みどりの基本計画における 基本的な考え方

Ⅰ
第
章
みどりの基本計画における
基本的な考え方
1 みどりの基本計画とは
2 みどりの基本計画における基本事項
(1)本市におけるみどりの意義
(2)計画策定の趣旨
(3)計画の位置づけ
(4)計画策定における視点
(5)計画の目標年度
(6)計画で対象とするみどり
3 みどりの機能
みどりの基本計画とは
第 Ⅰ 章
1
「横須賀市みどりの基本計画」(以下、「みどりの基本計画」という)は、みどりの基本条例(平
成23年4月施行)第9条及び都市緑地法第4条に基づき、市が策定する「緑地の保全及び緑化の推
進に関する基本計画」のことです。
第 Ⅱ 章
みどりの基本条例
第9条第1項「市長は、みどりの保全及び創出に関する施策を総合的かつ計画的に実施する
ため、都市緑地法第4条第1項の規定に基づき、みどりの保全及び創出に関する基本計画を
策定するものとする。」
第 Ⅲ 章
みどりの基本計画
第 Ⅳ 章
都市緑地法
第4条第1項「市町村の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本
計画(通称:緑の基本計画)」に基づき策定。
国の支援の活用や土地所有者に対する税の優遇措置など
みどりの保全、緑化の推進、都市公園の
整備等を総合的・体系的に進める
第 Ⅴ 章
目標を定め、それを実現していくための
施策を展開する
※条例や法を根拠とすることで、本市における緑地の保全や緑化の推進に向けた
実効性が高められる
「みどりの基本計画」の策定の目的
第 Ⅵ 章
第 Ⅶ 章
「横須賀市みどりの基本計画」は、みどりの基本条例第9条において策定を規定している、都市緑地
法第4条に基づく「緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画」のことです。
本計画では、都市のみどりを対象に、それらを保全・
創出するための「基本理念」や「みどりの将来像」など
の目標を定め、それを実現していくための施策展開を示
みどりの保全
しています。これにより「みどりの保全」「緑化の推
進」「都市公園の整備等」の施策を総合的に進めていく
ことができ、効果的、効率的に都市のみどりを保全・創
効果的、効率的な都市の
みどりの保全・創出
出することができます。
また、計画に位置づけた重要な施策をみどりの基本条
都市公園の整備等
緑化の推進
例に規定することで、計画の実効性を高めています。
さらに、みどりの保全・創出において、都市緑地法な
どに基づいた国の支援の活用や、土地所有者に対する税
の優遇措置などが可能となり、施策展開の実効性が高め
「みどりの基本計画」で進めること
られます。
資 料
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2
みどりの基本計画における基本事項
(1)本市におけるみどりの意義
本市には、「多摩から三浦半島に続く丘陵のみどり」「街なかのみどり」「水辺のみどり」などをはじ
めとする多様なみどりが比較的コンパクトな範囲に存在しています。この多様なみどりが本市の最大
の魅力であり、人々が身近に貴重な自然やみどりと親しむことができる場になっています。
また、本市のみどりは、自然環境を支える骨格となり、地球環境や都市環境を支え、生物多様性の
確保に必要不可欠なものであるとともに、本市のイメージの向上や人々の快適で豊かな暮らしを支え
ています。
こうしたことから、本市のみどりは、「かけがえのないもの」との認識を持ち、みんなの力で将来に
向けて、守り、つくり、再生し、育てながら活かし、次の世代へ引き継ぎ残していくべきものです。
生物多様性の確保の基盤となる
自然環境の骨格となる
地球環境を守る
本市のイメージを向上する
「かけがえのないみどり」
人々の豊かな暮らしを支える
みどりは、
・本市の持続的な発展にとって大切な要素
・市民の健康的で文化的な豊かな暮らしや生物多様性
の確保に必要なもの
・市域を越えて、人々に恵みを与えてくれる大切なもの
将来に向けて、守り、
つくり、再生し、
育てながら活かし、次の世代へ引き継ぎ
残していくべきものです。
本市におけるみどりの意義
