第7回国際課税DG 際D7

平 2 8 . 5 . 2 6
際
D
7
説明資料
〔国際課税を取り巻く経済環境の構造変化〕
平成28年5月26日(木)
財務省
-
1
目
次
1.グローバル経済編
(1) グローバル投資のプレイヤーの変遷
① 世界の名目GDPの規模と上位20か国・地域の顔ぶれの変化
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
② 貿易量及びクロスボーダーの資産ストックの対名目GDP比の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
③ 対内直接投資残高上位20か国・地域の顔ぶれの変化(1995年-2014年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
④-(i) 対内・対外直接投資残高の対GDP比上位10か国・地域の顔ぶれの変化(1
995年・2014年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
④-(ii) 第三国を経由した導管投資のイメージ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
⑤ ルクセンブルク、オランダ、香港、モーリシャス、キプロスをめぐる直投資金の流
れと税制上の特徴
・・・・・・・・・・・・・・・・・10
⑥ 対内・対外証券投資残高の対GDP比上位10か国・地域の顔ぶれの変化(199
5年・2014年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・15
⑦ 各国・地域の銀行拠点が有する対外負債・債権総額の推移と国・地域別内訳
・・・・・・・・・・・・・・・・・17
(2) 知的財産権及びロイヤルティのグローバルな動き
① 世界の特許出願件数の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・20
② 世界の知財等使用料に係るクロスボーダー受取額の推移(受取り総額及び上位
10か国)
・・・・・・・・・・・・・・・・・21
③ 世界の知財等使用料に係るクロスボーダー支出の推移(支払い総額及び上位1
0か国)
・・・・・・・・・・・・・・・・・22
2
目
次
2. 日本経済編
(1) 日本のクロスボーダー投資の推移
① 日本の経常収支の推移と内訳の変化
・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
② 日本の第一次所得収支(ネット)の推移と内訳の変化
・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
③ 日本からの対外直接投資に係る配当収益(グロス)の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
④ 日本からの対外証券投資に係る配当収益(グロス)の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
⑤ 日本の対外資産・負債残高の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
⑥ 日本からの主要直接投資先の変化 (1996年、2014年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
⑦ 日本からの主要証券投資先の変化 (1996年、2014年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
(2) 日本企業の海外展開
① 日本企業の海外拠点数と進出 地域別シェアの推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
② 在留邦人数 地域別シェアの推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
③ 日本製造業の現地生産比率と逆輸入率の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
(3) 日本の知的財産権及びロイヤルティのクロスボーダーの動き
① サービス収支の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
② その他サービス収支の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
3. マクロデータ分析から導かれる示唆
3
1.グローバル経済編
(1)グローバル投資のプレイヤーの変遷
4
① 世界の名目GDPの規模と上位20か国・地域の顔ぶれの変化
 1995年から2014年の20年間で世界全体の名目GDPは約2.5倍拡大(31兆㌦⇒77兆㌦)
 世界の名目GDPの伸びを上回るペースで名目GDP拡大させた国は、中国(約15倍増:0.7兆㌦⇒10.3兆㌦)、
インド(約6.6倍増:0.3兆㌦⇒2兆㌦)等の新興国・途上国。
 この結果、世界経済に占める途上国・新興国の割合は同じ時期に2割から4割に拡大。
名目GDP(単位: Billion USD)
80,000
70,000
先進国:新興国・途上国
=6:4
60,000
50,000
新興国・途上国
先進国:新興国・途上国
=8:2
40,000
30,000
20,000
10,000
先進国
0
出典:IMF World Economic Outlook 2015
スイス その他:20%
米:22.5%
サウジアラビア
土
蘭
2014年
尼
約77兆㌦
墨:1.7%
中:13.5%
西:1.8%
韓:1.8%
豪:2%
伯:
加:2.3%
3% 仏: 日:6%
4%
露:2.4%
独:5%
印:2.7%
英:
3.7%
伊:2.8%
