⑤-iv モーリシャスをめぐる直投資金の流れと税制上の特徴 モーリシャス(人口:約130万人、名目GDP:約130億ドル)の税制上の特徴 ○ 法人税率は15%、支店利益、及び非居住者への支払い配当は免税。キャピタルゲイン課税なし。 モーリシャスへの直接投資元 モーリシャスからの直接投資先 (残高ベース、単位:億ドル) 対内直投 残高※ 2,972億㌦ (残高ベース、単位:億ドル) 対外直投 残高※ 2,299億㌦ イギリス:243 インド:262 香港:118 インド:1,083 中国:144 シンガポール:252 アメリカ:465 アメリカ:534 ケイマン諸島:348 南アフリカ:495 データ出典:IMF CDIS (Coordinated Direct Investment Statics) (注)資産/負債ベースではなく、対内/対外投資ベースで集計(例:オランダの子会社からアメリカの親会社に対してなされる出資はオランダの対内直投残高から差し引かれる)。 13 ⑤-v キプロスをめぐる直投資金の流れと税制上の特徴 キプロス(人口:約114万人、名目GDP:約230億ドル)の税制上の特徴 ○ 法人税率12.5%、外国法人の国内支店の事業利益への課税無し ○ 非居住者への配当、利子の支払いへの源泉課税、キャピタルゲイン課税無し キプロスへの直接投資元 キプロスからの直接投資先 (残高ベース、単位:億ドル) 対内直投 残高※ 1,494億㌦ (残高ベース、単位:億ドル) 対外直投 残高※ 1,392億㌦ イギリス: 39 ロシア:361 イギリス: 31 ロシア: 309 ドイツ: 94 アイルランド: 11 スイス: 25 ルクセンブルク: 453 アメリカ: 43 バハマ: 6 データ出典:IMF CDIS (Coordinated Direct Investment Statics) (注)資産/負債ベースではなく、対内/対外投資ベースで集計(例:オランダの子会社からアメリカの親会社に対してなされる出資はオランダの対内直投残高から差し引かれる)。 14 ⑥―i 国外への証券投資実施残高 上位10か国・地域の顔ぶれの変化 (1995年-2014年) 対外証券投資残高 (単位:billion USD)) 1995年 対外証券投資総残高:4.7兆㌦ 1,500 102% 1,000 63% 世界全体のクロスボーダーの証券投 資実施残高は1995年から2014年ま での20年間で約9倍、約38兆㌦拡 大。 1995年における主要な対内証券投 資実施国は相対的に経済規模の大き いG7等の先進国。 しかし2004年には、経済規模の小さ い国・地域(ルクセンブルク、オランダ、 スイス)が、自国GDPを遙かに上回る 規模の証券投資を国外へ実施する現 象が顕在化。 2014年現在、この傾向はさらに顕 著となっている。 500 0 対外証券投資残高 (単位:billion USD)) 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 対外証券投資残高 (単位:billion USD)) (※)残高ベースで上位10か国・地域には入っ ていないものの、2014年時点で自国GDP を大幅に上回る規模の対外証券投資を実 施している国・地域としては、香港(40 2%)、シンガポール(313%)、モーリシャ ス(960%)、マルタ(1,143%)等が挙げら れる。 17% 18% 2004年 15% 120% 100% 80% 66% 60% 40% 37% 20% 17% 15% 13% 0% 10000% 1000% 193% 43% 31% 82% 59% 2014年 対外証券投資総残高:43.5兆㌦ 対外証券投資残高 対名目GDP比 10000% 5740% 1000% 937% 210% 6,000 (Source)名目GDP:IMF World Economic Outlook,証券投資残高:IMF E-Library, International Investment Position 100% 52% 10% 8,000 0 144% 169% 94% 10,000 2,000 対外証券投資残高 対名目GDP比 対外証券投資総残高:19.6兆㌦ 4700% 12,000 4,000 対外証券投資残高 対名目GDP比 135% 55% 74% 79% 97% 178% 100% 66% 10% 15 ⑥ ― ii 国外からの証券投資受入残高 上位10か国・地域の顔ぶれの変化 (1995年-2014年) 対内証券投資残高 (単位:billion USD)) 1995年 対内証券投資残高 対名目GDP比 対内証券投資総残高:6.1兆㌦ 2,000 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 1,500 1995年における主要な対内証 券投資受入国は相対的に経済規 模の大きいG7等の先進国。 しかし2004年には、経済規模の 小さい国・地域(ルクセンブルク、オ ランダ)が、自国GDPを遙かに上 回る規模の証券投資を国外から受 け入れる現象が顕在化。現在、こ の傾向はさらに顕著となっている。 ルクセンブルク、オランダ、アイ ルランドについては、証券投資の 受入・実施の両面において(資産・ 負債両建てで)、その額が自国の 経済規模を大幅に上回っている。 証券投資の中継地点として活用さ れていることが示唆される。 1,000 500 0 対内証券投資残高 (単位:billion USD)) 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 対内証券投資残高 (単位:billion USD)) 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 (Source)名目GDP:IMF World Economic Outlook,証券投資残高:IMF E-Library, International Investment Position 2004年 対内証券投資残高 対名目GDP比 対内証券投資総残高:24.3兆㌦ 10000% 4830% 1000% 106% 74% 54% 232% 93% 72% 71% 100% 59% 25% 10% 2014年 対内証券投資総残高:55.4兆㌦ 対内証券投資残高 対名目GDP比 10000% 7054% 1095% 139% 133% 98% 83% 1000% 269% 51% 75% 75%100% 10% 16 ⑦-i 各国・地域の銀行拠点が有する対外負債総額の推移と国・地域別内訳 過去30年間、オフショア・センター(OC)(注1)の銀行拠点は、ほぼ一貫して世界最大の対外負債 (預金等)残高(注2)を有しており、2015年3月現在、4.3兆㌦の預金等を域外から受け入れている。 