SCMA - 眞田研究室

SCMA(Sparse Code Multiple Access)
散在符号多重接続
慶應義塾大学理工学部電子工学科
眞田研究室 4年
松木 計達
-1-
背景

2020年以降の無線通信アクセス実現に向けて5Gの通信方式が研
究されている


[1]
大容量化, 高速化, 低遅延化, 超多数端末の同時接続, 低パワー化
が求められている
近年, スマホやタブレットが爆発的に普及したことで
特に,
超多数端末の同時接続 が求められている
しかし
無線通信に使うことのできる周波数帯域は限られている
-2-
[2]
3G: CDMA(Code Division Multiple Access)


3GはCDMA(符号分割多元接続)という通信方式を用いたものである
符号を分割することによって, リソースブロックを複数のユーザーに
割り当てる方式
符号(コード)
周波数
同じセル内では同一周波数で通信を行うため, セル内のユーザー数が
増えてしまうと限界に近づくと通信ができなくなってしまう
-3-
4G: OFDMA


(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)
4GはOFDMA(直交周波数分割多元接続)という通信方式を用いたも
のである
周波数ドメインと時間ドメインを分割し、リソースブロックを複数の
ユーザーに割り当てる方式
周波数
時間
同じ周波数帯でも多数端末の接続を可能にすることができる
今後, さらなる超多数端末の同時接続においての通信は厳しい
-4-
[3]
5G?: SCMA( Sparse Code Multiple Access)

通信方式
OFDMAを拡張し, 時間と周波数に加え符号によって多重化を行っている

計算方式
CDMAを応用し, 計算量を少なくして通信できる
ゆえに



超多数端末との接続が可能(システムが過負荷されても通信可能)
遅延も低減できる
省電力である
-5-
SCMAのシステムモデル(送信側)
X2
01
もともとの
コンスタレーション
Y2
01
01
00
00
X1
10
1110
0110
Y1
1000
1010
11
Y2
1001
0010
1000
1101
1100
0000
1111
0111
1001
1011
0001
1100
0101
0011
1111
1000
0100
0011
1110
0111
1111
1010
1110
ゼロ要素が多い
0010
0000
1001
Y2
1000
0000
0100
0100
X2
1011
Y1
10
Y1
0001
00
10
X1
0101
11
(X1,Y1)と(X2,Y2)を入れ替える
0000
Y2
X1
1101
1101
00
10
ゼロ要素が少ない
0100
軸上に回転した
コンスタレーション
01
Y1
11
11
1100
X2
[4]
0110
-6-
0101
0110
0001
1010
1001
0010
0111
1011
1011
X1
0011
1000
1010
0000
0011
1100
1111
1110
0010
0111
X2
0100
1001
[5]
SCMAのシステムモデル(送信側)
マッピング例
ビットは,各レイヤのSCMAコード
ブックの
中のコードワー ドに直接マッピングされる
11
01
00
10
符号化
FEC Encoder1
ビットをコードワードにマッピング
SCMA Modulation Codebook Mapping
非ゼロトーン
FEC Encoder2
FEC Encoder3
FEC Encoder4
FEC Encoder4
ゼロトーン
SCMA Modulation Codebook Mapping
SCMA Modulation Codebook Mapping
SCMA Modulation Codebook Mapping
SCMA Modulation Codebook Mapping
コードブック
-7-
SCMAのシステムモデル(受信側)
送信側のコードブック
非ゼロトーン
[6]
MPA (Message Passing Algorism)
ゼロトーン
検査ノード
P1
C1
P1
F=
1
0
0
1
0
0
1
1
1
0
1
0
0
1
1
0
0
1
0
1
C2
P3
C3
P4
C4
C5
ビットノード
行列に変換
C1
P2
メッセージの更新を交互に繰り返し, 各送信ビットの
推定値を決定し復号する
MPAにより少ない計算量で復号が可能である
-8-
SCMAの利用先
[2]
周波数
時間
Iot(Internet of Things)や自動車, HDVなどに利用されると考えられて
いる
-9-
参考文献
[1] NTT DOCOMO, INC. “DOCOMO 5G White Paper,” Sept 2014.
[2] P. Zhu, “5G Enabling Technologies,” IEEE, PIMRC 2014, Sept. 2014.
[3] HUAWEI TECHNOLOGIES CO., LTD. “ファーウェイの5Gへの取り組み,” HuaWave, July 2015.
[4] M. Taherzadeh, H. Nikopour, A. Bayesteh, and H.Baligh, “SCMACodebook Design,” IEEE
Vehicular Tech. Conf. 2014 Fall, Sept 2014.
[5] ファーウェイ・ホワイトペーパー, “5G:新たな無線インターフェースと無線アクセスの仮想化,”
HUAWEI TECHNOLOGIES CO., LTD. pp. 5-6, July 2015.
[6] 井坂元彦, 「知識ベース」, pp 5-7, 電子情報通信学会, 2013.
-10-