麦類赤かび病の防除を徹底しましょう

麦類赤かび病の防除を徹底しましょう
長野県病害虫防除所
麦類赤かび病の病原菌(フザリウム属菌)は人畜に対し毒性を示すマイコトキシン「デオキシニ
バレノール」等を産生することが知られています。農産物検査規格では、食用麦の赤かび病被害粒
の混入限度が 0.0%以下となっており、赤かび病の発生した麦は商品価値が著しく低下します。
近年でも気象条件により多発することがあり、直近では平成 23 年に多発しています。
麦類赤かび病は、開花から 14 日間頃までに高温と降雨が重なると発生しやすいので、麦の生育
状況を良く観察して、適期を逃さない防除を心がけてください。
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病徴と発生条件
麦類赤かび病は主に穂に発生します。感染すると初めに穂の一部
に点状の褐変を生じ、その後拡大して穂の一部または全体が淡褐色
となり、後に頴の合わせ目に鮭肉色(紅色)のかびが見られるよう
になります。さらに古くなった病斑部には黒色点が見られることが
ありますが、これは病原菌の子のう殻です。
主な感染時期は、開花から 14 日間程度で、この時期に 20℃以上
の高温が続き、降雨が多いと多発します。
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予想される天候
【平成 28 年5月5日(木) 気象庁地球環境・海洋部 発表より抜粋】
向こう1か月(5月7日~6月6日)の出現の可能性が最も大きい天候と気温、降水量等の確率は以
下のとおりです。関東甲信地方の天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少ない見
込みとなっています。
低(少) 平年並
高(多)
低
平年並
高
月平均気温
10%
30%
60% 1週目 気温
10% 30% 60%
月降水量
20
40
40
2週目 気温
20
40
40
月間日照時間 40
40
20
3~4週目 気温
20
40
40
防除方法
【平成 28 年長野県農作物病害虫・雑草防除基準より抜粋】
農薬登録内容は平成 28 年5月1日現在・JPP-NET で確認
防除時期
開花期
防除方法
注意事項
1.石灰硫黄合剤 50 倍液、イオウフロアブル 1.開花期に曇雨天が続くと多発する。
400 倍液のいずれかを 10a 当り 200ℓ 、又は 2.イオウフロアブルは高温時には薬害を生じ
トップジンM水和剤 1,500 倍液、シルバキュ
るので散布しない。
アフロアブル 2,000 倍液、トリフミン水和剤 3.散布時期は最も感染しやすい開花期とし、多
2,000 倍液のいずれかを 10a 当り 150ℓ散布す
発が予想される場合は 10~14 日後を目処
る。
に追加散布する。
4.薬剤耐性菌の出現を回避するため、同一薬剤
注)赤かび病の石灰硫黄合剤は、製造会社により希釈倍数
の連用を避け、他剤との輪用を図る。
が異なるので確認して使用する。
<無人ヘリコプターによる農薬空中散布>
防除時期
開花期
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防除方法
[補完する農薬]
1.トップジンMゾルの8倍液、又はシルバキュ
アフロアブルの 16 倍液を 10a 当り 800mℓ 散
布する。
注意事項
1.開花期以降に曇雨天が続くと多発する。
2.散布時期は最も感染しやすい開花期とし、多
発が予想される場合は 10~14 日後を目処
に追加散布する。
3.薬剤耐性菌の出現を回避するため、同一薬剤
の連用を避け、他剤との輪用を図る。
防除上の留意事項
(1) 本病の防除は、開花期の予防散布が基本
開花期の予防散布が基本です。平成
平成 28 年産は麦類の生育
開花期の予防散布が基本
年産は麦類の生育が
麦類の生育が 10 日程度進んでいる
(5月2日現在)ため、生育状況をみながら防除時期が遅れないように注意
防除時期が遅れないように注意してください。
防除時期が遅れないように注意
(2) 農薬の使用に当たっては、最新の登録適用情報を確認してください。