B A

ベクトル積(外積)
-> 後で回転に使う。
1
内積(スカラー積)
教科書p.21
ベクトル A, B のなす角をθとする。
内積
A  B を、
A  B  A B cos 
と定義する。(スカラー量)
問題
A   A1 , A2 , A3 , B  B1 , B2 , B3 
A 
B
のとき、
A  B  A1B1  A2 B2  A3B3
を示せ。
(各自やっておいて下さい。前ではやりません。)
2
内積の問題の解答
A  B  A B cos 
A B C
2
cos  
C BA
2
2
A
B

2A B
を代入。成分を入れれば、
C
( A1B1  A2 B2  A3 B3 )
cos  
AB
よって
A B  A1B1  A2 B2  A3 B3
3
ベクトル積(外積)
教科書p.51
A B
ベクトル A, B
のなす角をθとする。
ベクトル積 A  B
は、
ベクトル A, B に垂直で、
B
A 
大きさは A  B  A B sin 
のベクトルである。
θはAからBに向けて測り、右ねじのしまる(進む)向きを
ベクトル A B
の向きとする。
問1.A 
 A1, A2 , A3 とB  B1, B2 , B3 
に対して、
AB
の成分表示
A  B   A2 B3  A3 B2 , A3 B1  A1 B3 , A1 B2  A2 B1 
を示せ。
4
ベクトルA,Bのなす角
為す(なす)=作る、する
angle made byA and B
angle between A and B
ふつうは、
0
B
angle = 角度

A
2つの角度のうち、小さい方を使う。
この範囲のθに対して、
sin   0

cos   0 if 0   
2

 0 if
 
2
5
方向の表し方
記号を使う場合
矢の裏の
イメージ
矢の先の
イメージ
言葉を使う場合
スクリーン(紙面)
裏から表
スクリーン(紙面)
表から裏
y
z
x
x
z
y
6
方向の表し方
記号を使う場合
矢の裏の
イメージ
矢の先の
イメージ
y
x
x
z
z
y
y
z
x
7
内積(スカラー積)補足
product = 積
inner product, scalar product, dot product
・スカラー積と呼ぶ理由:積の結果がスカラー(数)。
・「内積」と呼ぶ理由。
単位ベクトルとの内積は、
その単位ベクトルの方向への射影になる。
A
射影:projection
A  e  A e cos   A cos 
θ
e
内側に倒れこむ感じ
赤い部分の長さが射影
-> 内積のイメージ。
8
外積(ベクトル積)補足
outer product, vector product, cross product
・「ベクトル積」と呼ぶ理由:積の結果がベクトル。
ベクトルとベクトルの掛け算
-> 数 (内積)
ベクトル(外積)
・「外積」と呼ぶ理由
2つのベクトルの作る平面に垂直になる。
外に広がるイメージ。
9
成分の覚え方
A B   A2 B3  A3 B2 , A3 B1  A1B3 , A1B2  A2 B1 
A
1
2
③
B
3
①
1
②
1 2 3 1
①
第1成分
A2 B3  A3 B2
10
ベクトル積の問題(続き)
問2
A  B  B  A
問3
 A  B C  A  B  C 
を示せ
である。
等号が成立しない例を示せ。
問4
d
dA
dB
A B   B  A 
dt
dt
dt
を示せ
11
問1の解答
A  B  C  (C1 , C2 , C3 )
CはA,Bと直交するので、A C  0 B C  0
C3
とおく。
A1C1  A2C2  A3C3  0
(1)
B1C1  B2C2  B3C3  0
(2)
B3 - (2)x A3
( A1B3  A3 B1 )C1  ( A2 B3  A3 B2 )C2  0
を消去するには、(1)x
C1
C2

