相関係数と回帰係数の性質の違い 相関係数と回帰係数の性質の違い 3. 選抜による集団の等質性の変化の影響 1. 対称性 • 相関係数は2つの変数に関して対称的な指標であるの に対し、回帰係数は非対称的な指標である。 2. 変数の尺度との関係 145 135 125 • 「身長の1cmの差異に対応して、体重の予測値はb kg 異なる」 • 「身長の1標準偏差の差異に対応して、体重の予測値 は r 標準偏差だけ異なる」 115 選抜後の 回帰直線 105 95 85 選抜前の 回帰直線 75 65 55 55 65 75 85 95 105 115 125 135 145 b × sx = r sy sx 統計的指標 xの平均 yの平均 xの標準偏差 yの標準偏差 相関係数 r 回帰係数 b 回帰係数 b’ 選抜前 100 100 15 15 0.6 0.6 0.6 選抜後 113 108 10.3 13.5 0.46 0.60 0.35 × sx = r × s y 138 139 相関と共変と因果(1) 相関と共変と因果(2) • 変数間の関係のタイプ • 「変数xの値が大きい人ほど、変数yの値も大きい傾向があ る。」という表現を使用してきたが、実際には変数間の関係のタ イプは4種類ある。 1. xが大きい人ほど、yも大きい (集団における相関関係) お腹が空いている人ほど、怒りっぽい 2. xが大きくなると、yも大きくなる (個人内の共変関係) お腹が空いてくると、怒りっぽくなる 3. xを大きくすると、yも大きくなる (処理-効果関係) 食事を与えずに空腹にすると、怒りっぽくなる 4. xが大きいから、yも大きい (因果関係) • 研究のタイプとの関連 1. 集団を対象に2つの変 数の測定 2. 同一個人で、2つの変数 が時間的にどう共変す るかを観察・測定 3. 実験研究や実践研究の 中で、実際に条件を操 作して調べる 4. 多かれ少なかれ推測が 必要 • 異なるタイプ間の推論は 妥当性が保証されない お腹が空いているから、怒りっぽいのだ 140 141 B4児 B3児 B1児
© Copyright 2024 ExpyDoc