シーズ名 特発性心室細動などの難治性致死性不整脈における心電図学

シーズ名
特発性心室細動などの難治性致死性不整脈における心電図学的差
異の解明とそれに基づく突然死のリスク評価法の確立
氏名・所属・役職
高木 雅彦・医学研究科 循環器内科学・講師
<概要>
◇ 研究目標:最新の長時間記録心電図や高感度心電図を用いた特発性心室細動などの難治性致死性
不整脈の心電図学的差異の解明とそれに基づく突然死のリスク評価法を確立するこ
と。
◇
研究概要:Brugada 症候群や J 波症候群などの突然死をきたす特発性心室細動患者の 12 誘導 Holter
心電図による単極加算平均心電図、T 波変動解析用 Holter 心電図の検査結果の解析を行
ない、非侵襲的に突然死のリスクの高い症例と低い症例との比較検討を行なう。高リス
ク患者の非侵襲的な指標を明らかにし、突然死の予測因子を確立する。
<アピールポイント>
Brugada 症候群や J 波症候群は日本人の男性に多く見られる疾患であり、突然死をきたす致死的不整
脈を発症する予後不良の症候群である。これらの症候群を含めた特発性心室細動に対する突然死のリス
ク評価法は未解決な問題である。12 誘導 Holter 心電図による単極誘導加算平均心電図は未だ世界的に
市販されていないが、従来の単極誘導加算平均心電図の測定法の技術と Holter 心電図記録の技術を合
わせれば実現可能であり、心臓の部位特異的な遅延電位の同定とその日内変動が評価可能となる。この
研究結果が明らかになれば、突然死のリスクの非侵襲的評価法として、Brugada 症候群や J 波症候群の
みならず心筋の異常をきたす心筋症、虚血性心疾患においても臨床での実用、市場の拡大が期待できる。
<利用・用途・応用分野>
心臓の部位特異的な遅延電位の同定とその日内変動の評価が、すべての心臓疾患において突然死のリ
スクの非侵襲的評価法(心電図検査法)として、臨床での実用、市場の拡大が期待できる。
<関連する知的財産権・引用文献・学会発表など>
1. Sakamoto S, et al. Utility of non-invasive multiparametric approach for risk stratification
in Brugada syndrome. HEART RHYTHM 2014.
2. Uchimura-Makita Y, et al. Time-Domain T-Wave Alternans is strongly associated with a history
of ventricular fibrillation in patients with Brugada syndrome. J Cardiovasc Electrophysiol
2014: 25: 1021-1027.
<関連するURL>
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/heart/
<他分野に求めるニーズ>
・工学分野で、心電図ノイズを減弱させるフィルターの開発。
・加算平均心電図のパラメータの日内変動を自動解析できるソフトの開発。
キーワード
突然死、リスク評価法、非侵襲的検査、加算平均 Holter 心電図