2016年 税務速報 第三期

2016 年 3 月
中国会計・税務速報
今回のテーマ:債権持分化(DES)業務実行について
1. DESの概要
事例:中国子会社 A 社は、日本親会社 B 社から 100 万円を借り入れ、外貨管理局にて外債登記を行いました。A
万円
社に財務的な困難が発生したため、
社に財務的な困難が発生したため、B
社に当該借入金を A 社持分に転換することを要請し、B 社はその要請を承諾し、デット・エクイティ・スワップ(DES)を行うことを決定しました
社
を行うことを決定しました(元金のみ持
分化を行い、利息については返済する場合を想定)。
2.中国行政手続きの流れ及び必要資料
事前準備
行政手続きの流れ
事前準備
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l
l
l
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債権持分化に関する親
会社の取締役会から承
認
債権持分化に関する子
会社の株主会から承認
各政府部門に提出資料
ドラフトの確認
正式的な提出資料の修
正
親子会社の押印・サイン
Ø
1.
2.
3.
4.
5.
6.
Ø
ステップⅠ 商務局※1
商務局
債権持分化申請届出
権持分化申請届出
株主会決議
決議
定款修正案
現在の定款及びその修正案
董事会メンバーリスト
債権持分化協議書
ステップⅡ 工商局※1
工商局
1. 企業変更(届出)登記申
請書
2. 商務局の承認資料
3. 株主会決議
決議
4. 定款修正案
後続手続きの流れ
Ø
ステップⅢ 外貨管理局※2
l
1.
2.
3.
4.
5.
債権持分化申請届出
親会社の取締役会決議
株主会決議
商務局の承認資料
営業許可証
契約期間における支払
利息
利息全額の返済
l
銀行口座の抹消
l
Ø
ステップⅣその他関連変更
外貨管理局外債登記の
外貨管理局外債
抹消
1. 対外経営者備案証明(商
務局)
2. 税関登記証(税関)
3. その他
所要時間 2~3 ヶ月間ほど
為替レートに関する注意事項
※1.外債貨幣種類と登録資本金の貨幣種類が異なる場合、双方が
が異なる場合、双方が合意した指定日の為替レートで、登録資本金の貨幣種類に換算し、
登録資本金の貨幣種類に換算し、増資金額を申請
します。
2.外貨管理局に承認された為替レートは商務局の批複日
批複日又は批准日の為替レート(地元の外貨管理局に事前問い合わせが必要)
必要)であり、DES 金額か
ら外債金額に換算する必要があります。
設例:
A 社の登録資本金の貨幣種類は米ドルであり、借入金の貨幣種類は円です。親子会社指定日の為替レートは下表の
の貨幣種類は円です。親子会社指定日の為替レートは下表の b であり、商務局批准日の為替レ
ートは下表の d です。商務局批准日当日の為替レートの変動により、下記の状況になります。
為替レートの変動により、下記の状況になります。
イ.円高の場合
ロ
ロ.為替レートが同じ場合
借金金額(a)
100,000,000 円
合意指定日の
為替レート(b)
DES 米 ド ル 金 額
(c=a/b)
商務局批准日の
為替レート(仮) (d)
DES 日 本 円 金 額
(e=c*d)
差額(f=a-e)
米ドル/円=120
ハ.円安の場合
833,333.33 米ドル
米ドル/円=119
米ドル/円=120
米ドル/円=121
99,166,666.67 円
100,000,000 円
100,833,333.33 円
833,333.33 円
0
△833,333.33 円
――
N/A
OK
NG(再度商務局から申
請する必要がある。)
差 額 に 対 す る 取 扱 ☆借入金として残す
い方法
☆債務免除
結果
OK
お見逃しなく!
① 利息支払期間に関して、もし双方が特定の日に合意した場合、その日まで利息を計算します。
に合意した場合、その日まで利息を計算します。双方が合意した特定の日がない場合には
には、外貨管理局の批
准日まで計算します。そして、税務局に源泉徴収の申告、銀行に支払手続きを行います。
そして、税務局に源泉徴収の申告、銀行に支払手続きを行います。
② 外債登記抹消の手続きに関して、外貨管理局に従前の利息計算、利息支払を
の利息計算、利息支払をすべてチェックされますので、利息に関する資料を適切に
適切に保存する必要があ
ります。
③ 元金と利息をともに持分化することも可能です。