本市は、三方を海に囲まれ、みどり豊かな自然環境が最大の魅力となっています。そして、三浦半島に位
置することによる地形的な特徴から、丘陵、斜面緑地、谷戸や里山的環境、農地、ため池、河川、海辺(自
然海岸)など多様な自然的要素が、比較的コンパクトな範囲に存在し、市街地に創出された公園などの「み
どり」と合わせて、人々が身近に自然やみどりと親しむことができる場に恵まれています。
このように、自然に恵まれた都市の環境は、市民生活に快適さと豊かさを提供するだけでなく、多様な生
物の生息・生育・繁殖の場の確保にも貢献し、私たちは生物多様性がもたらしてくれる自然の「めぐみ」を
享受することができます。このことが本市の「都市イメージ」の向上にも大きく貢献すると考えています。
さらには、首都圏のグリーンベルトである多摩・三浦丘陵の一部を担っており、首都圏における自然環境
の骨格となることに加え、二酸化炭素の吸収源として地球環境を守る役割を果たします。
したがって、本市のみどりは、「本市の持続的な発展にとって大切な要素」、「市民の健康で文化的な豊か
な暮らしや生物多様性の確保に必要なもの」であり、「市域を越えて、人々に恵みを与えてくれる大切なも
の」であるといえます。
これらの理由により、本市のみどりは「かけがえのないもの」との認識を持ち、みんなの力で将来に向け
て、守り、つくり、再生し、育てながら活かし、次の世代へ引き継ぎ残していくべきものです。
そして、今後も私たちの都市が「豊かなみどり」の中で継続して発展していくことができるよう、「みど
り」が持つ様々な機能を発揮させるとともに、「みどり」の価値を高め、みどりに親しめる場を育むことが
必要となります。
こうした意義を踏まえて、私たちはみどりと共に将来の横須賀市の発展を図っていきます。
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4
第 Ⅰ 章
(2)計画策定の趣旨
本計画の策定の趣旨は、本市の「みどり」に対する基本的な考え方を示し、施策や取り組みを体系
的にまとめ、総合的に実施していくために策定するものです。また、本計画において、誰が、何を、
どのように実施していくのかを明らかにするものです。
第 Ⅱ 章
私たちを取り巻く課題
地球規模の環境問題
横須賀市における都市像
市民生活の質の向上
地球温暖化や生物多様性
豊かな自然と良好な景観
市民が健康的で安心した暮ら
の確保など地球規模の
を活かした都市づくり
しができ、いつまでも住み続
けたいと思えるまちづくり
本市におけるみどりの意義
みどりが果たす役割
「誰が」、「何を」、「どのように」
第 Ⅳ 章
みどりのあるべき姿に向けた体系的かつ総合的な施策展開を図るための計画づくり
課題の解決
「みどりの基本計画」の策定
実施するかを明らかに
第 Ⅲ 章
課題
みどりの保全・創出のための様々な
(施策・事業・制度等)の実施
第 Ⅴ 章
みどり豊かな「横須賀市」の実現
計画策定の趣旨
第 Ⅵ 章
第 Ⅶ 章
私たちを取り巻く課題には、「地球温暖化」や「生物多様性の確保」など地球規模の課題から、「豊
かな自然と良好な景観を活かした都市づくり」や、「市民が健康的で安心した暮らしができ、いつま
でも住み続けたいと思えるまちづくり」など地域レベルの課題まで、様々な課題が存在します。
これらの課題に対し、みどりが果たす役割は大きく、将来に向けてみどりを保全・創出していく必
要があります。
このため、本市の「みどり」に対する基本的な考え方を示し、施策や取り組みを体系的にまとめ、
総合的に実施していくために「みどりの基本計画」を策定するものです。本計画において、誰が、何
を、どのように実施していくのかを明らかにし、市民・NPO・事業者・行政が役割分担あるいは連
携しながら、みどりと自然環境が豊かな横須賀市を実現していくことにより、私たちを取り巻く課題
を解決していきます。
資 料
5
(3)計画の位置づけ
本計画は、「横須賀市みどりの基本計画」(平成8年度策定・平成21年度見直し)の改定計画であると
ともに、本市の「総合計画」に即した分野別計画であり、「環境基本計画」や「都市計画マスタープラ
ン」と整合を図った計画です。
