情 報 報 告 - 日本産業機械工業会

情 報 報 告
シカゴ
●最近の米国経済について
○2016年2月の米小売売上高は前月比 0.1%減の 4,473 億ドル
3月15日、米商務省は2016年2月の小売売上高(速報)を発表した。2月の小売売上高
(季節調整値)は、4,473 億ドル(前月比 0.1%減)となった。市場予測(ブルームバーグ調べ)
の 0.2%減を上回った。なお、1月の小売売上高は、4,499 億ドル(前月比 0.2%増)から 4,480
億ドル(0.4%減)に大幅に下方修正され、2 ヶ月連続での減少となった。
業種別に売上げ高をみると、ガソリンスタンド(前月比 4.4%減、310 億ドル)の落ち込みが目
立った。次いで、自動車・同部品(0.2%減、943 億ドル)、総合小売り(0.2%減、562 億ドル)
の減少も響いた。一方、フードサービス(1.0%増、537 億ドル)、建材・園芸用品(1.6%増、299
億ドル)、ヘルスケア(0.7%増、266 億ドル)は伸びた。レイモンド・ジェームズ・ファイナン
シャルのチーフエコノミスト、スコット・ブラウン氏は「家賃や医療費の増加により、ガソリン
の値下がりによる恩恵が相殺されている可能性がある」とみている(ブルームバーグ 3 月 15 日)。
○2016年2月の米消費者マインドは前月より 5.6 ポイント低下
2月23日、米コンファレンスボードは2月の消費者信頼感指数(※)を発表した。2月の消
費者信頼感指数は 92.2(前月比 5.6%減)と、市場予測(ブルームバーグ調べ)の 97.2 を下回っ
た。この結果に関して、コンファレンスボード経済指標ディレクターのリン・フランコ氏は「短
期的な見通しについて悲観的な見方が強まった。消費者は景気や家計、労働市場の先行きを懸念
している」とコメントしている。
(※)全米 5,000 世帯を対象に毎月、経済状態や雇用情勢についてアンケートし、結果を指数化
したもの。現況指数は経済、雇用の 2 項目、期待指数は 6 ヵ月後の経済、雇用、所得の 3 項目
の平均値で、信頼感指数は両者を合わせた 5 項目の平均値。
○2016年1月の米貿易赤字は前月比 2.2%増の 457 億ドル
3月5日、米商務省は2016年1月の貿易統計を発表した。輸出は(国際収支ベース、季節
調整済み)は 1,765 億ドル(前月比 2.1%減、前年同月比 6.6%減)
、輸入は 2,221 億ドル(前月
比 1.3%減、前年同月比 4.5%減)となり、貿易赤字は 457 億ドル(前月比 2.2%増、前年同月比
4.8%増)と増加した。輸出の減少の背景には、弱い外需とドル高の影響が、輸入の減少の背景に
は原油価格の低下があると見られている。なお、2015 年 12 月の貿易赤字は、434 億ドルから 447
億ドルに改定された。
財貿易を主要財別(通関ベース、季節調整済み)にみると、輸出は自動車・同部品など(0.2%
増、123 億ドル)を除く全ての項目でマイナスとなった。資本財が 2.8%減の 428 億ドルと、落ち
込みが目立った。油田用ボーリング機械(47.6%減)
、民間航空機(8.3%減)
、通信機器(10.7%
減)などが押し下げ要因となっている。
輸入では、工業用原材料が 5.7%減の 346 億ドルと、押し下げ要因となった。また、原油(19.6%
減)のほか、鉄鋼製品(16.0%減)
、非貨幣用金(23.3%減)などの落ち込みが目立った。他方で、
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トラック・バスなど(13.3%増)が伸びたことから、自動車・同部品などが 1.7%増の 306 億ド
ルと、下支え要因となった。
なお、通関ベース(季節調整前)では、原油価格の輸入単価は 1 バレル当たり 32.06 ドルと、
前月の 36.6 ドルから 12.4%減の下落となった。
国・地域別に財貿易(通関ベース、季節調整前)を前年同月比でみると、輸出は、原油価格の
低下の影響で、カナダが 12.6%減の 198 億ドルと落ち込みが目立った。次いで、中国が 14.0%減
の 82 億ドルと減少した。大豆や民間航空機などが大幅に落ち込んだことなどによる。
輸入では、原油価格下落の影響でカナダ(12.8%減の 222 億ドル)
、OPEC(17.1%減の 56 億ド
ル)が押し下げ要因となったほか、日本が 11.9%減の 96 億ドルと大幅に減少した。日本からの
輸入は、自動車(8.2%減)
、機械類(13.1%減)、電気機器(14.3%減)などが下げ要因となった。
○2016年3月の米新車販売台数は前年同月比 3.2%増の約 159 万台
4月1日、オートデータは、2016年3月の米新車販売台数は 159 万 5,483 台(前年同月比
3.2%増)と発表した。季節調整済みの年率換算台数は 1,657 万台となった。トゥルーカー・ドッ
ト・コムによると、3 月のインセンティブは前年同月比 10.4%増の 3,005 ドルとなり、12 ヵ月連
続で増加した。
車種別では、小型トラックが前年同月比 11.4%増と大幅に伸び、押し上げ要因になった。好調
なスポーツ用多目的車(SUV、スポーツワゴンを含む)の 8.8%増に加えて、ミニバン(39.4%増)
、
小型バン(28.3%増)、大型バン(27.0%増)がいずれも 2 桁増となり、全体の伸びを牽引した。
一方、乗用車は 5.9%減となり、中型車を除いて 2 桁減となった。
各メーカーを販売台数順にみると、フォードは、前年同期比 7.8%増の 25 万 3,064 台と増加し
た結果、ゼネラルモーターズ(GM)の販売台数を抜き、2011 年 3 月以来、約 5 年ぶりの首位とな
った。ゼネラルモーターズ(GM)は、前年同月比 0.9%増の 25 万 2,128 台と小幅増にとどまった。
トヨタは、乗用車の販売減が影響し、2.7%減の 21 万 9,842 台となった。
その他、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)は 8.8%増の 20 万 9,712 台、日
産は、12.7%増の 16 万 3,559 台、ホンダは、9.4%増の 13 万 8,221 台、
現代は、0.4%増の 7
万 5,310 台、起亜は、0.8%減の 5 万 8,279 台、スバルは、0.4%増の 4 万 9,285 台となった。VW
は、不正ソフト搭載モデルの販売停止を受け、10.4%減の 2 万 6,914 台と 4 ヶ月連続で減少した。
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