岐阜市まち・ひと・しごと 創生総合戦略 平成27年12月 平成28年 岐 4月改定 阜 市 目 次 Ⅰ 戦略期間及び位置づけ 1P Ⅱ 推進体制 1P Ⅲ 戦略の基本理念 2P Ⅳ 戦略の基本的考え方 Ⅴ 戦略の基本目標及び施策の基本的方向と個別施策 Ⅵ 各施策の推進にあたっての方針 参考 基本目標、重要業績評価指標(KPI)の一覧 2・3P 4~31P 32P 33P Ⅰ 1 戦略期間及び位置づけ 戦略策定の根拠 岐阜市まち・ひと・しごと創生総合戦略(以下、 「岐阜市総合戦略」という。)は、 まち・ひと・しごと創生法第10条に基づき策定するものです。 2 戦略の期間 国のまち・ひと・しごと創生総合戦略(以下、 「国総合戦略」という。)に準じて、 平成27年度から31年度までの概ね5年間とします。 3 岐阜市総合計画2013-2017との関係 岐阜市総合計画2013-2017では、期限を定めない基本構想及び、基本計 画2013(平成25年度~平成29年度)として、平成25年度からの10年の 方向性を「岐阜市の近未来図」として展望した上で、おおよその10年後の目標数 値(めざそう値)と、中期的な5年間の「政策の基本方針」と「行財政運営の基本 方針」を示しています。 岐阜市総合戦略の策定にあたっては、岐阜市総合計画2013-2017の方針 や目標数値等との整合を図りながら、関連する岐阜市の基本計画等の内容について も勘案し、まち・ひと・しごと創生法の趣旨に基づく戦略として策定するものです。 Ⅱ 推進体制 岐阜市総合戦略の策定及び推進にあたり、本市の推進体制を以下のとおりとします。 <岐阜市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進本部(平成26年12月15日設置)> 本部長:市長 副本部長:副市長、教育長 本部員:関係部局長 市長公室長、企画部長、財政部長、行政部長、工事検査室長、商工観光部長、農林部長、市民生活部長、 福祉部長、子ども未来部長、健康部長、市民病院事務局長、自然共生部長、環境事業部長、都市防災部長、 消防長、まちづくり推進部長、都市建設部長、基盤整備部長、上下水道事業部長、市民参画部長、薬科大学事務局長、 女子短期大学事務局長、教育委員会事務局長、会計管理者、議会事務局長、監査委員事務局長 1 Ⅲ 戦略の基本理念 岐阜市人口ビジョンを踏まえると、少子高齢化に伴う人口減少は、地域経済を縮小 させ、財政状況の悪化を招くことが懸念されるとともに、地域社会の担い手不足が進 むこととなります。また一方では、岐阜市では約42万人の人口規模に対する、住宅 のストックや、社会インフラが整備されており、これらの維持更新が困難になること が想定されるなど、様々な課題の顕在化により、都市の存続自体にも影響することが 考えられます。 こうしたことから、本市では、岐阜市人口ビジョンの人口推計期間である、50 年後 の未来の世代が、今の人・まち・自然が豊かな岐阜市を実感できるよう、戦略期間の 5年間について、以下の基本理念を定めます。 【基本理念】 未来世代が、ひと・まち・自然の豊かな岐阜市を実感できるよう、将来 にわたり、持続発展できる岐阜市の礎を構築する。 Ⅳ 戦略の基本的考え方 岐阜市総合戦略の策定にあたっては、岐阜市人口ビジョンを踏まえて、次の考え方 により、地方創生を図る必要があると考えています。 岐阜市においては、地方創生の基本は、ひとにあると考えます。人々がこの岐阜市 で生まれ育ち、岐阜市の優れた教育を受けて、生涯を健康に過ごしながら、社会で活 躍、貢献し、さらに次の世代を育むことが重要であり、ひとの創生こそが第一と考え ます。 次に、岐阜市で育まれた人々が、社会や経済の中で、力を発揮し活躍していくため には、しごとが必要となります。岐阜市は豊かな歴史と伝統や自然に恵まれるととも に、県都としての高等教育機関が集中するなど、高度な都市機能を有しております。 こうした地域の特性を生かしながら、様々な産業や農業など岐阜市ならではのしごと が活発化し創出されることは、市民がしごとという経済活動を通じて地域や岐阜市の 人々に貢献する意識を高め、郷土愛を強くすることにもつながります。ひとの創生で 育まれた人々が活躍できるようなしごとの創生を第二とします。 第三には、ひとが育まれ、その人々がしごとや社会で活躍することは、まち全体と して、人々が行き交い、集まり、新たなる、にぎわいを創出することになります。ま た、まちを見る尺度は、市民が顔を合わせながら生活する地域空間から、岐阜市全体 を俯瞰する見方まで様々ですが、人口減少と高齢社会による様々な課題や、地震や水 2 害の災害対策から、高度成長期に構築された社会インフラの維持更新まで、時代の流 れに適応したまちの創生を図ることとします。 以上を踏まえて、「ひとの創生」、「しごとの創生」、「まちの創生」の3つの段階に ついて、岐阜市総合戦略において以下のとおり位置付けます。 1 ひとの創生 ・ 結婚から出産、子育て、教育など、ひとが成長する過程において切れ目のない 支援を実現し、人々が育まれ、才能を開花させ、元気で健康に生涯を送り、社会 で活躍できる環境の構築による、 「子育て立市」や究極の「教育立市」と、 「医療・ 健康立市」の実現により、「ひとの創生」を図っていきます。 <関係する国総合戦略の基本目標> ・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる ・地方への新しいひとの流れをつくる 2 しごとの創生 ・ 岐阜の地で育まれた人々がこの地に留まり力を発揮する上で、 「しごとの創生」 は重要となります。本市固有の地域資源や特徴(豊富な地下水・信長公・鵜飼・ 製薬業発祥の地など)を生かした産業の集積や、観光、農業等の活性化を通じて、 新たな雇用の創出と地域産業の振興を図るとともに、集積する高等教育機関の活 用や、活発な起業による、 「産業・雇用立市」や「地産地消立市」の実現により、 新産業の創出を図っていきます。 <関係する国総合戦略の基本目標> ・地域にしごとをつくり、安心して働けるようにする ・地方への新しいひとの流れをつくる 3 まちの創生 ・ ひとが生き生きと暮らし、しごとの場ともなるまちの活力を高めるとともに、 行政サービスや都市機能を効率的に維持するためコンパクト&ネットワークの都 市づくりの推進や、広域的な機能連携、 「防災立市」実現による災害への備えなど、 地域の特性に即した地域課題の解決と活性化に取り組んでいきます。 <関係する国総合戦略の基本目標> ・地方への新しいひとの流れをつくる ・時代にあった地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する 3 Ⅴ 戦略の基本目標及び施策の基本的方向と個別施策 ・ 基本的な考え方を示した「ひと」、 「しごと」、 「まち」の三つの柱ごとに、基本目標 を設定し、それぞれの目標に向けて施策の基本的方向を示すとともに、この基本的方 向に、具体的な施策や事業をまとめた個別の施策を位置付けることで、岐阜市総合 戦略の施策、事業の体系化を図ります。そして、これらの施策の一体的な推進を図 り、事業効果を高める戦略とします。 また、政策や施策の効果を把握し、施策、事業の内容を見直しながら、改善を図る ために、基本目標ごとに、数値目標を設定します。さらに、施策の基本的な方向に位 置付ける個別の施策ごとに、重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator) を設定することとし、その指標には、毎年度行う岐阜市民意識調査結果などによる主 観指標と、成果として捉えることができる客観指標の二つを設定し、それぞれに目標 を定めて施策の有効性について、把握することとします。 なお、定量目標、定量指標については、基準となる値の年を平成26年度とします が、その数値がない場合は、平成27年度又は平成25年度に把握した数値を基準値 とします。 【岐阜市まち・ひと・しごと創生総合戦略の体系】 【基本理念】☞ 人口ビジョンに対する5年間の取り組み理念 【基本目標】☞ 5年後の数値目標と考え方(ひと、しごと、まち) 【施策の基本的方向】☞ 基本目標の取り組み方針 【各個別施策事項】 ☞ 重要業績評価指標(KPI) 〔定量(毎年度の指標となる目標)、定性指標の設定〕 ( 位置付ける具体的施策・事業 ) 4 ひ と の 創 生 に 向 け て 【基本目標1】 ・ ひとを育み、ひとが成長するまちをつくる 岐阜市は、平成27年で、市制施行の1889年から1世紀と四半世紀近い歳月を 数える歴史ある市ですが、過去から現在、さらに未来に引き継がれていくには、この 岐阜の地に生まれる人々や、新たに居を構える人々など、多くの人々がこの地に根を 降ろし生涯を送ることで、都市という社会がはじめて構成されます。地方においても、 国全体においても重要なことは、ひとであることは言うまでもありません。 岐阜市では、ひとを第一に考え、結婚から出産、子育て、教育など、ひとが成長す る過程において切れ目のない支援を実現し、人々が育まれ、才能を開花させ、元気で 健康に生涯を送り、社会で活躍できる環境の構築による、 「子育て立市」や究極の「教 育立市」と、「医療・健康立市」の実現により、「ひとの創生」を図っていきます。 <ひとの創生 ○ 数値目標> 出生数:3,000人以上〔平成31年度〕 ※岐阜市総合計画平成 32 年度合計特殊出生率目標 1.43 を引用、試算 ➢ 基本目標1 1 ひとの創生に関連する市基本計画等 ・ 後期岐阜市次世代育成支援対策行動計画 ・ 岐阜市幼児教育振興指針 ・ 岐阜市教育振興基本計画 ・ 第二次ぎふ市民健康基本計画 【ひとの創生に向けた 平成 25 年度 3,279 人 施策の基本的方向】 切れ目のない出産・子育て環境の構築 ・ 本市の20歳代男女へのアンケート調査(H26)によると、自身が欲しい 理想の子どもの数は、平均2.05人となっており、2人以上を望む方は全体 の 8 割強という結果がでています。こうした若い世代の思いに応えていくには、 行政が一定の関わりを持ちながらも、結婚から出産、子育てにいたる一連の流 れが自然なことと感じられるような雰囲気が、家庭や社会全体にあることが重 要と考えます。 また、これらの各段階を経るのに、経済的や心理的な妨げとなるような要因 についても、行政のみならず地域、社会全体で対応していくことが、本市の未 来を担う子どもの出生数をあげていくための土台をつくることになります。 