CiRAニュースレターVol.25 - 京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)

2016年4月号
Vol.
京 都 大 学 i P S 細 胞 研 究 所
CiRA
Newsletter
サイラ
10 周年特集
マウス iPS 細胞論文発表から 10 周年
イベント
国際シンポジウムを開催しました!
研究成果①
より良いすい臓の作製を目指して
研究成果②
免疫機能を活性化させる細胞を iPS 細胞から作製
研究成果③
2
6
8
10
12
25
倫理の窓から見た iPS 細胞
14
情報発信のあり方について調査結果を考える
CiRA で働く人々
15
次々に舞い込む仕事を、全力で打ち返す 事務局だより
16
基金担当職員、大阪マラソンに挑戦して寄付募集中!
17
幹細胞かるたが完成しました!
18
CiRA クロスワードパズル
CiRA アップデート
19
Editorial info
マウス iPS 細胞
論文発表から
10 周年を迎えました!
発行・編集
京都大学 iPS 細胞研究所
(CiRA)国際広報室
〒 606-8507
京都市左京区聖護院川原町 53
Tel: (075)366-7005
Fax: (075)366-7185
Email :
今年はマウス iPS 細胞の作製成功を報告した論文が、ア
メリカの科学雑誌『セル』に発表された 2006 年からちょう
ど 10 年となる節目の年です。この 10 年の間に、iPS 細胞に
関する研究は飛躍的に進み、2014 年には iPS 細胞から作
製した細胞を目の病気の患者さんに移植するにまでいたり
ました。今号から 8 回にわたって、iPS 細胞研究の 10 年の
歩みを振り返りたいと思います。
[email protected]
Web: www.cira.kyoto-u.ac.jp
撮影
CiRA 国際広報室
印刷
株式会社北斗プリント社
協力
CiRA 上廣倫理研究部門
本誌の記事・写真・イラストの
転載を禁じます。
Printed in Japan
表紙の写真
ヒト iPS 細胞
iPS細胞に関係する歴史の流れ
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1893年
2
京都大学iPS細胞研究所 発行
1962年
1970年
1 0 th a n n i v e r s a r y
10 周年特集
マウス iPS 細胞の発表
マウスのつぶやき
2006 年 8 月 25 日付けの学術雑誌
『セル』に掲載された論文は、研究者
ES
の間で大きな話題となりました。たっ
誕生日いつだっけ?
た 4 つの遺伝子を使って、マウスの
皮膚の細胞から受精卵のように体の
iPS
8月25日です。
あらゆる細胞に分化する能力を持っ
た細胞を作ることができる、iPS 細胞
ES
が正式に発表されたのです。
夏休みの宿題が忙しい時だね。
1981 年、マウスの受精卵から、少
し発生が進んだ段階で、細胞を取り
そうなんです。
だから、いつもお祝いしてもらう余裕が
あんまりないんです。
出してきて、培養皿の上で増やすこと
ができるようになりました。これを胚
iPS
性幹細胞(ES 細胞)と呼びます。ヒト
で ES 細胞が作られたのは 17 年後の
ES
1998 年でした。ヒト ES 細胞から体
今年は10歳になるんだから盛大に
お祝いしてもらいなよ。
のあらゆる細胞を作り出すことができ
るので、再生医療に使用する細胞と
お祝いしてもらえるといいなぁ…
ところで先輩の誕生日は?
して、期待が高まりました。しかし ES
iPS
細胞は受精卵を元につくることから使
用することに抵抗を感じる人も多く、
ES
アメリカでは当時のブッシュ大統領が
1981年7月9日生まれ。今年で35歳。
ES 細胞を使った新たな研究に連邦
政府の予算をつけない方針をとるな
マウスESなのにトリ年ですやん。
iPS
ど、強い反対がありました。
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1981年
1986年
1988年
1997年
1998年
2016年4月号
2001年
3
そうした状況のなか、奈良先端科
前を隠して山中教授が発表をすると、
者とし、研究室の他のメンバーに批
学技術大学院大学で新しく研究室を
多くの研究者が遺伝子は何なのか、
判が及ばないようにしました。
主宰することになった山中伸弥博士
山中博士にたずねたそうです。
論文は、研究者の間で大きな話題
(当時は助教授)は、
