(国際課税1)2/7 (PDF形式:1000KB)

各国・地域の銀行拠点が有する対外負債総額の推移と園・地域別内訳
ロ 過 去 30年間、オフショア・センター (
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注 1)の銀行拠点は、ほぼ一貫して世界最大の対外負債 (
預金等)
残高(
注2)
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注 1)オフシヨア ・
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S定務):当該国の経済規模に不釣合いな規模の非居住者との外貨建て取引を行っている金融セクターを有する国 ・
地域。
蘭領アルパ、パハマ、パーレーン、パルパドス、パミューダ、ケイマン諸島、キュラソー、ジブラルタル、ガーンジ一、香港、マン島、ジャージー、レバノン、マカオ、 モーリシャス、蘭領アンテイル、
パナマ、サモア、シンガポール、セイント・
マーティン、パヌアツ、英領西インド諸島
(
注2)対外負債(
BI
S定議):
各国銀行拠点によるクロスボーダーの債務(預金 ・
借入金等)、及び各国に拠点を置く外資系金融機関の当該国からの外貨・
現地通貨建て借入金であり、関連者との取引も含
む。
※ データ出典: BI
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世界の知財等使用料に係るクロスボーダー受取額の推移
ロ大きな経済的付加価値の源泉である知的財産等の、国境を越えた使用料の受取額は過去 20年で約7倍に拡大。
ロ使用料受取国のトップは一貫して米国 o しかしシェアは低下傾向 o 日本は世界第3位の特許使用料受取因。
ロ自国居住者が殆ど特許を出願しておらず、研究開発費の対GDP比も他の主要国と比して低水準の蘭、英が、世界トップレ
ベルの知的財産使用料受取国として存在感を示している。
【全世界の 特許登録件数の出願者居住国別内訳】
【知財等使用料に係るクロスボーダー受取額上位 10か国の内訳】
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データ出典 )・
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R&D対名 目GDP比
7
日本からの主要直接投資・直接投資先の変化( 1996年
、 2014年
)
ロ日本の対外直投残高は過去 20年で約 5倍に増加、特に中国及びオランダ向け直投が過去 20年で 10倍以上拡大。また、
シンガポール、香港に加え、ケイマン諸島が金融業を中心に主要な直投先に加わっている。
ロ日本の対外証券投資も、過去 20年間で約4倍に増加。 2014年には、ケイマン諸島がアメリカに次ぐ63兆円の日本からの
証券投資残高を有する先として存在感を高めている。
対外直接投資総残高
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日本の知的財産使用料収支の推移
ロ日本の知的財産等使用料収益は、日本企業の海外展開に伴う海外子会社等からの手数料支払いが増加したことを背景
に、過去 20年で3,400億円の支払超から、 2.4兆円の受取超へと劇 的に増加。サービス収支の赤字幅減少に貢献。
ロ他方、日本が知的財産権等の使用料を最も多く支払っている国は日本企業が地域統括会社等を多く設けているシンガ
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【日本の知的財産等使用料収支の推移】
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(
データ出典国際収支統計)
9
マクロデータ分析から導かれる示唆
※ 租税回避リスクをより詳細に把握・分析するためには、統計データの整備が必要。
1.グローバル経済における新興国・途上国のプレゼンス拡大
○ グローバルな経済及び資本移動において新興国・途上国の存在感が増していることから、国際課税に関する協力も、新
興国・途上国の参加を得ながら行う必要。
○ 日本企業の海外展開先は米国・中国・ASEANで約7割、中でも中国が5割弱と大きな割合を占めている。新興国・途上国
が国際課税のグローバル・スタンダードにコミットするよう促すことが重要。
2.グローバルな直接投資の増加と変質
○ クロスボーダーの直投の規模が増大しているだけでなく、一部の小国において、自国のGDPをはるかに上回る規模の直
投が資産・負債両建てで計上され、投資の導管として活用される傾向が顕著に。
⇒ 投資先における実質的な経済活動以外の目的で利用されるクロスボーダーの直接投資、関連者間取引に対応できる
よう、国際課税ルールを見直していくことが必要。
3.オフショア・センターにおける資本蓄積
○ いわゆるオフショア・センターに多額の預金が積みあがる傾向が継続。
⇒ オフショア・センター利用状況の透明性の向上が必要。
⇒ オフショア・センターがキャッシュボックスとして利用された場合に、適切な課税が確保できるよう、関連する制度の強化
が必要。
4.知的財産の重要性の高まりと、知財開発と知財使用料の受取、知財利用と支払いとの間のギャップ発生
○ 知的財産権は、現代の企業収益の大きな源泉であり、政府にとっての重要な税収源であり、日本も知的財産等使用料収
支の黒字が年々拡大。
○ 他方で知財は可動性が高く、租税回避に用いられ易い。マクロデータからは判別できないが、今後は、知的財産権を軽課
税国に移転することによるタックス・プランニングのリスクも高まると予想され注意が必要。
⇒ 研究開発投資規模や特許出願件数に比して、ロイヤルティ収入の高い国への利益移転リスクには留意が必要。また、
経済規模に比してロイヤルティ支払いが高い国についても実情をよりつぶさに見極める必要。
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