産地パワーアップ事業 都道府県事業実施方針 都道府県

別添参考様式(別記様式第3号関係)
産地パワーアップ事業
都道府県事業実施方針
都道府県名 熊本県
策定:平成28年5月25日
変更:
年
月
日
1 目 的
「総合的な TPP 関連政策大綱」に即し、水田、畑作、野菜、果樹等の産地が創意工夫し、産地の強みを活かしたイノベー
ションを促進することにより農業の国際競争力の強化を図ることを目的に、農作物の収益力向上に向けた取組を加速化させ
る必要がある。
このため、本県の農業について
① 熊本県食料・農業・農村基本計画
② 熊本県農業振興地域整備基本方針
③ 農業基盤の強化の促進に関する基本方針
④ 熊本県水田フル活用ビジョン
⑤ くまもと土地利用型農業振興方針
⑥ 熊本県茶振興計画
⑦ いぐさ・畳表についての構造調整計画
⑧ 熊本県野菜振興計画
⑨ 熊本県果樹農業振興計画
⑩ 熊本県花き振興計画
と整合させつつ、地域(平場・中山間地域)の営農戦略に基づいて実施する産地としての高収益化に向けた取組を総合的
に支援するとともに本事業の効果が最大限発揮できる方針及び体制を明確にする。
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2 基本方針
作物名
内 容
本県の多岐にわたる立地条件を生かし、①トップグレード米や高付加価値米等の産地づくり ②地域営農
米・麦・大豆
組織等への農地集積・集約化によるコストの低減 ③飼料用米や麦、大豆等による水田のフル活用と不作付
地の解消を進め、消費者や実需者の多様なニーズに対応した産地づくりを推進する。
このため、生産に不可欠なカントリーエレベーター等のインフラ整備については、飼料用米や大豆などに
も対応できるよう、地域に複数ある施設の機能分担や施設の機能強化を進めるとともに、スケールメリット
を生かした広域農場や地域営農組織を育成し、経営規模に応じた農業機械・施設の導入等を支援する。
畑作物・地域特産作物
工芸作物
茶
高品質で売れる茶や需要拡大が期待される新規茶種の生産に必要な荒茶加工施設、生産機械・施設の導入
等による生産基盤の整備を進め、競争力の強い産地づくりを推進する。
葉たばこ
経営規模の拡大を促進し、機械・施設の共同利用及び共同作業を進める。特に、共同乾燥施設や育苗施設
を核とした受委託作業方式を拡大するとともに、乗用型管理作業機等の導入によるコスト削減を図り、高収
益な産地づくりを推進する。
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いぐさ
優良品種の導入や省力化機械、施設の導入を推進し、生産枚数の確保による国産畳表のシェアの拡大を図
る。また、1戸当たりの作付面積の拡大に向けて、作業の外部受託組織の設立や雇用を活用した法人経営体
の育成等に取り組み、競争力の強い産地づくりを推進する。
その他地域特産作物
そば、蚕、薬用作物や雑穀等の特産物については、気象や圃場、担い手等の地域の条件を活かした産地づ
くりに加え、低コスト・高品質生産に必要な機械・施設整備による高収益な産地づくりを推進する。
野菜
施設野菜での高度環境制御機器や省エネルギー機器等の導入による販売額の向上及び生産コストの削減、
露地野菜での播種から収穫・運搬までの機械化一貫体系の導入による生産コストの削減を図る。また、野菜
の集出荷・選果施設の再編整備を推進することによって集出荷コスト等の削減や契約栽培の割合の向上を図
り、高収益・低コスト化に向けた産地強化を実現する。
果樹
園地の集積・基盤整備と併せ、省力化機械・施設の導入を推進し、高品質安定生産による販売額の向上と
生産コストの削減を図る。また、同一品種への改植による樹園地の若返りを進めるとともに、気象変動激化
に対応し、安定生産・高品質化につながる施設整備により販売額の向上を図る。集出荷施設については、糖
酸等のセンサー選果による品質管理や計画出荷、JA内の広域的な選果体制整備や他品目との連携、鮮度保
持施設の整備を進め、集出荷コスト等の削減を図り、高収益・低コスト化に向けた産地強化を実現する。
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花き
高品質な花き生産が可能な冷暖房温度管理や高度環境制御装置等の導入をはじめ、生産から流通までの徹
底した鮮度管理による高鮮度花きの供給やオリジナル花き等の開発・生産・販売により、販売額の向上とコ
スト削減を図る。また、作付け回数の増加が可能となる施設整備をはじめ、反収増加技術等の普及・計画生
産、品質の均一化や生産・流通・販売における徹底した効率化により、高収益・低コスト化に向けた産地強
化を実現する。
※平成28年1月の大雪・低温被害を契機とした、地域一丸となった収益力強化の取り組みも可能とする。
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3 本事業の推進・指導及び管内の地域協議会等が作成する産地パワーアップ事業計画及び取組主体事業計画の審査等の
方針・体制
(1)本事業の推進・指導
県(関係各課、各広域本部及び地域振興局農業普及・振興課等)は、説明会の開催、巡回指導、PRチラシの配布等
により、地域協議会等に対し本事業の効果的な実施を支援するものとする。