ベルギー 台湾
アルゼンチン
ロシア
その他:15%
スイス
米:25%
墨
印
豪
蘭
1995年
韓
約31兆㌦
西:2%
加:2%
日:17%
中:2.4%
伊:
独:
伯:2.6% 3.8%
8.5%
英:4% 仏:5.3%
5
② 貿易量及びクロスボーダーの資産ストックの対名目GDP比の推移
 資本・金融規制の緩和が進んだ1990年代後半以降、クロスボーダーの直接投資・証券投資が、貿易額を上回
る規模で増加。過去20年間で、対外直接投資・対外証券投資ともに残高ベースで約11倍に拡大。
(10億USD)
70.0%
名目GDP(右軸)
貿易量 対GDP比(左軸)※グロスベース
銀行対外債務残高 対GDP比 (左軸)
対外直投残高 対GDP比 (左軸)
証券投資残高 対GDP比 (左軸)
90,000
80,000
60.0%
70,000
50.0%
60,000
40.0%
50,000
40,000
30.0%
30,000
20.0%
20,000
10.0%
10,000
0.0%
0
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
(データ出典) IMF E-library, BIS Statistics, IMF World Economic Outlook, UNCTAD
6
③ 対内直接投資残高上位
20か国・地域の顔ぶれの変化
(1995年-2014年)
対内直投残高
(単位:billion USD))
1,200
1,000
800
600
 世界全体のクロスボーダーの
直接投資受入残高は1995年
から2014年までの20年間で
約13倍、約35兆㌦拡大。
 1995年における主要な対内
直投受入国は相対的に経済規
模の大きい欧米先進国。
 しかし2004年には、経済規
模の小さい国・地域が、自国G
DPを遙かに上回る規模の直接
投資を国外から受け入れる現
象が顕在化。現在、この傾向は
さらに顕著となっている。
(※)2014年現在、ルクセンブル
クは自国GDPの60倍近い直
接投資を国外から受け入れて
いる。
400
200
0
1995年
70%
60%
58%
50%
40%
39%
32%
30%
29%
26%
25%
25%
21% 18%
20%
18%
16%
8%
15%
13%
10%
10% 10%
9%
6%
4%
3%
0%
対内直投残高(単位:billion USD))
3,500
2776%
2004年
3,000
対内直投残高の
対名目GDP比
10000%
対内直投総残高14.4兆㌦
2,500
1000%
2,000
311%
1,500
1,000
500
25%
291%
127%
44%
31% 31%
対内直投残高(単位:billion USD))
7,000
5820%
6,000
5,000
53%
0
25%
12%
24%
21%
10%
対内直投残高の
対名目GDP比
2014年
164%
3,000
10000%
対内直投総残高:38.2兆㌦
197%
73%
36%
100%
46%
73%
564%
495%
4,000
1,000
189%
71%
43%
40%
19%
0
2,000
(Source)名目GDP:IMF World Economic Outlook,
直投残高:IMF E-Library, International Investment Position
対内直投総残高:2.8兆㌦
対内直投残高の
対名目GDP比
26%
36%
38%
1000%
296% 346%
53%
51% 42%
32%
100%
73%
23%
30%
19%
10%
7
④-i 対内・対外直接投資残高の対GDP比上位10か国・地域の顔ぶれの変化(1995年・2014年)
 1995年時点で、対GDP比で相対的に高い対内直投残高を有していた国は主として資源国、対外直投残
高を融資していた国は先進国であり、また直投受入/実施の残高が各国のGDPを上回ることはなかった。
 しかし、2014年においては、経済規模の小さな国・地域が主要な対内直投受入国、対外直投実施国とし
て資産・負債両建てで名を連ねるとともに、その額は名目GDPを遥かに上回る規模に達している。
対外直接投資残高(資産)
50%
40%
30%
対内直接投資残高(負債)
20%
10%
39%
31%
28%
27%
26%
23%
19%
17%
16%
7000%
6000%
5000% 4000% 3000% 2000% 1000%
6,771%
1,827%
605%
588%
2014年
0%
20%
スイス
チュニジア
オランダ
ナミビア
パナマ
カナダ
ベルギー
ベルギー
イギリス
バーレーン
スウェーデン
カナダ
フランス
マルタ
アメリカ
オーストラリア
デンマーク
スイス
オーストラリア
オランダ
45%
1995年
0%
対内・対外直投残高の
対名目GDP比
586%
548%
448%
203%
192%
187%
対内・対外直投残高の
対名目GDP比
キプロス
香港
オランダ
アイルランド
スイス
ベルギー
シンガポール
香港
アイルランド
シンガポール
60%
80%
58%
49%
42%
39%
35%
1995年
32%
31%
29%
28%
26%
0%
1000%
ルクセンブルク ルクセンブルク
モーリシャス
モーリシャス
キプロス
マルタ
オランダ
マルタ
40%
2000%
3000%
4000%
5000%
6000%
5820%
2361%
1802%
649%
564%
2014年
495%
346%
296%
ハンガリー
198%
ベルギー
197%
(データ出典)・直接投資残高:IMF E-Library
・名目GDP:IMF World Economic
8
④-ii 第三国を経由した導管投資のイメージ
 近年、クロスボーダー直接投資が増加している背景には、「実質的な経済活動とは関係の薄い第三国」を導管の
