相場師朗先生の メンタルに関するインタビュー

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相場師朗先生の
メンタルに関するインタビュー
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Vol.1
20億円稼いだ男の思考法
聞き手: 周りの影響を受けたり、流されたりすることはありますか?
相場先生:
受けることも、流されることも無いですね。
聞き手:これは小さい頃からそんな感じですか。
相場先生:
そうですね。相手と自分が対等だと思っていますから、流されはしないと思いますよ。た
だ、相手を尊重する上で意見に賛同することはあります。
でもそれは流されたというよりは、相手が言ったことに自分が納得したので、それに寄っ
ていったという感じです。流されたり、影響を受けやすいということでない。
聞き手:もともと何か自分の中に軸があって、それに照らし合わせて、そこからブレてるも
のはやらないとか、そういう意識はありますか?
相場先生:
そこまではないです。もっとノーマルで、相手の意見が自分で納得できればそれは受け入
れる。納得できなければ、まあ受け入れない。
あるいは、できるだけ相手を尊重するのであれば、もうちょっと意見を聞いて自分が納得
できるように歩み寄っていく。
けれども、やっぱり違うなって思うときは迎合しないので、そういう意味で言ったら影響受
けやすいわけではないということです。
聞き手:単なる群集心理みたいに、みんながやったから自分は影響受けるようなことは?
相場先生:
それはもう絶対にないですね。
聞き手:ありがとうございます。では続いて、
「トレードの最中に間違ったと思われる行動
をしてしまう時がある」と伺ったのですが、株価が動かない時、また動きが鈍い時にそうな
ってしまいますか?
~2~
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相場先生:
そうですね。もう一つは玉(ポジション)がどちらかに偏ってる時ですね。
聞き手:偏ってる時ですか、もう少し詳しくお話ししてもらえますか。
相場先生:
例えば、買い玉を上がると思ってずっと持っていて、そのまま動かない時に「あれっ、ち
ょっとおかしいな」と思って売りを入れてみたりしてしまいます。
でも、実はそこは我慢していたらよかったのに、その時間の経過でだまされちゃう時があ
りますね。
シュミレーションだとうまくいくのですが、株価が上昇後、1 週間動かなかったりすると、
「これは危ないのかな?」と思って売りを入れてしまうようなことでしょうか。
その時に玉がどちらかに偏っていれば、自分が買いで持ってるので、上がってくれなければ
困ると思ってしまうのです。自分に合わせてマーケットがあるわけじゃないのですけど。
まあ、過去の話です。
聞き手:
「早めの手仕舞いをしてしまう」というご経験はありますか?
相場先生:
ヘッジを入れたのに、
「大丈夫そうだ」と思って早めにヘッジを切ってしまったるするこ
とがありました。
聞き手:それでは、そのような状況でも正しい売買ができるためにどんな方法をやってい
ますか、ということで。具体的にどんな反省とトレー二ングをしていましたか?
相場先生:
まず自分が過去、そういうことにはまってしまった時に、「あっ、これはどうしてはまっ
たのだろうか、それからどうすればよかったのか?」を冷静に考えてみます。
つまり、過去の売買履歴やチャートを冷静に見直して、一つ一つ箇条書きでウィークポイ
ントをあぶり出していく。そして、もう一度その場面をやってみる。そして違う場面を見つ
け出してきて、またやってみる。
聞き手:なるほど。そういうトレーニングをしてミスをなくしていくのですね?
相場先生:
~3~
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はい。もう一つありました。瞑想をしていましたね。
聞き手:瞑想ですか。
相場先生:
夜、ベッドの上に座って、電気を消して、自分はどこがよくなかったのか、今度はこうし
ようって自分で決めるのです、毎日。
それで、次のトレードをする時は前回の失敗を犯さないように気をつけてやろうと。
聞き手:何回も自分に言い聞かせて刷り込みを行ってるのですね。
相場先生:
そうですね。
聞き手:次に、売買手法の確立や心理的な問題の解決、売買プランの作成にどれぐらい時間
と期間が必要だと思われますか?実際に、相場先生は 10 年かかったと伺いましたが。
相場先生:
そうですね。10 年かかりました。
聞き手:独学というか、試行錯誤でやってきた時間と比べて。もし、良い師匠が存在してい
れば、どのくらいで完成していたとお考えですか?
