計画の策定にあたって

第
1章
計画の策定にあたって
1
1.計画策定の趣旨
わが国においては、平成 11 年(1999 年)6 月に「男女共同参画社会基本法」が施行
されて以来、「男女共同参画社会の実現は 21 世紀を活力ある社会にするための最重要課
題」と位置づけ、省庁横断的に取り組みが進んでいます。
東大阪市では、平成 15 年(2003 年)に「男女共同参画推進プランひがしおおさか
21」を策定し、目標年次を平成 22 年度(2010 年度)と定め、人権尊重と男女共同参
画社会の実現に向けて総合的な施策の展開を図ってきました。その後、平成 19 年(2007
年)に一部改定し、平成 23 年(2011 年)に「第3次東大阪市男女共同参画推進計画~
はばたき
東大阪 みらい 翔 プラン~」を策定しました。
計画策定にあたっては、固定的な性別役割分担意識の解消に向けた取り組みの推進など、
6つの重点項目を設定し、実効性を高める取り組みを進めてきました。
しかし、家庭や地域、職場などさまざまな場面において、まだ男女の不平等感があるな
ど、男女共同参画社会の実現に向けた課題が残されています。また、社会情勢の変化によ
る課題への対応も必要となっています。
本計画は、こうした現状を踏まえるとともに、
「男女共同参画社会基本法」に規定された
地方公共団体の責務、ならびに、
「東大阪市男女共同参画推進条例」に基づき、男女共同参
画の推進を本市の重要な政策と位置づけて、男女共同参画の実現に向けた施策を総合的か
つ計画的に推進するための指針となるものです。
2.計画の位置づけ
この計画は、平成 23 年(2011 年)に策定した「第3次東大阪市男女共同参画推進計
画」について、社会情勢に対応する適切な施策を推進するため、国の男女共同参画基本計
画、大阪府の「おおさか男女共同参画プラン」を踏まえ、また平成 26 年に実施した「東
大阪市男女共同参画に関する市民意識調査」
(以下、平成 26 年市民意識調査という)の結
果及び、平成 27 年2月に東大阪市男女共同参画審議会より示された「第3次東大阪市男
はばたき
女共同参画推進計画『東大阪みらい 翔 プラン』改定に係る意見書」をもとに改定しまし
た。
本計画の基本施策④から⑭については、
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法
律(女性活躍推進法)」第6条の2に定められた「市町村推進計画」として位置づけ、本市
の女性の職業生活における活躍の推進に関する施策についての計画としました。
(該当する
施策内容については「第3章 計画の内容」の中で「女性活躍」の欄に○を記載していま
す。)
さらに、本計画の基本方針Ⅳの基本方向 12「ドメスティック・バイオレンス(DV)*
防止対策の推進」を「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(改正D
V防止法)」第2条の3に定められた「市町村基本計画」として位置づけ、本市のDV防止
基本計画としています。
2
3.計画期間
本計画は、「第3次東大阪市男女共同参画推進計画」(平成 23 年度~平成 32 年度)に
ついて、社会情勢の変化を踏まえて見直し、改定しました。
(平成)年度
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
第3次計画(平成 23~32 年度)
第3次東大阪市
男女共同参画
推進計画
見直し
3
改定版(平成 28~32 年度)
4.社会動向
(1)世界・国・大阪府・東大阪市のこれまでの動き
世界の動き
昭和 50 年
(1975 年)
国の動き
・国際婦人年(目標:平等、発展、平和)
・国際婦人年世界会議(メキシコシティ)
「世界行動計画」採択
・婦人問題企画推進本部設置
・婦人問題企画推進本部会議開催
昭和 52 年
(1977 年)
昭和 54 年
(1979 年)
昭和 55 年
(1980 年)
昭和 56 年
(1981 年)
・「国内行動計画」策定
・国連第 34 回総会
「女子差別撤廃条約」採択
・「国連婦人の 10 年」中間年世界会議(コペン
ハーゲン)「国連婦人の 10 年後半期行動プ
ログラム」採択
・「ILO156 号条約」採択 (男女労働者特に
家族的責任を有する労働者の機会均等及び
均等待遇に関する条約)
・「国内行動計画後期重点目標」策定
昭和 57 年
(1982 年)
