2016 年 6 月 1 日更新

2016 年 6 月 1 日更新
数値は日本人間ドック健診協会が定める基準値です
中性脂肪
基準値:30〜149mg/dL
増える原因は?
肥満、脂質や糖質の多い食べ物のとりすぎ、運動不足。中性脂肪とコレステロールが血中に増えると「脂質
異常症」になり、血液はドロドロで血管壁にたまりやすく、動脈硬化の原因になります。
改善策は?
バランスの良い食事で適度なエネルギー摂取を心がけましょう。
果物のとりすぎに注意し菓子・デザートを控えるようにしましょう。
アルコールは、適量にしましょう。
腹囲
基準値:男性 85cm未満、 女性 90cm未満
増える原因は?
摂取カロリーが消費カロリーをオーバーしています。カロリーオーバーになると、まず、内臓脂肪がたま
り、次に皮下脂肪がたまります。内臓脂肪型肥満は高血圧、高血糖、高脂質のうちの2つと合わさると、メ
タボリックシンドロームの診断対象になり、動脈硬化の危険性はいっそう高まります。
改善策は?
食べすぎに注意し、運動を取り入れましょう。内臓脂肪は皮下脂肪と比べ、運動により減らしやすいため、
エレベーターをやめて階段を使う、一駅分歩くなど、毎日の運動を心がけましょう。
血圧
基準値:収縮期血圧 130mmHg未満
拡張期血圧 85mmHg未満
高血圧の原因は?
高血圧には、腎臓病などほかの病気が原因のものもありますが、日本人の高血圧の90%は、原因疾患がない
「本態性高血圧」で、遺伝的な要素や生活習慣が関連していると考えられています。高血圧が続くと、動脈硬
化が起こり、狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞、腎不全など、生命にかかわる合併症を起こしやすくなり
ます。
改善策は?
食塩摂取量は、男性8g/日、女性7g/日未満(高血圧の場合は6g/日未満)を目標に減塩を心がけましょう。醤油や塩の代わりに味付けにお酢
などの利用もお勧めです。肥満を改善し、過度のストレスを避けることも大切です。ウォーキング、ジョギングや水泳などの運動も積極的に
取り入れましょう。喫煙やお酒の飲みすぎにも注意が必要です。
HDLコレステロール
基準値より低くなる原因は?
肝硬変などの病気が原因の場合と、肥満、喫煙、運動不足により低くなる場合があります。
改善策は?
食べすぎに注意し、間食・夜食を控えましょう。青魚(ぶり、さば、さんま、いわしなど)やオレイン酸を
含むオリーブ油、菜種油を適度に摂りましょう。ウォーキングなどの軽い運動を毎日30分以上続けるほか、
禁煙も大事です。
基準値:40〜119mg/dL
LDLコレステロール
基準値:60〜119mg/dL
基準値より高くなる原因は?
過食、脂質の多い食べ物の摂りすぎ、ストレスなどが原因です。基準値より低いときは、肝硬変や甲状腺機
能亢進症が原因の場合があります。
改善策は?(高い場合は)
ラードや肉の脂身、レバーなどの内臓や肉汁を控えましょう。玄米や根菜類、野菜、きのこなど、食物繊維
の多い食品を摂り、肥満や便秘を改善することも大事です。
マーガリン、マヨネーズ、フレンチフライ、ファーストフードの揚げ物など、トランス脂肪酸の多い食品を
控えましょう。
BMI
基準値:18.5〜25未満
基準値以下は低体重、基準値以上は肥満
日本肥満学会は、BMI(体格指数)を低体重(18.4以下)、普通体重(18.5~24.9)、肥満(25.0以上)の
基準にしています。BMIが22のときをその人の標準体重とし、適正な摂取エネルギー量を出すことができま
す。摂取エネルギーが多すぎる人は肥満に、少ない人はエネルギー不足、やせすぎに注意しましょう。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22 改善策は?
