関口委員提出資料① 機能性関与成分における 機能性糖類・糖質の取扱い 平成28年4⽉26⽇ 健康⾷品産業協議会 1 栄養成分は機能性関与成分として認められていない 但し、アミノ酸、⼀部の脂肪酸、⾷物繊維などは例外扱い 機能性糖類・糖質は機能性関与成分になり得るのではないか? 例外扱い可能(エネルギー以外の機能を持つ) 機能性糖類・糖質を機能性関与成分にした場合 ①栄養摂取状態を変えにくい ②過剰摂取につながる最終製品は不可 ③全ての糖類・糖質が関与成分になる訳ではない 2 ⾷品表⽰基準 別表第9の第1欄の記載 別表第9の第1欄には、 炭⽔化物、糖質、糖類が 別の⾏に記載されている 3 炭⽔化物、糖質、糖類、⾷物繊維の分類 炭⽔化物 糖質 ⼀部の多糖類(でんぷんなど) 糖アルコール(キシリトールなど) ⾷物繊維 ⼀部の多糖類 (難消化性デキストリンなど) 糖類 単糖類(ぶどう糖など) ⼆糖類(乳糖など) ⾷品表⽰基準 別表第9を基に作図 糖質=炭⽔化物-⾷物繊維 4 ガイドラインの例外規定に該当し得るのではないか? 健康増進法(平成14 年法律第103 号)第16 条の2第1項の規定に基づき厚⽣ 労働⼤⾂が定める⾷事摂取基準に基準が策定されている栄養素を含め、⾷品表⽰基 準別表第9の第1欄に掲げる成分は対象外とする。なお、以下の栄養素の構成成分に ついては、当該栄養素との作⽤の違い等に鑑み、対象成分となり得るものとする。 「機能性表⽰⾷品の届出等に関するガイドライン」 P-3より ⽇本⼈の⾷事摂取基準(2015年版)では、「栄養学的な側⾯からの炭⽔化物の最 も重要な役割は、エネルギー源としての機能である。」としている。 それに対して、機能性糖類・糖質は、エネルギー源としての役割だけではなく、以下のよう な⽣理機能を持つ。 ①プレバイオティクス(整腸など)効果:⼆糖類を含む難消化性各種オリゴ糖他 ②体脂肪低減:⼆糖類を含む難消化性オリゴ糖、糖アルコール、希少糖他 ③⾎糖値上昇抑制:L-アラビノース、プシコース、パラチノース他 ④⾮う蝕原性:パラチノース、各種糖アルコール、⼆糖類を含む難消化性各種オリゴ糖他 ⑤抗酸化性:アロース他 機能性の糖類・糖質は通常の炭⽔化物などと作⽤が異なる 5 機能性糖類・糖質が関与成分になった場合 ①国⺠の栄養摂取状態を⼤きく変える可能性は低い ⾷事摂取基準、国⺠健康・栄養調査に鑑みて、1⽇あたりの炭⽔化物の 摂取量は多く(280g弱)、機能性糖類・糖質を含む機能性表⽰⾷品 摂取により、⼤きく影響されない。 ②糖類の過剰摂取につながる最終製品は不可 「糖類の過剰な摂取につながるものは、機能性表⽰⾷品として認められない」 ことは現⾏ガイドラインに明記されている。 機能性表⽰⾷品の届出等に関するガイドライン」 P-4参照 ③全ての機能性糖類・糖質が関与成分になれる訳ではない 安全性・機能性・品質管理がガイドラインを満たし得るものだけが機能性 関与成分となり得る。 6 ①国⺠の栄養摂取状態を⼤きく変える可能性は低い ⽇本⼈の⾷事摂取基準2015年によると、炭⽔化物の⽬標量は1歳以上男⼥ともに50〜65%エネルギー 炭⽔化物摂取に関する年次推移 100 400 (1⼈1⽇当たり,国⺠健康・栄養調査より) 90 350 80 300 70 250 60 50 200 40 150 30 20 10 炭⽔化物(%E) 100 炭⽔化物(g) 50 0 炭⽔化物摂取量(g) 炭⽔化物摂取エネルギー⽐率(%E) であり、仮に1⽇摂取エネルギーを1,900kcalとすると、238〜309g(4kcal/gとして)になる。 0 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2014年 エネルギー(kcal) 2,188 2,084 2,088 2,026 2,042 1,948 1,904 1,849 1,863 ・難消化性糖類・糖質、糖アルコールの有効量は通常10g以下 ・⾎糖値抑制、⾮う蝕製品は、糖類・糖質を置き換える商品設計になる 7 ②糖類の過剰摂取につながる最終製品は不可 3. ⾷品全般が対象であるが、以下に掲げるものではないこと。 (中略) ・国⺠の栄養摂取の状況からみてその過剰な摂取が国⺠の健康の保持増進に影響を与えているものと して健康増進法施⾏規則(平成15 年厚⽣労働省令第86 号)第11 条第2項で定める栄養素 (脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類(単糖類⼜は⼆糖類であって、糖アルコールでないものに 限る。)、ナトリウム)の過剰な摂取※2につながるもの ※2 「過剰な摂取」とは、⾷品特性も踏まえて判断されるべきものであるが、例えば、当該⾷品を通常の⾷事に付加 的に摂取すること及び同種の⾷品に代替して摂取することにより、上記栄養素の⼀⽇当たりの摂取量が、⾷事摂取基 準で定められている⽬標量を上回ってしまう等、当該栄養素を必要以上に摂取するリスクが⾼くなる場合等をいう。 「機能性表⽰⾷品の届出等に関するガイドライン」 P-4より 機能性糖類を機能性関与成分としても、糖類の過剰摂取に つながるものは機能性表⽰⾷品の対象外であるため、 糖類の過剰摂取につながる可能性は低い 8 ③全ての機能性糖類・糖質が関与成分になる訳ではない 機能性糖類・糖質が機能性関与成分になり得る ≠ 全ての機能性糖類・糖質が機能性関与成分になる 機能性糖類・糖質の機能性関与成分化を⾏っても、全ての機能性糖類・ 糖質が機能性関与成分になり得る訳ではない ・安全性 ・機能性 ・製造、商品設計を含む品質管理 をガイドラインに沿って満たし得るものだけが機能性関与成分となり得る 機能性糖類・糖質の関与成分化を許容しても、 当然ガイドラインを満たす必要がある 9 ガイドライン改訂(案) 健康増進法(平成14 年法律第103 号)第16 条の2第1項の規定に基づき厚 ⽣労働⼤⾂が定める⾷事摂取基準に基準が策定されている栄養素を含め、⾷品表 ⽰基準別表第9の第1欄に掲げる成分は対象外とする。なお、以下の栄養素の構 成成分については、当該栄養素との作⽤の違い等に鑑み、対象成分となり得るもの とする。 「機能性表⽰⾷品の届出等に関するガイドライン」 P-3より ガイドライン改訂(案) 表 対象成分となり得る構成成分等(ガイドラインの表を⼀部改変) ⾷事摂取基準に摂取基準が 策定されている栄養素 炭⽔化物 ⾷物繊維 対象成分となり得る左記の構成成分等 (例) ・各種機能性糖類、各種機能性糖質(糖アルコールを含む) (別表参照) ・各種⾷物繊維等 難消化性デキストリン、グアーガム分解物 10 ガイドライン改訂(案) 別表 機能性表⽰⾷品制度の趣旨に合致しており、機能性関与成分となり得る糖類・糖質の例 素 材 名1) 素材の分類 L-アラビノース 希少糖(プシコース、ソルボース、タガトース、アロース等) 単糖類 D-リボース パラチノース(イソマルツロース) 糖 トレハロース 類 トレハルロース ラクチュロース アガロオリゴ糖(三糖類以上を含む) イソマルトオリゴ糖(三糖類以上を含む) ガラクトオリゴ糖 フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストース) キシロオリゴ糖 ⼆糖類 糖 オリゴ糖 質 三糖類以上 難 消 化 性 ラクトスクロース イノシトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、還元パラチノース、ラクチトール、 ソルビトール、マンニトール、還元⽔あめ 糖アルコール 1)下線付きは、特定保健⽤⾷品の関与成分 機能性の糖類・糖質は構造(単糖、⼆糖など)に関係無く存在する 11 機能性糖類・糖質に関する要望書・意⾒書 各種団体のHPなどで確認出来た機能性糖類・糖質を 機能性関与成分化を⽀持する要望書、意⾒書 ⼀般社団法⼈⽇本⾷物繊維学会による提⾔ ⼀般社団法⼈⽇本応⽤糖質科学会による提⾔ ⼀般社団法⼈⽇本⽣活習慣予防協会による要望書 ⼀般社団法⼈菓⼦・⾷品新素材技術センターによる要望書 産業界だけでなく、学会などからも「機能性糖類・糖質の関与成分化」 が望まれている 12 栄養成分は機能性関与成分として認められていない 但し、アミノ酸、⼀部の脂肪酸、⾷物繊維などは例外扱い 機能性糖類・糖質は機能性関与成分になり得るのではないか? 例外扱い可能(エネルギー以外の機能を持つ) 機能性糖類・糖質を機能性関与成分にした場合 問題は⽣じにくい ガイドライン改訂(案) 13
© Copyright 2024 ExpyDoc