昭和 58 年
(1983 年)
昭和 60 年
(1985 年)
・「国連婦人の 10 年」最終年世界会議(ナイロビ)
「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略
(ナイロビ戦略)」採択(1986~2000 年)
・「国籍法及び戸籍法の一部を改正する法律」
施行(国籍の父母両系主義確立)
・「女子差別撤廃条約」批准
・「男女雇用機会均等法」施行
昭和 61 年
(1986 年)
・「西暦 2000 年に向けての新国内行動計画」
策定
昭和 62 年
(1987 年)
昭和 63 年
(1988 年)
平成元年
(1989 年)
平成2年
(1990 年)
・「子どもの権利条約」採択
・学習指導要領改訂(中学・高校家庭科の男
女必修化)
・国連経済社会理事会
「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略
の実施に関する第1回見直しと評価に伴う勧
告及び結論」採決
・「西暦 2000 年に向けての新国内行動計画」
第1次改訂
平成3年
(1991 年)
4
大阪府の動き
東大阪市の動き
・大阪府婦人問題推進会議設置
・大阪府婦人問題企画推進本部設置
・企画部に婦人政策係設置
・「女性の自立と参加を進める大阪府行動計画」策定
・東大阪市企画部に婦人担当を設置
・企画部に婦人政策室設置
・東大阪市企画部婦人担当を総務部婦人政策担当
に改組
・「21 世紀をめざす大阪府女性プラン」(第2期行動
計画)策定
・東大阪市女性問題懇話会設置
・「東大阪市における女性政策の基本的考え方と施策
の方向について」市長から諮問
・東大阪市女性問題懇話会「東大阪市における女性
の地位向上のための提言」市長に提出
・東大阪市総務部女性政策課設置
・東大阪市女性施策推進本部(現・東大阪市男女共
同参画施策推進本部)設置
・「東大阪市女性プラン」策定
・東大阪市女性問題会議設置
・「男女協働社会の実現をめざす大阪府第3期行動
計画~女と男のジャンプ・プラン」策定
・「大阪府女性基金」設置
・女性政策課、総務部から企画部に移管
5
世界の動き
国の動き
平成4年
(1992 年)
・「育児休業等に関する法律」施行
・婦人問題担当大臣設置
・「農山漁村の女性に関する中長期ビジョン(新
しい農山漁村の女性 2001 年)」策定
平成5年
(1993 年)
・国連第 48 回総会「女性に対する暴力の撤
廃に関する宣言」
・国連世界人権会議「ウィーン宣言及び行動
計画」採択
・中学校の家庭科男女共修開始
・「パートタイム労働法」施行
平成6年
(1994 年)
・国際家族年
・国際人口・開発会議(カイロ)
・ILO「パートタイムに関する条約」及び勧告を
採択
・高校の家庭科男女共修開始
・男女共同参画室設置
・男女共同参画審議会設置(政令)
・男女共同参画推進本部設置
平成7年
(1995 年)
・国連人権委員会
「女性に対する暴力をなくす決議」採択
・第4回世界女性会議(北京)
「北京宣言及び行動綱領」採択
平成8年
(1996 年)
・「ILO156 号条約」批准
・「育児休業法」改正(介護休業制度を法制化
し、育児・介護休業法となる)
・「子育て支援総合計画(エンゼルプラン)」スタ
ート
・第1回子どもの性の商業的搾取に関する世 ・「男女共同参画 2000 年プラン」策定
界会議(ストックホルム)
平成9年
(1997 年)
・男女共同参画審議会設置(法律)
・「男女雇用機会均等法、労働基準法、育児・
介護休業法の一部を改正する法律」成立
平成 10 年
(1998 年)
平成 11 年
(1999 年)
平成 12 年
(2000 年)
・国連特別総会「女性 2000 年会議」(ニュー
ヨーク)
「北京宣言及び行動綱領実施のための更な
る行動とイニシアティブ(成果文書)」採択
・国連ミレニアム・サミットで国連ミレニアム宣
言を採択
・「男女雇用機会均等法」改正施行
・「男女共同参画社会基本法」施行
・「食料・農業・農村基本法」施行(女性の参画
の促進を規定)
・「男女共同参画基本計画」策定
・「介護保険法」施行
・「ストーカー行為規制法」施行
平成 13 年
(2001 年)
・男女共同参画局設置
・男女共同参画会議設置
・「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護
に関する法律(DV防止法)」施行
