平成 28 年 5 月号 むかわ町生涯学習課社会教育グループ 文 化 財 だ よ り 【昔懐かしい川遊び】 今回は昭和 30 年代に使われたビンドウについてご紹介します。 ビンドウ(瓶筌)は、川で使う伝統的な仕掛け漁具です。写真のものは、長さ 53cm、幅 22cm のガラス製です。容器の中に餌をいれ川の深みに沈めておくと、いくらでも魚がとれたといいま す。ビンドウを使った仕掛け漁は「ビン ヅケ漁」と呼ばれ、当時の子供達にとて も人気のある夏の川遊びでもありました。 近年、ビンドウを見かけることはなく なりましたが、50 年くらい前までは日本 全国の釣具屋で購入することができまし た。ビンドウにはガラス製のものとセル ロイド製のものがありました。ガラス製 のビンドウは高値のわりに壊れやすく、 仕掛けている時うっかり石にぶつけて壊 したり、魚を引き上げるときに壊してし まう事が多かったそうです。 【写真】ガラス製のビンドウ ドウ(筌)は弥生時代には既に使われていたことが確認されておりますし、室町時代以後に 成立した逸話や記録類にも登場するとても有名な漁具でした。ガラスやセルロイドが登場する以 前は、木枝、割竹、蔓などの細長い自然の材料で作った、長さ 1m50cm 程度、幅 40cm 程度の 漏斗状の網のことをドウと呼んでいました。ドウの内側には返しが付いているので、魚が中に入 ると簡単には出られない仕組みになっていました【図】 。 ドウのサイズは、捕獲した い魚の大きさに合わせて決 められました。たとえば、石 狩川水系の江別市では、伝統 的にヤツメウナギ(ヤツメウ ナギ目ヤツメウナギ科、別名 カワヤツメ)漁が有名です。 ヤツメウナギ漁に用いるド 【図】ビンドウのしくみ ウは、長さ 2m前後、幅 80cm もある大型のドウが使われていました。ドウの網目を広くしてお けば、小型種や幼年期の魚を逃がせますので自然保護にも繋がります。しかし、ビンドウの場合 は隙間がなく、多用すると水産資源の乱獲に繋がるため、法律によりビンヅケ漁が禁止されてい る地域もあります。 今から 30∼40 年前までは、鵡川の川辺でも大きなヤツメウナギがとれたと聞きます。中流 域でも川辺のコンクリートブロックの下に大きなヤツメウナギがいたということです。ヤツメウ ナギの調理は、 包丁で開いてタレにつけこみ、火に炙って香ばしく焼き上げるのが一般的ですが、 ウナギよりも小骨が多く、あまり美味しいものではなかったそうです。 【連絡先】むかわ町教育委員会生涯学習課社会教育G 電話 42-2487 FAX 42-4994
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