5 また、乳幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であり、毎 日の生活や遊びを通して、子どもたち一人ひとりが尊重され、子どもの主体的・ 自発的な活動を促し、様々な可能性を持つ子どもが育つような環境づくりを推 進していきます。 <施策事項> (1)結婚から出産までの支援の充実 ・ 合計特殊出生率に関連性の高い統計データについて分析すると、都道府 県別、政令市、中核市のデータにおいても、男女の初婚年齢が合計特殊出 生率に影響があると考えられます。従って、晩婚化が進むなかで初婚年齢 を若くしていくことが、出生率向上に必要といえます。 また、女性においては、晩婚化により出産年齢が高くなることは、身体 的にも心理的にも負担が増すことになります。 結婚や出産の支援については、人々の個々の結婚観を尊重しつつも、教 育的な観点からの取り組みも含めて、結婚や出産に対する、社会の雰囲気 を醸成していくことも必要であり、岐阜市の結婚率の上昇に資するような 事業も取り組む必要があると考えます。 あわせて、女性の結婚、出産に対する不安を取り除き、現実の障壁を少 しでも下げていくためにも、不妊治療費給付、予防接種、妊婦健康診査、 乳幼児健康診査、育児相談など、妊娠から出産、子育てまで、切れ目ない 支援により、初婚や出産に対して、安心して臨める環境づくりに努めます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:岐阜市は子育てしやすいまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値55.4%をアップ ・客観:生後4か月までの乳児がいる家庭への訪問実施率 目標 → 基準値95.1%をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (出会いの支援) ○ 男女の出会いに関わる、イベントなどの情報を知ることや、情報を得 るために、ホームページ等を活用した発信や、岐阜城パノラマ夜景で の恋人認定事業などを拡大又は実施します。 ○ 結婚相談事業の充実や結婚支援事業の実施など、市内で結婚を希望す る方などのマッチングを推進します。 (妊娠・出産の支援) ○ 子どもを欲しいが、身体の状況で治療があれば希望がかなう方に対し て、特定不妊治療費の助成や、一般不妊治療費(人工授精)助成を行 6 います。 ○ 妊婦と胎児が、健康面で安心に暮らせて、健やかに成長するための、 妊婦健康診査や、すくすく赤ちゃん子育て支援としての妊産婦訪問指 導の充実を図ります。 ○ 妊産婦に優しい地域環境や職場環境を実現するため、マタニティマー クの普及啓発を行い、社会全体で支援する雰囲気を醸成します。 (子育て意識醸成) ○ これからお父さん、お母さんになる方を対象とした育児セミナーや、 親子が保育所(園)の子どもとともに、日常の遊びや生活を体験する 体験入所の充実を図ります。 (総合支援) ○ 現在の子育て支援ホームページ(岐阜市ぶりあネット)については若 年層の世代や子育て世代のニーズを踏まえた改定を行い、より使いやす く利用しやすいホームページにします。 ○ 個人により人生は様々ですが、人生の節目となる、結婚や就職、高齢 化などのライフビジョンを、子どもの時から行う教育を検討します。 また、メディア等の活用により、家族を持つことの楽しいという社会 全体の雰囲気を醸成します。 (2)子育て支援の充実 ・ 出産後の子育てにおいては、男女が共に社会に参画し、活躍できる環境 がありながら、発達期にある幼児や子どもたちが、適切な環境の下で、育 まれることが必要となります。 また、産後クライシスを防ぐためにも、第一子の子育てが夫婦の絆を深 め、二子、三子と、子どもを産み育てることに安心して臨める保育や保健 環境のさらなる充実に、官民が役割分担をしながら取り組む必要があると 考えます。 さらに経済的支援として、子どもの医療費の自己負担分の助成や、第3 子以降保育料無料化の拡大などにより、子育て世帯の経済的負担を軽減し、 子どもを産み育てることが大丈夫と思えるような施策に力を入れていきま す。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:岐阜市は子育てのしやすいまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値55.4%をアップ ・客観:保育所待機児童及び放課後児童クラブ待機児童 目標 → 両方の待機児童のゼロ (参考値:保育所待機児童0人、放課後児童クラブ待機児童5人) 7 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (預かり保育や教育の充実) ○ 就労形態の多様化に伴う保育需要の多様化に対応した、休日保育や延 長保育、一時預かり等の充実を図り、第3子目以降の保育料助成の条 件について検討していきます。 ○ 保育所等における園庭開放や育児相談、育児サークル支援の充実を図 ります。 ○ 私立幼稚園に通園している園児の保護者を対象とした補助事業など、 幼稚園教育の振興と子育て支援の充実を図ります。 ○ 放課後児童クラブの充実等により、保護者の仕事と子育ての両立支援 を図ります。 ○ 職員研修等の充実により、幼稚園教諭や保育士及び幼児教育関係者の 資質の向上を促します。 (子どもの健やかな成長) ○ 乳幼児健康診査や育児相談等をはじめとした母子保健施策の充実を 図ります。 ○ 子ども医療費の助成など子どもが安心して医療を受けられる環境を 確保します。 (支援を要する子どもへの対応) ○ 保育から義務教育へのスムーズな移行を推進するため、就学前巡回相 談などの充実を図ります。 ○ コミュニケーション能力の向上等のため、保護者に寄り添い、相談支 援員の派遣により一人一人の発達状況に応じた支援を充実させます。 (子育てしやすい社会環境) ○ 子育て家庭の外出時の移動や授乳、オムツ替えの場所等の不安を解消 するため、3人乗り自転車の貸出や赤ちゃんステーションの取組みの 充実を図ります。 (総合支援) ○ 子ども若者総合支援センターにおいて、0歳から成人前までの子ど も・若者に関するあらゆる悩みや不安の相談を受ける体制を充実させ、 ワンストップで総合的に支援します。また、ひとり親家庭の子どもの 悩み相談や学習支援も充実させます。 ○ 将来の経済的負担を軽減するため、育英資金の貸付ニーズなどに対応 していきます。 ○ 現在の子育て支援ホームページ(岐阜市ぶりあネット)については、 子育て世代や若年層の世代のニーズを踏まえた改定を行い、より使い やすく利用しやすいホームページにします。 (再掲) 8 2.優れた教育環境の構築 ・ 社会が激しく変化する時代にあって、次代を担う子どもたちが、志を育み、 夢に向かって、自らの将来を切り拓き、力強く生き抜くための力を身に付け る教育は、ますます重要となります。そして教育環境の充実は、未来の岐阜 市の担い手をしっかりと育み、社会全体の発展の礎となるものです。 また、優れた教育環境は、若い世代が安心して、子を産み、子どもの教育 に臨めることにつながります。 岐阜市では、 「学びの力」や「豊かな心」、 「健やかな体の育成」など、知・ 徳・体のバランスのとれた“生きる力”を、子どもたち一人ひとりが、個の 特性に応じて、確実に身につけることができるような教育体制を整えます。 特に義務教育期間を中心に、人として様々な基礎的素養を身に着け、人格形 成と能力を高めることに取り組みます。 また、優れた教育環境の構築は、若年世代への岐阜市の教育の安心感を高 め、岐阜の地で子を産み育むことにも資するばかりでなく、若い世代にとっ てのまちの魅力を高めるものであり、このことにより、若い世代を岐阜市に とどめ、市外からの定住にもつながるよう、教育なら岐阜市といわれる取り 組みを推進します。 <施策事項> (1)学校教育の充実 ・ グローバル社会で活躍できる人材の育成に向けて、確かな学力を身につ け、個々の才能を伸ばし、志を持つ、子どもたちを育む学校教育に取り組 みます。 小学校から中学校までの、義務教育期間の子どもたちの個性や才能を しっかりと把握し、高めていくための取り組みを推進し、英語教育やIC Tを活用した教育のほか、「ぎふっ子から“ノーベル賞”を」を合言葉に、 理数教育の充実を図るなど、岐阜市ならではの教育環境の充実を図ってい きます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:将来の夢や目標を持っていると回答した児童・生徒の割合 目標 → 基準値86.9%(小学校)、67.4%(中学校)をアップ ・客観:全国学力・学習状況調査の平均正答率 目標 → 全教科で全国平均以上 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (英語教育の充実) ○ 小学校に、EF(英語指導協力員)、ALT(外国語指導助手)を派遣し、 9 岐阜発「英語でふるさと自慢事業」を実施するとともに、中学校各校 に、小学校5~6年生と同じ ALT を派遣して、小中一貫の英語教育の 充実を図ります。 ○ 平成 27 年度開始の、英語だけで一定期間仲間と生活をするイング リッシュ・キャンプ in Gifu の充実を図るとともに、民間の知見を取 り入れた、オールイングリッシュ授業への取組みを推進するなど、子 どもたちの英語力を高めます。 ○ 英語教育について、平成 16 年度から小学校 3 年生以上を対象に教科 化を実施していますが、平成 27 年度から小学校 1、2 年生の英語活動 を英語科に改め、低学年からの英語教育に本格的に取り組みます。 (理科教育の充実) ○ 子どもの理数科離れが懸念されるなか、小学校に理数科教育の支援員 を置き、岐阜市型 STEM 教育(STEM:Science(科学)、Technology(技 術) 、Engineering(工学)Mathematics(数学))を推進し、児童の理 数科力のアップを図ります。 ○ 科学館において、小中学生を対象に岐阜科学塾を開催し、大学やもの づくり企業等の最先端の研究、技術にふれる機会の充実を図ります。 また、一定期間、仲間と工作物の製作などを通じて科学を体験するぎ ふサイエンス・キャンプを実施することで、将来の科学界のリーダー 育成を行います。 (ICTを活用し、使いこなす教育) ○ 小中学校の各教室に電子黒板化した50型デジタルテレビ、パソコン、 実物投影機を整備するとともに、デジタル教科書を導入して、ICT を活用した、分かりやすい授業を実施します。 ○ タブレットPCについて、全市立小中学校や特別支援学校などに導入 し、授業での活用を図ります。また、全中学校の主体的・協働的な学 びの姿勢を育む場として、アクティブラーニングのスペースとなるア ゴラを整備します。 (志を育む教育) ○ 生まれてからの自分を振り返る1/2成人式(小学4年生)、将来の 具体的な生き方を考える立志の集い(中学2年生)の充実を図ります。 ○ 中学生が働くことの意味、厳しさ、喜びを実感し、将来を考えるため の「キャリアチャレンジ」職場体験学習の充実を図ります。 (土曜日等の教育活動の充実) ○ 平成27年度から、土曜日等の教育活動において、子どもたちの個々 の才能の中で、数学や理科、音楽など各分野が得意な生徒を集め、よ り高いレベルの内容に触れる「土曜日の才能開花教育~ギフティッ ド~」を実施していますが、今後更なる内容の充実を図ります。 10 (郷土を愛し、担い手となる教育) ○ 学校教育における授業等を通じて、ふるさと岐阜市のことをよく知り、 愛着を持ち、将来の地域の担い手となる意識を高める、ふるさと大好 き鵜飼事業を始めとして、岐阜市に関する教育の充実を図ります。 ○ 個人により人生は様々ですが、人生の節目となる、結婚や就職、高齢 化などのライフビジョンを、子どもの時から考える教育を検討します。 (再掲) (2)教育環境の充実 ・ 中核市として有する教職員の研修権を十分に発揮し、教職員の資質向上 を図ることを第一としながら、岐阜市教育研究所を中心として、岐阜市の 教育内容の質と成果を高める研究に継続的に取り組みます。 さらには、地域社会全体で子どもと学校を支える仕組みとして、全小中 学校に設置された岐阜市型コミュニティ・スクールの取り組みの充実を図 り、家庭や地域など様々な方が関わる中で、子どもたちを育む取り組みを 進めます。 これらに加えて、悩みや困難を有する子どもたちに対しての支援体制を 充実させる中で、子どもの育成に関わるワンストップ対応を行う、子ども・ 若者総合支援センターの充実により、岐阜市全体としての教育の底上げを 図っていきます。 さらには、 “知の拠点”である中央図書館を中心として読書を通じた学習 体制の充実を図り、教育立市の発展を目指します。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:子どもたちにとって教育環境の充実したまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値50.7%をアップ ・客観:図書館図書等貸出件数 目標 → 基準値1,246,491件をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (安心の学校教育体制) ○ 子どもたちが、就学前から小学校へ、小学校から中学校へ進学する 際に、子どもたち一人ひとりの円滑に入学後の学校生活に接続できる よう、幼保小連携、小中一貫教育を推進するとともに、小中一貫教育 では、義務教育9年間を見通した、確かな学びの力を身に付ける取り 組みを推進します。 ○ 岐阜市教育研究所において、教職員の資質向上に係る各種研修と、教 育内容の研究の充実を図るとともに、教育成果を共有する、学校教育 11 公表会を実施します。 ○ 学校・家庭・地域社会が一体となって、学校運営に関わり、学校がコ ミュニティをつくる、岐阜市型コミュニティ・スクールを充実してい きます。 ○ 不登校児童生徒への家庭訪問を中心とし、学校復帰の支援や、悩み・ 不安の相談に応じるほほえみ相談員の小中学校への配置を充実させ ます。 (安心の学校教育施設整備) ○ 夏季の猛暑日の増加に対応し、小、中学校等の各教室にエアコンを設 置することで、良好かつ安心の学習環境の中での授業を行います。 ○ 不安視される南海トラフ巨大地震など、地震時において、子どもたち の命を守るため、学校施設の耐震化を進めます。 (教育立市の核となる教育施設) ○ 0歳から成人前までの子どもや、その親、教師のなどのあらゆる悩み に対応していく、子ども・若者総合支援センターの充実を図ります。 ○ みんなの森 ぎふメディアコスモスの中央図書館において、読み聞か せをはじめとして、本を通じた様々な事業を実施することにより、子 どもたちの多様な素養を育むことに取り組むとともに、富山市の図書 館との連携を図り、図書館環境の向上に取り組みます。 ○ 科学館において、サイエンスショーなどを展開できるスーパー理科室 の新設や、常設展示のリニューアルを図り、サイエンスミュージアム として科学教育の拠点化を進めます。 3.生涯健康社会の構築 ・ 岐阜市に、人々が生まれ、本市の教育環境で育まれた人々が、社会で力を発 揮し、生きがいある毎日の暮らしを送るうえでは、常に健康であることが重要 となります。 岐阜市の市民意識調査においても、健康であることと、生活の満足度には高 い相関性が見て取れます。また、様々な病気に罹患した場合でも、迅速に対応 できる医療環境も、人が持てる力を発揮し続けるために必要なこととなります。 岐阜市においては、人々が育まれ、人生のライフステージにおける乳幼児期、 青壮年期、高齢期の各段階において、元気で健康であるための健康づくりや安 心できる医療環境と疾病予防対策などの施策を進めていきます。 <施策事項> (1)健康寿命の延伸と医療環境の充実 ・ 日本人の平均寿命は世界トップクラスですが、真の長寿社会をつくるた めには、医者にかかることなく寝たきりにならない、健康寿命を伸ばすこ 12 とが、人生を真に実りあるものとし、社会で活躍するための原動力となる ものです。 岐阜市では、歩いて健康になるまちづくりを、ソフトとハードの両面で 推進することで、住むことで健康で幸せになれる、スマートウエルネスの まちを目指しています。 また健康維持に、どれだけ気を付けていても、長い人生の中では誰もが病 気を患うことになります。急な疾患を抱えても、24時間安心して医療を 受けられる環境の整備は、人々が住み、働き、子どもを産み育てる上で大 切な要素となります。 これらの、健康と命を守る施策の推進に努め、ひいては岐阜市に住みた いと思われるよう取り組んでいきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:元気で長生きできるまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値となる平成27年度値をアップ ・客観:高齢者人口に対する要支援・要介護認定者数の割合 目標 → 21.2%以下 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (スマートウエルネスぎふの推進) ○ 誰もが気軽に取り組むことができる歩きを促進し、健康づくりを進め るため、長良川ツーデーウオークや、スマートウエルネスぎふ健幸ウ ォークなどのウォーキング大会や、健康ステーションでのウォーキン グ支援等の充実を図ります。また、生活機能低下及び介護予防に効果 的な「いきいき筋トレ体操」を市民に普及する「筋トレサポーター」 を養成し、高齢者が元気で活動的に過ごすための支援の充実を図りま す。 ○ スマートウェルネスぎふを推進するため、第2の健康ステーションと なる、岐阜市長良川健康ステーションを活用するとともに、歩きや自 転車走行環境及び公共交通利用環境の利便性の向上を図ります。 (医療体制、健康維持の充実) ○ 24時間安心して医療を受けられる環境整備に取り組むため、市民病 院における岐阜市休日急病センター・岐阜市休日急病歯科センター・ 小児夜間急病センターや、小児救急電話相談、救急医療情報カードの 利用等の充実を図ります。 ○ 生活習慣病予防やがんへの取り組みを実施するため、各種がん検診や、 特定健康診査、特定保健指導等の充実を図ります。 13 し ご と の 創 生 に 向 け て 【基本目標2】 ・ しごとをつくり、ひとの流れを生み出す 岐阜の地で育まれた人々や、この地を選び住む人々がこの地に留まり力を発揮する 上で、 「しごとの創生」は重要となります。岐阜市は、戦後発展したアパレル関連産業 を引き継ぎつつも、自然環境や景観、歴史文化を生かした観光産業やサービス産業の ほか、人口規模が 40 万人を超える都市でありながらも、農業が活発であるなど、多様 な産業を持つ都市です。 地方創生の観点からは、本市固有の地域資源や特徴である豊富な地下水や織田信長 公、ぎふ長良川鵜飼や製薬業発祥の地などの岐阜市独自性や個々のブランド力を生か して、産業や地域の活力を生み出していきます。 さらには、観光や農業等のさらなる活性化を通じて、新たな雇用の創出と地域産業 の振興を図るとともに、本市にある高等教育機関の活用や、これらのノウハウを生か した新産業の創出と起業を促進することなどから「産業・雇用立市」と「地産地消立 市」の実現により、 「しごとの創生」を図っていきます。 <しごとの創生 ○ 数値目標> 新学卒者を採用した企業の割合について、 平成 26 年度水準以上とします〔平成 31 年度〕 基準値:23% ○ 農用地の利用集積率を向上させます〔平成 31 年度〕 基準値:16% ➢ 基本目標2 しごとの創生に関係する岐阜市の基本計画等 ・ 岐阜市産業振興ビジョン 2014 ・ 岐阜市ものづくり産業等集積地計画 ・ 岐阜市地産地消推進計画 ・ 岐阜市農業振興地域整備計画 ・ 第2次岐阜市男女共同参画基本計画 14 【しごとの創生における施策の基本的方向】 1 地域産業の創出と競争力の強化 ・ 産業の活性化と雇用の創出は、地域が持続的に成長し、都市に人々が集まり、 税収にもつながる都市の活力の源となるものです。 本市の産業構造は、従業者数で第3次産業が約7割となっていますが、かつ てアパレル産業が中心で地域の様々な産業に経済効果を波及していた時代とは 違い、アパレル関連産業を主要としつつも、多様で高い付加価値を生み出せる ような産業を創出していくことが必要となっています。 さらには、既存産業の活性化を図りつつも、新たな産業や市内企業と連携し ていく企業誘致を行うことにも注力し、特に世界屈指の製造業が集積する東海 圏域にある地の利を生かしながら、景気の急激な変化にも市全体としては対応 していけるような、足腰の強い地域産業構造を目指していくことにより、多様 な世代の就業機会の拡大を図ります。 <施策事項> (1)新たな産業や事業の創出と継承 ・ 市内企業の経営の革新や持続性を支援することにより、新たな産業を興 していくことは、その時々の時代にあった産業を創出しつつ雇用を維持す ることになります。