最近の静岡県金融経済の動向

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2016 年 5 月 13 日
http://www3.boj.or.jp/shizuoka/
日本銀行静岡支店
最近の静岡県金融経済の動向
本稿は、16/3 月を中心とした金融経済統計、および直近の企業ヒアリング
をもとに取りまとめている。
(概況)
県内の景気は、基調としては緩やかに回復しつつある。
最終需要の動向をみると、設備投資は企業業績が好調な大・中堅企業を中
心に一段と増加している。また、雇用・所得環境が緩やかに改善する中、
住宅投資は持ち直しているほか、個人消費も一部に弱めの動きがみられるが、
全体として持ち直しつつある。さらに、公共投資は下げ止まっているほか、
輸出は、新興国経済の一段の減速の影響等はみられるものの、先進国経済の
回復を背景に下げ止まりの兆しが窺われる。
他方、企業の生産はやや減少してきている。
雇用・所得をみると、労働需給はタイトな状況が続いているほか、所得面
は、一部に足踏み感がみられるものの、全体として緩やかに改善している。
消費者物価(除く生鮮食品)は、前年を下回っている。
1.需要項目別の動向
(1)個人消費・・・一部に弱めの動きがみられるが、雇用・所得環境が緩や
かに改善する中、全体として持ち直しつつある
百貨店売上高(前年比:16/2 月+2.0%→3 月▲1.4%<速報>)は、持ち
直しの動きが足踏みしているものの、スーパー売上高(同:16/2 月+3.8%→
3 月+1.1%<速報>)は、緩やかに持ち直している。また、旅行取扱額(同:
16/2 月+38.2%→3 月+2.9%)は、国内旅行を中心に持ち直しているほか、
県内の旅館・ホテルの宿泊客数や観光施設の入込客数は、増加している。
この間、乗用車新車登録台数(同:16/3 月▲9.1%→4 月+0.1%<速報>)
をみると、軽乗用車はなお弱めの動きとなっているものの、普通・小型乗用車は
持ち直している。また、家電販売は、住宅投資が持ち直している中、緩やかに持
ち直しつつある。
1
(2)公共投資・・・公共工事請負金額は下げ止まっている(前年比:16/
2 月▲19.7%→3 月▲0.7%)
(3)設備投資・・・企業業績が好調な大・中堅企業を中心に、製造業では生
産性向上関連や研究開発関連の投資、非製造業では小売店出店や物流拠点の
拡充関連の投資がみられるなど、一段と増加している。ただし、企業業績面
でなお厳しさが残る中小企業では慎重なスタンスを維持している
(4)輸出・・・新興国経済の一段の減速の影響等はみられるものの、先進国
経済の回復を背景に下げ止まりの兆しが窺われる(輸出額前年比:
16/2 月+3.5%→3 月▲1.7%<速報>)
自動車(前年比:16/2 月▲25.9%→3 月▲19.8%)は、新興国経済の一段
の減速や海外生産シフトから、減少している。また、先進国向けの緩やかな
増加の一方で、新興国経済の一段の減速から、一般機械(同:16/2 月+10.0%
→3 月+6.0%)はやや弱めの動きとなっているほか、電気機械(同:16/2 月
+0.8%→3 月▲3.1%)は、全体として横ばい圏内の動きとなっている。
一方、自動車部品(同:16/2 月▲4.8%→3 月▲4.8%)は、新興国経済の
一段の減速の影響等はみられるものの、北米向けの増加から、下げ止まりの
兆しが窺われるほか、二輪車等(二輪完成車前年比:16/2 月▲2.7%→3 月
▲3.2%)は底入れしつつある。また、楽器(前年比:16/2 月▲1.9%→3 月
▲7.7%)は持ち直している。
(5)住宅投資・・・雇用・所得環境の緩やかな改善もあって、持ち直してい
る(新設住宅着工戸数前年比:16/2 月+7.0%→3 月+7.7%)
2.生産、雇用・所得、物価の動向
(1)生産・・・やや減少してきている
電気機械、缶詰は緩やかに増加しているほか、楽器、木材等は持ち直して
いる。また、織物は持ち直しの動きがみられているほか、二輪車・同部品は
底入れしつつある。さらに、飲料は持ち直しつつあるほか、生コンクリート・
セメントは下げ止まりつつある。