法令等
環境基本法
生物多様性基本法
都市緑地法
都市計画法
政府は(中略)環境の保
全に関する基本計画を
定めなければならない
(法第15条)
地方公共団体は
(中略)国の施策に準
じた施策及びその他のその地方公共
団体の区域の自然的社会的条件に応
じた施策を策定し、及び実施する責務
を有する
(法第5条)
市町村は(中略)緑地の
保全及び緑化の推進に
関する基本計画を定め
ることができる
(前略)都市計画区域の
整備、開発及び保全の方
針を定めるものとする
(法第6条の2)
第4次環境基本計画(国)
地方公共団体は(中略)区域の自然的社
会的条件に応じた環境の保全のために
必要な施策を、
これらの総合的かつ計画
的な推進を図りつつ実施するものとする
(法第36条)
条例
環境基本条例
整備、開発及び
保全の方針(県)
生物多様性国家戦略
神奈川県生物多様性
地域戦略
(仮称)
理念
凡 例
市町村は(中略)市町村の都市
計画に関する基本的な方針を定
めるものとする
(法第18条の2)
計画策定の背景
みどりの基本条例
市長は
(中略)みどりの保全及び
創出に関する基本計画を策定す
るものとする
(条例第9条)
市長は
(中略)横須賀市環
境基本計画を策定するも
のとする
(条例第9条)
グランドデザイン など
【神奈川県】
・神奈川県生物多様性地域戦略
・三浦半島公園圏構想
・かながわ都市マスタープラン
など
(前略)人と自然が共生し、環境への負荷
が小さく、緑豊かで美しく風格のある都市
を形成するため(中略)緑地の保全及び緑
化の推進が図られるべきである。(1(1))
法定計画等
(国・県)
【環境省】
・地球温暖化対策推進大綱
・ヒートアイランド対策大綱
・生物多様性国家戦略2012
・京都議定書目標達成計画 など
【国土交通省】
・緑の施策大綱
・新社会資本整備重点計画
・首都圏の都市環境のインフラ
都市緑地法運用指針
生物多様性保全
活動促進法
■関連する国・県の
施策・計画等
総合計画
基本構想『国際海の手文化都市』
(平成9∼37年度)
本 市の 計 画
基本計画
実施計画
分野別計画
すべての分野別計画は、
連携を図り策定される
環境基本計画
(平成23∼33年度・
平成27年度見直し)
整合
■他の関連計画
即した分野別計画
みどりの基本計画
(平成28∼37年度)
概ね5年ごとに点検
都市計画マスタープラン
(平成28∼47年度・
平成27年度改定)
整合(土地利用方針において適合)
景観計画、横須賀港港湾環境計画(平成27年度改定)、地域防災計画 など
計画の位置づけ
「みどりの基本計画」は、みどりの基本条例第9条及び都市緑地法第4条に基づき策定するとともに、「横
須賀市総合計画」に即した分野別計画とし、「横須賀市環境基本計画」「横須賀市都市計画マスタープラン」
「横須賀市景観計画」やその他の関連する計画との整合や調整を図って策定するものです。そして、策定さ
れた計画、条例、法律に基づいた施策を展開し、総合的にみどりの保全・創出に取り組んでいきます。
2
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第 Ⅰ 章
(4)計画策定における視点
社会経済情勢の変化や環境問題の多様化などを前提として、以下の5つの視点を基本的な計画策定の
視点と捉えました。
視点① 豊かなみどりの継承
第 Ⅱ 章
次世代を担う子どもたちへ、豊かなみどりと、そこに生きるより多くの生物を未来へ
引き継いでいくための計画。
視点② 市民の安全・安心を優先する
第 Ⅲ 章
地球温暖化に起因すると考えられる極端気象などの各種の変化への適応策を考慮する
とともに、自然環境の保全に配慮しつつ、大規模地震や集中豪雨等の自然災害から市民
生活(生命・財産)を守ることなど、市民の安全・安心を優先とした計画。
第 Ⅳ 章
視点③ 人と自然の共生と生物多様性の確保
豊かな自然と人々が互いにより良い状態で共生していくとともに、より多くの生物が
適切な状況で生息・生育・繁殖ができるようにするための計画。
第 Ⅴ 章
視点④ みどりに親しみを感じ人々がいきいきと暮らせるまちづくりに活かす