さらには企業収益の改善となれば税収の増加にもつな がることになります。 これまでも創業支援や、市内及び近隣にある大学との産学官の連携によ り、新産業や新技術、商品の創出支援を充実してきましたが、引き続き、 新たな事業が創出されやすい環境づくりを進めていきます。 また、中小企業の経営者の高齢化に対応した事業の承継については、市 内の企業団体や金融機関との連携を図り、その力を活用しながら、市全体 の多様で優良な資産となる産業と雇用の場の喪失を防ぐように努めます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:岐阜市で就職、転職、起業などをしたいと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値33.3%をアップ ・客観:岐阜市事業創業支援補助金活用数 目標 → 基準値11件をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (新規開発支援) ○ 新産業の創出を支援するため、企業と大学等との共同研究開発による 新商品・新技術開発や、海外を含む販路開拓等を支援します。 15 (創業支援) ○ 創業・起業を目指す人材を発掘する事業を充実するため、創業支援セ ミナーの開催や岐阜市創業支援ルームの活用、起業及び経営に関する 各種相談などに対する相談窓口の設置により、創業する人材の着実な 成長を支援します。 (事業承継の支援) ○ 中小企業の後継者不足にあっても、企業のノウハウや雇用が継承され るよう、民間との連携を図りながら中小企業などの事業承継の支援を していきます。 (2)企業誘致等の促進 ・ 岐阜市は、豊富な水資源をはじめ、高等教育機関が多く存在し、教育立 市を掲げて人材育成に取り組むなど教育環境が充実しているほか、名古屋 まで鉄道で約20分圏内にあり、東海環状自動車道西回りの全線開通が見 込まれる中で、将来的にはリニア中央新幹線の東京-名古屋間の開通によ り東京と1時間強で結ばれるなど、交通の利便性がさらに高まる地域です。 また、アパレル産業や機械器具・金属産業で、高度な技術を持つ中小企 業もあり、産官学の連携による技術開発を行う環境も整っているなど、企 業立地に有利な条件が揃っており、不安視される南海トラフ巨大地震によ る津波被害は想定されず、沿岸部の後背地としても企業立地の需要が見込 める地域です。 具体的な支援策として、市内に立地した企業に対して、設置した施設に 係る税相当額や雇用に応じた助成制度、市内に立地を検討している企業に 対するサポートを行うなど、岐阜市の既存産業を刺激し活力を引き出しな がら、雇用の創出を図る取り組みを進めます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:就労環境に恵まれたまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値24.3%をアップ ・客観:企業立地件数 目標 → 5件以上 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (企業誘致推進) ○ 岐阜市ものづくり産業等集積地計画に基づき、企業を広く誘致できる 産業集積地の整備を検討していきます。 ○ 雇用の創出を図るため、コールセンター業誘致促進奨励金制度を導入 することでコールセンター誘致を促進していきます。 16 ○ 市内に立地を希望する方や市内に事業用に提供可能な土地等を所有 する方のマッチングを行うなど企業立地のサポートの充実を図りま す。 2 良好な雇用環境の創出 ・ 岐阜市は中小企業がほとんどを占める一方で、本市の労働実態調査では、中 小企業の福利厚生制度が十分にいきわたっているとは言えない状況にあります。 また、サービス産業が中心の岐阜市において、企業の生産性向上のために、 良質な人材を育成・確保していくことも重要となっています。 こうした中で、中小企業の労働力の確保と、若年者や女性から中高年者や障 がい者までの良好な雇用機会の創出のため、中小企業者が行う雇用環境の改善 を促しながら、若年層や女性に対する企業との就労のマッチングを重点的に行 うなど、企業と被雇用者の良好な雇用環境構築を促進していきます。 <施策事項> (1)若年者人材の雇用・定着促進 ・ 仕事と生活の調和を目指し、子育てをしながら働く人を理解し、誰もが 働きやすく、支え合える職場環境の形成が促進されるよう啓発に努めます。 特に中小企業がほとんどを占める岐阜市の現状においては、事業者と就 業希望者とのマッチングをはじめとして、経営者に対する福利厚生の意識 を高め、若年者や女性が働きやすい状況をつくり出すための努力を行うな ど、岐阜市で働きたい若者や女性が、企業のしっかりとした担い手となり、 活躍できるような少子化時代における人材の雇用と定着を支援していきま す。