第1章 憲法総論 - 辰已法律研究所

柏谷周希の司法試験合格開眼塾【Thinking
Lecture 編】
第3編 債権
→債権とは,特定の人に対して,一定の給付(作為・不作為)を要求できる権利
第1部 債権総則
第1章 債権の目的
□ 特定物債権と種類債権
1 特定物債権とは?(中田裕康『債権総論』P.33以下)
→特定の物の引渡しを目的とする債権
→善管注意義務(400)
→現状引渡義務(483)
※民法改正情報
:現在国会で審議中の民法改正案について本項目と関連する条文を掲載しております。
(特定物の引渡しの場合の注意義務)
第400条 債権の目的が特定物の引渡しであるときは,債務者は,その引渡しをするまで,契約その他
の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって,その物を保存
しなければならない。
*善管注意義務が一切の事情を考慮することを改めて定める趣旨である。任意規定なので特約で変更可能
※民法改正情報
:現在国会で審議中の民法改正案について本項目と関連する条文を掲載しております。
(特定物の現状による引渡し)
第483条 債権の目的が特定物の引渡しである場合において,
契約その他の債権の発生原因及び取引上
の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは,弁済をする者は,
その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。
*補充規定となった
2 種類債権とは?(中田裕康『債権総論』P.37以下)
→一定の種類に属する物の一定量を引き渡すことを目的とする債権
→市場に存在する物の給付であることから,無限の調達義務を負う
→履行不能とならないから,危険負担の問題は生じない
→引き渡すべき目的物の品質は特約などなければ中等のものになる(401Ⅰ)
←種類債権は,無限の調達義務の点などで債務者にとって負担が大きいため,ある時点で特定して特定物
債権に転化することになる
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