佐賀県食育推進基本計画の概要 平成18年3月 佐賀県 策定の趣旨 食をめぐる問題点 栄養の偏り・不規則な食事 肥満や生活習慣病の増加 過度の痩身志向 食の安全上の問題の発生 食料自給率の低下 食卓の変化 食育基本法の制定=食育国民運動の展開 国 : 食育推進会議(会長:首相)=食育推進基本計画 県 : 食育推進会議=『食育推進計画』 市町 : 食育推進会議=食育推進計画 計画の性格・期間 計画の性格 食育を総合的・計画的に推進するための基本的な指針 市町、学校、保育所、幼稚園、関係機関等の食育推進の共通の指針 食育基本法第17条に基づく推進計画として位置付け 計画の期間 ● 18年度から22年度までの5年間。その後は5年ごとに見直し。 ● ただし、情勢に大きな変化が生じた場合は、必要に応じて見直し。 佐賀県における食育の概念 “人を育てる”食育 ● 人間生活に最も身近な「食」を通して、いのちの尊さを実感し、 自分 自身と家族の心身の健康を維持する方法を身に付け、家族及び地 域・郷土の人々、歴史、文化との結び付きを確認し、さらに日本及び 世界の人々との関係について考えることのできる人を育てること “地域を育てる”食育 ● 地域の歴史や特性を見つめ直し、地域で育まれてきた食や農、自然 環境等を生かして豊かな食文化を継承し育てること 目指すべき方向 食を通して「いのち」の尊さを実感し、感謝の心を持てるようにする 家族で食卓を囲むことや食事の楽しさ、大切さを実感し、子どもの頃から 生涯を通じて望ましい食生活習慣を身に付ける 農林漁業や食品加工などの体験学習を通して、郷土の自然や文化、歴史 を理解する 食料や環境問題等との関連に目を向け、自分と世界とのつながりを考える 地域の食や農、自然環境等を活かして豊かな食文化を継承し育てる 現状の分析 ① 社会情勢の変化 ● 世帯構造は、「単独世帯」が増加し、将来もこの傾向が継続する見込み。 高齢社会を迎え、65歳以上の高齢者世帯が急激に増加する見込み。 佐賀県は、三世代同居率が高いという特徴。 ● 全世帯数 65歳以上単独世帯数 350 200 佐賀県 国 (%) 千 40.0 300 250 単独世帯数 287 278 232 24.9 20.0 21.9 19.3 14.6 12.1 10.1 昭和55年 平成2年 平成12年 150 100 50 0 32 7 昭和55年 81 36 58 19 平成12年 0.0 平成32年 世帯構造の変化(佐賀県) 三世代同居率の推移(佐賀県・全国) 現状の分析 ② 私たちの食生活と健康 ● ● 食の洋風化などに伴い、米の消費量が減少し、肉類と油脂類の消費量が増加。 生活習慣病である糖尿病が疑われる人は、年々増加。 現状の分析 ③ 朝食の欠食 ① ● 県民の朝食の欠食状況は、全国とほぼ均衡。 性別では、男性が高く、特に15歳∼40歳代では30%を超えている。 佐賀県H16 全国H15 朝食の欠食率(男) % 45 45 40.6 40 40 30 31.0 29.5 30 23.0 25 20 14.0 15 12.6 11.8 20 15.9 15 10.0 4.7 5.0 4.3 0.0 10 3.1 0.0 5 0 0 総 数 0.0 23.6 20.0 17.2 25 総 数 6 ∼ 1 4 1 5∼ 1 9 2 0∼ 2 9 3 0∼ 3 9 4 0∼ 4 9 5 0∼ 5 9 6 0∼ 6 7 0歳 9 以 上 5 35 31.0 8.7 8.5 7.5 3.8 0.0 12.7 9.8 12.8 7.6 7.0 6.7 4.5 3.8 3.5 2.4 6 ∼ 1 4 1 5∼ 1 9 2 0∼ 2 9 3 0∼ 3 9 4 0∼ 4 9 5 0∼ 5 9 6 0∼ 6 7 9 0歳 以 上 33.3 35 10 佐賀県H16 全国H15 朝食の欠食率(女) % 現状の分析 ④ 朝食の欠食 ② ● 朝食の欠食が習慣となった始まりの時期は、男女とも進学や就職など生活環境が変 わる高校卒業の頃や20歳代に多い。 50∼59歳 6.8% 60∼69歳 2.3% 40∼49歳 4.5% 小学校の 頃 中・高校 4.5% 生の頃 15.9% 30∼39歳 2.3% 20∼29歳 38.6% 60∼69歳 7.1% 50∼59歳 3.6% 高校卒業の 頃 28.6% 40∼49歳 21.4% 高校卒業 の頃 25.0% 朝食欠食の始まりの時期(男) 中・高校生 の頃 10.7% 30∼39歳 10.7% 20∼29歳 17.9% 朝食欠食の始まりの時期(女) 現状の分析 ⑤ 子どもの食生活と健康 ① ● 朝食の摂取状況は、全国、佐賀県とも、小学6年生・中学生の約1割が「とらないことが 多い」、「全く、またはほとんどとらない」、いわゆる欠食となっている 小学生・中学生の朝食の摂取状況(全国:H15) 小学6年 16.7 75.4 5.0 2.5 必ずとる 0.5 たいていとる 中学1年 16.7 73.8 5.5 3.5 0.5 中学2年 17.0 72.3 5.9 4.3 0.4 中学3年 69.9 17.3 とらないことが 多い 全く、または、ほ とんどとらない 無回答 5.5 7.0 0.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 小学生・中学生の朝食の摂取状況(県:H16) 小学6年 74.5 15.9 4.4 3.5 必ずとる 1.7 たいていとる 中学1年 70.9 17.7 4.7 4.6 2.1 中学2年 72.4 15.4 4.2 5.3 2.7 中学3年 73.5 14.5 4.9 無回答 4.1 3.0 0% 20% 40% 60% 80% とらないことが 多い 全く、または、ほ とんどとらない 100% 現状の分析 ⑥ 子どもの食生活と健康 ② ● 小学生、中学生ともに、肥満傾向児が増加。 