一方、一般機械は、一部海外需要の減退から横ばい圏内の動きとなってい
るほか、紙・パルプ、加工鋼材はやや弱めの動きとなっている。また、自動
車・同部品は、内外需の弱さや海外生産シフトから、さらに減少しているほ
か、家具は減少を続けている。
2
(2)雇用・所得・・・労働需給はタイトな状況が続いている。所得面は、一部
に足踏み感がみられるものの、全体として緩やかに改善している
有 効 求 人 倍 率 ( 16 / 2 月 1.25 倍 → 3 月 1.27 倍 )、 新 規 求 人 倍 率
(16/2 月 1.97 倍→3 月 1.97 倍)はともに高い水準を維持しており、労働
需給はタイトな状況が続いている。
常用労働者数(指数前年比:16/1 月+0.2%→2 月+1.3%<速報>)は緩
やかに改善している。一人当り名目賃金(同:16/1 月▲4.8%→2 月▲2.2%
<速報>)、雇用者所得(同:16/1 月▲4.6%→2 月▲0.9%<速報>)は、
一部に足踏み感がみられるものの、全体として緩やかに改善している。この
間、春季賃上げ妥結状況をみると、平均妥結額は、現時点で中小・零細企業
を中心に、前年を若干下回っている。
事業主都合による解雇者は前年を下回った(前年比:16/2 月+2.6%→
3 月▲18.4%)
。
(3)物価・・・消費者物価(除く生鮮食品)は、前年を下回っている(指数
前年比:16/2 月▲0.2%→3 月▲0.6%)
3.企業倒産、金融面の動向
(1)企業倒産
企業倒産(16/4 月、負債総額 10 百万円以上)をみると、件数(12 件<前
年比:▲52.0%>)、負債総額(17 億円<同:▲57.4%>)ともに総じて落ち
着いている。
(2)預金
預金は、法人、個人とも引き続き増加している(前年比:16/2 月末+1.0%
→3 月末+1.9%)。
(3)貸出
貸出は、法人、個人とも引き続き増加している(前年比:16/2 月末+2.6%
→3 月末+2.5%)。
(4)貸出約定平均金利
地元地銀・第二地銀 4 行ベースの貸出約定平均金利(総合、ストックベース)
は、前月比低下した(16/2 月 2.164%→3 月 2.145%)。
以
上
本件に関する問い合わせ先
日本銀行静岡支店営業課
TEL 054-273-4106、FAX 054-275-0001
3
静岡県内主要金融経済指標
計表1
個 人 消 費
百貨店売上高
前年比%(注1)
県
内
全
国
スーパー売上高
前年比%(注1)
県 内
全
乗用車新車登録台数
(含む軽)
前年比%
国
▲ 3.9 ▲ 2.6 ▲ 0.6 ▲ 1.0
▲ 1.5
0.3
0.7 ▲ 0.1
16/ 1月 ▲ 0.8 ▲ 1.6
2.5
2.3
2月
2.0
0.5
3.8
3.1
3月 p ▲ 1.4 p ▲ 2.8 p
1.1 p ▲ 0.3
4月
n.a.
n.a.
n.a.
n.a. p
15/ 11月
12月
資料出所
県 内
全 国
県 内
全 国
県 内
▲
▲
▲
▲
▲
▲ 7.6
▲14.6
▲ 4.4
▲ 7.5
▲ 9.3
2.2
▲ 0.4
5.9
8.7
▲ 1.5
▲ 0.0
10.8
▲ 0.4
3.0
1.3
▲ 4.1
▲ 2.7
8.4 p
▲18.3
▲19.4
▲11.1
▲12.1
▲18.9
▲13.1 p
▲18.3
▲36.1
▲13.0
▲12.8
▲19.4
▲ 9.1
14.8
▲14.6
0.2
38.2
2.9
n.a.
8.9
6.5
1.0
6.6
9.1
0.1 p
15/ 10月
11月
12月
16/
1月
2月
3月
設
前年比%(注3、4)
8.2
29.8
0.6
▲23.0
7.0
7.7
国
▲ 2.5
1.7
▲ 1.3
0.2
7.8
8.4
資料出所
県
内
▲17.6
▲29.4
▲16.9
2.0倍
▲ 0.6
2.5倍
全
県
16年度計画
資料出所
国
全産業
▲20.2
▲ 5.5 15年度計画
6.5 16年度計画
▲11.9 資料出所
▲12.4
20.7
4.6
16.2
▲ 0.2
製造業
13.8
23.6
7.6
全
国
p
2.6
p ▲ 1.0
p
2.5
p
3.2
n.a.
n.a.