・第1回男女共同参画週間
・閣議決定「仕事と子育ての両立支援策の方
針について」
平成 14 年
(2002 年)
・アフガニスタンの女性支援に関する懇談会開
催
6
大阪府の動き
東大阪市の動き
・「大阪府女性基金プリムラ賞」創設
・ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)開館
・女性センター構想検討委員会設置、検討結果報告
書を市長に提出
・「男女協働社会の実現をめざす府民意識調査」結果
報告
・女性センター建設準備委員会設置
・大阪女子大学に女性学研究センター開設
・「男女協働社会の実現をめざす大阪府第3期行動
計画(改定)~新 女と男のジャンプ・プラン」策定
・企画部女性政策課から人権文化部女性政策課に
・女性政策課を男女協働社会づくり課に改称
・「男女協働社会の実現をめざす府民意識調査」発表
・「男女共同参画に関する市民意識調査」実施
・男女協働社会づくり課を男女共同参画課に改称
・「大阪府男女共同参画計画(おおさか男女共同参画
プラン)」策定
・「大阪府男女共同参画推進条例」施行
7
世界の動き
国の動き
平成 15 年
(2003 年)
・男女共同参画推進本部決定「女性のチャレン
ジ支援策の推進について」
・「次世代育成支援対策推進法」施行
・男女共同参画社会の将来像検討会開催
・第4回・5回女子差別撤廃条約実施状況報告審議
平成 16 年
(2004 年)
・男女共同参画推進本部決定「女性国家公務
員の採用・登用の拡大等について」
・男女共同参画社会の将来像検討会報告書
の取りまとめ
・「DV防止法」改正及び同法に基づく基本方針
の策定
平成 17 年
(2005 年)
・第 49 回国連婦人の地位委員会(国連 「北
京+10」 世界閣僚級会合)(ニューヨーク)
・「男女共同参画基本計画(第2次)」策定
・「女性の再チャレンジ支援プラン」策定
平成 18 年
(2006 年)
・男女共同参画推進本部決定「国の審議会等
における女性委員の登用の促進について」
・「男女雇用機会均等法」改正
平成 19 年
(2007 年)
・「DV防止法」一部改正
・「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための
行動指針」決定
・「パートタイム労働法」改正
・改正「DV防止法」施行
・「女性の参加加速プログラム」策定
・「次世代育成支援対策推進法」改正
・「育児・介護休業法」改正
平成 20 年
(2008 年)
平成 21 年
(2009 年)
・国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)が日
本政府に条約の実行について勧告
平成 22 年
(2010 年)
・「北京+15」記念会合として「第 54 回国連婦
人の地位委員会」を開催
平成 23 年
(2011 年)
・「UN Women(ジェンダー平等と女性のエンパ
ワーメント*のための国連機関)」正式発足
平成 24 年
(2012 年)
・第 56 回国連婦人の地位委員会「自然災害
におけるジェンダー平等と女性のエンパワー
メント」決議案採択
・「改正育児・介護休業法」施行
・「第3次男女共同参画基本計画」策定
・「女性の活躍促進による経済活性化行動計
画」策定
平成 25 年
(2013 年)
・「DV防止法」改正
平成 26 年
(2014 年)
・「まち・ひと・しごと創生法」施行
・「すべての女性が輝く社会づくり本部」設置
平成 27 年
(2015 年)
・「女性活躍推進法」成立
平成 28 年
(2016 年)
・国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)が
日本政府に再勧告
8
・第4次男女共同参画基本計画策定
大阪府の動き
東大阪市の動き
・「男女いきいき・大阪元気宣言事業者顕彰制度」創設
・「東大阪市男女共同参画推進プランひがしおおさか
21」策定
・女性政策課から男女共同参画課に
・男女共同参画センター・イコーラムオープン
・「東大阪市男女共同参画推進条例」施行
・「大阪府配偶者からの暴力の防止及び被害者の保
護に関する基本計画」策定
・「東大阪市男女共同参画審議会」設置
・「男女共同参画に関する市民意識調査」実施
・「大阪府男女共同参画計画改訂版(おおさか男女共
同参画プラン)(改訂版)」策定
・男女共同参画審議会からプラン改訂に関する「意見
