大いなる日への備え

東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2016 年 5 月 13 日
大いなる日への備え
尊敬すべき信仰者の皆様!
尊敬すべき信仰者の皆様!
以下の章句において、全能の主は命じておられます。「一微塵
本当に私たちは、信仰者として、心から来世を信じているはず
の重さでも、善を行なった者はそれを見る。一微塵の重さで
です。なぜなら私たちは、来世を信じることは信仰の要(か
も、悪を行なった者はそれを見る(地震章 7-8 節)」。またハ
なめ)のひとつであると知っているからです。私たちはまた、
ディースにおいて、私たちの預言者(彼に平安あれ)はこの
来世を信じるということは、口先だけで済まされるものではな
ようにおおせられています。「死と、それに続く審判の日を忘
いことも知っています。神と来世を信じる者は、心の底から自
れるしもべの何と不幸なことか!」。兄弟、姉妹の皆様!あ
らの主を信頼しているのです。神と来世を信じる者は、預言
る日、教友の一人が神のみ使い(彼に平安あれ)に尋ねました。
者の美徳を模範とし、彼のスンナをもって自らの導きとします。
「おお、神のみ使いよ。最もすぐれた信仰者とはどのような者
禁じられた物事を避け、あたかも火の中に転がり込むのを避け
を指すのでしょうか?」。彼はこうお答えになりました。「最
るかのように悪と罪を避けます。神と来世を信じる者は不正に
もすぐれた礼儀作法を身につけた者のことです」。すると教
手を染めず、他者を抑圧せず、暴力に訴えることもしません。
友は、さらにこう尋ねました。
「では、最も賢い信仰者とは?」。
神と来世を信じる者は、たとえ自らの命が危ぶまれようとも真
彼はこうお答えになりました。「死について忘れない者、そし
理に背いたりはしません。自らの魂を押し殺すことができない
て死に対して備える者。彼らこそは、最も賢い者たちでです」。
からです。何であれ命あるものを故意に傷つけたりはしません。
兄弟、姉妹の皆様!
たとえそれが単なる言葉の上だけであっても、自らの同胞を傷
主が私たちに託されたこの生命は、またたく間に終わりを迎え
つけることなどできません。神と来世を信じる人々は、貧しい
ます。ひとつ息をするたびに、刻一刻と、死が現実味をもって
人々や家を失った人々、行き場のない人々を自らの庇護の下
近づいてきます。私たちは、誰もが自分の行なったことと引き
に招き入れます。彼らに救いの手を差し伸べ、癒しをもたらし
換えに、正しい報いを受ける最後の審判の日に向かって、私
ます。
誰がそれをもたらしますか
兄弟、姉妹の皆様!
全体規則)
たちは歩みを進めているのです。しかし信じる者にとっては平
安と成就の場であり、否定する者にとっては後悔と敗北の場と
現世とは、来世のための耕作地であることを忘れずにいましょ
OF ISLAM ISう。誰もが皆、この世でのふるまいによってあの世での居場所
EASY
なる、来世に対する準備が、私たちにはどれだけできているで
しょうか?私たちはいったいどれほど、清算の日になされる
が決められるのだ、ということを忘れずにいましょう。さあ、
勘定を考慮に入れて日々を過ごしているでしょうか?私たち
始めましょう!私たちが今まさに過ごしている、この聖なるこ
はいったいどれほど、罪深い行ないや善い行ない、悪と善の
の三ヵ月を有意義なものとしましょう。私たちが造られた、そ
いずれかに向かう自らの意志について省みることができてい
の目的と知恵にふさわしい日々を送りましょう。やがて終わ
るでしょうか?あるいは毎日の雑事に追われて、そうしたこと
りを迎える私たちの、現世におけるこの人生が、永遠の幸福と
のすべてを忘れ、日々、流されるままになってはいないでしょ
平安と引き換えるにふさわしい日々となるよう努力しましょ
うか。
う。妬みや悪意、憎しみを捨て去り、代わりに愛と優しさ、
兄弟、姉妹の皆様!
慈しみを育てましょう。神のよきしもべとなり、私たちの預言
私たちの聖なる啓典は、私たちは何の目的も無しに造られたの
者(彼に平安あれ)のよきウンマ(共同体)となり、お互いに
ではないことを教えてくれています。私たちが放っておかれ
対するよき兄弟、よき姉妹となりましょう。来世という故郷に
ることは決してありません。主は死者をよみがえらせ、その神
帰り、私たちの主の御前に立つ日に向かって、何を問われても
聖なる御前にお連れになります。来世におけるより素晴らし
答えられるよう、現世の日々を過ごしてゆきましょう。
い永遠の至福のためにも、現世における一時の楽しみや偽りに
私たちがだまされることのないようにと、主は私たちに警告な
さっておられます。
「人びとよ、アッラーの約束は真実である。
だから、現世の生活に欺かれてはならない。またアッラーに関
し、騙し上手に欺かれてはならない。(創造者章 5 節)」