営農情報局 ★田干し・溝切りで水管理をスムーズに 水稲 根の伸長を促し、葉色を出させるた め、「湧き」が見られる水田は、早急に 好天日を選んで田干しを行ってください。田干し により土が適当な固さになったら、圃場内の通水 を容易にするため、必ず溝切りを実施してくださ い。 溝切りは、まず縦に間隔3~5mで切り、次に 横に1~2本切り、最後に縦横をつないでおきま しょう。 ★中干しで過繁茂防止と作業の効率化を 基肥一発型肥料を施用するにあたり、中干し無 しでは肥効がずっと継続してしまうために、茎数 が増え続け、過繁茂になります。その上、後半は 逆に肥切れ状態となってしまいます。多穂、籾数 の過剰は粒張を悪くするだけでなく、品質と収量 も低下させてしまいます。 中干しの時期は有効茎数が確保(18~20本/ 株)されたら、行います。特に、地下水位の高い 湿田では根腐れを起こしやすく、中干しはこれを 防止し、さらに土壌中の有害物質を除去するため の必須作業になります。近年、管内の湿田であっ ても実施している水田が少なくなってきました。 健全な稲体にするために、実施してください。 なお、中干しの期間と程度は、湿田は15~20 日間でやや強め(田面に小ヒビが入る程度)、乾田 は7日間程度で田干し程度で行ってください。但 し、水不足が予想されるときには、やや軽めに行 ってください。 ★けい酸加里またはファイト・アップの施用 けい酸は、葉中の 葉緑素の光合成能力 を高めて異常気象や 高温、強風に耐える 稲体に育てて、倒伏 や秋落ちを防止する と同時に、強風によ る着色粒を軽減する 効果があります。6月中旬に「けい酸加里」を 30kg/10a施用してください。 ファイト・アップの主成分は、天然酵母エキス、 メチオニン、キトサンオリゴ糖等で、水稲用投げ 込み発泡剤です。6月中旬に施用すると、写真の 通り、根群が増加し、根の活力が高まるため、① 登熟が向上し、 ②食味も良くな り、また③倒伏 を軽減する効果 があります。特 に、労力的に 「けい酸加里」 の施用が困難な 場合には、6月 中旬に本資材を 20錠/10a施用 してください。 写真. ファイトアップ施用による 根群増加効果 (6月中旬処理) 表. 夏野菜類の追肥時期と施用量 施 用 量 施 肥 時 期 種類 1回目 キ ュ ウ リ ●最初の果実を収穫した直後 ●1段目の果実が500円玉大 になった頃 2回目以降 ●1回目の追肥から7~10日おき 20g/株 ●1回目の追肥から7日おき 10g/株 2回目以降 備 考 10g/株 ス ●最初の果実を収穫した直後 ●1回目の追肥から15日おき ○枝先端部直下から内 側 1 5 ㎝ 幅 のドー ナツ 状に施用する ○1回当りの過施用は 20g/株 10~15g/株 絶対に避ける ピ ー マ ン ●最初の果実を収穫した直後 ●1回目の追肥から15日おき 20g/株 10~15g/株 ス イ カ ●1番果がコブシ大になった頃 ●1回目の追肥から15~20日後 2kg/a ●1番果がソフトボー ル大に カ ボ チ ャ なった頃 ●1回目の追肥から15~20日後 2kg/a ト ナ マ ト バレイショ 10g/株 1~2kg/a ○株元には肥料を吸収 する根がないので、つ るの先端部付近に施用 2kg/a する ○施用時期が遅れると ●開花が始まった頃に施用し、 ●1回目の追肥から20日目に施 15~20g/m 15~20g/m イモの肥大が悪くなる 土寄せする 用し、 土寄せする ●基本的には施用しない。蔓の伸びが悪い場合のみ梅雨開け直後 サツマイモ に畝の端に施用する 3 1回目 敦賀美方農業協同組合広報誌 10g/m ○生育不良時のみ施用 する ★一発除草剤で取りこぼした雑草は早急に対策を 残っている草の種類に応じて、適切な除草剤を 使用してください。 