3 吊り戸棚類の取付けは天井及び壁が仕上がった後に行なわれるが

(禁止事項-1)吊り物の軽鉄下地への直接取付禁止
吊り戸棚類の取付けは天井及び壁が仕上がった後に行なわれるが、予め補強材を設け
たり取付けに必要となるボルトを入れておくなどの下地段階の前作業が重要である。
それらを入れ忘れて(又は、安易な発想で)後から壁や天井等の軽鉄下地にビス固定し
たりすると、後に落下事故に至る原因となるので厳禁とする。
吊り戸棚は自重もさることながら、
「何を収納するのか」を把握しておく必要があり、
前もって積載重量を含めた全重量が支えられる支持元への固定方法を決定し、仕上げ
工事の前に処置しておかなくてはならない。
以下に壁面固定と天井吊り固定の施工例を示す。
尚、吊り戸棚類の堅牢な施工方法の具体例や、小型・軽量の吊り戸棚の簡易版施工方
法の事例を再発防止シートに掲載したので、施工計画の際に参照のこと。
T-net(トップ画面)→品質安全情報→「品質」のページ→再発防止シート
→吊り戸棚等の天吊り、壁付け什器の固定方法(構造)について
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〔吊り造作物、天井直付け造作物の取り付け〕
吊り戸棚に限らず、重量のあるサイン・モニュメント類の吊り物や天井面への取り付け施
工では、上記に順ずることは無論であり、懸垂物の重量によっては構造計算に基づく下
地を構築する必要がある。
同じ重さでも形状によっては地震力や風圧力を受け易いものがあったり、又、突起や鋭
利な部分があれば危険度が増したりするので、あらゆる与条件を加味した検証を行い、
安全性の高い取り付け方法を採用してもらいたい。
尚、メカニカルアンカー・ボードアンカー等のカタログデータには引張り強度:○○Kgf
(○○N)等の表記があるものがあるが、それらは実験室において精密に取り付けられ、
調査した静止荷重の最大値を示すもので、現実的には曲げ・せん断・引っ張り応力が同時
に発生するケースがあることや、実際に現場施工する際の悪条件下での施工精度には相
当なばらつき(非均一性)があることは加味されておらず、構造用鋼材等の強度を示す長
期(短期)許容耐力とは似て非なる数値であることを認識して、何倍・何十倍の安全率を見
込まなければならない。
同様に、引張り強度の数値すら無い、天井ボード材に直接ビス止めする施工は厳禁とす
る。
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