(2)計画審査の体制について
ア 市町村(地域協議会等構成団体として)
取組主体が作成した「取組主体事業計画」について、県実施方針「5 取組内容及び対象経費等の確認方法 1 計
画申請時」の確認及び、取組目標等について審査する。
イ 県
県庁補助事業主管課は、地域協議会等が作成した「産地パワーアップ計画」が、県実施方針の定めに適うものか審査
する。
なお、各広域本部及び地域振興局農業普及・振興課は、
「取組主体事業計画」
「産地パワーアップ計画」について、目
標の達成に資する事業内容となるよう助言指導する。
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4 取組要件
① 整備事業
対象作物
米
麦
大豆
茶
いぐさ
そば
蚕
その他地域特産作物
野菜
果樹
花き
取組要件
○補助対象施設
実施要綱の別表のメニュー1に掲げる施設を助成対象とする。
○取組主体
実施要綱の別表の取組主体の1を対象とする。
○採択要件及び補助率
実施要綱の別表の採択要件及び補助率に掲げるとおりとする。
○面積要件
実施要領の別紙4の要件等をクリアすること。
○成果目標の達成
実施要領の第4-5(1)の目標実現が見込まれること。
○その他
実施要領の別紙1、2及び3の要件等をクリアすること。
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② 生産支援事業
対象作物
米
麦
大豆
茶
いぐさ
そば
蚕
取組要件
○補助対象機械及び資材
実施要綱の別表のメニュー2(1)リース方式による農業機械等の導入及び(2)生産資材の導入
等の取組とする。
ただし、
(1)については熊本県特定高性能農業機械導入計画と整合していること。
○取組主体 実施要綱の別表の取組主体の2を対象とする。
○採択要件、補助率 実施要綱の別表に掲げるとおりとする。
○面積要件 実施要領の別紙4の要件等をクリアすること。
その他地域特産作物
○成果目標の達成 実施要領の第4-5(1)の目標実現が見込まれること。
野菜
○その他 実施要領の別紙1の要件等をクリアすること。
花き
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対象作物
取組要件
○補助対象機械及び資材
果樹
実施要綱の別表のメニュー2(1)リース方式による農業機械等の導入及び(2)生産資材の導入等の取組と
する。ただし、
(1)については熊本県特定高性能農業機械導入計画との整合していること。
○果樹の同一品種の改植
・品目は温州みかん、品種は「肥のあかり」
、
「豊福早生」
、
「肥のあけぼの」
、
「興津早生」
、
「白川」
、
「青島温州」
とする。
・品目は中晩柑、品種は「肥の豊」
、
「不知火」
、
「清見」
、
「川野ナツダイダイ」
、
「河内晩柑」
、
「晩白柚」
、
「大橘」
とする。
・品目はびわ、品種は「長崎早生」とする。
・品目はナシ、品種は「秋麗」
、
「豊水」
、
「あきづき」
、
「新高」とする。
・品目はブドウ、品種は「高墨」とする。
・品目はモモ、品種は「はなよめ」とする。
・品目はクリ、品種は「丹沢」
、
「杉光」
、
「筑波」
、
「銀寄」
、
「利平栗」とする。
・品目はカキ、品種は「太秋」とする。
・品目はスモモ、品種は「ハニーローザ」とする。
選定理由 県の推奨品種の中で、①県で育成した品種又は産地化が進んだ品種で、ブランド化が図られている
品種。②全国シェアが高く、県内の主要品種を選定した。
○取組主体 実施要綱の別表の取組主体の2を対象とする。
○採択要件、補助率 実施要綱の別表に掲げるとおりとする。
○面積要件 実施要領の別紙4の要件等をクリアすること。
○成果目標の達成 実施要領の第4-5(1)の目標実現が見込まれること。
○その他 実施要領の別紙1の要件等をクリアすること。
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③ 効果増進事業
対象作物
取組要件
○助成対象となる取組範囲 実施要綱の別表のメニュー3に掲げる取組とする。
米・麦・大豆・茶・
いぐさ・そば・蚕・
その他地域特産作物・
野菜・果樹・花き
○取組主体
実施要綱の別表の取組主体欄の3(1)県協議会及び(2)地域協議会を対象とする。
○補助率 実施要綱の別表の補助率欄3に定めるとおりとする。
○助成対象経費
実施要領の別紙1の3―(4)に掲げるものとする。
・計画策定等に要する経費 ・技術実証に要する経費
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5 取組内容及び対象経費等の確認方法
1 計画申請時
(1)整備事業(添付資料)
概算設計書及び見積書等事業費の積算根拠となる資料、費用対効果分析、施設の規模算定根拠、位置・配置図・平面図
及び施設の管理運営規程等、前年度の青色申告書(農業者の場合)等
(2)生産支援事業及び効果増進事業
申請者の規約(農業者の組織する団体)
、機械の利用計画、営農計画書の写し、能力・台数などの算定根拠、見積書、
カタログ、改植実施園の位置図(改植の場合)等
2 請求時
(1)整備事業
出来高設計書等
(2)生産支援事業及び効果増進事業