A2 B3  A3 B2 A3 B1  A1 B3
同様に(1)(2)からC2を消去して、
よって、
C3
C1

A2 B3  A3 B2 A1 B2  A2 B1
C3
C1
C2


k
A2 B3  A3 B2 A3 B1  A1B3 A1B2  A2 B1
C  k ( A2 B3  A3 B2 , A3 B1  A1B3 , A1B2  A2 B1 )
12
問1の解答 2ページめ
C  k ( A2 B3  A3 B2 , A3 B1  A1B3 , A1B2  A2 B1 )
C  A B sin   A B (1  cos 2  )
2
2
2
2
2
2
 A B  ( A  B) 2
2
2
 ( A1  A2  A3 )( B1  B2  B3 )  ( A1 B1  A2 B2  A3 B3 ) 2
2
2
2
2
2
2
 A1 B2  A1 B3  A2 B1  A1 B2  A3 B1  A1 B3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
 2 A1 A2 B1 B2  2 A2 A3 B2 B3  2 A3 A1 B3 B1
 ( A1 B2  A2 B1 ) 2  ( A2 B3  A3 B2 ) 2  ( A3 B1  A1 B3 ) 2
よって、
k  1
あとは右ねじが進む向きを考えて、k=1
13
問1の解答 2つめの方法
単位ベクトルを使って表す。
A  A1e1  A2e2  A3e3
B  B1e1  B2e2  B3e3
A  B   A1e1  A2e 2  A3e3  B1e1  B2e 2  B3e3 
 A1 B1e1  e1  A1 B2e1  e 2  A1 B3e1  e3
 A2 B1e 2  e1  A2 B2e 2  e 2  A2 B3e 2  e3
 A3 B1e3  e1  A3 B2e3  e 2  A3 B3e3  e3
14
問1の解答 2つめの方法
その2
ベクトル積の定義は、
ベクトル積 A B は、ベクトル A, B に垂直で、
大きさ A B sin  のベクトルである。
θはAからBに向けて測り、右ねじのしまる向きを
ベクトル
A B の向きとする。
大きさが sin  に比例しているので、角度0なら外積はゼロ。
同じベクトルの外積は0.
e1 e1  0
e3
また直交するベクトルの場合、sinθ=1
e1  e 2  e3
e 2  e1  e3
e1
前ページの最後の式にこれらの単位ベクトルの式を
代入する。
e2
15
問1の解答 2つめの方法 その
3
A  B   A1e1  A2e 2  A3e3  B1e1  B2e 2  B3e3 
 A1 B1e1  e1  A1 B2e1  e 2  A1 B3e1  e3
 A2 B1e 2  e1  A2 B2e 2  e 2  A2 B3e 2  e3
 A3 B1e3  e1  A3 B2e3  e 2  A3 B3e3  e3
A  B  ( A2 B3  A3 B2 )e1  ( A3 B1  A1 B3 )e 2
 ( A1 B2  A2 B1 )e3
 ( A2 B3  A3 B2 , A3 B1  A1 B3 A1 B2  A2 B1 )
16
問2の解答
問1の結果より、
A B   A2 B3  A3 B2 , A3 B1  A1B3 , A1B2  A2 B1 
B A
の第1成分は、
B2 A3  B3 A2  ( A2 B3  A3 B2 )
で
 A B
の第1成分になっている。
他の成分についても同様。よって、
B  A  A  B
17
問2の別の解答
ベクトル積の定義は、
ベクトル
A, B のなす角をθとする。
ベクトル積 A B
は、
ベクトル A, B に垂直で、大きさ A B sin 
のベクトル。
θはAからBに向けて測り、右ねじのしまる向きを
ベクトル A B
の向きとする。
A B と B A
を比較すると、
A
B
・なす角θは同じなので、大きさは同じ。
・
から
に右ねじをしめた時と、
A
B
B
から A に右ねじをしめた時では、しまる方向が逆。
よって
18
B  A  A  B
問3の解答
A  B C  A  B  C
反例を示す。
例えば、A, B
が平行だとすると、
A B  0 で左辺は0.
しかし右辺はゼロでない。
B
C
A
成分で書くと、
A  (1,0,0), B  (2,0,0), C  (0,1,0)
A  B C  (0,0,0)
A B  (0,0,0)
A  B  C  (0,2,0)
B C  (0,0,2)
よって
A  B C  A  B  C
19
問4の解答
d
dA
dB
A  B   B  A 
dt
dt
dt
を示せ
左辺の第1成分は、
d
d
A  B 1   A2 B3  A3 B2 
dt
dt
dB3 dA3
dA2
dB2

B3  A2

B2  A3
dt
dt
dt
dt
dA3   dB3
dB2 
 dA2

B3 
B2    A2
 A3

dt
dt
dt 
 dt
 
dB 
 dA
 

B   A

dt 1
 dt
1 
20
回転の話
・回転と人体
・回転のベクトル
・回転角速度と速度の関係
21
回転と人体
人間は回転をどこで感じるか?
内耳で感じる。
耳がやられると、目まいがする。平衡感覚がおかしくなる。
三半規管
半円状の器官が、
垂直な面上にある。
中にリンパ液が入っている。
流れが変わると、半規管中の
感覚毛が感知して、神経を通して
脳に信号が行く。
22
角速度ベクトル

回転を表すベクトル
オメガ
大きさは、単位時間に回った角度。
単位は、ラジアン/秒
rad/s
方向は、回転面に垂直
向きは右ねじが進む方向

回転ベクトルの向きに注意。
日常会話の「回転の方向」と
ベクトルの向きは違う。
問題:地球の自転の角速度ベクトルの
方向を図示せよ。理由も述べよ。
23