35,000,000 (単位:billion USD) その他 (21%) 伊(2%) ルクセンブルク(3%) 蘭(4%) 仏(4%) 世界の銀行拠点が有する 対外債務総額の推移 OC(16%) 30,000,000 (1.3兆㌦) 30,000 ベルギー(3%) 日(3%) スイス 英(15%) 25,000,000 25,000 1998年 8兆㌦ 日 独(6%) スイス (8%) (6%) その他 ルクセンブルク(3%) 日本 蘭(3%) 仏(4%) ルクセンブルク 米(14%) 20,000,000 20,000 その他 (19%) スイス(5%) フランス 蘭(2%) ベルギー(3%) 仏(4%) OC(18%) アイルランド(2%) 蘭(3%) スイス(3%) 5,000 米(15%) 5,000,000 2015年 英(17%) 25兆㌦ 仏 独 (7%) ルクセンブルク(3%) (5%) 日(3%) 独(4%) 米(14%) 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2000 2002 1998 1996 1994 1992 1990 1988 1986 1982 1984 0 1980 スイス 日 英(14%) (8%) (10%) 独 米(15%) (7%) その他 OC(17%) (26%) (4.3兆㌦) オフショア・センター 10,000 10,000,000 (7,400億㌦) 1988年 4兆㌦ (5.5兆㌦) アメリカ イギリス ルクセン ブルク(2%) 2008年 31兆㌦ OC(18%) ドイツ 15,000 15,000,000 その他 (19%) 英(19%) (注1) オフショア・センター(BIS定義):当該国の経済規模に不釣合いな規模の非居住者との外貨建て取引を行っている金融セクターを有する国・地域。 蘭領アルバ、バハマ、バーレーン、バルバドス、バミューダ、ケイマン諸島、キュラソー、ジブラルタル、ガーンジー、香港、マン島、ジャージー、レバノン、マカオ、モーリシャス、 蘭領アンティル、パナマ、サモア、シンガポール、セイント・マーティン、バヌアツ、英領西インド諸島 (注2) 対外負債(BIS定義):各国銀行拠点によるクロスボーダーの債務(預金・借入金等)、及び各国に拠点を置く外資系金融機関の当該国からの外貨・現地通貨建て借入金であり、関連者 との取引も含む。 ※ データ出典: BIS _Local Banking Statistics (External positions of reporting banks vis-・vis all sectors) 17 ⑦-ii 国・地域の銀行拠点が有する対外債権総額の推移と国・地域別内訳 1980年代後半から90年後半の10年間で約2倍に増加した世界の銀行拠点が有する対外債権 総額(注1)は、2000年代に入り増加のペースをさらに速め、ピークとなる2008年には2000年比 で約3.5倍増となる35兆㌦にまで増加。その後、世界金融危機に伴う信用収縮の流れの中で、2 015年3月時点では、約28兆㌦まで減少。 この間、米、英に並び、オフショア・センター(OC)(注2)の銀行拠点が、一貫して対外債権保有残高 ベースで世界3位以内に入っており、2015年3月現在、約4兆ドルの対外貸付債権を有している。 ルクセンブ ルク(2%) 蘭(3%) 伊(4%) その他(23%) 35,000,000 1998年 OC(15%) 35,000 9兆㌦ (1.3兆㌦) 30,000,000 30,000 仏 英(14%) 25,000,000 (5%) 独 日 25,000 (7%) (9%) 20,000,000 20,000 その他(27%) 伯(2%) 世界の銀行拠点が有する 対外債権総額の推移 その他 ドイツ フランス 日本 オフショア・センター イギリス アメリカ ルクセンブルク その他(24%) (3%) OC(17%) 15,000,000 15,000 1988年 4兆㌦ 2008年 35兆㌦ アイルランド (4%) 米 (16%) OC(12%) 西(4%) 伊(4%) 蘭(5%) 独 仏 (4.2兆㌦) (6%)(6%) (1.3兆㌦) その他(26%) 10,000,000 10,000 日(16%) 墨(2%) 伊(3%) 仏 英 米(14%) ベルギー(3%) (4%) (10%) 独(3%) 英(18%) 米(17%) (7,000億㌦) 伊(2%) 5,000,000 5,000 0 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 スイス(2%) (単位:billion USD) 米(17%) 40,000,000 ルクセンブルク (3%) 中国(4%) 蘭(4%) 2015年 28兆㌦ 英(15%) OC(14%) 仏 (4兆㌦) 独 (6%) 日 (4%) (5%) (注1) 対外債権(BIS定義):各国銀行拠点によるクロスボーダーの債権、及び各国に拠点を置く外資系金融機関の国内向け外貨・現地通貨建て貸付債権であり、関連者との取引も含む。 (注2) オフショア・センター(BIS定義):当該国の経済規模に不釣合いな規模の非居住者との外貨建て取引を行っている金融セクターを有する国・地域。 蘭領アルバ、バハマ、バーレーン、バルバドス、バミューダ、ケイマン諸島、キュラソー、ジブラルタル、ガーンジー、香港、マン島、ジャージー、レバノン、マカオ、モーリシャス、 蘭領アンティル、パナマ、サモア、シンガポール、セイント・マーティン、バヌアツ、英領西インド諸島 ※ データ出典: BIS _Local Banking Statistics (External positions of reporting banks vis-・vis all sectors) 18 1.グローバル経済編 (2)知的財産権及びロイヤルティのグローバルな動き 19
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