肥満傾向児の割合 現状の分析 ⑦ 食料の需給 ● ● わが国の食料自給率は、主要先進国の中で最も低い。 佐賀県の食料自給率は高い数値で推移しているが、国全体では、H10年以降40% で低迷している。 佐賀県 100 80 93 84 全国 98 100 40 40 87 94 60 40 40 40 40 40 20 0 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 主要先進国の食料自給率の推移 佐賀県・全国の食料自給率の推移 具体的な対策 ① 推進体制の整備 県 市 町 食育担当窓口の設置 食育ネットワークさがの設置 強化月間の設定・実施 支援 要請 市町推進計画の作成 市町推進会議の設置 保育所・幼稚園 推進担当者の配置 推進リーダー養成・派遣 推進計画の作成 食育推進テキスト 学 連携 HP=情報の発信・共有 校 推進担当者の配置 推進委員会の設置 推進計画の作成 具体的な対策 ② 家庭・地域における食育の推進 健全な食生活についての理解の促進 農業体験活動の推進 シンポジウムの開催 食生活改善の推進 観光農園 オーナー制農園 関係者の資質向上 食生活管理環境整備 市民農園 滞在型農園施設 食の生産・安全に関する理解促進 食や農のHP開設 ふるさと先生の派遣 食のリスクコミュニケーションの推進 地産地消の推進・地域の活性化 県産農産物・郷土料理のDB作成 他産業との連携 食文化の継承 具体的な対策 ③ 保育所・幼稚園における食育の推進 推進体制の整備(再掲) 各種の媒体の提供 推進担当者の設置 健康かるた・朝食カード 推進計画の作成 エプロンシアターなど 関係者の資質向上 推進リーダーの派遣 「食育の時間」の創設 農業・調理体験活動の推進 保護者に対する啓発 給食における地産地消のための支援 具体的な対策 ④ 学校における食育の推進 推進体制の整備(再掲) 推進委員会の設置 学校給食を活かした食育の推進 給食時間の活用 推進担当者の設置 推進計画の作成 関係者の資質向上 地産地消の推進 学校給食への焼きもの食器導入促進 食に関する指導の充実 家庭、地域等との連携 栄養教諭の導入 PTA、関係者・団体など 食育マニュアル作成 具体的な対策 ⑤ その他の施設における食育の推進 医療機関における食育の推進 産婦人科 児童福祉施設における食育の推進 施設関係者の研修 妊産婦への栄養指導 食育に関する情報提供 小 児 科 乳幼児への栄養指導 歯 科 歯の衛生、咀嚼の指導 食事を提供する医療機関・福祉 施設・県営施設における地産地 消の推進 関係者等の役割 県 の 県民運動の推進に必要な施策の展開 役 割 関係者への支援・情報の提供(共有) 市 町 の 役 割 食品関連事業者等の役割 区域の特性を活かした 自主的な施策の展開 自主的・積極的な食育の推進 行政その他関係者への協力 教育関係者等の役割 子どもに対する自主的・積極的な食育 関係者等との連携 関係機関・団体、企業等の役割 目的や役割に応じた自主的な食育 行政その他関係者への協力 農林漁業者等の役割 家 庭 の 役 割 体験活動や食育の普及・啓発 行政その他関係者への協力 日常生活の中での食育の実践 食育推進の主要指標 ① 全体的事項 指 標 名 現状値(H16年) 目標値(H22年) なし 100% 市町の食育推進計画の作成率 朝食を欠食している県民の割合 男 12.6% 女 7.5% 男 11% 女 5% 県民の肥満度(BMI25以上の者)の割合 男 17.5% 女 14.9% 男 15% 女 10% 県民の1日当たりの野菜摂取量 240グラム 350グラム 内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドロー ム)を認知している県民の割合 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 健康を意識した食生活をしている県民の割 合 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 健康づくり協力店登録数 514店 800店 農業体験ができる施設数 47箇所 75箇所 県民の県産農産物に対する愛着度 47% 60% 食と農に関心を持つ県民の割合 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 食育推進の主要指標 ② 子どもに関する事項 指 標 名 現状値(H16年) 目標値(H22年) 保育所、幼稚園、学校における食育推進担 当者の設置率 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 保育所、幼稚園、学校における食育推進計 画の作成率 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 学校における「食生活学習教材」の活用率 63% 100% 朝食を欠食する児童・生徒の割合 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 児童・生徒の孤食の割合 なし 今後、現状値を調査 した段階で設定 学校給食における副食(おかず)の県産農 林水産物の利用割合 40% 47% 学校給食における焼きもの食器の導入割合 84% 100%
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