相場先生:
1 年から 1 年半、くらいでしょうか。
聞き手:作成開始から 1 年後、1.5 年後ですね。それでは、相場先生という師匠がいらっし
ゃる生徒さん達は 1 年から 1.5 年ぐらいで完成してしまうと。
相場先生:
私がその方に良い師匠であればですね。ただ、その間には「相場師朗はこう言ったけど、
実際にはできない」ということがあると思います。それで、できないから反省をして、売買
明細見直して、チャート見直して、練習をして、大体 1 年か 1 年半でできるようになってい
く、という感じがしますね。
聞き手:その際、何かうまくいかないケースがあるとしたら、どんなことに気をつけないと
~4~
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いけませんか?
相場先生:
うまくいかないケースとは、言いつけを守らないということです。
「習ったことをそのまま素直にやってみる」と自分に言い聞かせないといけないですね。習
ったことを素直にやってみたけれども失敗した場合は、多分それは自分の間違いなのです。
だから、勉強で習ったことと違っていた、認識したけれども多分間違っていたと感じた際は、
何か認識違いがあったのではないだろうかと考えましょう。
認識違いをあぶり出すためには、具体化していかなきゃいけないですね。
弟子から「言った通りにやったけれどもどこが自分は違うのか?」と聞かれたので、よくよ
く売買を見たら、私の言っていることをちゃんと認識してなかったのです。
そこを直すとできるようになったそうです。
ウィークポイントを潰すっていうことでしょうかね。
聞き手:そうですねえ。自分自身を省みることで直していくと、いうことが必要ですよね。
相場先生:
そういうことです。
聞き手:人間は自己正当化する習性がありますから、そこをご自身がわかってもらって。自
己正当化するのではなく、自分を省みてどこが悪かったのか、常にその方向性で考えても
らうってことが必要なのですね。
相場先生:
はい、冷静になるっていうことですね。
聞き手:ありがとうございます。ついでトレードに必要な能力について伺います。
まず必要なパソコンの知識レベルについてなのですが、ネット証券でトレードができる程
度あれば大丈夫ですか?
相場先生:
はい、全然問題ないですね。
聞き手:スマートフォンでも大丈夫ですか?
相場先生:
~5~
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スマートフォンでもトレードできるようになったほうがいいですね。
聞き手:そうですね。ほかにはどのような能力が必要ですかということなのですが、
「冷静
に論理的に考える能力」と、
「トレー二ングを継続する意志力」
、それから「自分で新たな課
題を見つけ出し研究することのできる能力」。
この中の「継続するトレーニング」とは、どのようなトレーニングでしょうか?
相場先生:
トレーニングを継続する意志力です。極端な話ですが、例えば、日本の大学の中で偏差値
が一番高い大学はご存じのように東京大学じゃないですか。
自分は東京大学を卒業していませんが、高校時代もっと勉強したら入れたと思ってるの
です。でも、結局勉強が続かなかっただけなのですよ。例えば Z 会の模試をやって、毎月来
るのを全部消化して、赤ペンで返って来たら全部見直して、わからなかったら参考書で探し、
学校の先生に聞いて、全部理解して、また出して……。それをやっていたらよほど知能指数
低くない限り、誰でも一流と言われている大学に入れちゃう。
だけど、どこかで今日は寝ちゃおうとか、今日は休もうかとか、わからないから飛ばしち
ゃおうかなとか、怠けてしまうから多分それなりのところに収まってしまうのだと思うの
です。トレードも同じです。
例えば、JPX400 全部の銘柄の 20 年分のリーディングをやったら、絶対上手になるはずな
のです。400 銘柄 20 年分というと 8 千年分ですから、これをこなせば絶対上手になります
よ。ただ、よほどじゃない限りできないと思いますが、この中の誰かがボロボロになりなが
らやり終えたら絶対上手になっているはずなのです。
怠けそうになった時に怠けない意志力が、やっぱりプロになるには必要と思っています。
聞き手:なるほど。相場先生でも以前「ちょっと今日は嫌だな」っていう時とかありました
か?
相場先生:
しょっちゅうありましたよ。
聞き手:その時に、どういうふうに自分に問いかけて継続させたのでしょうか?
相場先生:
「これではいけない」という思いでしょうね。
聞き手:最初はこれではいかんと、はい。
~6~
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相場先生:
当時は銀行にいましたから、自分を奮い立たせるしかないですよね。自分を奮い立たせて、
そして続ける。もうそれだけですよね。眠くても起きようと思って、目覚まし 5 個ぐらい置
いたことあります。もう、とにかく起きて、ただひたすら根性でやるしかなかったです。
聞き手:その時ってどのようなことを頭の中でイメージされていました?
