質な水をなんとかしても供給したいと、
こういうことですので、ここら辺を含めて出来るだけ早く対策を講じていただくことを御期待申し上げまして、時
間になりましたもんで私からの一般質問を終わります。
(議長 寺島渉)
はい。荒川詔夫議員、ご苦労様でした。
以上を持ちまして、本日の日程を全部終了しました。
11