平成27年度 学校評価報告書 学校番号(59) 学校名(熊本市立健軍東小学校) 1学校教育目標 2目指す姿(学校像・幼児児童生徒像・教師像) 優しい心で 進んで学び 元気にやりぬく 子どもの育成 校訓 なかよく かしこく たくましく 3現状と課題 本校の児童は思いやりがあり素直な子どもが多い。個々の差はあるが知的能力の平均値はかなり高いものがあり、知識・技能面における理解力も高い。表現活動も楽 しんでできるようになってきている。しかし、自分の考えや意見を述べることに対してはとても消極的で失敗や間違いを恐れるあまり発言が少ない。能動的に活動してい く資質や能力は十分にあると思われるので授業づくりにおいて学習意欲を高め、子ども同士の学び合い高めあいの場を設定していく必要がある。また、体験活動等にお いては理解力が高いので初めは丁寧によくできるのだが、継続して最後までやり通すという気持ちの弱さもある。体験活動やふれあい活動を多く経験し、トラブルや課 題に対して人間関係を築きながら根気よく工夫し解決していく力を必要とする。そこで、本年度は、基本的な生活習慣の定着を徹底し、主体的に思考し、判断し、表現す る場を多く取り入れ、児童の自尊感情を高めることをねらっていく。そして、学校教育目標「優しい心で進んで学び元気にやりぬく子どもの育成」の達成に向けて努力して いく。 4目標 【経営重点目標】 ①自他を大切にし、心優しい子どもにする。 ②強い意志をもって、主体的に行動し、自信をもって自己表出できる子どもにする。 ③心身ともにたくましく、積極的に活動 する子どもにする。 重点努力目標 『友達に優しい子ども』 ◇思いやりの心をもつ ◇なかよく活動する 評価指標 主な具体的方策 ・『友達に優しい子ど も』の学校評価アン ケートを児童・保護者・ 教職員ともに評価4と3 の割合を80%にする。 ○道徳授業の充実 ・「思 いやり・親切」を重点事項 にあげる。○きずなアン ケートの実施と児童理解 ○児童会を中心にした「な かよし宣言」の取組○人権 子どもフォーラムにむけた 取組○特別活動の充実・ 学級会活動の充実・児童 会活動の活性化○体験活 動・草花や木々の世話を 取り入れた実践・一人一 鉢活動 評価結果 評価3と4の割合は 児童 97% 保護者 95% 教職員 100% であり、目標を上回っ た。 分析(○)改善策(◎)支援要望(☆) ○重点努力目標を「友達に優しい子ども」と設定し、優しくする対象を友達に絞り明示したことにより、児童も 学校生活の中で友達との関わり方についての意識を強くもつことができたものと思われる。 ○年間計画に沿った道徳の授業実践や研究授業等を通して、道徳の授業の改善が図れた。また、学校公 開日に道徳の授業を行い、心の教育の重要性を保護者、地域へ発信することができた。 ◎道徳の教科化へ向けて、児童が主体的に道徳的価値について考えを交流させ、実生活での道徳的実践 につながるように、授業のさらなる質的転換を目指していかなければならない。 ○毎月実施している「きずなアンケート」により、教師が児童の実態を把握し、学級での指導や問題の早期 解決につなげることができた。 ◎「きずなアンケート」では似たような報告と対応を繰り返すという傾向も見られる。日々の指導が児童の心 に響き実践へとつながっているのか、指導のあり方を問い直していく必要もある。 ○児童会で作成した「なかよし宣言」は、学級での話し合いから児童一人一人が関わってきたため、自分た ちの行動目標であるという意識をもたせる上で有効であった。 ◎「なかよし宣言」の条文の意味を日々の生活と重ねてとらえ、実践やふり返りに生かしていけるような児童 会主体の取組を計画していく必要がある。 ○種蒔きから関わってきた一人一鉢運動や「みどりの集会」の開催等を通して、児童の植物への関わり方が 主体的になり、大切に世話をしている姿が多く見られるようになった。 ◎一人一鉢運動を核として、植物への温かい関わりが身の回りの様々な人・もの・ことへの関わりに波及し ていくように指導する。 〇ふれあい給食や校内音楽会に地域の方を招待したことにより、地域の方々と知り合う機会となった。ま た、地域の方とふれあう児童から温かい言葉かけがたくさん見られた。 ◎行事を通してのふれあいが、日常のふれあいにつながっていくように、地域の方とのさらなる交流のあり 方を探るとともに、地域の多様な教育資源を活用する開かれた学校づくりを行っていく。 『進んで学ぶ子ども』 ◇チャレンジする ◇学びあいをする 『みんなのために働く子ど も』 ◇進んで掃除をする ◇元気な身体をつくる 『進んであいさつする子ど も』 ◇けじめのある生活をする ◇まごころあいさつをする ・『進んで学ぶ子ども』 の学校評価アンケート の評価4と3の割合を 児童は90%にし、教 職員・保護者を80%に する。 ○校内研修の充実・授業 力向上の取り組み・目標 設定を明確にした授業づく り・授業のパターン化【興 味ある導入・向上ある展 開・学びあるまとめ】・自分 の考えや意見を積極的に 表現する場づくり・聞く・話 す・学びあう学習活動の場 づくり・「認め・褒め・励ま し・伸ばす」言葉かけ ・個 に応じた支援○体験活動 を取り入れた授業実践○ ドリル学習の推進・計画的 な学びタイムの実施・「音 読」を含む系統的な家庭 学習○読書活動の推進 ・『みんなのために働く ○掃除指導・掃除の仕方 子ども』の学校評価ア の指導・掃除区域担当者 ンケートの評価4と3の 配当・無言掃除の奨励・掃 割合を児童90%にし、 除チェック表の活用○ボラ ンティア活動の奨励・たて 教職員・保護者を8 わり活動・落ち葉掃き・学 0%にする。 年に応じた活動の推進○ 食育の推進・給食指導 ・ 学級指導・家庭との連携・ 啓発活動○体力増強の時 間確保・体育の授業・外遊 びの奨励 ・『進んであいさつする 子ども』の学校評価ア ンケートの評価4と3の 割合を児童95%にし、 教職員・保護者を8 0%にする。 ○あいさつの推進・あいさ つのよさを理解する指導 (学級指導)・ボランティア 活動○PDCAを取り入れ た生徒指導・健軍東小よ い子のくらし」の周知・指 導・月の生活目標の振り 返り(PDCA)・基本的な生 活習慣「かかわりのものさ し」の提示と評価チェック 表の活用 評価3と4の割合は 児童 75% 保護者 80% 教職員 81% であり、児童だけ目標を 下回った。 評価3と4の割合は 児童 92% 保護者 85% 教職員 92% であり、すべて目標を上 回った。 評価3と4の割合は 児童 81% 保護者 82% 教職員 81% であり、児童の項目だ け目標に届かなかっ た。 ○校内研修を通して、主体的・協働的な学習、言語活動を意識した授業作りを進めた。互いに学び合い、教え合う姿が多く見 られるようになり、教師側では一定の成果を感じている。一方、児童の側から見ると、友達と学び合いたい、交流して良かっ た、という意識や実感までには高まっていないということが評価結果から垣間見える。 ◎主体的・協同的な学習や言語活動の本質に迫る研究を深め、本校の児童の実態分析をもとに、実践事項をさらに焦点化 した取組を行っていく。また、自分の考えをもち表現できた、友達と考えを交流させ学習を深めることができた、という実感を 伴う授業になるように改善を図っていく。 ○体験学習を仕組むことによって、児童の学びの中により主体的な姿が見られるようになった。 ◎生活科や総合的な学習の時間を核として計画的な体験活動を組み込むことによって、より質の高い児童同士の学び合い を生み出し、他の教科等にも広げていくようにする。 ○ドリルタイムを充実させたことで、朝自習のパターン化ができつつある。 ◎意欲をもって自主的に取り組めるようなドリルタイムのシステム化を構築していく。また、家庭学習では、学校での小テスト やドリルタイムとリンクさせるなど課題の与え方に工夫を加えるとともに、家庭との連携をさらに強化し、目標をもって進んで 取り組めるように改善していく。 ○掃除の仕方について学年で共通理解を図り、学級に関係なく声をかけて指導したことにより、進んで掃除に取り組む児童 が増えた。また、美化委員会で「無言そうじコンクール」を企画したり、各学級で毎日の点検活動を充実させたりしたことによ り、児童の意識が高まった。 ◎掃除については無言掃除の広がりが感じられるが、個人差や場所によって掃除の仕方が徹底できていないところも見られ る。働くことに喜びを感じる児童が育つように、全職員共通理解のもと取り組みを推進していかなければならない。 ○朝のボランティア活動(落ち葉拾い)の参加を企画委員会で計画したことで、進んで参加する児童が多く見られた。 ◎呼びかけたときだけの活動ではなく真のボランティア精神が児童に根付いていくように、たてわり活動や各学年・学級の働 きかけを計画的に進めていく。 〇体育委員会主催の各種大会にたくさんの児童が喜んで参加し、様々な運動への意欲付けの機会となった。 ◎今後も教師が適時サポートしながら大会の充実を図り、運動が好きな児童を育成していく。また、体育の授業において児 童の意欲の向上と運動量の確保を両立させ、体力向上を目指す。 〇総合的な学習の時間に、食をテーマとした学習に取組んだり、学校保健委員会では地域団体の協力のもと食生活につい て考えたりした。家庭・地域と連携して食育を進めたことで、児童の食に対する関心が高まった。 ◎給食の時間に行う「食に関する指導」と「給食指導」の視点を明確にとらえるとともに、学級活動の食に関する学習を計画 的に実施し、さらなる食育の充実を図っていく。 〇学校朝会や学年集会等で「まごころあいさつ」を呼びかけたり、挨拶が上手な児童を紹介したりしたことにより、立ち止まっ て相手を見てあいさつをすることが定着してきた。しかし、まだまだ個人差があり全体には意識が浸透していないため、児童 の評価が低いと思われる。 ◎気持ちのよいあいさつを呼びかけていくとともに、場をとらえた指導を充実させ、さらに「まごろこあいさつ」が広がっていくよ うにする。また、生活委員会が実施している「あいさつ運動」を全校的な取組に広げていくことも有効であると思われる。 〇基本的な生活習慣については、「かかわりのものさし」を作成し、幼保小中の連携を図りながら実践している。「かかわりの ものさし」の一覧表を校舎内の各学年部に掲示し意識付けを図っている。また、家庭・地域に配布し、三者一体となった取組 を進めている。 ◎今年度前期の「かかわりのものさし」アンケートでは、「話す力」「聞く力」に関する評価が低かった。日々の授業における言 語活動を核として、児童に確かなコミュニケーション能力が定着するように努めていきたい。 5 学校関係者評価に関する事項(主な意見等) 6 その他の報告事項 〇校長の教育方針が学校全体に浸透し、学校が良い方向へ変わってきている。学校の環境が校舎内外ともに整っ ている。児童の様子から、環境が人を育てていることを実感する。児童も落ち着いて学校生活を送っているように感 じる。草花を種から育てることは大変だが、とても価値ある体験活動である。植物を大切に育てながら、児童の優し い心も育ってきている。 〇授業の中で、児童が学習の流れを理解し主体的に活動していくための教師の指導や支援がたくさん見られた。児 童同士のコミュニケーションの場も工夫して設けられている。一部声の小さい児童も見られたので、場や状況に応じ た発表力も育ててほしい。また、教師の手立てが不十分であると、児童の学習活動が停滞する場面もある。さらなる 授業力の向上に努めてほしい。 〇地域の人々と交流する行事が各種組み込まれている。学校・家庭・地域の連携を図っていく上で、有効な取り組 みとなっているように感じる。 〇本年度は、一人一鉢や地域との交流等に取り組んできたが、それぞれの取り組みが単独ではなく関連し 合いながら、児童の豊かな心や感性の育成につながっていくように教育課程を編成していかなければならな い。 〇「進んで学ぶ子ども」「進んであいさつする子ども」の児童の評価が目標数値に届かなかった。本校の児童 は能力が高く、大部分の児童は、指示されたことに対してはきちんとやり遂げることができるが、自ら考え主 体的に活動する力が十分に育っていないという課題が見られる。自分たちの手によって課題やめあてを設 定し、集団思考や試行錯誤の過程を経て課題解決力や創造的思考力を体得する総合的な学習の時間や特 別活動をさらに充実させていく必要がある。 〇地域人材等を教育活動の中に多く取り入れ、人と出会い・ふれあい・関わり合う体験活動を通してコミュニ ケーション能力を高め、人間関係作りに関わるスキルを身につけさせていきたい。また、多くの人々とのふれ あいを通して、それぞれの生き方を学び、自分の生き方に生かすことができると考える。
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