熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System Title Clinical evaluation of percutaneous transhepatic portal embolization using foam ethanolamine oleate … Author(s) 井上, 聖二郎 Citation Issue date 2015-03-25 Type Thesis or Dissertation URL http://hdl.handle.net/2298/34543 Right 井上聖二郎氏の学位論文審査の要旨 論文題目 C l i n i c a le v a l u a t i o no fp e r c u t a n e o u st r a n s h e p a t i cp o r t a le m b o l i z a t i o nu s i n gf o a m e t h a n o l a m i n eo l e a t ea n dc a r b o nd i o x i d e( C 0 2 ) (オレイン酸モノエタノールアミンおよび二酸化炭素のフォームを用いた肝切除術前経皮経肝 門脈塞栓術の臨床的検討) 研究背景及び目的: 肝切除前の門脈枝塞栓術は、悪f 到干腫蕩の切除率を向上させるため確立された方法の一つである。オレイ O )は経皮経肝的門脈枝塞栓術(P T P E)の塞栓物質(硬化剤)として用いられるが、 ン酸エタノールアミン(E 全身循環に流出した場合には、溶血に伴う腎不全が生じることがある。一方、 E Oを二酸化炭素(C 0 2)と混和 Oの使用量を してフォームとして使用することにより、静脈内皮細胞ヘ接触面積を増やす事が可能であり、 E 減少させ、腎機能障害のリスクを低減できる可能性がある。申請者の研究では、 E Oと C 0 2のフォームを用い T P Eを確立し、有用性と安全性を評価した。 た肝切除術前 P 1 5名の患者に E Oと C 0 2のフォームを用いて P T P Eを施行した。 9名が肝細胞癌、 5名が胆管癌、 1名が結腸 Oと C 0 2を 1 : 2の比率で混和して作成した。 P T P E前後での非塞 癌による転移↑創刊重蕩であった。フォームは E u t u r eI i v e rr e m n a n t ;F L R)の体積を測定し、府L Rv o l u m ei n c r e a s eを用いて肥大率 栓葉(将来の残肝: f を算出した。 Oと C 0 2のフォーム使用量は平均 1 6 .8 m l( 1 4 2 0 m l、 )E Oとしては平均 1 3 .4 m lであ 標的門脈枝に使用した E った o 手技的成功率は 9 3 弘 (1 4 / 1 5 、 ) 1例に 1週間後の C Tで再開通を認めた。 P T P E前後の F L R体積はそれぞ 9 9 α n 3と 6 9 1 c m 3で、あった(P く0 . 0 1)。肥大率である% F L Rv o l u m ei n c r e a s eの平均は 2 9 .切で、あった。 れ平均 5 P T P E前後のクレアチニン値l こ有意差は認めなかったo 以上より、印と C 0 2を使用した肝切除術前 P T P Eは臨 床的に有用かつ効果的であると結論された。 E Oと C 0 2のフォームは、肝切除術前 P T P Eにおいて、安全性、有効性の見地から、有望な新規塞栓物質のー っとして期待され、申請者の研究は今後の臨床上の発展に寄与するものと考えられた。公開審査においては、 本塞栓物質使用の症例選択基準、塞栓による静脈癒増悪の可能性、再疎通の起こりうる時期、切除標本の病 理所見との関連、フォーム混合比率の高直化、注入量の決定法、注入時のモニター法、などについて質疑応 答がなされ、申請者からは概ね適切な解答と考察がなされた。以上より総合的に、本研究は学位授与に値す るものと評価された。 審査委員長放身搬治療医学担当教授 丈ι玉江
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