日本銀行 国土交通省
静岡支店
資
前年比%
全 国
非製造業
▲ 3.2
8.8
▲ 9.2
日本銀行静岡支店
全産業
製造業
4.3
8.0
▲ 4.8
6.8
10.8
▲ 0.9
非製造業
3.1
6.7
▲ 6.8
日本銀行
国土交通省
企
15年度計画
投
県 内
14年度
業
収
経 常 利 益(注5)
14年度
備
設 備 投 資 額(注5)
建築着工床面積
前年比%
全
前年比%
全 国
日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会
新設住宅着工戸数
旅行取扱額
前年比%(注2)
県 内
住 宅 投 資
内
軽乗用車新車販売台数
日本自動車販売協会連合会静岡県支部、静岡県軽自動車協会
経済産業省
県
乗用車新車登録台数
(除く軽)
前年比%
益
前年比%
内
全産業
製造業
1.6
▲ 2.9
▲ 1.1
2.0
▲ 6.9
0.6
全 国
非製造業
▲ 0.1
14.5
▲ 7.5
全産業
製造業
5.9
4.3
▲ 2.2
11.2
▲ 1.9
▲ 1.3
日本銀行静岡支店
非製造業
2.2
9.2
▲ 2.8
日本銀行
pは速報値、rは改訂値
(注1)店舗調整後ベース
(注2)旅行取扱額の県内は4社ベース。全国は、当月公表より全データを国土交通省「主要旅行業者の旅行取扱状況速報」の総取扱額に変更
(注3)県内の建築着工床面積は公共と民間の合計のうち非居住用
(注4)全国の建築着工床面積は民間のうち非居住用
(注5)全国企業短期経済観測調査、設備投資は土地投資を含む(リース会計対応ベース)
計-1
計表2
輸 出 入(注1)
県
輸 出 額
輸 入 額
公共工事請負金額
前年比%
前年比%
前年比%
内
全
▲ 1.9
▲ 5.1
12月
▲ 5.7
16/ 1月 ▲13.5
2月
3.5
3月 p ▲ 1.7
県
内
▲ 2.2 ▲ 3.8
▲ 3.4
8.2
▲ 8.0 ▲18.4
▲12.9 ▲11.2
▲ 4.0 p ▲10.7
▲ 6.8 p ▲11.0 p
15/ 10月
11月
資料出所
国
全
国
▲13.4
▲10.2
▲18.0
▲17.8
▲14.2
▲14.9
15/ 10月
11月
12月
16/
1月
2月
3月
常用労働者数(注3)
全産業 前年比%
内
県
1.23
1.24
1.25
1.24
1.25
1.27
内
52.9
9.2
▲ 0.6
▲ 5.4
▲19.7
▲ 0.7
▲ 4.8 ▲ 0.2 r
1.2
3.1 r ▲ 1.2
3.3
0.1 r ▲ 1.1 ▲ 0.7
0.4
▲ 9.6 ▲ 0.4 r ▲ 1.2
0.8
0.4
▲ 2.6
3.5 r
2.5 ▲ 0.5 r ▲ 0.3
▲ 2.2 p ▲ 2.9 r ▲ 5.2 p
2.8 r ▲ 0.2
5.0
n.a. p
3.6
n.a. p
2.8
物 静岡市
11月
12月
16/
1月
2月
3月
資料出所
・
所
得
雇用者所得(注3)
全産業 前年比%
全 国
県 内
全 国
全 国
(a×b)
解雇者
全産業 前年比%
前年比%
県 内
▲ 1.1
0.7
▲ 3.0 0.0
4.8
0.0
▲ 4.8
0.0
▲ 2.2 r
0.7 p
n.a. p
1.4
事業主都合による
全 国
▲ 0.2 2.9
▲ 2.1 2.1
5.9
2.3
▲ 4.6
2.1
▲ 0.9 r
2.7
n.a. p
3.6
県 内
全 国
▲16.3
8.0
▲ 9.1
▲ 7.6
2.6
▲18.4
3.1
▲ 0.2
▲ 2.7
▲ 8.6
▲10.8
▲ 5.8
静岡労働局、静岡県、厚生労働省
価
消費者物価指数
(除く生鮮食品)
前年比%(注4)
15/ 10月
用
県 内
静岡県、経済産業省
一人当り名目賃金(注3)
1.24 0.9 2.2
1.26
1.0 2.1
1.27
1.0
2.3
1.28
0.2
2.1
1.3
1.9 p
1.28 p
1.30
n.a. p
2.2
資料出所
全 国
在 庫
全 国
(常用雇用指数 a) (名目賃金指数 b)
季調済 倍
全 国
県 内
前月比%
県 内
雇
県
季調済
生 産
東日本建設業保証、
北海道建設業信用保証、
西日本建設業保証
清水税関支署、財務省
有効求人倍率