【ヒエのみの場合】…クリンチャー1キロ粒剤、 ヒエクリーン1キロ粒剤 【コナギ、ホタルイ、オモダカ、クログワイ等広 葉雑草のみ(ヒエはない)の場合】…バサグラン粒剤 【ヒエと広葉雑草両方の場合】…フォローアップ 1キロ粒剤 【クサネム、イボクサ】…ノミニー液剤 ★あきさかり、あきだわらの中間追肥 地力の低い、水持ちの悪い水田や生育が悪い水 田は、つなぎ肥として6月中旬に「新エコ追肥」 を10kg/10a施用してください。 ★いもち病、紋枯病は粒剤で予防を 昨年は、いもち病や紋枯病が多発し、減収した 水田が多くみられました。特に紋枯病は昨年多発 した所では、今年も発生が予想されますので、必 ず粒剤で予防してください。 ★6月25日・26日、 7月2日・3日は県下一斉草刈りデー 班点米防止に向け、まずカメムシの繁殖を抑える ため、この時期に畦畔等の草刈りを行いましょう。 露地野菜 ★追肥の施用は適期・適量がポイント 追肥は施肥後、一刻も早く野菜類に吸収させる 必要があります。 このため、施肥後3~5日で肥効 が現れる速効性の「そさい5号」を施用してくださ い。施用時期および施肥基準量は左表の通りです。 1株ごとに草勢を観察し、草勢が強すぎる株はやや 少なめに、弱い場合はやや多めに施用してくださ い。なお、追肥は雨上がり直後に施用するか、晴 天が続く場合は施用直後に潅水して、肥料の溶解 を促進させてください。 ★病害虫防除 【うどん粉病】 高温乾燥期に多発する 病気で、トマト、キュウ リ、ナス、ピーマン、カ ボチャ等大半の夏野菜に 発病します。4~5月が 低温・寡日照で、6月以 降急激に気温が高くて晴 天が続くと激発します。 防除のポイントは畑やハ ウス内を常時観察し、発 生初期に薬剤散布をする ことです。 【アブラムシ類】 春先から高温期にかけて多発する害虫です。大 半の夏野菜の新葉に寄生、吸汁し、寄生した葉は 内側に湾曲し、次々に新葉に移動、産卵します。 多発すると葉はモザ イク状になり、枯死 します。防除のポイ ントは畑をよく観察 し、新葉が内側に湾 曲しておれば、直ち に薬剤散布してくだ さい。 【ハダニ類】 7月以降9月に かけての高温期 に多発しますが、 梅雨明けが早か ったり、空梅雨 等で降雨が少な いと、6月中~下 旬に大発生する ことがあります。アブラムシ同様、大半の夏野菜 に寄生し、最初は下葉を吸汁し、産卵を繰り返し て新葉に移動します。多発すると、葉表がカスリ 状に白く退色し、葉の光合成能力が劣り、果菜類 では果実品質が極端に低下してしまいます。防除 のポイントは、多発してしまってからでは完全防 除が困難なため、葉の一部がカスリ状に白く退色 する初発時に薬剤防除をすることです。 温州ミカン ★病害虫防除 【そうか病・黒点病】 そうか病・黒点病対策として、今月上旬にエム ダイファー水和剤600倍を散布してください。な お、アブラムシ類の発生がみられる園はダントツ 水溶剤3,000倍を加用散布して下さい。なお、梅 雨期間中降雨が多いと、そうか病、黒点病の発生 を助長するので、降雨が多い場合は晴れ間をみて ジマンダイセン水和剤400倍液を散布してくださ い。 【カイガラムシ類】 近年、ロウムシ類初め各種カイガラムシ類の発 生が増加傾向にあります。カイガラムシ類の防除 は、成虫から幼虫が孵化する時しか効果が期待で きません。ヤノネカイガラやコナカイガラは6月中 旬にアプロード水和剤1,000倍液またはスプラサ イド乳剤40の1,000倍液を散布してください。な お、ロウムシ類は7月上旬にスプラサイド乳剤 1,000倍液を散布してください。 ウ メ 本年のウメの共同出荷は、剣先が今月2日から、 紅映は8日から始まります。最近、選別不良果の混 入が増加傾向にあるので、秀・優品の自家選別の 徹底をお願いします。 敦賀美方農業協同組合広報誌 2
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