平成 28 年 3 月期決算及び平成 27 年度の主な

参考資料
平 成
28 年 6月 2日
株式会社日本政策金融公 庫
平成 28 年 3 月期決算及び平成 27 年度の主な取組み事項
Ⅰ 平成 28 年 3 月期決算の概要
当期決算における純利益は、前期比 1,853 億円増加し、505 億円となりました。
増加の主な要因は、信用保険等業務勘定において、当期純利益が前期比 2,880 億円増
加し、111 億円となったことによるものです。
Ⅱ 平成 27 年度の主な取組み事項等
1 セーフティネット機能の発揮
(1) 東日本大震災からの復興支援
平成 27 年度の震災関連の融資実績は、1 万 2,333 件(前年度比 96%)、1,835 億円(同
97%)、累計実績(平成 23 年 3 月 11 日~28 年 3 月末)は 26 万 881 件、4 兆 2,057 億円
となりました。
(2) 平成 28 年熊本地震への取組状況
4 月 14 日の発災以降、融資相談や返済相談に迅速かつきめ細かく対応するため、「平
成 28 年熊本地震による災害に関する特別相談窓口」等を設置し、相談対応を開始すると
ともに、中小企業等向けに「平成 28 年熊本地震特別貸付」、農林漁業者等向けに「金利
負担軽減等の特例措置」等の取り扱いを開始。5 月末までの相談状況は、融資に関する
相談 2,646 件、返済に関する相談 1,208 件の計 3,854 件となっています。
2 成長戦略分野等への支援
(1)創業や新事業への支援
①創業支援
平成 27 年度の創業融資実績は、2 万 6,465 先(前年度比 102%)、1,926 億円(同
87%)と、先数ベースでは、過去 10 年で最高の実績となりました。特に女性、若
者への融資が増加しました。
②新事業支援
平成 27 年度の新事業育成資金の融資実績は 1,061 先(前年度比 117%)、480 億
円(同 100%)となり、先数・金額ともに平成 12 年の制度創設以来、過去最高とな
りました。
(2)事業再生等への支援
平成 27 年度の企業再生貸付の融資実績は、金融円滑化法の期限到来後、再生支援
に関するニーズが高まっていることなどを背景に高止まりしており、1,492 先(前年
度比 112%)、1,021 億円(同 91%)となりました。
(3)ソーシャルビジネス(NPO法人等)への支援
ソーシャルビジネスに対する平成 27 年度の融資実績は、7,746 件(前年度比 128%)、
607 億円(同 117%)となり、過去最高となりました。このうち、NPO 法人向け融資実
績は、初めて件数が 1,000 件を超えました。
(4)海外展開支援
平成 27 年度の海外展開・事業再編資金の融資実績は、1,541 先(前年度比 138%)、
265 億円(同 111%)と、先数において過去最高となりました。背景としては、積極
的に輸出入取引に取り組む中小企業及び小規模事業者が増加していることや、昨年度
から取扱いを開始した外貨(米ドル)貸付の資金ニーズが高い(81 先、3,790 万米ド
ル(45 億円相当))ことなどが挙げられます。
平成 27 年度のスタンドバイ・クレジット制度の利用実績は、92 先で、平成 24 年
度の制度開始以来の累計実績(~28 年 3 月末迄)は 214 先となっています。
(5)農林水産業の新たな展開への支援
平成 27 年度の農業経営基盤強化資金(略称:スーパーL資金)の融資実績は、6,197
先(前年度比 103%)、2,092 億円(同 111%)と先数・金額ともに増加しました。
平成 27 年度の新規就農者や異業種からの農業参入企業などへの融資実績は、1,784
先、441 億円となりました。このうち、平成 26 年度から取扱いを開始した「青年等就
農資金」の融資実績は、制度の定着により、1,182 先(前年度比 416%)、88 億円(同
326%)と大幅に増加しました。
平成 27 年度の6次産業化関連の融資実績は、1,252 先(前年度比 107%)、1,047 億
円(同 123%)と先数・金額ともに増加しました。
3 総合力発揮への取組み
日本公庫は平成 23 年度から、支店毎に「総合力発揮推進計画」を策定し、複数事業
が連携して地域プロジェクトに参画しています。平成 27 年度末現在、全国で総計 339
の地域プロジェクトに参画し、地域やお客様のニーズを踏まえた融資支援などに取り
組んでいます。
国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の下、都道府県や市町村が作成した「地
方版総合戦略」の実施・推進にあたっては、地域プロジェクトへの参画のほか、日本
公庫の全国ネットワークを活かしたUIJターンセミナーの支援などの取組みにより、
様々な協力を積極的に行っています。
4 民間金融機関との連携状況
日本公庫は、これまで多くの民間金融機関との業務連携を進めており、平成 28 年 3
月末時点で、492 機関と業務連携・協力にかかる覚書を締結しています。
特に、平成 26 年度からは、創業や事業再生、農林漁業など民間金融機関から連携
をより求められる分野において、連携の実効性を高めるため民間金融機関と連携・協
調して融資するスキーム作りに重点的に取り組んでいます。
こうした取り組みの結果、協調融資スキームを構築した民間金融機関数は、平成 27
年度に 129 機関増加し、28 年 3 月末時点で、452 機関にのぼります。
平成 27 年度の民間金融機関との協調融資実績は、平成 26 年度を大きく上回り、
1 万 5,130 件(前年度比 141%)、6,071 億円(同 113%)となりました。