平成 28 年 5 月 31 日 農林土木課農林係 糸島市森林・林業マスタープラン作成業務仕様書 1.業務の目的と概要 糸島市は、平成 28 年 3 月に策定した「まち・ひと・しごと創生 糸島市総合戦略」に おいて、「「糸島の資源」を生かしたしごとをつくり、地域の経済活力を高める」という基 本目標のもと、林業振興による地域の活性化を目指している。 本業務では、平成 27 年度に実施した「糸島市森林・林業マスタープラン基礎調査業務」 において取得した航空レーザ計測データを用い、かつ同業務で作成したマスタープランの アウトラインに沿って、市域の森林の適正な整備と、産出された木材の有効活用に資する 「糸島市森林・林業マスタープラン」の作成を行うものである。 2.業務内容 (1)対象区域 福岡県地域森林計画における糸島市全域(8,622ha) (2)糸島市森林・林業マスタープラン作成 ①林相区分による林分ポリゴン作成 本業務の対象区域において、糸島市が提供する航空写真(平成 28 年 1 月撮影)を用い て、林相区分を行い、林分ポリゴンデータを作成する。 林相区分は自動解析ではなく、航空写真の実体視を基に実施し、樹種・林況・森林所有 者等の区分基準については、糸島市と協議の上、決定する。 ②森林現況データ作成 上記①において作成した林分ポリゴン毎に、糸島市が平成 27 年度「糸島森林・林業マ スタープラン基礎調査業務」において取得した航空レーザ計測データを用いて、林分毎 の平均樹高・本数密度・立木材積・成長量・平均傾斜・収量比数等の森林現況データを 算定する。 算定した結果データは、糸島市が保有する地理情報システム(以下、「GIS」という。) において利用可能、かつ林野庁「森林クラウドシステム標準化事業」が定める標準仕様 に準拠した形式においてデータベース化する。 なお、糸島市役所が保有する GIS は以下のとおり。 GIS:糸島市森林情報システム 使用エンジン:ArcGIS Ver.10.3 ③ゾーニング 上記②により得られた森林現況データを基に、それぞれの林分の特性・潜在力に着目し てゾーニングを実施する。具体的な方法としては、林分の地位・地利・環境保全機能等 の要素に着目し、伐期や施業方法等、それぞれの林分の取り扱い指針によって分類を行 う。 ゾーニングは、林相区分の結果で分けられた林分単位で行うこととし、糸島市が保有す る GIS にて閲覧可能な形式にデータベース化する。 ④育林体系の作成とシミュレーション 本業務の対象区域における人工林については、ゾーニングによって分類されたカテゴリ ー毎に森林の育林体系を定めるとともに、体系に従った施業を実施する前提での将来の 森林資源量並びに木材生産量の推計を実施する。 天然林については、ゾーニングによって分類されたカテゴリー毎に、資源の利活用の可 能性を判断する。 ⑤路網計画・伐採計画作成 航空レーザ計測によって得られた詳細な地形データ、森林現況データ作成、ゾーニング 及び育林体系の作成とシミュレーションを基に、対象区域における最適な路網計画及び 伐採計画を作成する。 計画の期間は、20年(長期計画)と5年(中期計画)とし、箇所別計画は、林相区分 の結果で分けられた林分を単位とする。 ⑥GIS データ運用手引書作成 本業務によって得られた森林現況、ゾーニング、路網計画・伐採計画の各データを、今 後糸島市が GIS 上で維持管理していくための運用手引書を作成する。 また、森林現況データについては、森林施業や林分成長の結果を反映する方法を含む。 ⑦現地調査 森林現況データの精度確認及びゾーニング並びに育林体系の基礎データとなる現地調査 を実施する。 調査プロットは本業務の対象区域において 20 箇所程度設定し、対象樹種は人工林スギ・ ヒノキを中心とするが、林齢や林況が偏らない様に留意する。 <調査仕様> 調査方法:20×20mの方形プロットを設置する標準地調査 調査対象:プロット内の胸高直径 10cm 以上の立木全て 調査項目:(1) 林況調査(樹種、胸高直径、樹高、本数密度、森林の発達段階等) 胸高直径は調査対象木全て、樹高は直径階毎に 1 プロット当たり 20 本以 上とする。 (2) 地況調査(標高、斜面方位、地形等) (3) 植生健全度調査(病虫獣害、枯損等) (4) 下層植生(被度、土壌侵食等) (3)糸島市森林・林業マスタープラン実行体制検討 平成 29 年度以降、 「糸島市森林・林業マスタープラン」を実行するための体制の検討を 行う。項目及び内容は以下のとおり。 ①市有林と(市有林以外の)民有林の一体管理手法 ・集約化・森林施業における森林所有者間の意向確認と調整手法 2 ・森林経営計画の共同作成と実行管理 ②マスタープラン実行体制と人材育成 ・糸島市の森林管理を包括的に実施する実行体制 ・マスタープラン実行の担い手となる人材育成手法 ③木材需要の創出とサプライチェーンの構築 ・代表的な先進事例の把握と類型化 ・糸島市産材の需要者他、関係者との意識調整 ・木材需要創出の具体策(木材需要の規模別に) ④獣害対策 ・被害状況の確認(周辺市町村を含む) ・獣害対策(被害を発生・拡大させないための要望的措置を含む) (4)委員会・ワーキンググループ運営支援 本業務において、糸島市によって設置される「糸島市森林・林業マスタープラン検討委 員会」、並びに「山づくりワーキンググループ」 ・ 「木材需要横出ワーキンググループ」の 運営について、支援を行う。 3.成果品 (1)報告書(森林・林業マスタープラン) (2)森林現況データ・ゾーニング・路網計画・伐採計画に関する GIS データ一式 (糸島市役所が保有する GIS に搭載可能なデジタルデータ形式) (3)GIS データ運用手引書 (4)その他業務で作成した資料及び調査、分析結果一式 (5)上記(1)~(4)の電子媒体 CD-R 一式 以上 3
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