市民が身近なみどりに親しみを感じることができ、よりいきいきと暮らせる都市(=
「住み続けたいまち」)となるよう、地域の特色あるみどりを都市づくりに活かすための
計画。
第 Ⅵ 章
視点⑤ わかりやすさと実効性を踏まえる
様々な主体がみどりの保全・創出に取り組んでいくためにわかりやすい計画にすると
ともに、みどりに対する取り組みの主体、手法、根拠(条例等)などを明確にして計画
の実効性を高めた計画。
第 Ⅶ 章
資 料
7
(5)計画の目標年度
計画の目標年度は、平成37年度(2025年度)とし、概ね10年間の計画とします。しかし、みどり
を守り、つくる取り組みは、長期的な視点に立って計画し、実施していく必要があるため、今後の将来
像(=あるべき姿)を見据えた計画とします。
計画の名称
みどりの基本計画
27 28 29 30
改定
33 34
38
(計画の期間)概ね10年間
(平成28∼37年度)
43
48(年度)
次期計画
概ね5年ごとに点検し、必要に応じて見直し
≪関連条例≫
みどりの基本条例
環境基本条例
≪総合計画≫
基本構想
概ね30年間(平成9∼37年度)
平成23∼33年度
基本計画
実施計画
第2次
第3次
平成26∼29年度
平成30∼33年度
中間時平成27年度見直し
≪関連する市の計画≫
環境基本計画
都市計画マスタープラン
景観計画
見直し
改定
改定
(計画の期間)
平成23∼33年度
次期計画
(計画の期間)
概ね20年間
(平成28∼47年度)
平成27年度∼
(必要に応じて改定)
本市の関連計画の目標年度
「みどりの基本計画」策定後は概ね5年ごとに点検を実施し、必要に応じて計画を見直します。
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8
次期計画
第 Ⅰ 章
(6)計画で対象とするみどり
本計画で対象とする「みどり」は、「植物」だけでなく「様々なオープンスペース」「土地所有者
や形態を限定しないみどり」など、幅広いものを対象とします。
また、これらの「みどり」の保全・創出によって、生物多様性の確保に貢献していきます。
樹木・草花などの植物
様々なオープンスペースの
みどり
土地所有者や形態を
限定しないみどり
公園・広場・街路樹な
どの公共施設や、民有
地の庭や植栽など
第 Ⅲ 章
樹林地・草地・水辺
地・岩石地・農地など
に類する土地が、単独
もしくは一体となって
良好な自然環境や自然
的景観を形成している
オープンスペース
第 Ⅱ 章
植物などのみどり
※みどりの中で生息・生育・繁殖する生物も、本計画で取り扱っていきます。
第 Ⅳ 章
計画で対象とするみどり
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第 Ⅴ 章
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第 Ⅵ 章
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計画で対象とするみどりの具体例
第 Ⅶ 章
計画で対象としている「みどり」は、樹木・草花などの植物のほか、丘陵や樹林地・草地・水辺地(河
川、ため池、海岸等)・岩石地・農地などの自然的景観と一体になったオープンスペースや、公園、港湾
緑地、学校のグラウンド、スポーツ用屋外施設などの公共施設だけでなく、社寺境内地、個人宅の庭や生
垣、ビルの屋上緑化などのように土地所有者を限定せず、幅広く様々なものを含めています。
これらの「みどり」を保全・創出し、より良い状態にしていくことで、「生物の生息・生育・繁殖」の
基盤となる場(=みどり)が確保され、生物多様性の確保に寄与すると考えます。
資 料
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3
みどりの機能
みどりには、以下のような機能があり、これらの機能をより効果的に発揮されるようにしていくことが
求められます。
①地球環境(CO 2 吸収源等)や都市
環境を向上させる
②都市の防災性・安全性の確保に
寄与する
③多様な生物の生息・生育・繁殖の
場となる
みどりの機能