「受精卵を使わ
そうして、2006 年 8 月、ついにマ
となりました。はじめは懐疑的な意見
ないで、体細胞から ES 細胞のような
ウスで iPS 細胞ができたという論文が
も多くありましたが、海外の研究グ
細胞を作る」という目標を立て、2000
発表されたのです。4 つの遺伝子を
ループで再現できたという報告が相
年に研究室の学生らと共に研究を始
マウスの皮膚の細胞に導入すること
次いだことで、広く認められるように
めました。2004 年には京都大学再生
で ES 細胞と同じような多能性(さま
なり、iPS 細胞という名前も定着しま
医科学研究所に移り、引き続き研究
ざまな細胞になることのできる能力)
した。
が進められました。数万種類の遺伝
を持った細胞ができたという発表は、
子の中から iPS 細胞を作るために必
世界中の研究者を驚かせました。たっ
が一気に加熱したのです。マウス iPS
要な遺伝子の組み合わせを見つける
た4つの遺伝子だけで細胞が初期化
細胞の論文は、これまで 9,500 本を
という途方も無いプロジェクトで、山
(役割を持った体細胞が受精卵のよう
超える論文に引用され、世界中で研
中博士は、何十年もかかるだろうと
な状態になること)
できるとは誰も思っ
思っていました。
ていなかったのです。その前年にヒト
しかし、予想外にも数年後に、そ
クローン胚から ES 細胞を作ったとい
の答えにたどりつくことができました。
う研究が虚偽であったことが明らかに
iPS 細胞の作り方が思っていたより容
なり、捏造や不正に対して特に厳し
易であったので、論文発表前に他の
い目が向けられていました。山中博
研究グループに知られないようにする
士は、マウス iPS 細胞論文はあまりに
ために、山中博士は必要最小限のメ
も容易な方法で体細胞が初期化でき
ンバーでこの研究を行ったのです。
るという内容だったので、発表すれば
論文投稿が近づいた 2006 年 3 月、
そのため、この論文に深くかかわった
細胞を作るために必要な遺伝子の名
自分と高橋和利博士の二人だけを著
(文・和田濵裕之)
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iPS細 の方か
ヒト 血球貧
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マウ
病気
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1893年
4
究が行われています。
逆風が吹くだろうと覚悟していました。
カナダで開催された国際学会で、iPS
完了
3年 解読の
0
0
ム
2
ゲノ
ヒト
そして、iPS 細胞を使った研究競争
京都大学iPS細胞研究所 発行
1962年
1970年
10 周年特集
1 0 th a n n i v e r s a r y
10周年記念インタビュー
Q:2006 年 の iPS 細 胞 発 表
当時は何をしていました
か?
を呼び寄せる呪文のように言っ
ていた話が現実になってびっく
りしました。その後に実際に iPS
細胞の仕事をして、自分でも再
A:CiRA のすぐとなりにある京都大
現出来たので感動しました。
学再生医科学研究所で、山中
研究室のメンバーとして研究を
していました。マウス iPS 細胞
Q:山中先生はどんな人です
か?
のプロジェクトは極秘だったの
未来生命科学開拓部門
中川誠人講師
で、直接携わっていた高橋(和
A:2004 年からなので 12 年くらい
利)くんと一阪(朋子)さんく
一緒に仕事をしています。基本
らいしか知りませんでした。iPS
的には大阪のおっちゃんという
細胞が出来たあとに、僕らが呼
イメージです。
ばれて一緒に研究をするように
なりました。
Q:iPS 細胞発見の話を初め
て聞いた時どう思いまし
たか?
Q:現在、どんな研究をして
いるのですか?
A:僕たちの研究室では遺伝子では
なくタンパク質にフォーカスを当
てて、初期化のメカニズムを調
A:もともと奈良先端科学技術大学
べようとしています。細胞そのも
院大学にいたころから、山中先
のの変化を我々の手法で制御で
生が(体細胞から ES 細胞のよ
きるようになればいいなと思っ
うな万能細胞をつくると)学生
ています。
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1981年
1986年
1988年
1997年
1998年
2016年4月号
2001年
5
国際シンポジウムを開催しました!
