(まちづくり委員会資料) 平成28年5月 都 市 計 画 局 定期報告制度の対象拡大による既存建築物の安全確保について 本市では,既存建築物の所有者が定期的に点検を行い,その結果を報告する「定期 報告制度」を既存建築物対策の柱に位置付け,安全確保の対策を実施してきました。 定期報告の対象建築物については,近年発生している建築物の火災事故等を受け, 建築基準法(以下「法」という。)が改正され,これまでより小規模な建築物が定期 報告の対象建築物に加わるとともに,新たに防火設備等が対象になり,本市における 報告対象数は,建築物で約5,200棟,全体では約24,000件に増加します。 今後,新たに指定される建築物を含め,既存建築物の安全確保を図ってまいります ので,その内容について御報告いたします。 1 法改正の概要について 定期報告の対象については,これまで法の規定に基づき,本市が独自に対象を定 め実施してきましたが,今回の法改正により,避難上の安全確保が特に重要である 建築物については,全国一律の基準が定められました。これに伴い,これまでより 小規模な建築物や一定規模以上の建築物に設置される防火設備,小荷物専用昇降機 が,新たに定期報告の対象となります。 なお,本市では,国の指定対象以外で,これまで本市が任意で指定していた建築 物についても,引き続き,定期報告の対象とします。 2 拡大後の定期報告対象について ⑴ 建築物 ⑵ 建築設備(換気設備,排煙設備,非常用照明) ⑶ 防火設備(随時閉鎖式の防火戸等) ⑷ 昇降機 (エレベーター,エスカレーター) ⑸ 工作物 ※ 約3,800件→約5,200件 約1,800件(変更なし) 約2,500件(新規) 約14,000件(変更なし) (小荷物専用昇降機) 約500件(新規) (観光用エレベーター等) 現在のところ本市での対象なし (遊戯施設) 3件(変更なし) 下線の件数は推計値です。 別紙1「定期報告に関する建築基準法改正のイメージ」参照 別紙2「定期報告の対象一覧表」参照 1 3 報告周期と経過措置について 本市では,これまで建築物の定期報告を3年ごととして,用途別に報告年を定め ており,新たに対象となる建築物についても,これまでの周期に合わせて報告時期 を指定します。また,防火設備及び小荷物専用昇降機については,従来の建築設備 と同様に,報告周期を1年とします。 なお,点検を行っていただく所有者・管理者の皆様の準備期間を確保するため, 以下のとおり,初回の報告期日について猶予を設けます。 ⑴ 平成28年が建築物の初回報告年となる建築物 平成29年12月25日まで ⑵ 防火設備※ 平成30年12月25日まで ⑶ 小荷物専用昇降機※ 検査済証の交付月に応じ,最大で平成31年5月31日まで ※平成29年5月31日までに検査済証の交付を受けたもの等に限ります。 4 5 拡大後の取組について 現在は,報告率の向上を目指して,制度周知と未報告者に対する立入調査を適宜 実施するとともに,報告書の提出を受ける際に指導を行うことで,安全確保に向け た取組を行っています。(別紙3「定期報告の手続きの流れ」参照) 法改正後の対象建築物の拡大により,本市がより多くの既存建築物の状況を把握 できるようになることから,この情報を有効に活用し,建築物の耐震化や吹付アス ベスト対策,外壁落下防止など,建築物を利用される皆様の安心安全を確保する取 組を進めてまいります。 また,拡大後も制度周知に努め,報告率の維持向上を図るとともに,より一層の 制度の定着を進めてまいります。 なお,制度周知においては,説明会の開催や個別の相談対応を通じて,制度の意 義や建築物の安全確保の重要性を丁寧に説明し,所有者・管理者の皆様に理解を深 めていただけるよう努めてまいります。 今後のスケジュールについて 6月 1日 改正法及び改正京都市建築基準法施行細則の施行 6月 中旬 本年度報告対象建築物及び新規対象建築物の所有者等に 通知を発送 6月30日 説明会(所有者向け)の開催 7月 7日 説明会(調査者向け)の開催 2
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