東芝の格付BBB-を維持、方向性ネガティブ、CPa-3に変更

NEWS RELEASE
2016年5月16日
【格付維持・変更/レーティング・モニター解除】
東芝
発行体格付: (BBB-) → BBB- [格付の方向性:ネガティブ]
コマーシャルペーパー: (a-2) → a-3
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
東芝は12日、2015年度の通期業績を発表した。医療機器を手掛ける子会社の売却益の計上はありなが
らも当期損失は4000億円を超え、自己資本は3000億円強まで落ち込んだ。ただ、一連の構造改革はスピ
ーディで、競争力のある事業へのポートフォリオの集中やリスク資産の圧縮が進んでいると評価できる。
主力事業を中心に一定の収益力を保てる蓋然性が大きいこと踏まえると、一段と財務基盤が毀損するリ
スクは小さくなっている。以上から発行体格付を維持し、レーティング・モニターを解除した。
2015年に明らかになった不正会計問題以降、ガバナンス強化と並行し、事業の取捨選択を矢継ぎ早に
決めている。歴史のある白物家電事業や、成長性のある医療機器事業を手放し、インフラとストレージ
など比較的競争力のある事業に経営資源を集中している。医療機器の譲渡は収益源の分散の観点からネ
ガティブではあるうえ、半導体メモリーの需要変動性や苛烈な価格競争、原子力発電の潜在的なリスク
の大きさも無視できない。ガバナンス問題もある。それでも、全体の収益基盤は比較的強固である。
半導体メモリーの投資だけをとっても、今後3年の設備投資は8000億円を超える計画だ。自己資本に
劣後特約付ローンの資本性を加味しても、事業のリスクからみた財務耐久力は格付に大きく見劣りする。
半導体メモリーの投資回収の遅れや、インフラ関連事業の追加損失の計上などで財務基盤の拡充が進む
公算が小さくなれば、格付に再び強い下押し圧力がかかると考えられ、格付の方向性はネガティブにし
ている。現状の格付水準や構造的な投資負担の重さを考慮し、CPの格付はa-3に下げた。
2016年度には3次元構造の半導体メモリーの本格生産が始まる。2017年度以降の損益改善を見通すう
えで大きな意味を持つ。アメリカや中国の原子力プラントの工事進捗状況も、その後の受注活動を左右
する。東芝は不正会計問題を機に、キャッシュフロー重視の経営にシフトしている。個々の事業の収益
性や競争環境と、それらをキャッシュフローに結び付けていけるか、今後の取り組みを注視していく。
【格付対象】
発行者:東芝 (証券コード:6502)
名 称
格 付
発行体格付
(BBB-) → BBB名
称
第45回無担保社債
第51回無担保社債
第52回無担保社債
第53回無担保社債
第54回無担保社債
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
発行総額
(億円)
200
300
200
300
200
格付の方向性
ネガティブ
発行日
償還日
2006年11月27日
2010年12月15日
2010年12月15日
2013年01月28日
2013年05月30日
2016年11月25日
2017年12月15日
2020年12月15日
2017年01月27日
2016年05月30日
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
格
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
付
→
→
→
→
→
BBBBBBBBBBBBBBB-
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
第55回無担保社債
第56回無担保社債
第57回無担保社債
第58回無担保社債
第59回無担保社債
第60回無担保社債
名
称
劣後特約付ローン
名
600
100
300
200
300
300
2013年05月30日
2013年05月30日
2013年07月26日
2013年12月11日
2013年12月11日
2014年07月25日
2018年05月30日
2020年05月29日
2017年07月26日
2016年12月09日
2019年12月11日
2018年07月25日
金額
(億円)
1,800
借入実行日
借入満期日
2014年06月25日
2074年06月25日
称
コマーシャルペーパー
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
発行限度額
(億円)
6,000
担保・保証
保証会社等
無担保
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
(BBB-)
格
→
→
→
→
→
→
BBBBBBBBBBBBBBBBBB-
付
(BB) → BB
格
付
(a-2) → a-3
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
村瀬 暢
細田 弘
信用格付を付与した日
主要な格付方法
2016年05月16日
事業法人等の信用格付の基本的な考え方 [2015.05.01]
大手電機 [2014.03.17]
社会インフラ・プラント [2013.08.09]
半導体 [2015.06.23]
設備機器等 [2016.03.09]
電子部品 [2013.06.10]
デジタル機器 [2014.08.28]
ハイブリッド証券の資本性の評価と格付の視点 [2015.05.08]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載
しています。http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
東芝、みずほ銀行
注
格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報
品質確保のための措置
情報提供者
決算書類、開示情報
公認会計士の監査済みである、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている決算書類であること。一般に開示された、またはそれに準
じた信頼性が確保されている情報であること。
格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約
定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債
務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何
ら意見を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来
の事実の表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその
他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項
について、いかなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これら
の情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合
には、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信
用格付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性
が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することが
あります。
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.