CiRA では研究活動を発信するとともに、研究者らの国際交流により iPS 細胞研究の
推進を図るために、2012 年から国際シンポジウムを開催しています。5回目となる今
回は、国際幹細胞学会(ISSCR)との共催で、3 月 22 日から 24 日にかけて京都大学
百周年時計台記念館で開催しました。3日間で約 580 名(うち海外から約 230 名)
の方々にご参加いただきました。
今年 2016 年は、マウス iPS 細胞
シンポジウムでは、iPS 細胞や ES
が報告されて 10 周年という節目の
細胞(胚性幹細胞)のもつ多能性(体
年です。その記念すべきシンポジウ
のあらゆる細胞になれるという性
ムにふさわしい、24 名もの著名な
質)のしくみや、細胞のゲノム DNA
幹細胞研究者が講演を行いました。
を改変するゲノム編集技術など新し
初日の特別講演では、山中伸弥教
い技術を用いた基礎研究から、iPS
授 が iPS 細 胞 の 10 年を振り返り、
細胞を使った病態メカニズムの解
臨床応用へと近づいてきたこれまで
明や創薬研究、また、再生医療と
の研究の進捗と今後の展望につい
いった幅広い分野の最先端の研究
て講演しました。
が紹介されました。
特別講演する山中教授
6
京都大学iPS細胞研究所 発行
ポスター発表を見る参加者
イベント
Event
シンポジウムに参加した講演者などが舞台上で記念撮影
CiRA からは、マイクロ RNA とい
議論を交わしました。
う分子を用いた細胞の精製技術に
iPS 細胞は比較的新しい技術です
ついて齊藤博英教授が、軟骨の再
が、これまで分からなかった病気の
生や病態解明について妻木範行教
しくみが明らかになってきたり、加
授が、血小板の作製について江藤
齢黄斑変性や脊髄損傷など様々な
浩之教授が、パーキンソン病の細
病気やケガへの細胞移植や臓器の
胞治療について髙橋淳教授が、そ
作製に向けた研究、また、医療応
れぞれ研究の進捗について講演を
用を支えたり、生命の不思議にも迫
行いました。
る研究など広範な研究が着実に進
講演に加えて、約 200 件ものポ
スター発表も行われました。ベテラ
ン研究者や若手研究者が研究内容
展している様子が感じとれるシンポ
ジウムとなりました。
(文・中内彩香)
について活発に情報交換をしたり、
2016年4月号
7
より良いすい臓の作製を目指して
臨床応用研究部門の川口義弥教授らの研究グループ
が、
外分泌組織が極端に少ないマウスを作製したところ、
インスリンを出す組織の分化・成熟がうまくできなくなり、
糖尿病になることを見つけました。米国科学誌『サイエ
ンティフィック・リポーツ』に掲載されました。
記者の質問に答える川口教授
すい臓には大きく二つの役割が
移植して糖尿病を治すという手術も
あります。腸内で食べ物を分解する
行われています。しかしドナー不足
消化酵素を作ることと、血液中の糖
などの問題もあり、機能的な内分
分の量を調節するインスリンという
泌組織を得ることが困難で、多くの
ホルモンを作ることです。消化酵素
患者さんを救うことはできていませ
を作る部分を外分泌組織と言い、イ
ん。そこで、川口教授らのグループ
ンスリンを含むホルモンを作る部分
は、iPS 細胞などの多能性幹細胞か
を内分泌組織といいます。これら 2
ら機能的な内分泌組織を作り、糖
つの組織が合わさってすい臓ができ
尿病治療を目指しています。
ています。
これまでの研究で、iPS 細胞から
インスリンは血糖値を下げる働き
インスリンを作る細胞(β 細胞)が
を持つホルモンで、インスリンがう
できることは知られていました。し
まく作 れ なくなると、 血 糖 値 が 上
かしインスリンを作る能力などの面
がった状態になってしまい、糖尿病
で、必ずしも体の中の細胞と同じ位
となります。
機能するとはいえませんでした。川
糖尿病を改善するには、インスリ
口教授はすい臓には内分泌組織だ
ンを作る能力を高めることが重要で
けではなく外分泌組織も一緒に存在
すので、内分泌組織(すい島)を
していることに着目し、機能的な内
8
京都大学iPS細胞研究所 発行
研究成果①
New research
【論文名】
分泌組織を作るためには外分泌組
今回の結果から、機能的な内分
織も重要なのではないかと考えまし
泌組織を作るには外分泌組織も重
た。
要であることがわかりました。今後、
今回の研究では外分泌組織が作
外分泌組織からでるどのような因子
られにくいマウスを作り、そのマウ
が影響を与えているのかを調べるこ
スのすい臓で内分泌組織がうまく機
とで、より機能的な内分泌組織の作
能するのかどうか、実験で調べまし
製が期待できます。
た。すると、外分泌組織が作られに
Diabetes caused by Elastase-Cre-Mediated Pdx1 inactivation in Mice
【ジャーナル名】
Scientific Reports
【著者名】
Sota Kodama+, Yasuhiro Nakano+,
(文・和田濱裕之)
Ko ji Hirata+, Kenichiro Furuyama,
くいマウスでは、インスリンを作る
Masashi Horiguchi, Takeshi Kuhara,
能力が低くなっており、糖尿病の状
Toshihiko Masui, Michiya Kawaguchi,
態になっていました。また、内分泌
Maureen Gannon,
組織の様子を観察すると、十分に
Christopher V.E. Wright,
成熟していないこともわかりました。
Shinji Uemoto and
Yoshiya Kawaguchi*
(*責任著者、
+同等貢献)
外分泌組織
すい管
内分泌組織(すい島)
すい臓の一部の構造
枝分かれしたすい管構造の幹部分から内分泌細胞が
発生し、すい島ができる
2016年4月号
9
がんなどへの免疫機能を活性化
させる細胞を iPS 細胞から作製
金子新 准教授(増殖分化機構研究部門)らの研究グループによる iPS 細胞から免
疫細胞の一種を作製し、他の免疫細胞の機能を高めることを示した成果が、米国科
学雑誌『ステム・セル・リポーツ』に掲載されました。今回の成果について、金子准
教授にお話を伺いました。
Q:iPS 細胞を使ったがんの
治療への研究とはどのよ
うなものですか?
