日本特別活動学会第 25 回大会-25 周年記念南関東大会-課題研究

日本特別活動学会第 25 回大会-25 周年記念南関東大会-課題研究
① 特別活動で育む資質・能力とは何か
・初等教育修了段階までに身に付けておくべき資質・能力とは何か 眞壁玲子
・義務教育修了段階までに身に付けておくべき資質・能力とは何か 松本康夫
・18 歳の段階で身に付けておくべき資質・能力とは何か
小巻 明
次期学習指導要領は、育成すべき資質・能力を明らかにした上で、各教科等の内容、
指導方法等について検討することとなっている。それでは、特別活動では、児童生徒の
発達段階に即して、どのような資質・能力をどのような系統性に基づいて育んでいけば
よいのか。この問題は、これまでも取り上げられてきたが、特に大会テーマにある 21
世紀コンピテンシーとのかかわりにおいて改めて問い直したい。特に、小中一貫教育や
18 歳選挙権等の課題を踏まえて、従来のような小中高という学校段階別ではなく、初
等教育終修段階、義務教育終修段階、18 歳の段階(成人年齢の問題も踏まえて成人段
階としてもよい)という観点で考えてみたい。
② 教育課程において特別活動の果たす役割とは何か
・特別活動は教科になり得るのか(特別活動の独自性とは何か)
山口満
・特別活動と教科、道徳、総合との連携をどう考えればよいのか
西野真由美
・次期教育課程において特別活動をどう意義づけるのか
山田真紀
教育課程企画特別部会の「論点整理」では、教科等の本質的意義の検討、教育課程の
総体的構造の可視化が求められている。本課題研究では、今日の教育課程において特別
活動の果たす役割とは何かを問い直すことによって、次期学習指導要領における特別
活動の存在意義を明らかにしたい。その際、道徳が特別の教科となったことを踏まえ、
特別活動は教科になり得るのかを問うことによって、特別活動の独自性とは何かを考
えてみたい。また、学習指導要領の新たな考え方の下で、特別活動と教科、道徳、総合
との連携のあり方を問うことによって、特別活動の視点から見た教育課程の相対的構
造を描き出してみたい。
③ 特別活動におけるアクティブ・ラーニングとは何か
・小学校におけるアクティブ・ラーニングはどうあればよいのか
岩島亜紀子
・中学校におけるアクティブ・ラーニングはどうあればよいのか
天野幸輔
・高等学校におけるアクティブ・ラーニングはどうあればよいのか 森田常次
次期学習指導要領において注目を集めているのがアクティブ・ラーニングである。ま
た、21 世紀コンピテンシーの育成を図る上でもアクティブ・ラーニングが重要な役割
を果たすと指摘されている。それでは、特別活動におけるアクティブ・ラーニングとは
何か。それが教科等の学習とどのように関わっているのか。特別活動そのものがアクテ
ィブ・ラーニングであると言われる一方で、これまでの特別活動では児童生徒の発達段
階に応じた系統的指導が十分意識されず、同じような実践が繰り返されているとの指
摘もある。本課題研究では、特別活動が行わなければならないアクティブ・ラーニング
とは何かを、児童生徒の発達段階や学校生活上の実践課題等を踏まえて、系統的に描き
出し、特別活動を重視することが、教科等の学習の充実につながるということを明らか
にしたい。また、アクティブ・ラーニングを強調しすぎることの是非についても考えて
みたい。
④ 自ら求めて学び、生き方をつかむ子どもを育む特別活動の課題とは何か
・学力形成の基盤としての特別活動の課題は何か
宮川八岐
・教育格差・貧困に向き合う特別活動の課題は何か
東 豊
・18 歳選挙権に向き合う特別活動の課題は何か
梅澤秀監
大会テーマの副題は、
「自ら求めて学び、生き方をつかむ子どもたち」であり、大会
主旨にも、21 世紀コンピテンシー、アクティブ・ラーニングとともに 2030 年の特別
活動のあり方を考える要素の一つが生き方の指導であると示されている。本課題研究
では、これからの児童生徒の生き方の指導において重要なテーマとなると考えられる
学習意欲の向上(学習意欲の問題は学力だけではなく、生き方の指導の根本にかかわ
る)
、教育格差・貧困(教育格差・貧困の問題は現在の教育が進もうとしている方向の
負の側面を表しており、生活づくりを目的とする特別活動はその問題にどう向き合う
ことができるのか)
、18 歳選挙権(成人年齢引き下げ)
(①とも連動するが、特別活動
は成人という概念とどうかかわるのか、特別活動から見た場合、成人年齢を 18 歳に
引き下げる〔単に 18 歳選挙権にとどまらず〕議論にどう向き合うことができるのか)
を取り上げ、特別活動がそれらの問題とどう関わり、これからの教育課題に向き合っ
ていくことができるのかについて検討したい。