リース導入に係る入札関係書類、発注書、リース契約書、借受証、納品、領収書(支払済みの場合)等
3 その他
取組主体は、一連の書類等を整理し、事業実施の翌年度から5年間保管しておかなければならない。
なお、出来高設計書については、財産処分等の際に必要となるので、処分制限期間内は必ず保管しておくこと。
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6 産地パワーアップ事業計画の認定の優先順位の設定方法
○計画認定の考え方
1 国の事業要件を満たしている計画であること。
2 1の計画について、県の配分基準によりポイント付けし、ポイントの高いものから予算の範囲内で認定する(10~
最大35ポイント)
。
3 同点となった場合の優先採択基準
(1)下記1成果目標ポイントの高い計画から採択する。
(2)下記2選択項目の内、産地加算ポイントの合計(面積ポイント+農業者数ポイント)が高い計画から採択する。
○県の配分基準について
1 必須項目(成果目標ポイント)
(1)~(4)の成果目標の中から、いずれか 1 つを選択する。
(1) 生産コスト又は集出荷・加工コストの 10%以上削減
成果目標%=ポイント
(2) 販売額の 10%以上増加
(10.0~20.0 ポイント)
(3) 契約栽培の 10%以上の増加かつ 50%以上
(4) 需要減が見込まれる品目品種から需要増が見込まれる品目品種への 100%転換
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転換率%÷10=ポイント
(10.0~20.0 ポイント)
2 雪害加算ポイント(5ポイント)
平成28年1月大雪被害の復旧
3 選択項目
(1)~(4)の中から、いずれか2つを選択する。
(1)産地加算ポイント(0~5ポイント)
面積ポイント
地域ぐるみの取組み度合
右枠の面積ポイント及び農業者数ポイントの内、高い方を採択
(2)公共性ポイント(5ポイント)
農業者数ポイント
取組主体事業計画の面積/
産地パワーアップ計画の面積×5
取組主体事業計画の農業者数/
産地パワーアップ計画の農業者数×5
一律5ポイント
集出荷施設、穀類乾燥調製施設等の共同利用施設
(3)基盤整備ポイント(2ポイント)
一律2ポイント
小規模土地基盤整備
(4)現況値ポイント(2ポイント)
これまでの成果(成果目標ポイントの現状値が県または地域平均より高い場合)
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一律2ポイント
7 取組主体助成金の交付方法
市町村長を通じ、熊本県補助金等交付規則(昭和56年熊本県規則第34号。)及び熊本県農林水産業振興補助金等交付
要項(平成24年4月1日施行。)に基づく手続きを執り、取組主体へ助成金の支払いを行う。ただし、県の区域を対象と
する広域的な取組を行う場合にあっては、市町村長を経由せず支払いを行う。
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8 事業実施に当たっての取組主体に対する条件
○ 契約に当たっての条件(一般競争入札等)
取組主体は、補助事業を遂行するため、売買、請負その他の契約をする場合には、一般の競争に付さなければならな
い(産地パワーアップ事業推進費補助金交付要綱第25参照)
。
○ 助成金の返納(事業要件を満たさないことが判明した場合)
助成金を受けた後に交付要綱、実施要綱及び実施要領に定める要件を満たさないこと等が判明した場合には、当該助
成金の全額又は一部を速やかに返納しなければならない(産地パワーアップ事業実施要領第13参照)
。
○ 補助金に係る仕入れに係る消費税等相当額の返納
本事業において、当該補助金に係る仕入れに係る消費税相当額は、補助金から減額して申請するものとする(産地パ
ワーアップ事業推進費補助金交付要綱第5参照)
。
○ 財産の管理等
補助対象経費により取得し、又は効用の増加した財産については、補助事業の完了後においても、善良な管理者の注
意をもって管理し、補助金交付の目的に従って、その効率的運用を図らなければならない(産地パワーアップ事業推
進費補助金交付要綱第18参照)
。
○ 財産処分の制限
処分制限期間中において、処分を制限された取得財産等を処分しようとするときは、あらかじめ県の承認を受けなけ
ればならない(産地パワーアップ事業推進費補助金交付要綱第19参照)
。
○ 取組主体事業計画の評価
取組主体は、取組主体事業計画の目標年度の翌年度において、取組主体事業計画に定められた目標年度の取組目標の
達成状況について、自ら評価を行い、その結果を目標年度の翌年度の6月30日までに、地域協議会長等に報告する
ものとする。なお、果樹の改植については、事業実施年度から5年度目に、中間的な評価を実施するものとする(産
地パワーアップ事業実施要領第16参照)
。
○ その他 実施要綱・実施要領に記載されている条件を全て満たすこと。
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9 その他
この実施方針に定めるもののほか、必要な事項は別途定める。
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