アメリカ国立歴史博物館見学会 〜”ビハインドザシーン”ツアー

研修会報告:アメリカ国立歴史博物館見学会
〜”ビハインドザシーン”ツアー:秘蔵のコレクションを訪ねて〜
研修担当理事 大貫
5 月 19 日(木)に、アメリカ国立歴史博物館(SmithsonianNationalMuseumofAmerican
History)の見学会を開催しました。
アメリカ国立歴史博物館は、1964 年に「歴史技術博物館」という名称で開館し、1980
年に現在の名称が採用されました。文字通り、「歴史博物館」であるとともに「技術博
物館」であり、アメリカ建国以来の様々な歴史が、技術の発展と結び付けられて、館内
の各フロアに展示されています。
特に、昨年リニューアルされた西館では、アメリカ開拓時代における幌馬車による移
動に始まり、南北戦争における鉄道と電信の役割、大量生産工場の出現、機械化農業、
モーターリゼーション、航空時代、情報化・コンピューター時代まで及ぶユニークな展
示物が目白押しで、まさにアメリカ歴史の玉手箱でした。
続いて、見学者一行は、独立戦争時の星条旗を視察しました。この星条旗は、米英戦
争の際にボルティモアの砦に掲げられていた実物で、アメリカ国歌「星条旗よ永遠なれ」
の歌詞が書かれるきっかけとなったものです。お目当ての星条旗は、薄暗い照明の中で
厳かにはためくように広げられており、まさに米国の愛国心、というものが感じられま
した。
次は、いよいよ”ビハインドザシーン”ツアーです。見学者一行は、周辺のモールを
一望できる眺望の良い特別室に案内され、そこで博物館の総括的な説明を受けた後、南
北戦争で使用された銃や、第二次大戦中の日系二世兵士およびその家族の遺品を目の当
たりにしました。特に、戦時中の日系人に対する迫害や、強制収容所での厳しい生活ぶ
りを物語る数々の記念品は余りにも衝撃的で、一同は歴史の重みに圧倒されました。
来年(2017 年)は、フランクリン・ルーズベルト大統領(当時)が、日系人の強制収容
を命じた「大統領令 9066 号」に署名してから 75 周年に当たります。これを記念して、
日系二世兵士とその家族が遺した数々の遺品や記念品が、アメリカ国立歴史博物館内に
1 年間に亘り特別展示される予定です。
今回の見学会は約 3 時間に及び、参加者の方々からは「とても中身が濃く充実してい
た」とのご感想をいただきました。また折を見て企画したいと思います。
最後に、今回の研修に際して、全面的にご協力いただいたスミソニアン協会の実藤様を始
めとする関係者の方々に、この場を借りて御礼申し上げます。