書」提出
・「東大阪市男女共同参画推進プランひがしおおさか
21 改訂版」策定
・「大阪府における男女共同参画施策の検証・評価シ
ステムのあり方について」答申
・「大阪府配偶者からの暴力の防止及び被害者の保
護に関する基本計画」改定
・「男女共同参画に関する府民意識調査」実施
・「男女共同参画に関する市民意識調査」実施
・「おおさか男女共同参画プラン(2011-2015)」策定
・「第3次東大阪市男女共同参画推進計画~東大阪
はばたき
みらい 翔 プラン~」策定
・「男女共同参画社会に関する府民意識調査」実施
・「東大阪市男女共同参画に関する市民意識調査」
実施
・男女共同参画審議会からプラン改定に係る「意見
書」提出
・「OSAKA女性活躍推進会議」設置
・「大阪府における新たな男女共同参画計画の策定
に関する基本的な考え方について」答申
・「おおさか男女共同参画プラン(2016-2020)」策定
・「第3次東大阪市男女共同参画推進計画~東大阪
はばたき
みらい 翔 プラン(改定版)」策定
9
(2)(1)に記載した関連法などの概要
日本国憲法
日本国憲法では、第 14 条で法の下の平等と人種、信条、性別、社会的身分、門地により差別さ
れないことが定められている。また、第 24 条では家族生活における個人の尊厳と両性の平等とし
て、夫婦が同等の権利を有することに加え、配偶者の選択や離婚、婚姻及び家族に関する事項に関
して、法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならないと定めている。
女子差別撤廃条約
昭和 54 年(1979 年)に国連総会で採択され、わが国は昭和 60 年(1985 年)に批准。女
子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とし、具体的には、政治的、公的活動、教育、
雇用、保健、家族関係等あらゆる分野での男女の平等を規定する。なお、同条約第 1 条において、
「女子に対する差別」とは、
「性に基づく区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、
文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女子(婚姻をしているかいないかを問わない)
が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効
にする効果又は目的を有するものをいう」と規定している。
男女雇用機会均等法
女性労働者が雇用の分野で男性と均等な機会を得、その意欲・能力に応じて均等な待遇を受けら
れるよう定められている。平成 11 年(1999 年)の改正で「募集・採用」、「配置・ 昇進」の女
性に対する差別を「禁止規定」とすることや、積極的改善措置(ポジティブ・ アクション)*の促
進、違反企業の公表制度、調停制度の改善、職場におけるセクシュアル・ハラスメントに関する雇
用管理上の配慮義務などが、新たに加わった。平成 18 年(2006 年)の改正では、男女双方に対
する差別の禁止や間接差別の禁止などが盛り込まれ、差別禁止が強化された。
女性に対する暴力の撤廃に関する宣言の採択
国連の女性差別撤廃委員会等による検討・勧告を経て、平成 5 年(1993 年)国連世界人権会
議で採択された「ウィーン宣言及び行動計画」では女性・女児の人権と女性に対する暴力の撤廃が
明文化され、これを受けて国連総会で採択された。女性に対する暴力とは、性別に基づく暴力行為
であって、女性に対して身体的、性的もしくは心理的な危害、又は苦痛となる行為、あるいはそう
なる恐れのある行為であり、さらにそのような行為の威嚇、強制もしくはいわれのない自由の剥奪
をも含み、それらが公的生活で起こるか私的生活で起こるかを問わないと定義されている。
国際人口・開発会議
人口爆発などの問題を話し合うため、昭和 49 年(1974 年)から 10 年に 1 回、国連主催で
開催されている国際会議。平成 6 年(1994 年)のカイロ会議では、女性の地位向上と能力強化
(エンパワメント*)が発展途上国・地域の人口問題の解決のために最も重要であるとされ、また、
性と生殖の健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)*という考え方が承認された。
10
育児・介護休業法