めてがんを退治しようという免
そこで、体内の弱ったキラー T
疫療法が注目されています。
細胞から iPS 細胞を作り、その
私たちのグループは、以前、
iPS 細胞から再び元気に若返っ
免疫細胞の一つ、細胞傷害性 T
A: がんは、日本人の半数が生
(キラー T)細胞を iPS 細胞から
ました。
涯のうちにかかり、死因のトッ
作製しました。キラー T 細胞は、
プである国民病です。治療には
がん細胞などを攻撃しますが、
他の免疫細胞の一種であるイン
主に外科治療(手術)や放射
がん細胞との慢性的な闘いの
バリアント・ナチュラル・キラー
線治療、化学療法(抗がん剤)
結果、疲弊し、機能が低下した
T(iNKT)細胞の再生を試みま
が あります。これらに加えて、
り数 が 減 少したりすることで、
した。
体を異物から守る免疫機能を高
がんが増殖する一因となります。
記者からの質問に答える様子(左から喜多山研究員、金子准
教授、国立がん研究センター・植村靖史主任研究員)
10
たキラー T 細胞を作ることがき
京都大学iPS細胞研究所 発行
今回は、この技術を応用して、
研究成果②
New research
Q:iNKT 細胞はどんな細胞で
すか?
成 功しました。 再 生した iNKT
細胞の性質を調べてみると、ド
ナーの方が元々もっていた iNKT
A: iNKT 細胞は、私たちの体に
細胞よりも細胞レベルで若返っ
備わっている自然免疫と獲得免
ていることが分かりました。
疫の両方の制御に重要な役割
再生 iNKT 細胞の実際の機能
を果たす細胞です。異物が体内
を調べたところ、樹状細胞を活
に進入した時など iNKT 細胞が
性化することでキラー T 細胞が
活性化すると、樹状細胞も活性
活性化し、がん細胞への攻撃を
化し、その結果、キラー T 細胞
促せることが確認できました。
の働きを促して、がん細胞やウ
また、再生 iNKT 細胞は、本来
イルスなどが感染した細胞を攻
の iNKT 細胞にはない、直接的
撃させます。
にがん細胞を攻撃する能力があ
がん患者さんの多くでは、体
ることが分かりました。
内の iNKT 細胞の数や機能の低
下が知られています。また、が
ん細胞はキラー T 細胞の攻撃か
Q:今後の研究が期待されま
すね。
ら免れたり、免疫抑制細胞を呼
び寄せてがんの周りを免疫不全
A: iPS 細胞はほぼ無限に増やせ
状態にして、増殖する場合があ
るので、iNKT 細胞のような免疫
ります。そこで、キラー T 細胞
細胞をたくさん作れます。今後、
の働きを助ける iNKT 細胞も注
iPS 細胞から作った元気な免疫
目されています。
細胞を移植するという、がんに
対する有効な免疫療法への応
Q:今回の研究ではどのよう
なことが分かったのです
か?
A: 今回は、健康な方の末梢血
中の iNKT 細胞から iPS 細胞を
作製し、その iPS 細胞から再び
iNKT 細胞へと分化させることに
筆頭著者紹介
喜多山 秀一(きたやま しゅういち)
1987年東京生まれ。大学、大学院では化学、
植物学、生命科学の分野を渡り歩き、やがて免疫
学に強く惹かれるようになりました。金子研究室
には大学院修士課程修了後にやってきました。基
礎研究者や臨床の現場で働く医師研究者と話し合
いながら研究を進められることは、学ぶところが
たくさんあります。第4のがん治療と言われる免
疫療法の可能性を少しでも広げられるよう、微力
ながら貢献していきたいです。仕事が終わった
ら、日課のファゴットとチェロの演奏練習を楽し
んでいます。
【論文名】
Cellular Adjuvant Properties, Direct Cytotoxicity of Re-differentiated Vα24
Invariant NKT-like Cells from Human
Induced Pluripotent Stem Cells
【ジャーナル名】
Stem Cell Reports
【著者名】
用が期待されます。また、iNKT
Shuichi Kitayama*, Rong Zhang*,
細胞はがん以外にも感染症や自
Ti an-Y i Li u , Nori hi ro Ueda,
己免疫疾患などに関連する免疫
S hoi c hi Iri g u c hi , Y utaka Yasui,
機能を制御していると考えられ
Y ohe i Kawai , M i nak o T atsumi,
ているので、幅広い病気への応
Nori hi t o Hi rai , Y as utaka Miz o r o ,
用も期待されます。
Tatsuaki Iwama, Akira Watanabe,
(文・中内彩香)
M ahi t o Nak ani s hi ,
Ki yot ak a Ku zu s hi ma,
Yasushi Uemura**, Shin Kaneko**
* 筆頭著者 * * 責任著者
2016年4月号
11
New research
研究成果③