④ふれあいやレクリエーション、
環境学習の場となり、人々に健
康と観光と交流の場を与える
⑤美しい景観をつくり出し、季節
感を感じさせ、潤いと安らぎを
与える
みどりが持つ5つの機能
機能① 地球環境(CO2吸収源等)や都市環境を向上させます
樹林地や草地などのみどりは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を光合成により空気中から吸収す
る働きがあることから、地球温暖化防止のための重要な機能を持っています。
また、みどりは、コンクリートやアスファルトと比べて暖まりにくく、さらに蒸散作用や遮へい作用
によって都市部におけるヒートアイランドの緩和効果もあります。
さらに、樹林地などは、雨水を保ち、地下水をかん養し、健全な水循環を形成する機能や、騒音・振
動を緩和する機能などがあり、都市環境を改善します。
二酸化炭素吸収や都市の環境を改善する機能
2
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第 Ⅰ 章
機能② 都市の防災性・安全性の確保に寄与します
第 Ⅱ 章
公園・緑地などのみどりの空間は、火災に対する延焼防止の役割を果たし、避難路の確保や消防防
災・救護活動の場となります。
また、都市のみどりは、災害時の避難者の生命を保護する場や、復旧活動の重要な拠点として利用
されるなど、安全・安心な都市づくりに貢献します。
さらに、樹林地における樹木が適切に維持管理されることで、洪水や土砂流出防止の機能も果たし
ます。
第 Ⅲ 章
樹林地の維持管理
第 Ⅳ 章
延焼防止機能
出典:公益財団法人地球環境戦略研究機関
国際生態学センター・消防庁消防研究センター
第 Ⅴ 章
機能③ 多様な生物の生息・生育・繁殖の場となります
第 Ⅵ 章
みどりは、多様な生物の生息・生育・繁殖の場として重要な役割を果たし、生態系を支える基盤
となっています。
特に、まとまりのある樹林地や良好な河川、自然海岸などは、「生物の重要な生息・生育・繁殖な
どの場」(コアのみどり)として、広域的にも重要な役割を果たしています。また、身近な公園や、
街路樹、家庭の庭などの規模の小さなみどりであっても、コアの周辺部のみどり(サテライトのみ
どり)として、みどりのネットワークを担い、生物多様性の確保に寄与する大切な役割を果たして
います。
第 Ⅶ 章
野比海岸(イソギク)
資 料
前田川
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機能④ ふれあいやレクリエーション、環境学習の場となり、人々に健康と観光と交流の場を与えます
みどりは、ハイキングやスポーツなどの場を提供することで人々の健康を維持・増進させてくれると
ともに、自然の樹林や草花などのみどりは、自然とのふれあいなどを通じて、私たちに心の安らぎを与
え、ストレスや疲れを癒し、リフレッシュさせてくれます。また、生物とのふれあいは、次世代を担う
子どもたちの情操を育む自然に関する環境学習の場としても重要です。
さらに、大規模な公園・緑地は、市内外の人々が訪れる観光やレクリエーションの拠点となり、身近
な公園は、地域の子どもたちから高齢者まで市民の日常的な交流や地域活動の場として、豊かな市民生
活を提供してくれます。さらに、樹林地における樹木が適切に維持管理されることで、洪水や土砂流出
防止の機能も果たします。
佐原2丁目公園
うみかぜ公園
機能⑤ 美しい景観をつくり出し、季節感を感じさせ、潤いと安らぎを与えます
自然のみどりが織りなす四季折々の風景や、市街地や住宅地における木々や沿道の並木、草花などの
みどりや水辺・海辺は、美しい景観を形成する大切な要素です。
また、都市の歴史・文化は、人と自然環境が織りなす風土により伝えられてきたものであり、こうし
た背景を持つみどりは、ふるさととしての歴史的景観を継承する重要な要素です。
みどりにより形成された景観は、人々の心に潤いと安らぎを与え、都市の特徴をあらわす大切な存在
です。
湘南鷹取
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太田和つつじの丘