及び「富士市版地域PPS登録の概要」

富士市版地域PPS制度報告書(平成28年3月) 概要版
1 研究報告の背景と目的
2 望ましい地域PPSの形態
エネルギー分野は、現在、変革期にあり、市場価格の乱高下、
需給の混乱、エネルギー市場の自由化、地球温暖化対策の更な
る推進と、環境が大きく変わろうとしています。
エネルギー多消費型産業が集積する本市では、これらの影響を
多く受けることが予想されますが、一方、人材、インフラ等の地域
特性を最大限活用し、都市活力を向上させる好機ともなりえます。
このような背景からエネルギー政策に取り組む中で、知見と実
行力をもち、地域活性化について富士市と利害が一致し協働でき
る“発電・小売を行う電気事業者”(地域PPS)の育成が必要不可
欠であることが随所で示されました。
本報告書は、この地域PPSの意義を明らかにするとともに、そ
の条件を明確にすることを目的として、まとめました。
本市内のエネルギー消費量は莫大なため、
民間事業者による参入が見込まれることか
ら、行政は出資などにより主導する必要はな
く、対等な関係での事業への取り組みがふさ
わしいとの検討結果になりました。
国・県・富士市の取り組み
4 地域PPS指定の基準(案)と今後の支援策
3 地域PPS制度に期待する効果
指定の基準(案)
期待される取り組みと各主体のメリット
富士市が期待する効果
地域PPSが期待する効果
①ノウハウの有効活用
①スマートシティの構築
・市内エネルギー利用の効率化
・省エネルギービジネス活性化
・地域特性を活かした事業
・専門性を活用した事業
②望ましいエネルギー施設の整備
②地域開発等への参加機会増加
・分散型エネルギー施設整備
・クリーンエネルギー利用促進
・スマートシティ等、長期安定した顧客の確保
・ノウハウの有効活用
③信用の向上
③エネルギーの地産地消の促進
地産電力活用
基準
○地産電力調達率は65%以上
○電力地域供給率は60%以上
(中長期的にいずれも70%を超えること)
※地産・地域の定義は“静岡県内”
エネルギーの有
効活用とクリー
ンエネルギーの
利用拡大
○顧客の省エネルギーの取り組みを促進する体
制が構築されていること
○電力調達量に占めるクリーンエネルギーの比
率が50%以上
地域課題の解決
○自治体が取り組んでいく会議等に積極的に参
加し、電力会社としての協力をしていくこと
経営の安定性
○連結会社を含めた財務諸表、燃料調達等が、
安定していること
その他
○できる限り事業者の情報を集め、総合的に判
断すること
・他事業者と比較した優位性・競争力の向上
・地域資源の活用
・遠隔地の災害に対する強靭化
・地域内資金循環の構築
④安心できる電力会社の選択肢提供
・トラブルへの迅速丁寧な対応
・省エネルギー相談と積極的提案活動
地域PPSとの
連携・支援の意義
項目
「富士山のふもと しあわせを実感できるまち ふじ」
を実現するための重要な施策
〇都市の魅力向上 〇産業基盤の充実 〇行財政の強化
魅力あるまちを構成する一つの要素に
支援策の
制度化
・市民への周知
・行政等の率先行動
・連携事業の具体化
富士市版地域PPS登録の概要 平成28年6月2日
富士市版地域PPS登録事業者
(1) 法人名
静岡ガス&パワー株式会社
(2) 代表者
取締役社長 中井俊裕
(3) 本拠地
静岡県富士市蓼原1146番地の1
(4) 登録期間
平成28年6月2日から平成29年6月1日まで
(5) 富士発電所
住所:富士市蓼原1146番地の1
発電種別:ガスエンジン 7,800kW 2台
発電出力:17,010kW
燃料:都市ガス(13A)
評価の概要
項目
地産電力活用
エネルギーの有効活用とク
リーンエネルギーの利用拡大
地域課題の解決
経営の安定性
その他
基準
電力のうち地域内発電は約90%であり、富士市では60%が発電される計画であり、地産電力調達能力は高い。
なお、発電所を建設しての電力事業参入のため、需要家拡大までは卸売比率が高くなっているが、中長期的には向上が見込まれる。
料金制度は、従量料金比率が高く、省エネへのインセンティブがある。また、省エネ家電普及の取り組みを予定。
クリーンエネルギー比率は、天然ガスコジェネレーションを主とし、通常の電力会社を大きく上回っている。
市主催会議等への積極参加を申し出ており、これまでもグループ会社は市政への協力を行ってきたことから、協力体制はあるものといえる。
想定される収益悪化局面において、十分な事業継続性を有している。
市民の消費生活を脅かすような営業は行われていない。
静岡ガス&パワー富士発電所
事業スキーム