変形性関節症の治療薬開発に向けた
リード化合物の発見
箭原康人大学院生(CiRA/富山大学)と妻木範行教授(CiRA)らの研究グルー
【論文名】
プは、マウスに対する実験でプテロシン B という物質が変形性関節症に効果が
P t e ros i n B p re ve nt s
あることを明らかにしました。今後、プテロシン B をリード化合物として変形性関
c hondroc yt e hyp e rt ro phy and
節症の治療薬開発が進められることが期待されます。
os t e oart hri t i s i n mi c e by
i nhi b i t i ng S i k 3
【ジャーナル名】
Nat u re C ommu ni c at i o ns
合成RNAを利用した生細胞の
高精度な同定と分離
遠藤慧助教(東京大学、元・CiRA)、齊藤博英教授(CiRA)
らの研究グループ
【論文名】
は、細胞内のわずかなマイクロRNA活性を定量的に感知するメッセンジャー
Hi g h-re s ol u t i on Ide ntificatio n
RNAを合成し、異なる種類の細胞を高精度に同定し、分離することに成功しま
and S e p arat i on of Li ving Cell
した。今後、
これまで検出することのできなかった未知の細胞の同定や、異なる
Typ e s b y M u l t i p l e micr o RN A -
細胞が混在する培養皿の中から目的の細胞のみを分離するなどの応用が考
re s p ons i ve S ynt he t i c mRN A s
えられます。
【ジャーナル名】
S c i e nt i fi c R e p ort s
肉腫形成メカニズムの一端を解明
河村真吾大学院生(CiRA/岐阜大学)、山田泰広教授(CiRA/iCeMS)
らの研究
【論文名】
グループは、肉腫モデルマウスや、肉腫から作製したiPS細胞を用いて、肉腫が
E WS -F LI1 -i ndu c e d
形成される過程で、EWS-FLI1遺伝子の発現に加え、成熟した骨への分化の阻
os t e os arc oma mode l unv eiled a
害が重要な役割を果たしていることを見出しました。今後、
このようなモデル
を用いて、抗がん剤の開発に貢献することが期待されます。
c ru c i al rol e of i mp ai r ed
os t e og e ni c di ffe re nt iatio n o n
os t e os arc oma de ve l o pment
【ジャーナル名】
S t e m C e l l R e p ort s
12
京都大学iPS細胞研究所 発行
最も移植効果の高い心筋細胞の
成熟ステージを発見
舟越俊介研究員(CiRA)、吉田善紀准教授(CiRA)
らの研究グループは、
ヒト
【論文名】
iPS細胞から作った心筋細胞が最も高い移植効果を得るための条件を見出し
E nhanc e d e ng raft me nt,
ました。 また、長期間に渡って高い生着を期待できる成熟ステージの細胞を用
p rol i fe rat i on, and t her apeutic
いることで、移植した細胞が心臓の中で増える期間と成熟する期間があること
p ot e nt i al i n he art u s ing
が分かりました。
op t i mi ze d hu man i P SC-der iv ed
c ardi omyoc yt e s
6 months
【ジャーナル名】
S c i e nt i fi c R e p ort s
移 植 後 6 ヶ月後 の 心 筋 細 胞。
赤い縞状構造がみられ、細胞
内の構造が成熟していることが
確認できる。
Actinin / Anti-luc / Hoechst
移植後のドパミン神経の
シナプス形成を既存薬で促進
西村周泰研究員(カロリンスカ研究所/元・CiRA)、髙橋淳教授(CiRA)
らの研
究グループは、
ヒトiPS細胞から作製したドパミン神経細胞の雌ラット脳内への
移植において、エストラジオール誘導体が、移植したドパミン神経細胞と脳内
の神経細胞との接続を促進すること、
またそれに伴い、運動機能が早期に改善
することを明らかにしました。
【論文名】
E s t radi ol fac i l i t at e s functio nal
i nt e g rat i on of i ndu c ed
p l u ri p ot e nt s t e m c e l l-der iv ed
dop ami ne rg i c ne u rons into
s t ri at al ne u ronal c i rcuits v ia
ac t i vat i on of i nt e g ri n α5β1
【ジャーナル名】
S t e m C e l l R e p ort s
2016年4月号
13
Column
倫理の窓から見た iPS 細胞
