佐賀県精神保健福祉センター 支援者の皆様のこころの健康のために 熊本地震の発生にともない佐賀県からも支援チームが派遣され、様々な職種の方々が被災地に 入って救援活動をされています。被災者のために一生懸命働いてこられた支援者の方々も、被災地 では人命に関わる重大な判断をせまられたり、悲惨な光景を目にし、被災者と同様に多大な心理的 影響を受けておられます。 支援チームの皆様はそれぞれの職業的使命を果たされ、帰還直後はまだ高揚とした気分でおられ るかもしれませんが、しばらくは再適応に時間がかかるだろうと予想されます。まずは日常生活に 戻ることを最優先にし、家でゆっくり休む時間を取ってください。初期の段階で十分な安眠と休養 を取ることが回復への大事な一歩となります。家での過ごし方で気をつけることは、震災のニュー ス番組ばかり見ていると余計にストレスがたまってしまいますので、音楽を聴いたり散歩をしたり などしてリラックスする時間を持つようにし、家族や友人との会話を楽しんでください。睡眠のリ ズムを乱さないよう心がけ、寝酒は熟睡を妨げるので避けてください。 支援者同士のコミュニケーションをとりやすくするためメーリングリストをつくるなどして他の 支援者仲間と連絡を取ったり、同じ体験をした支援グループで集まって援助活動について話し合う のはいいことですが、ひとりひとり回復の早さが違うので、つらい気持ちを抱えている仲間がいた ら、仲間同士で支えてあげてください。 帰還後も不眠やストレス状態が 2 週間以上続いているようであれば、人事課の心の健康相談窓口 や佐賀県精神保健福祉センターにご相談ください。 組織ができる支援者へのケア 支援者の方が帰ってこられたら、まずはゆっくり休養をとらせてあげてください。支援者と同 様、支援者が不在の間、後方支援にあたっている同僚の方々に対してもねぎらいの言葉をかけ、 分担できる仕事は率先して手伝ってあげてください。 被災地での様子を根掘り葉掘り聞くのは、悲惨な体験を直面化させ、回復を遅らせることとな りますので避けてください。本人が話を聞いてほしいという気持ちになった場合は、ゆっくりと 聞いてあげてください。 支援者の方はプロフェッショナルなのでなかなか泣き言を言えないと思いますから、周りの人 たちが支援者の心の健康に気を配ってあげてください。必要なときには本人にカウンセリングを 受けることを勧めてください。 誰にでもストレス反応は起こりえます 災害のように大変重いストレスにさらされる極限状態においては、程度の差はあっても、 誰でも次のようなさまざまな心身の反応や状況が現れます。 心理面 思考面 ①感情のマヒ ①集中困難 ②睡眠障害 ②思考力のマヒ ③強い恐怖 不安 ③混乱 記憶喪失 ④孤独感 罪悪感 ④無気力 ⑤いらいら 怒り ⑤判断力・決断力低下 さまざまなストレス反応 行動面 身体面 ①怒りっぽくなる ①頭痛・肩こり ②興奮、取り乱す ②手足のだるさ ③閉じこもり ③胃のもたれ・下痢便秘 ④飲酒や喫煙の増加 ④息苦しい ⑤食欲不振 時間の経過と心の動き 時間の経過と共に、次第に落ちつきを取りもどしていきますが、回復の速さは人それぞれです。マ イペースで良いです。 積極的・発揚的 ハネムーン期(興奮状態で活動的、一見元気に見える) 時間経過 茫然自失期 幻滅期 (今までの緊張や過労が心身の不調に) 消極的・抑うつ的
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