第1号 平成28年6月1日 発行 仙北地域振興局農林部 農業振興普及課 Tel:0187-63-6110 排水対策と土づくりで収量向上! ~生育初期の管理を徹底し安定収量を目指しましょう!~ 1.ほ場の選定 ・連作ほ場(特に3年以上)への作付は避けましょう。 ・水稲と大豆を交互に作付する場合は、営農水系単位ごとに行うブロックローテーション の導入が理想的です。団地化は作業効率と排水対策等の効果を高めます。 2.排水対策 ・排水の良いほ場を選びましょう。 ・地表面排水対策として、幅20~30cm、深さ15~25cm程度の明渠を設置しましょう。 なお、明渠は必ずほ場外の排水路につなげることが重要です。 ・地表排水等の対策を行っても地下水位が高かったり、土壌の透水性が悪くほ場が過湿であ る場合は、地下排水対策として、本暗渠及び補助暗渠による地下排水対策を行いましょう。 ・明渠と弾丸暗渠の組み合わせで、転作田での排水効果の向上が見込めます。これにより、 大豆の生育安定化につながり、適期作業が可能となり収量増加が期待できます。 表 土壌改良資材の目安 3.土づくり 名称 使用量 炭カル 100kg/10a 苦土炭カル 100kg/10a ようりん 60kg/10a ・ほ場の目標pHは6.0前後です。pHが低い場合 は右上表を目安に土づくり肥料を投入します。 ・水田転換畑における大豆栽培では窒素施肥について留意 します。転換初年目~2年目畑では、多くてもN1kg/10a とします。3年目以降は、普通畑と同様標準施肥量としま す(右下表)。 4.播種時期に合わせた適正な播種量 ・播種期が遅くなると生育が小型化し ます。播種期に応じて畦間、株間を狭 めるなどして播種量を増やし、生育量 を確保しましょう。 ・播種の深さは通常3cmですが、土 壌が乾燥し降雨が期待できない場合 はやや深めの4~5cm程度とします。 ・鎮圧が不十分だと乾燥しやすく発 芽が遅れることがあります。 表 10aあたりの基肥の目安(kg) N P K 水田転換1~2年目 1 8 8 水田転換3年目以降 2 8 8 表 リュウホウの播種期別最適播種量と畦間・株間の目安 播種時期 播種量 (㎏/10a) 畦間 (㎝) 株間 (㎝) 5月下旬 ~6月上旬 4.0~5.0 75 70 16~20 17~21 6月中旬 5.0~7.0 6月下旬 ~7月上旬 7.5~10 75 70 65 75 70 65 12~15 13~16 14~17 10 10~12 10~12 5.病害虫対策 【茎疫病】 生育の全期間にわたり発生します。発芽前に侵されると胚軸が腐敗して不発芽になります。 湿潤条件では病斑が急速に拡大し、停滞水又は冠水を受けたほ場で急性萎凋症状を呈する場合 があるため、暗渠や明渠を堀り、排水対策を徹底してください。さらに、クルーザーMAXXに よる種子消毒と組み合わせることで安定した効果が期待できます。 【ネキリムシ類(タマナヤガ)】 越冬地から飛来してきた成虫をもとにして年2~3回発生します。 発生予察情報によると発生量はやや少ないと予想されています。成虫 は広葉雑草に産卵するので、播種前にほ場内やほ場周辺の雑草処理を 確実に行ってください。また、例年被害が見られるほ場では、クルー ザーMAXXを種子に塗抹処理して播種してください。 5.除草対策 ・大豆の標準的除草体系は、 播種後5日以内に土壌処理剤 による除草剤散布と中耕・培 土です(右表)。ほ場前歴や 優占雑草など草種にあった除 草剤を選択しましょう。 ・ほ場が乾燥している場合は、 粒剤よりも水和剤を選択し、 使用基準範囲内で水量を多め にして散布します。 ・土壌処理剤は発生後の雑草に 効果がないため、散布時期が 播種から5日以上遅れた場合 は、効果の低下と薬害発生が 懸念されます。中耕・培土や 茎葉処理剤による雑草防除を 選択しましょう。 表 大豆の標準除草体系 優先して発生する雑草 薬剤名 クリアターン細粒剤F エコトップ乳剤 サターンバアロ粒剤 サターンバアロ乳剤 ラクサー乳剤 ラッソー乳剤 トレファノサイド粒剤2.5 トレファノサイド乳剤 ロロックス粒剤 ロロックス フルミオWDG 使用量(10a) イネ科雑草 広葉雑草 薬量 水量(㍑) ● ● 4~5㎏ - ● ● 500~600ml 100 ● ● 5~6㎏ - ● ● 600~800ml 70~100 ● ● 500~600ml 100 ● ● 400ml 100 ● 4~5㎏ - ● 200~300ml 100 ● 5~6㎏ - ● 150g 70~150 ● 5~7kg 100 1回目 培土 大豆2~4葉期(播種後25~35日) 2回目 培土 大豆6~7葉期(播種後45~50日) 6.帰化アサガオ類に気をつけましょう! 帰化アサガオ類は大豆畑に進入すると防除が難しく、 甚大な被害をもたらします。ほ場やほ場周辺をよく観 察し、帰化アサガオ類を見つけたら花が咲く前に除草 します。地域全体で種子を作らせないよう、侵入初期 の防除が重要です。 ※ほ場やほ場周辺で見つけたら、写真を 撮って農業振興普及課までご連絡ください!! (℡:0187-63-6110 作物担当) マルバアメリカアサガオ マルバルコウ
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