情報発信のあり方について
調査結果を考える
八代嘉美准教授
日本の再生医療研究者が多く加
しており、再生医療のような萌芽的
めには、それを享受するはずの一
入する日本再生医療学会という団体
な科学技術領域のコミュニケーショ
般の人々と研究者がいかに情報を
があります。この団体で、再生医療
ンでは、関心の違いについて敏感
共有し、信頼を確保していくのかが
についての適切な知識の共有をは
になる必要があるでしょう。
かるため、「情報発信のありかた」
2013 年に、日本では再生医療を
について研究者と一般の社会の意
推 進する法 律 が 整 備されました。
識の差を知る調査を実施しました。
「再生医療を国民が迅速かつ安全に
「一般の人々の関心事項」と「研
受けられるようにするための施策の
究者側の伝えたい事柄」の間には
総合的な推進に関する法律」が整
差があるということがわかりました。
備され、これに基づいて「再生医
細かくは挙げませんが、社会の関心
療等の安全性の確保等に関する法
は「実現したあとの社会がどうなる
律」が新しく作られました。また薬
か」であり、研究者が伝えたいこと
事法という、これまで薬や医療機器
は「科学的な意義」といった点に
等を規制していた法律が改正され、
集約することができるでしょう。
細胞を用いた製品や遺伝子治療も
我が国の科学技術政策の基本と
カバーする「医薬品、医療機器等
なる、第五期科学技術基本計画が
の品質、有効性及び安全性の確保
2016 年1月に閣議決定されました
等に関する法律」となりました。
が、
そこでは「科学技術イノベーショ
このように「再生医療の推進」を
ンと社会との関係深化」ならびに
うたい、法律の名前まで入れたもの
「共創的科学技術イノベーション」
は世界でも例がなく、日本がどのよ
が謳われています。つまり、科学や
うなかたちで再生医療を進めていく
技術は社会とともにつくりあげてい
のか、世界から注目が集まっていま
くもの、ということが規定されてい
す。実際に、日本の制度は世界の
るのです。そのため、コミュニケー
さまざまな学術雑誌に紹介されてお
ション活動の推進が重要視され、さ
り、ひとつのモデルケースとなって
まざまな試みが行われています。
います。
しかし、冒頭に掲げた結果はそ
こうしたことを考えれば、再生医
の努力がまだ道半ばであることを示
療が普及した社会をつくっていくた
14
京都大学iPS細胞研究所 発行
重要な鍵となっていくでしょう。
(上廣倫理研究部門 八代嘉美准教授)
CiRA members
CiRA で働く人々
次々に舞い込んでくる仕事を、
全力で打ち返す
今回は、研究業務の調整と推進を担う、所長室の
三宅陽子さんにお話を伺いました。
CiRA で働き始めてから 5 年になり
三宅陽子さん
員選考の事務手続き、研究の進捗を
ます。その前は、京都大学のエンジ
所内で報告するプログレスセミナー、
ンの燃焼・動力工学を専門とする研
国際シンポジウムやリトリート(研究
究室で秘書をしていました。英語を
合宿)の運営に加え、研究室の引っ
活かす仕事がしたかったのです。
越しの調整なども経験しました。
学生時代からアメリカ音楽や映画
プログレスセミナーは、当初、参
に興味を持っていて、大学院ではア
加者数が少なくて困っていたのです
メリカ文化がいかに世界に広がって
が、開催時間帯を変えるなど工夫を
いくのかという、グローバリゼーショ
重ねて、現在では約 100 人収容可
ンを研究していました。研究自体は
能な講堂が満席になるくらい参加者
楽しかったのですが、これを職業と
が集まります。最近は、毎年開催す
するには相当な覚悟が必要そうでし
るリトリートに向けて、外国人研究者
たので、就職して社会へ出てみよう
の招聘、会場打ち合わせなどの準備
と思っていたところ、縁あって、全く
を進めています。当日、講演者と話
異分野の研究室の秘書になりまし
したり、参加者が交流している様子
た。
を見ると、頑張ってよかったという気
CiRA で 働きた いと思った の は、
持ちになります。
当時、iPS 細胞は今ほど有名にはなっ
所長室は多種多様な仕事が舞い
ていなかったのですが、難病の方が
込みます。試行錯誤の過程で失敗す
期待されている分野だということは
ることもありましたが、着実に仕事
知っていたので、そのような研究が
に取り組んでいたら、信頼されて、
今後どのように発展していくのかを近
また新たな仕事が任されるという循
くで見たかったからです。
環があって、とてもやりがいがありま
CiRA に来てまず驚いたのが、研
すね。今度はどんな仕事が舞い込む
究支援部門のスタッフによる研究者
のか、少し不安で同時に楽しみです。
への支援体制の手厚さです。支援部
(インタビュー:遠山真理)
門の一つである所長室では、さまざ
まな仕事に取り組んできました。教
2016年4月号
15
iPS Cell Research Fund
基金事務局だより
基金担当職員(ファンドレイザー)
、
大阪マラソンに挑戦して寄付募集中!