ように経由する取引の拡大が貢献している可能性。
 直投経由地となる第三国は、法人税の表面税率だけを見れば決して軽・無課税国ではない場合もあるが、様々な
税制を組み合わせることで、第三国を経由しない場合に比べ企業・投資家の実質的な税負担を相当程度軽減。
親会社所在地国A
投資対象国B
自社開発の知財を
を活用し有望市場である
B国への進出を検討
(法人税:30%)
(法人税:25%)
支払配当
源泉課税
(配当)
(直接投資)
親会社A
知財収益へ
の課税
グループ全体での
税引後利益最大化
策を模索
知 配 直
財
接
投
の
移 当 資
転
関連会社a´
(知財使用ライセンス付与)
(知財使用料)
経由地国C
(法人税:25%)
使用料への
源泉課税
関連する法律・
金融・会計業務に
係る雇用や手数
料収入等に期待
子会社 a
支払配当
源泉非課税
B-C国間租税条約の特典
配当・使用料へ
の源泉課税減免
直
接
投
資
配
当
・
売
却
益
資本参加
免税
知財使用ライセンス付与
☆ 資本参加免税:直接投資先である関連会社からの配
当や、当該関連会社の株式譲渡益は非課税
☆ 知財収益への税優遇:知財から生じる利益への法人
税の軽減。
☆ 支払配当源泉非課税: 自国から非居住者に支払われ
る配当に対する課税無し
知財収益への
税優遇
知財使用料
9
⑤-i ルクセンブルクをめぐる直投資金の流れと税制上の特徴
ルクセンブルク(人口:約50万人、名目GDP:約660億ドル)の税制上の特徴
○ 法人税の実効税率は29.22%だが、以下のような優遇税制の適用により負担軽減が可能
・資本参加免税:ルクセンブルク法人が国外関連社から受取る配当やキャピタルゲイン等について法人税免税。
・知的財産権関連税制:適格知的財産権から生じるロイヤルティ及びキャピタルゲインの80%に相当する額を法人税の所得
計算上控除可能。
・欠損金の無制限の繰越し可能、タックスヘイブン税制無し
・ルクセンブルクから支払われる利息、ロイヤリティ、配当は源泉非課税。
ルクセンブルクへの直接投資元
ルクセンブルクからの直接投資先
(残高ベース、単位:億ドル)
対内直投
残高※
2兆3,459億
ドル
対外直投
残高※
2兆9,800億
ドル
イギリス:2,696
アイルランド:1,646
(残高ベース、単位:億ドル)
オランダ:3,951
イギリス:3,591
オランダ:4,708
アメリカ:6,265
ベルギー:2,101
スイス:1,730
アメリカ:7,478
ジブラルタル:1,528
データ出典:IMF CDIS (Coordinated Direct Investment Statics)
(注1)資産/負債ベースではなく、対内/対外投資ベースで集計(例:オランダの子会社からアメリカの親会社に対してなされる出資はオランダの対内直投残高から差し引かれる)。
(注2) CDISデータは各国が独自の基準に基づき作成したデータをIMFが取りまとめたものであるため、例えばルクセンブルクがオランダから受け入れた直投残高(本スライド)と、オラ
10
ンダがルクセンブルクに実施した直投残高(次頁スライド)との間に不一致がみられる。
⑤-ii オランダをめぐる直投資金の流れと税制上の特徴
オランダ(人口:約1,680万人、名目GDP:約8,810億ドル)の税制上の特徴
○ 法人税率は25%だが資本参加免税を導入し、①発行済株式等の最低5%を保有し、かつ②動機テスト(ポートフォ
リオ投資に該当しない)を満たす場合、当該関連会社からの配当、当該関連会社の株式譲渡益は非課税。
○ 国外支店利益に係る課税無し。利子、使用料への源泉課税無し。配当への源泉課税15%。
オランダへの直接投資元
オランダからの直接投資先
(残高ベース、単位:億ドル)
対内直投
残高※
4兆135億
ドル
(残高ベース、単位:億ドル)
対外直投
残高※
4兆8,332億
ドル
イギリス:6,869
ドイツ:2,640
イギリス:4,077
ドイツ:2,259
ルクセンブルク:
7,122
バミューダ諸
島:2,273
ルクセンブルク:
6,524
アメリカ:4,764
アメリカ:8,183
スイス
:2,952
データ出典:IMF CDIS (Coordinated Direct Investment Statics)
(注1)資産/負債ベースではなく、対内/対外投資ベースで集計(例:オランダの子会社からアメリカの親会社に対してなされる出資はオランダの対内直投残高から差し引かれる)。
(注2) CDISデータは各国が独自の基準に基づき作成したデータをIMFが取りまとめたものであるため、例えばオランダがルクセンブルクに実施した直投残高(本スライド)と、ルクセンブ
ルクがオランダから受け入れた直投残高(前頁スライド)との間に不一致がみられる。
11
⑤-iii 香港をめぐる直投資金の流れと税制上の特徴
香港(人口:約720万人、名目GDP:約2,910億ドル)の税制上の特徴
○ 法人税率は16.5%。欠損金の無期限繰越可能、キャピタルゲイン課税無し
○ 支店利益への課税、非居住者への配当、利子支払いへの源泉課税無し、使用料への源泉税率は4.95%、
香港への直接投資元
香港からの直接投資先
(残高ベース、単位:億ドル)
対内直投
残高※
1兆3,369億
ドル
オランダ:871
アメリカ:480
中国:3,590
(残高ベース、単位:億ドル)
対外直投
残高※
1兆3,101億
ドル
イギリス:312
バミューダ諸島:449
中国:5,847
バミューダ諸島:720
バージン諸島:5,326
ケイマン諸島:298
バージン諸島:4,897
データ出典:IMF CDIS (Coordinated Direct Investment Statics)
(注)資産/負債ベースではなく、対内/対外投資ベースで集計(例:オランダの子会社からアメリカの親会社に対してなされる出資はオランダの対内直投残高から差し引かれる)。
12