相場先生:
これをやり終えたら、絶対立派なトレーダーになれるはずだと思っていました。自分はま
だこれをやり終えてないだけなのだと。だから、全部埋めれば、トレーニングをすれば絶対
に俺はいけるんだ。そういうポジティブ考えて、なるべくそれに近づこうとしたのですが、
それでも怠けちゃう。
だから、じゃあちゃんと朝 5 時に起きようと思ったら目覚ましを 5 つ置いて。
最初は水をかぶったりとか、いろいろやりましたよ。
それで、だんだんやっているうちに慣れてくると、当たり前にできるようになる。今なんか
毎日朝 3 時に起きられます。
聞き手:すごいですね。
相場先生:
重要なのは、最初の取っ掛かりじゃないでしょうか。
聞き手:なるほど、ありがとうございます。3 つ目の「自分で新たな課題を見つけ出す」に
ついてですが、どのように課題を見つけたらよいのでしょうか?
相場先生:
そうですね、自分で新たな課題を見つけるというのはすごく大事。
例えば、東京マーケットが 2 万 1,000 円近くまで行きましたけど、その前はどうだったか
というと、大きく上昇してもみ合っていたのです。
ここ、上に行くか下に行くか、上に行くと思うけど、上に行くか下に行くかわからない。建
玉どうしようかなって考えた時に、そうだ、過去にももみ合いの場面でなかったかなと探し
てみる。
それで、過去のもみ合いをチャートで、例えば 30 年分全部当たってみる。
なるほど、もみ合いって結構上がったあともみ合う、で、また上がったあともみ合う。
それで、横ばいになる時とボックスになる時とある。
~7~
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ここを制すれば過去結構勝てるな。と考える。
じゃあもみ合いだけトレーニングしてみることにします。
電車の中でもトイレの中でもお風呂の中でも、もみ合い、どうやったら取れるかなって考え
るわけですよ。
そう、今、既にもみ合いを制すっていう課題が自分にできたわけですよね。
それで、底練りうまくとれなかったら、よし底練り 20 個やってみよう。
底練り 20 個のリーディングをして、じゃあ建玉 20 個やってみよう。自分で課題ができま
すよね。
ですから、この間ヘッジで、例えば C 局面で上がると思って買い玉を持って、2~3 日上
がったけど、陰線が出て 5 日線を割り込んだ。
でも、多分普通の人はそのまま持ち続けて下がってしまう。
これ、陰線が出た時上がってきて、5 日線を陰線で割ったらば、区切るか、1 回空売りを入
れればいいのに、入れないでしまってそのまま下がって、前の安値割ってマイナスになって
いる。なるほど、これ、やっぱり売りだよ、売り入れなきゃいけなかったのだな。
よし、じゃあこの場面、何個か練習してみようっていう、自分で課題を作っていく。
聞き手:なるほど。それで、その実践で課題が出来て、それをどうすればよいか考えるとき
なのですが。すぐ師匠にお聞きしてそれを改善するのか、それとも自分で相場先生のよう
にある程度トレーニングをして、問題を解決して、どうしてもわからなくなってからお聞
きしたらいいのか、どちらでしょう?
相場先生:
はい、自分でやったほうがいいですね。
聞き手:ああ、なるほど。
相場先生:
自分でやって下さい。
あのね、
『究極の鍛錬』という本、どなたかに頂戴したのです。
外国人の研究者が書いているのですが、ある音楽大学でのピアノの練習時間。
A クラス、将来プロになる音楽大学の学生、B クラス、高校の教員になるような人たち、そ
れから C クラス、主婦になって、ピアノ上手でピアノ教室の先生やるぐらい。
練習時間同じだそうです。
どこが違うかというと、自分で課題を見つけて練習するのがプロ級になる人。
で、B クラス、C クラスは、みんなの合同練習で終わりにしちゃう人です。
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聞き手:なるほど。
相場先生:
ということは、自分練習が多い人のほうが上達するのですよ。
聞き手:問題を明確にして、自分の問題点をクリアーにしていく。
相場先生:
クリアーにした段階で、教授のところへ行って「ちょっと聞いてもらえませんか」ってや
ると、教授に「ここ、だめ」って言われた時に、もう自分で散々やって、課題を克服してい
るから、あっ、ここかってわかってすぐ直せる。
皆さんがピアノ教室通った時に、家で練習しないで先生のところだけで弾いていたらな
かなか進まない。
大方弾けるようになってから行くと直してもらうだけで済むわけです。
自分練習が多いのが A クラスになる人。
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