「平成28年度 ローカル・イノベーション・クラスターの発掘・ 拡大支援に関する調査」仕様書 1.調査の目的 関西には最先端の研究機関や優れた技術を有する中堅・中小企業の集積があ り、こうした技術力を産業のイノベーションに効果的に結び付けることが重要 となる。 現在、関西の自治体において地方創生・しごと創生の取組みが進展するなか、 このような観点から地域の産学官金の各プレーヤーが連携して持続的な支援 体制を構築し、新産業・新需要を生み出す取組み(=ローカル・イノベーショ ン・クラスター)が始まりつつある。しかしながら、マーケットニーズの取り 込みや販路開拓、関連するクラスターとの連携など特に広域的な視点が求めら れる取組みについて課題を抱えるクラスターも多い。加えて、このようなイノ ベーション創出に強い関心を持ちつつも、支援体制構築や事業実施に関する知 見・ノウハウの共有がなされておらず、具体的な取組みの実施に苦慮する地域 (地方自治体、地域金融機関、産業支援機関等)も多い。 本件調査はこれらの課題を解決するため、以下の手法を試行的に行うことで ローカル・イノベーション・クラスターに対する有効な支援策の構築を図るも のとして実施する。 □先進的なローカル・イノベーション・クラスターを「モデルケース」とし て取上げ、事例分析を行うこと □ローカル・イノベーション・クラスターの「プロトタイプ」を策定するこ と □ローカル・イノベーション・クラスターの「登録制度」を創設すること □「プロトタイプ」及び「登録制度」を地方自治体等に対して普及すること □登録のあったローカル・イノベーション・クラスターに対して、相互交流 促進・広報等の観点からの支援策を実行すること 2.調査内容 (1)「(仮称)ローカル・イノベーション・クラスター研究会」の運営 □「(仮称)ローカル・イノベーション・クラスター研究会」(以下、「研究 会」という。)を設置する。 □研究会は、地域産業振興分野に知見を有する学識経験者、金融機関職員・ 1 関係者、産業支援機関職員・関係者等の専門家3名程度により構成する。 □研究会は以下の内容について検討する。 ①先進的なローカル・イノベーション・クラスターを「モデルケース」と して取上げ、事例分析を通じて構成機関・運営手法・課題等を明らかに し、持続的なイノベーション創出の仕組みの構築のために有効となる要 素を抽出すること。 ②ローカル・イノベーション・クラスターの「プロトタイプ」を①の事例 分析をもとに策定すること。 □研究会は「モデルケース」として取上げるローカル・イノベーション・ク ラスターの事業実施地において開催する(4か所程度、各1回)。この際、 事業の立案・執行に関する責任者や中核企業といったキーパーソンとの意 見交換を通じて現場の意見を直接収集し、検討内容に十分に反映されるよ う配慮すること。なお、うち1回は近畿管外の開催を想定する。 □研究会開催に係る資料作成や出席者調整等の事前準備、当日運営(司会進 行、議事録作成)は受託者が行うこと。 また、各研究会開催後すみやかに開催概要を取りまとめて当局あてに報告 すること。 □研究会に出席するメンバーへの謝金、交通費は受託者が支払うこと。なお、 会場費が必要な場合は当局が負担する。 以上を効果的に進めるため、少なくとも以下の点について技術提案書で提案 すること。 ・研究会メンバーの候補者 ・「モデルケース」となるローカル・イノベーション・クラスター候補 ・研究会開催手法 ・ 「プロトタイプ」の具体的な項目・要件等の案 (2)ローカル・イノベーション・クラスター「登録制度」の創設及び普及 [「登録制度」の創設] □地方自治体等が主導するローカル・イノベーション・クラスターの「登録 制度」を創設する。 □「登録制度」は平成28年9月中の運用(登録)開始を予定する。 □登録する際の要件整理、登録手続きの設定、登録クラスターに提供する支 援の仕組みの構築を受託者は行うこと。 □ローカル・イノベーション・クラスターの登録数は20程度を目標とする 2 (平成28年12月末時点)。 [地方自治体等に対する普及のためのシンポジウム開催] □地域におけるイノベーション創出の必要性・重要性を訴え、「プロトタイ プ」及び「登録制度」の普及を目的とした「シンポジウム」を開催する。 なお、開催地は大阪市内及びその近郊を想定し、開催回数は1回とする。 開催規模は参加者150名程度を想定する。 □シンポジウム開催に係る資料作成や出席者調整等の事前準備、当日運営 (受付、議事録作成等)は受託者が行うこと。なお、当日の司会進行、資 料印刷は当局が行う。 また、シンポジウム開催後すみやかに開催概要を取りまとめて当局あてに 報告すること。 □シンポジウム登壇者への謝金、交通費は受託者が支払うこと。