第8回の講座だより - 広島教育実践研究所

新年を迎え,気持ちを新たにして第 8 回の講座を開きました。今回は当初の予定を尐し変更して,長
谷川郁子先生をお迎えし,特別講座「シータヒーリング」を加えました。
37 名の参加を得て,熱気あり癒しありの講座でした。その概要をお伝えします。
1
アクティブ・ラーニングと言語活動
~話し合い活動を中心に~
広島教育実践研究所
山本名嘉子所長
1990 年代,大学の授業(講義式)が問題になり,これからの社会を生きるためには「アクティブ・
ラーニング」が必要だと言われ始めました。
アクティブ・ラーニングとは,「課題の発見とそれの解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」を言
い,言語活動がその中核になります。
アクティブ・ラーニングによる授業づくりをするときのキーワードは 3 つです。
○ 問題解決的な単元づくりと主体的な学び
○ 書くこと,話すこと,聞くことなど,特に表現活動の重視
○ 学び合い・話し合い・関わり合いの活動
話し合い活動はこれまでも取り入れられてきましたが,発言力の差があって深まらなかったり,言い
っ放しで終わったりすることも多かったと思います。考えを書かせたあと話し合わせても,書いたもの
を読んでしまうことや示した型から抜けられないこともありました。
「話し合う」力をつけるためには,
「話し合うことで考えが深まった」
「わからなかったことが理解で
きた」
「友達の考えがよくわかった」ということを徹底して体感させることが大切です。また,相手を
尊重して話したり聞いたりする態度や基礎的な技能を学年段階に応じて伸ばしていくことも重要です。
話し合いを取り入れた授業は,次のことをふまえて組み立てていきましょう。
・
何を話し合っているのか確認すること
・
一つにまとめるのか,たくさん考えを出した方がいいのかなど,目的とゴールを明確にすること
・
話したいことがある,話し合わなければならないことがあるなど適切な話し合いの場を作ること
・
一人一人に考えを持たせる工夫をすること
・
質問する力をつけること
・
話し合ったことをまとめ,活用させること
・
話し合いを振り返るなど自己評価力を育てること
・
話し合いに感謝させること
2
確かに読む力を育てる授業づくり
~単元を貫く言語活動の工夫を通して~
大竹市立大竹小学校主幹教諭
根石郁子
先生
根石先生は,これまで研修してきたことをもとに確かに読む力を育てる授業づくりに臨みました。
「確
かに読む力」を育てるために考えたのは次の 4 点です。①身につけた力を活用する ②自分の読みとな
るよう課題提示を工夫する
③書く活動を取り入れる ④主体的に読むために言語活動を工夫する(単
元学習をつくる)
取り上げた教材は,3 年下「はりねずみを金貨」(東京書籍)で,単元を「おすすめ!ワールドフェ
アー ~世界の物語をしょうかいしよう~」としました。
本単元でつけたい力は
(1) 起きた出来事を確かめながら読む力
(2) あらすじをまとめる力
(3) いろいろな国の物語を読み,紹介する力
です。
(1)については,初発の感想をもとに児童とともに読みの課題を考え,出来事を読み取るときにその
課題を提示し読ませていきました。(2)については,まず場面分けをします。以前,二瓶先生のワーク
ショップで学んだ「人物・場所・時間」というヒントを児童もつかんだようです。それから,キーワー
ドなどを使ってあらすじをまとめさせました。場面ごとのあらすじでは無味乾燥なものになるので,内
容を読み取った後に再度,全体のあらすじをまとめさせるなどきめ細かな指導をされています。
最後に,(1)と(2)を使って『世界の物語を「おすすめブック」で紹介する』に挑戦させ,お互い交流さ
せました。児童は学習を振り返って,次のような感想を持ちました。
・ あらすじの書き方がわかった。
・ 「おすすめブック」は自分だけのオリジナルが作れるから楽しい。
・ 本をたくさん読んだ。これからもいろいろな国の本を読んでみたい。
主体的に読み取らせたいという根石先生の熱い想いと指導が十分に伝わりました。
3
新しい自分と出会う
~シータヒーリングの世界~
シータヒーリングマスター&サイエンスインストラクター
長谷川郁子
先生
シータというのは,脳波のシータ波からきているもので,眠るくらい
リラックスしたときに出る脳波だそうです。シータヒーリングとは直訳
すれば,脳波をシータ波にして癒されるということになりましょうか。
人はたくさんのことを思い込んでいます。その思い込みが身の回り
すべての「現実」を作り出しています。ですから脳波をシータ波にして
思い込みを置き換えることで,人は変わっていくことができるのだそうです。長谷川先生のリードで脳
波をシータ波にする体験をしました。来月,続きの講座を開きますので,ぜひご参加ください。
次回のご案内
1
日 時
2月27日(土)
13:00~17:00
2
場 所
イーストビル4階会議室
3
内 容
シンポジウム「国語教育実践の課題と創造」
(研究員・会員 5 名による)
シータヒーリング「瞑想とことば」 長谷川郁子先生