鉱 工 業 指 数(注2)
公 共 投 資
全 国
▲0.3
▲0.3
▲0.1
▲0.2
▲0.2
▲0.6
▲0.1 15/ 12月
0.1 16/ 3月
0.1 6月予測
0.0 資料出所
0.0
▲0.3
業
況
感
業況判断 D.I.(注5)
「良い」-「悪い」回答社数構成比%ポイント
県 内
製造業
全産業
7
7
▲ 3
非製造業
5
2
▲ 4
9
11
▲ 2
日本銀行静岡支店
全 国
全産業
9
7
1
日本銀行
総務省
pは速報値、rは改訂値
(注1)県内の輸出入は清水港、田子の浦港、御前崎港、静岡空港の4港合計値
(注2)鉱工業指数は、10年基準
(注3)事業所規模5人以上、10年基準
(注4)消費者物価指数は、10年基準。当月公表より全データ(除く全国)を総務省「消費者物価指数」(静岡市)に変更
(注5)全国企業短期経済観測調査
計-2
計表3
倒 産(注1)
件、億円、前年比 %
件 数
15/
11月
12月
16/
1月
2月
3月
4月
資料出所
前年比
24
0.0
19 ▲13.6
19 ▲24.0
27
50.0
25
8.6
12 ▲52.0
負債総額
53
35
31
29
28
17
銀 行 券
億円
前年比
82.8
▲11.6
▲51.0
50.0
▲ 2.8
▲57.4
受入額
796
872
1,515
820
920
798
東京商工リサーチ静岡支店
支払額
1,288
2,794
670
1,176
1,342
1,671
受払(▲)
超過額
▲ 492
▲1,922
845
▲ 356
▲ 422
▲ 873
日本銀行静岡支店
実 質 預 金 (注2)
末残前年比 %、億円
県 内
15/
10月
11月
12月
16/
1月
2月
3月
月末残高
銀 行
1.8
1.4
1.1
0.5
2.4
2.4
2.5
2.5
1.0
0.4
1.9
1.8
214,000 138,812
都 銀
地 銀・
第二地銀
信 金
貸
出 (注3)
末残前年比 %、億円
全 国
(注4)
▲ 4.6
2.5
2.5
▲13.7
3.1
2.3
7.7
2.0
2.4
6.9
2.3
2.5
▲ 7.6
1.9
2.2
1.7
2.0
2.2
17,930 115,623 75,187
資料出所
県 内
銀 行
都 銀
地 銀・
第二地銀
3.9
2.0
2.1
8.2
1.4
2.9
1.7
1.9
7.4
1.3
2.4
2.8
3.3
14.0
2.0
2.6
2.8
3.3
10.0
2.5
3.1
2.6
3.2
8.6
2.6
n.a.
2.5
3.0
4.4
2.9
n.a. 138,097 100,310 12,051 87,127
日本銀行静岡支店
貸出約定平均金利
(参考)主体別預金 (注5)
末残前年比 %
一般法人
0.6
11月 ▲ 6.0
12月
3.1
16/
1月
2.8
2月 ▲ 4.2
3月
3.0
15/
10月
個 人
地公体
(参考)主体別貸出 (注6) (ストックベース)
末残前年比 %
(注7)
水準 %
金融機関 一般法人
個 人
2.4 ▲ 1.7 ▲ 9.4 ▲ 0.5
1.9
24.0
57.5 ▲ 0.7
2.0
6.8
12.7
0.3
1.9
17.0
2.0
0.8
1.5
19.0
52.8
0.7
1.6 ▲ 2.7
20.3
1.3
資料出所
4.7
4.6
4.5
4.5
4.4
4.4
地公体
2.3
2.3
2.1
2.1
2.1
2.1
地 銀・
第二地銀
2.166
2.168
2.150
2.159
2.164
2.145
信 金
1.661
1.654
1.641
1.640
1.635
1.612
日本銀行静岡支店
(注1) 倒産は負債総額10百万円以上の合計
(注2)集計値は県内所在店舗ベース、実質預金 = 表面預金(譲渡性預金は含まない)- 小切手・手形
(注3)集計値は県内所在店舗ベース
(注4)全国は全国銀行と信用金庫の合計
(注5)主体別預金は全国銀行と地元12信用金庫の合計
(注6)主体別貸出は地元16行庫の合計
(注7)地元16行庫の県内所在店舗ベース
計-3
信 金
1.6
1.2
1.5
1.5
0.9
1.3
37,786
全 国
(注4)
3.3
3.2
3.1
3.4
2.8
n.a.
n.a.