なお、会場 費が必要な場合は当局が負担する。 以上を効果的に進めるため、少なくとも以下の点について技術提案書で提案 すること。 ・登録のための要件整理、登録手続きの設定、登録クラスターに対する支 援の仕組みの案 ・シンポジウム開催案 (3)登録クラスターに対する支援の試行 [登録クラスターの概要、課題・支援ニーズの整理] □登録のあったローカル・イノベーション・クラスターの概要、課題・支援 ニーズについて適宜把握し、整理を行う。 □特に課題・支援ニーズの整理にあたっては、各クラスターに共通する内容 を抽出する等、今後の支援策構築に資するよう配慮すること。 [キーパーソン育成・交流機会創出支援] □登録のあったローカル・イノベーション・クラスターを対象に、主体的に 事業を推進するキーパーソンを育成・機能強化するための研修会を実施し、 知見の教示、参加者相互・外部とのネットワーク強化を行う。 なお、開催地は大阪市内及びその近郊を想定し、開催回数は1回とする。 □研修会は1日とする。カリキュラムは3時間×2講座を基礎とし、参加者 相互が研修受講を通じて意見交換・交流を行う機会が生まれるよう工夫す 3 ること。 □研修会開催に係るカリキュラムの企画、講師等の人選・調整、当日運営(司 会進行、議事録作成)に係る一切の業務は受託者が行うこと。 また、研修会開催後すみやかに開催概要を取りまとめて当局あてに報告す ること。 □研修会講師への謝金、交通費は受託者が支払うこと。なお、会場費が必要 な場合は当局が負担する。 [広報支援] □登録のあったローカル・イノベーション・クラスターを対象に、各クラス ターの広報及び広域連携促進に資するための紹介資料を作成する。紹介資 料は全体概要(マップ等)及び各クラスターの個別紹介で構成し、このう ち全体概要については日本語版とともに英語版を作成すること。 □印刷は当局において実施するため、受託者は印刷用の電子データのみを作 成すること。 以上を効果的に進めるため、少なくとも以下の点について技術提案書で提案 すること。 ・研修会カリキュラム案、講師の候補者 ・紹介資料の内容及び構成のイメージ (4)報告の取りまとめ □(1)~(3)の調査結果を取りまとめた調査報告書(A4版)を作成す る。この際、詳細版とともに概要版を作成する。両版とも対外公表を見据 え、公にすることが可能な情報として取りまとめること。 調査報告書の構成案(骨子等)について技術提案書で提案すること。 3.調査実施期間 委託契約締結日~平成29年2月28日 4.納入物等 (1)納入物 4 □調査報告書電子媒体(CD-R) 1式 ・調査報告書、委託調査報告書公表用書誌情報(様式1)、二次利用未承諾 リスト(様式2)を納入すること。 ・調査報告書は、PDF形式以外にも、機械判読可能な形式のファイルも納 入すること。なお、様式1及び様式2は Excel 形式とする。 □調査報告書電子媒体(CD-R) 2式(公表用) ・調査報告書及び様式2(該当がある場合のみ)を一つのPDFファイル (透明テキスト付)に統合したものを納入すること。 ・セキュリティ等の観点から、近畿経済産業局と協議の上、非公開とする べき部分については、マスキングを実施するなどの適切な処置を講ずるこ と。 ・調査報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開される ことを前提とし、経済産業省以外の第三者の知的財産権が関与する内容を 報告書に盛り込む場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得、②報告書 内に出典を明記し、③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。二次 利用の了承を得ることが困難な場合等は、下記の様式2に当該箇所を記述 し、提出すること。 ※調査報告書電子媒体の具体的な作成方法の確認及び様式1・様式2のダウン ロードは、下記 URL から行うこと。 http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html (2)納 期:平成29年2月28日 (3)納 入 先:近畿経済産業局 総務企画部 企画課 5.その他 (1)事業の遂行において疑義が生じた場合には、当局担当者と協議し、その 指示に従うものとする。 (2)事業の遂行にあたり、知り得た情報については、いかなる理由をもって も事業期間中及び終了後において、第三者に漏らしてはならない。また、 情報漏洩に対する措置を講ずること。 以上 5
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