今年も 10 月に開催される大阪マラ
ソン。このマラソンには様々なチャリ
ティープログラムがあり、CiRA は去年
に引き続き、公式寄付先団体に選ん
でいただきました。
これまでは CiRA からは山中伸弥
所長を含め、教授陣が主にマラソン
を機会として寄付を募ってきましたが、
今年は iPS 細胞研究基金事務局の担
当者である私も、大阪マラソンに出
場して 30 万円を目標に寄付を募りま
す!
実は、大阪マラソンへの挑戦はこ
れが初めてではありません。CiRA に
2013 年大阪マラソン完走後の長船健二教授(左)、
渡辺亮助教(中央)と渡邉文隆
着任した 2013 年に一度挑戦したの
ですが、最後は完全にバテてしまいま
した。タイムでは、山中所長の自己ベ
スト記録から約 1 時間も差をつけら
れていますが、何とか差を縮めたい
ぜひ大阪マラソン公式サイトの下記
ものです。
ページからエントリーをご検討くださ
今後は、寄付募集用ウェブサイト
い。エントリーの締切は 7 月 29 日
(金)
「JapanGiving」の自分のページから、
17 時です。
「iPS細胞研究基金」寄付の方法
■インターネット:
「iPS基金」
と検索 →寄付ページにてお手続き
日々の練習の様子や、iPS 細胞・基金・
https:/ /www.osaka-marathon.
研究所についての様々な情報を発信
com/2016/runner/entry/apply_c/
していきますので、ぜひご覧ください。
普段の職務だけではなく、今年は
ご寄付も、下記のページで受け付け
マラソンでも寄付を募り、iPS 細胞研
※詳しくは京都大学iPS細胞研究所
ています。
究の進展に貢献したいと思っていま
「iPS細胞研究基金」事務局まで。
http://japangiving.jp/c/13687
す。
[email protected]
また、大阪マラソンのチャリティラン
(
国際広報室基金グループ 渡邉文隆)
ナーになって走りたい!という方は、
16
京都大学iPS細胞研究所 発行
ハシレ ヤマナカシンヤ
■フリーダイヤル:0120・80・8748 →金融機関でお手続き
学習ツール
Card Game
幹細胞かるたが完成しました!
幹細胞の基本的な知識を、遊びな
がら学ぶことのできる
「幹細胞かるた」
が CiRA ホームページからダウンロー
ドできるようになりました。これまで、
CiRA の小学生向けのイベントなどで
使用してきたかるたを、研究者の声
も加えて改良し、50 音揃えました。
ひらがなを読める子でしたら、どなた
でも遊ぶことができます。ぜひ、
ご家族、
学校、職場などで楽しんでください。
(制作・遠山真理、他)
遊び方
幹細胞かるた 検索
1. CiRA ホームページから、かるたデータ PDF ファイルをダウンロー
ド(無料)してください。
2. A4 用紙に印刷してください。(厚紙がおすすめです。
)
3. 切り取り線に従って、一枚ずつ切り取ってください。
4. 1人が読み札を読み、他の人は絵札を取ります。
5. 一番多く札を手に入れた方が勝ちです。
A4 サイズのラベルシールに印刷して、無地のかるた台紙に貼ると、
本格的なかるたのように遊ぶことができます。
2016年4月号
17
Crossword puzzle
CiRA クロスワードパズル
新企画のクロスワードパズルです。
マス目の中に入る言葉は、今号の記事
の中に隠れています。じっくり読み込みな
がら、お楽しみください。
※マス目にはかな文字が入ります。
答え
い
ろ
は
ろ
は
い
解答は最終ページをご覧下さい。
タテのカギ
1 中
川誠人講師の研究テーマは、〇〇○◯○◯
に焦点を当てた細胞の初期化のメカニズム解
析。
3 川口義弥教授らは、iPS 細胞などから内分泌組
織(◯◯◯◯)を作ろうとしています。
4 幹細胞かるたは、◯◯◯◯◯◯◯向けイベント
で使用しました。
6 山 中伸弥博士は、受精卵を使わずに胚性◯◯
◯◯◯◯(ES 細胞)のような細胞を作るとい
う目標を立てました。
7 妻 木範行教授らは、◯◯◯◯細胞がすり減る
変形性関節症の治療薬開発に向けたリード化
合物を発見。
10 金 子新准教授らは、がんなどの治療に向けた
◯◯◯◯細胞を iPS 細胞から作製。
18
京都大学iPS細胞研究所 発行
ヨコのカギ
2 今
年は、◯◯◯ iPS 細胞の作製を論文発表してから 10 周
年。
5 CiRA で働く人々に登場した三宅陽子さんが所属するのは、
◯◯◯◯◯◯◯。
8 八代嘉美准教授は、再生医療の普及のために、研究者と
一般の人々が情報を共有し、◯◯◯◯を確保していくこと
が重要と語っています。
9 齊 藤博英教授らは、細胞内の◯◯◯◯ RNA 活性の差を
感知することで、細胞内の状態を認識できる手法を開発。