平成 4 年(1992 年)に「育児休業等に関する法律(育児休業法)」が施行され、平成 7 年(1995
年)の改正で「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・
介護休業法)」となった。育児や家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活の両立を支援する
ことを目的とし、事業主が講ずべき措置などを定めている。平成 22 年(2010 年)の改正では男
性の育児参加を促進する内容が盛り込まれた。
男女共同参画社会基本法
男女の人権を尊重し、責任と利益を分かち合い、性別にかかわりなく社会参画する基本理念を明
らかにした法律。「参画」は単なる参加ではなく、方針決定への参与を意味する。本文には、人権
尊重、社会制度や慣行が男女に中立的であるような配慮、国や自治体の政策立案・決定への男女の
共同参画、家庭生活の共同役割と他の活動との両立をうたい、これらの理念にのっとった国、地方
自治体、国民の責務を定めている。
ミレニアム開発目標
2000 年9月、ニューヨークで開催され 189 カ国が参加した国連ミレニアム・サミットにおい
て、21 世紀の国際社会の目標として、国連ミレニアム宣言が採択された。また、2015 年までに
達成すべき8つの目標として、①極度の貧困と飢餓の撲滅、②普遍的初等教育の達成、③ジェンダ
ーの平等の推進と女性の地位向上、④乳幼児死亡率の削減、⑤妊産婦の健康の改善、⑥HIV/エ
イズ、マラリア及びその他の疾病の蔓延防止、⑦環境の持続可能性の確保、⑧開発のためのグロー
バル・パートナーシップの推進—を掲げている。
配偶者からの暴力防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)
配偶者からの暴力の防止と被害者の保護を目的として、被害者の相談や一時保護、裁判所が発す
る接近禁止命令・退去命令などについて定めた法律。平成 16 年(2004 年)の改正では、保護命
令の対象が離婚した元配偶者まで拡大されるとともに、退去命令の期間が 2 ヶ月に延長された。ま
た、国の基本方針や都道府県の基本計画の策定義務についても新たに加えられた。平成 19 年
(2007 年)の改正では、市町村にも基本計画の策定、「配偶者暴力相談支援センター」の設置を
努力義務とした。平成 25 年(2013 年)の改正では、生活の本拠をともにする交際相手からの暴
力及び被害者も保護の対象として改められた。
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律
女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会を実現することを目的とし、女性の
活躍推進に向けた国、地方自治体、企業の責務を定めている。地方公共団体には、国が策定する女
性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針を勘案した上での当該区域内での女性の職業
生活における活躍についての推進計画策定を努力義務とした。
国や地方公共団体、労働者 301 人以上の民間事業主は女性の活躍に関する状況の把握、改善す
べき事情について分析し、定量的目標や取り組み等を記載した「事業主行動計画」の策定・公表等
が義務付けられた(労働者が 300 人以下の民間事業主については努力義務)。
11
5.東大阪市の男女共同参画を取り巻く現状
(1)東大阪市の現状
①少子高齢化の進行
東大阪市の人口は、昭和 60 年をピークに減少しています。
65 歳以上の人口が増加し、0~14 歳の年少人口、15~64 歳の生産年齢人口は減少
しています。平成 22 年の「高齢化率(総人口に占める 65 歳以上人口の割合)」は 23.6%
で、平成7年の2倍、昭和 55 年の3倍となっています。
図1 年齢3区分別人口の推移
(人)
600,000
522,805
521,558
500,000
37,455
518,319
521
481
43,081
517,232
1,577
515,094
542
513,821
1,052
509,533
2,314
23,338
49,162
59,715
74,995
94,644
114,601
400,000
300,000
356,442
370,003
381,117