肥満の人は食べすぎを防ぎ運動をしましょう。低体重の人は栄養バランスよく3食をきちんと摂りましょう。
身体活動レベル
低い(生活の大部分が座位で、静的な活動が中心。事務職や幼児のいない主婦など):適正摂取エネルギー=標準体重×(25~30)kcal
ふつう(座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含
む):適正摂取エネルギー=標準体重×(30〜35)kcal
高い(移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている):適正摂取エネルギー=標準体
重×(35〜) kcal
空腹時血糖・HbA1c
基準値:空腹時血糖 99mg/dL以下
かつHbA1c 5.5%以下
高血糖の原因は?
肥満、食べすぎ、運動不足などが原因です。5~10年間、高血糖を放置すると、すい臓の機能が低下し、血
糖値を下げるインスリンというホルモンが不足して糖尿病になります。生活習慣と関係なく、すい臓自体の
病気が原因の糖尿病もあります。糖尿病は知らないうちに進行し、動脈硬化(脳卒中・心筋梗塞)や神経障
害、腎臓、眼など全身にさまざまな合併症を起こします。
改善策は?
早歩きや自転車など、全身を使う運動を毎日行いましょう。早食い・大食いをせず、お菓子・甘い飲み物は控え、果物の摂りすぎに注意しま
しょう。アルコールを控え、良質のたんぱく質、食物繊維の多い野菜、海草、きのこ類を十分に摂りましょう。ストレスの解消や、禁煙も大
切です。
AST(GOT)・ALT(GPT)
基準値:AST 30U/L以下
ALT 30U/L以下
数値が高い原因は?
ALT(GPT)はウイルスが原因の肝炎のほか、大量の常習飲酒による肝障害、栄養過多・肥満による脂肪肝な
どが原因です。AST(GOT)は、心臓、肝臓、筋肉、腎臓などの臓器が異常をきたしていることが原因で、肝
障害、心筋梗塞、心筋炎などと関連があります。
改善策は?
まずは、原因を特定しましょう。B型やC型肝炎等の有無を検査し、これらのウイルス性肝炎が疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。
また、脂肪肝でも一部で肝臓がんになることもあるので、軽視は禁物です。
薬の副作用による場合もあります。サプリメントも薬ですので、かかりつけ医に相談しましょう。
頻度的に多いのは、アルコール性肝障害や脂肪肝です。アルコールは、日本酒換算で一日180ml、週5日までが適量です。脂肪肝は、減量が第
一です。まずは間食や夕食の摂りすぎに注意し、食事は、肉・魚・卵・大豆製品等の良質なたんぱく質を適度に取り入れた、バランスの良い
食事を心がけましょう。ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足しないよう野菜・海藻・果実なども摂取しましょう。
※お酒の適量はγ-GT(γ-GTP)の項目を参照ください
尿酸
基準値:2.1〜7.0mg/dL
数値が高い原因は?
尿酸は、代謝のときに出る燃えカスです。食べ物から摂るプリン体と体内で作られるプリン体が過剰になる
と、尿酸が腎臓でろ過されずに、結晶となり関節にたまります。
改善策は?
食べすぎ・飲みすぎを控え、運動をしましょう。また、アルコールの飲みすぎにも注意が必要です。プリン
体の多い食品(魚の干物、レバー、白子、あんこう肝、カツオなど)を控え、塩分や糖質の過剰摂取は避け
ましょう。
γ-GT(γ-GTP)
数値が高い原因は?
肝臓の機能低下。アルコール性、および非アルコール性の肝障害の疑いがあります。
改善策は?
アルコール摂取が多い場合は、節酒が必要です。一日量では、日本酒180ml、ビール500ml、ワイ
ン200ml、焼酎(25%)110ml、ウイスキー60mlが適量で、週に2日は休肝日を作りましょう。また、脂肪
肝の方は、減量も必要です。お薬やサプリメントの影響や、そのほかの肝胆道疾患で高値となる場合もあり
ますので、かかりつけ医に相談しましょう。
基準値:50U/L以下