第 27 回神奈川県臨床検査医学会 大会 開催にあたって 大会長 狩 野 有 作 (北里大学医学部 臨床検査診断学 教授・ 北里大学病院・北里大学東病院臨床検査部 部長) この度、第 27 回神奈川県臨床検査医学会大会を担当させて頂くことになりました。開催にあ たり、学会幹事、会員の諸先生、ならびに共催を頂く神奈川県臨床検査技師会の皆様に心より 御礼申し上げます。 昨今の臨床医学の高度・細分化に伴い、診療・患者サービスの質が追及される現代の医療で は基本的診断機能を担う臨床検査部の重要性は益々高まり、診療の場では医療安全、精度保証 に基づく迅速検査・報告体制の確立が切望されております。さらに、日進月歩する医学の進歩 に伴い新たな臨床検査技術および検査項目の開発が継続され、臨床検査部単独で全ての検査項 目を実施するのは非現実的であり、検査センターとの連携・協力体制は非常に重要となってい ます。 北里大学病院では 1971 年の開院以来、生化学検査でのブランチラボ(検査センターとの連携) を実施しておりましたが、2001 年より臨床検査部による完全実施体制と致しました。さらに、 北里大学東病院におきましても 2014 年 12 月に検体検査のブランチラボを終了し、2015 年より 臨床検査部による完全実施体制を開始致しました。北里大学病院・北里大学東病院臨床検査部 では、医療保険制度および病院診療体系の変革に合わせて臨床検査部と検査センターとの効率 的で合理的な連携・協力体制を適宜実施してまいりました。 先進国でも群を抜く少子高齢化社会の問題に直面し、本邦では健康科学の重要性は一層高ま っております。予防医学の実施には病態識別値としての臨床検査は必要不可欠であり、急性・ 慢性期医療を含めて臨床検査が無ければ医療が展開できない現実があります。 今回、目まぐるしい変革を遂げる医療の場において、患者さんの命のメルクマールである臨 床検査の責務を果たすべく、臨床検査部と検査センターとの理想的な連携・協力体制の在り方 を模索したいと考えます。今大会では「臨床検査部と検査センターの戦略的パートナーシップ ~タイアップ業務の現状と今後の展開~」を総合テーマと致しました。 本大会が、臨床検査の新たな展開に関する情報交換の場となることを期待しております。多 くの方々のご参加をお待ち申し上げます。 平成 28 年 5 月 -1-
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