381,319
366,297
345,873
309,366
200,000
100,000
127,180
109,200
86,463
75,656
72,750
70,990
62,228
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
0
昭和55年
昭和60年
0-14歳
平成2年
15-64歳
65歳以上
年齢不詳
資料:国勢調査(昭和 55 年~平成 22 年)
図2 年齢3区分別人口の割合
100%
7.2
8.2
9.5
11.6
14.6
18.5
23.6
80%
60%
68.4
70.8
73.8
73.8
71.3
67.6
63.6
40%
20%
24.4
20.9
16.7
14.6
14.2
13.9
12.8
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
0%
昭和55年
昭和60年
0-14歳
平成2年
15-64歳
65歳以上
資料:国勢調査(昭和 55 年~平成 22 年)
※年齢不詳については除外しています
四捨五入の関係で合計が 100%にならない場合があります
12
合計特殊出生率は、平成 15 年~平成 19 年までは減少していましたが、平成 20 年~
平成 24 年には 1.34 にまで上昇しています。
婚姻率、未婚率ともにやや下降傾向にあります。
図3 合計特殊出生率
1.80
1.60
1.62
1.40
1.41
1.35
1.34
1.32
1.20
1.22
1.00
0.80
昭
平和
成 6
4 3
年年
大阪府
平
平
成
成
2
2
0
4
年
年
~
~
東大阪市
平
平
成
成
1
1
5
9
年
年
~
平
平
成
成
1
1
0
4
年
年
~
平平
成成
9 5
年年
~
~
昭
昭
和
和
5
6
8
2
年
年
全国
資料:人口動態保健所・市区町村別統計(ベイズ推定)
図4 普通婚姻率
図5 未婚率
(‰)
(‰)
7.0
30.0
26.4
25.6
6.0
24.9
24.9
平成
17年
平成
22年
25.0
5.0
5.6
20.0
5.4
5.4
5.2
5.1
4.0
15.0
3.0
10.0
2.0
5.0
1.0
0.0
0.0
平成
21年
平成
22年
東大阪市
平成
23年
平成
24年
大阪府
平成
7年
平成
25年
全国
平成
12年
東大阪市
資料:人口動態保健所・市区町村別統計
大阪府
全国
資料:国勢調査(平成7年~平成 22 年)
13
②世帯の状況
世帯構成をみると、
「夫婦と子ども世帯」が減少し、
「ひとり暮らし世帯(単身世帯)」が
増えています。平成 17 年までは、
「夫婦のみ世帯」、
「女親と子ども世帯」が増加傾向にあ
りましたが、平成 22 年には減少しています。
母子世帯比率、父子世帯比率は、全国、大阪府と同様に増加傾向にあります。
図6 世帯の状況
1.4
平成2年
24.3
14.7
42.9
6.5
6.3 3.9
1.4
平成7年
27.4
16.9
38.3
6.7 5.3 4.0
1.5
平成12年
29.9
18.6
34.6
3.0
7.2 5.3
1.5
平成17年
32.2
19.0
31.5
3.1
8.1
4.5
1.3
平成22年
35.0
0%
27.4
18.0
20%
40%
60%
7.8 3.8 6.7
80%
単身
夫婦のみ
夫婦と子ども
女親と子ども
3世代
その他
100%
男親と子ども
資料:国勢調査(平成2年~平成 22 年)
※四捨五入の関係で合計が 100%にならない場合があります
図7 母子世帯比率
図8 父子世帯比率
(%)
2.5
(%)
0.5
2.3
2.0
0.4
2.0
1.6
0.3
1.5
0.3
1.0
0.2
0.5
0.1
0.2
0.2
平成12年
平成17年
0.0
0.0
平成12年
東大阪市
平成17年
大阪府
平成22年
東大阪市
全国
資料:国勢調査(平成 12 年~平成 22 年)
大阪府
平成22年
全国
資料:国勢調査(平成 12 年~平成 22 年)
14
③雇用・労働の状況
本市の女性の労働力率については、平成 22 年は平成2年、平成 12 年に比べて高くな
っています。
結婚・出産期にあたる年代に低下するM字カーブについては、平成 22 年は 35-39 歳
が最も低くなっており、平成2年、12 年に比べて後ろへずれています。全国、大阪府と
