多摩大学大学院教授 田坂 広志

特別対談
逆境を見つめる覚悟を
もたなければ、
真のリーダーではない
生きがい、働きがいを感じられない大人が増えるなか、そんな大人たちの存在が、未来に
希望を抱けない子どもたちを生んでいる。負の連鎖を断ち切る道はリーダーの意識にあ
り、中小企業の現場にあると、お二人は語る。学習塾の経営者として多くの子どもとその
親を育ててきた経歴をおもちの下村氏と、リーダーが学ぶ場「田坂塾」を主宰し、多くの
企業経営を見つめてこられた田坂氏の〝現代版〟企業教育論とは。
「自分は駄目な人間だ」
そう思う高校生が七二・五㌫!
あるアンケート調査によれば
「自
問題の根源は日本の現状
─
分は駄目な人間だ」
と思っていると答
ゆ ゆ
えた 高 校 生 が七二・五 ㌫もいるそう
です 。非 常 に 由 々 しき 問 題 だ と 思い
ます。
下村 日本青少年研究所という財
多摩大学大学院教授
田坂広志
たさか・ひろし 1951年生まれ。74年東京大学卒業。81年同大学院修了。工学博士
(原子
力工学)
。米国シンクタンクを経て、90年日本総合研究所の設立に参加。2000年より多摩
大学大学院教授として社会起業家論を講じる。同年シンクタンク・ソフィアバンクを設立。08
年より世界経済フォーラムのGACメンバー。11年内閣官房参与。13年全国から2800名を
で80冊に及ぶ
超える経営者やリーダーが集まり
「変革の知性」
を学ぶ場、
「田坂塾」
を開塾。著書は国内外
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理念と経営 06 / 2016