ま と め 以上、本火災事故の実態を明らかにするため調査研究し、その結果 から今後解決すべき課題とその対策について、重要と思われる事項を 取りまとめ、報告書として提出させていただきました。 今回の調査研究から、本火災事故は1階主要構造部がほとんど燃焼 していないにもかかわらず、2階床が崩落して1階で活動していた隊 員が死傷したもので、この状況下での床の崩落危険について十分認識 されていませんでした。 このように火災現場では、様々の危険因子があり、その危険因子の 中には、今までの経験・事例から予測困難な危険因子もあることが再 認識されました。しかし、火災現場の安全確保のためには、これらの 危険因子を一つ一つ排除していくことが重要と考えます。 そのためには、活動基準の見直しはもとより、警防本部をはじめ火 災現場の指揮官以下各隊員一人ひとりの危機回避能力を向上させ、あ らゆる危険に対応できる体制を構築していくことが必要と考えます。 また、消防は、市民の生命・身体・財産を守るという使命がある以 上、危険な状況下においても職務を全うせざるを得ないことがありま す。災害が複雑、多様化する中で、職員全員が今回の事故の教訓を胸 に刻み、二度と同様の事故を起こさないという強い決意のもと、今後 の災害に対応していただくよう願うものです。 - 87 -
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