の比較では、本市の女性は全国に比べてやや下回っていますが、大阪府とは同じ状況とな
っています。
平成 22 年の全就業者数に占める正規雇用で働く割合は、女性は 35.6%で、男性に比
べて 23.7 ポイント低くなっています。女性の「パート・アルバイト・その他」は 44.8%
で、男性に比べて 30.9 ポイント高くなっています。
女性の被雇用者に占める正規雇用率は、42.2%で、大阪府平均や高槻市に比べてやや低
いものの、大きな違いはない状況となっています。
図9 東大阪市の女性の労働力率の推移
図 10 労働力率の全国(女性)
、大阪府(女性)
、
東大阪市(男性・女性)との比較
(%)
(%)
97.6
97.5
96.6
100.0
100.0
96.1
94.7
96.9
97.6
77.3
77.3
66.3
69.7
69.7
63.0
68.9
67.9
68.9
67.9
82.8
72.3
80.0
72.3
80.0
61.2
64.1
61.2
58.7
60.0
60.0
66.3
63.0
48.7
48.7
40.0
40.0
35.9
30.3
30.3
19.5
17.4
20.0
20.0
18.5
18.5
18.0
6.9
17.4
6.9
0.0
0.0
15
│
19
歳
20
│
24
歳
25
│
29
歳
30
│
34
歳
35
│
39
歳
40
│
44
歳
平成2年
平成22年
45
│
49
歳
50
│
54
歳
55
│
59
歳
60
│
64
歳
65
│
69
歳
70
│
74
歳
15
│
19
歳
75
歳
以
上
平成12年
20
│
24
歳
25
│
29
歳
30
│
34
歳
35
│
39
歳
40
│
44
歳
45
│
49
歳
50
│
54
歳
55
│
59
歳
60
│
64
歳
65
│
69
歳
70
│
74
歳
75
歳
以
上
東大阪市(女性)
東大阪市(男性)
大阪府
全国
資料:国勢調査(平成 22 年)
資料:国勢調査(平成2年~平成 22 年)
15
図 11 東大阪市の雇用形態別の構成割合
図 12 東大阪市の被雇用女性の雇用形態と
大阪府、他市との比較
4.8
4.0
3.6 4.6
42.2
東大阪市
女性
44.8
35.6
53.1
6.5
5.3
1.0
1.8
1.4
大阪府
男性
13.9 9.0
59.3
43.2
51.4
14.4
5.4
0.0
43.2
高槻市
0%
20%
40%
60%
80%
51.4
100%
4.9
正規の職員・従業員
42.3
八尾市
52.8
労働者派遣事業所の派遣社員
パート・アルバイト・その他
0%
20%
40%
60%
80%
100%
役員
自営業主
(雇用者)正規の職員・従業員
家族従業者
(雇用者)労働者派遣事業所の派遣社員
家庭内職者
(雇用者)パート・アルバイト・その他
資料:国勢調査(平成 22 年)
資料:国勢調査(平成 22 年)
※四捨五入の関係で合計が 100%にならない場合があります
※四捨五入の関係で合計が 100%にならない場合があります
(2)東大阪市のこれまでの取り組み
本市では、平成 15 年(2003 年)に「男女共同参画推進プランひがしおおさか 21」
を策定後、同年4月に市と市民が協働して取り組みを行う活動拠点として東大阪市立男女
共同参画センター・イコーラムを開設し、さまざまな講座の開催、女性の悩みの相談事業、
東大阪市内で活動する団体(活動目的の一つに、男女共同参画社会の形成の促進を掲げて
いることが条件)の支援、市民交流の機会提供、男女共同参画に関する情報収集・提供を
行ってきました。
また、平成 16 年(2004 年)7月には市、市民、事業者及び教育関係者が一体となっ
て男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを進めるための指針となる「東大阪市男女共
同参画推進条例」が制定されました。
平成 19 年(2007 年)には、
「男女共同参画推進プランひがしおおさか 21」の一部改
訂を行い、平成 23 年(2011 年)には、社会情勢の変化等を踏まえた「第3次東大阪市
はばたき
男女共同参画推進計画~東大阪 みらい 翔 プラン~」を策定しました。
さらに、平成 26 年(2014 年)には、計画の見直しに向けた「男女共同参画に関する
市民意識調査」を実施しました。
16