11 2016 年 3 月に CiRA と ISSCR 共催で◯◯◯◯シンポジウ
ムを開催。
12 川口義弥教授らの研究グループは、◯◯◯◯◯◯組織の
少ないマウスは、結果的に糖尿病になることを明らかに。
13 京都大学 iPS 細胞研究◯◯◯担当のファンドレイザーが大
阪マラソンに挑戦。
CiRA アップデート
4/1
人事異動がありました。主要な
人事は以下の通りです。江藤浩之教
授、高須直子教授が副所長に就任
しました。再生医科学研究所の吉
富啓之准教授が CiRA 准教授も兼務
することになりました。渡辺亮助教
が CiRA 主任研究者に任命されまし
た。
3/25
妻木範行教授のグループが論文
を発表しました。(12 ページ)
3/22-24
CiRA/ISSCR 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム
2016 を開催しました。
(6、7 ページ)
3/18
髙橋淳教授のグループと山田泰
広教授のグループが、それぞれ論文
を発表しました。(12、13 ページ)
3/7
山中伸弥教授が、広島大学から
特別栄誉教授の称号を授与されま
した。
2/24
齊藤博英教授の研究グループが
論文を発表しました。(12 ページ)
2/21
山中伸弥所長、戸口田淳也副所
長、髙橋淳副所長、齊藤博英教授、
伊藤謙治研究員が京都マラソンに
参加し、完走しました。
最 新 情 報 は ホ ー ム ペ ー ジ に!
CiRA news update
2/18
川口義弥教授のグループが論文
を発表しました。(8、9 ページ)
した。約 30 人が参加し、イベント
終了後に交流会も行いました。
2/12
長船健二教授の研究課題が1型
糖尿病の患者・家族の支援団体、
認定特定非営利活動法人日本
IDDM ネットワークの研究費助成の
課題に選ばれました。
2/12
CiRA ホームページをリニューア
ル・オープンしました。
2/9
出 張 CiRA カフェ in 名 古
屋で話す櫻井准教授
金子新准教授の研究グループが
論文を発表しました。(10、11 ペー
ジ)
1/8
2/6
1/4
研 究 棟 見 学 会を開 催しました。
27 人が参加しました。
京都市教育委員会が主催する「未
来のサイエンティスト養成事業」の
一環として、京都市内の小学生 25
人を対象に「遊んで学ぼう!iPS 細
胞」を開催しました。
吉田善紀准教授のグループが、
論文を発表しました。(13 ページ)
高須直子教授に、iPS 細胞ストッ
クプロジェクトを推進し iPS 細胞の
再生医療への応用に貢献したことに
より、CiRA 賞を授与しました。
1/22
名古屋大学と共催で、出張 CiRA
カフェ in 名 古 屋「今 宵 限りの iPS
Bar」を名古屋市内の飲食店で開催
しました。櫻井英俊准教授が、iPS
細胞を使った筋ジストロフィーの治
療法開発を目指す研究のお話をしま
ニュースレターは、
Eメールでも受け取る
ことができます。
ご希望の方は、CiRAホームページのトッ
プページ下部に掲載されている「ニュー
スメール配信登録」からご登録くださ
い。
www.cira.kyoto-u.ac.jp
2016年4月号
19
の
C iR A ツ ア ー ( 研 究 棟 見 学 会 )
ご案内
スタート
8 月 25 日 ( 木 ) 午 前 11 時
ま た は 午 後 2時 ス タ ー ト
9 月 3 日 ( 土 ) 午 前 11 時
ージで受け付けています。
お申し込みは、CiRAホームペ
編集後記
桜の花が咲く、出会いと別れの季節は、何か新しい
新年度を迎え、心機一転、
自宅で断捨離を決行中、
ことを始めたくなります。今号では、新たな試みとして
両親から受け継いだ切手アルバムを発見。電子メー
クロスワードパズルをつくってみました。ニュースレタ
ルにどっぷりの日常の中、懐かしさからほっこりした
ーの原稿とにらめっこしながら考えたクロスワードパ
気持ちに。
こんな気持ちは断捨離できないと思った一
ズル、お楽しみいただけたら嬉しいです。
コマでした。
(遠山)
(中内)
CiRA クロスワードパズルの解答
タ
テ
1
3
4
6
7
10
たんぱくしつ
すいとう
しょうがくせい
かんさいぼう
なんこつ
めんえき
ヨ コ
2
5
8
9
11
12
13
まうす
しょちょうしつ
しんらい
まいくろ
こくさい
がいぶんぴつ
ききん
京都大学iPS細胞研究所 発行
CiRA サイラ
Newsletter
April 2016
Vol.
25
© Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University 2016
答え
さ い ら
CiRAは「さいら」
と発音します。