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:就労環境に恵まれたまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値24.3%をアップ ・客観:常用従業員1人あたり有給休暇取得率 目標 → 25.9%以上 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (人材の雇用と定着) ○ 岐阜市に若年層を留め活躍してもらうため、求職者が円滑に就職でき るよう支援するセミナー、概ね35歳以下を対象とした市内企業の就職 合同説明会及び転職者フェアなど、求職者や転職希望者と中小企業を はじめとした企業とのマッチングの充実を図ります。 ○ 国のトライアル雇用事業に基づき雇用した「市内在住の若年者・中高 17 年齢者・障がい者」及び「市外者」を引き続き常用雇用に移行し、 3ヵ月以上常用雇用している市内に所在する事業所に対する支援の 充実を図ります。 (男女共同社会の推進) ○ 男女共同参画推進に向けた取り組みを積極的に行い、その推進に功績 があったと認める事業所を表彰します。 3 ブランド農産物の地産地消・外商化 ・ 本市においては、えだまめ、だいこん、ほうれんそう、いちごなどの安全・ 安心な特産農産物を「ぎふ野菜(ぎふベジ)」と位置付け、これら農産物のブラ ンド化により、農業者の所得の向上と経営の安定化を図りながら、新たな担い 手確保と後継者不足への対応が可能になると考えます。 また、本市の農業の特徴として、特産農産物の多くが市街地の農地で生産さ れており、都市近郊型農業としてのメリットとして、地産地消の取り組みを進 める一方で、他の産業との融合も視野に入れた農業施策の展開や販路開拓、農 産物ブランドの発信に向け、地産外商にも取り組むことで、岐阜市農業の更な る振興に努めていきます。 <施策事項> (1)農業の成長産業化の推進 ・ 本市を代表する特産農産物の認知度を高め、高付加価値化を図ることで、 ブランド化の推進と競争力の強化に努めます。 また、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加などの課題 に対して、新たな担い手の確保や育成に加えて、農業者が共同して効率性 を高める取り組みや農地中間管理事業を活用して農地の集積化を図ること で、持続可能な農業としていきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:農業などの産業の活力あるまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値となる平成27年度値をアップ ・客観:主要品目(えだまめ,だいこん,ほうれんそう,かき)販売額 目標 → 基準値1,157,489千円をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (新たな担い手の確保・育成) ○ 新規就農者の確保・育成や就農後の定着化に向けた支援を図るととも に、農業生産の共同化を促し、農作業の効率化や経費の削減を図る取 18 り組みを支援します。 また、岐阜圏域にある教育機関などとの連携も視野に学生や子どもた ちへの農業体験など、未来の担い手の育成や農業の重要性の意識を高 める取り組みにも積極的に取り組みます。 (農地中間管理事業を活用した農地集積) ○ 地域の中心となる担い手に農地を集積するため、農地の貸し借りの中 間的な受け皿となる「農地中間管理機構」である一般社団法人岐阜県 農畜産公社と連携して、農業経営の規模拡大や農作業の効率化を進め、 農業生産の向上を図ります。 (農業経営の多角化) ○ 「製薬業発祥の地」と言われる本市において、薬用作物の産地化に向 け、専門家で組織する薬用作物栽培推進会議の意見や公益社団法人東 京生薬協会からの指導を踏まえ、「岐阜市版栽培マニュアル」を作成 します。 また、市内生産者で組織する岐阜市薬用作物栽培協議会を中心に、栽 培技術を習得し、新たな産地化とブランド化の確立に向け、薬用作物 の栽培を進めます。 さらには、薬用作物の栽培を支援している富山市と連携し、情報交換 などを実施します。 ( 「ぎふベジ」のブランド化確立) ○ 「ぎふベジ」の認知度を高めるため、農業まつりや農業楽市等イベン トの開催、地産地消推進の店「ぎふ~ど」を活用した販売促進、ホー ムページや広報ぎふによる普及活動などの実施に加え、大型量販店と 連携したフェアや主要駅でのポスター展示など、新たに「地産外商」 に取り組むことにより「ぎふベジ」の周知を図ります。 ○ 都市近郊型農業という本市農業の特徴を生かし、長良川や金華山に代 表される観光資源を活用した「岐阜市版のグリーンツーリズム」のあ り方を検討していきます。 ○ 時代のニーズに合った特産農産品等の開発や、農業の6次産業化に向 けて、開発、販売、ブランド力向上などの取り組みに対して支援を行 います。 4 地域資源の活用による観光・交流の振興 ・ 岐阜市は、古くから交通の要所である一方で、「清流長良川」と「ぎふ長良 川鵜飼」や、「金華山」と「岐阜城」に加えて「川原町などの古い町並み」な ど、豊かな自然環境と奥深い歴史があり、全国に対して、さらに世界に対して も誇れる都市と考えます。 19 さらには、名古屋から鉄道で約20分、中部国際空港からは1時間弱で到着 する地理的条件にあり、将来的には東京・名古屋間のリニア中央新幹線の開通 となれば、東京からの移動時間は1時間強となるなど、今後も、観光、交流人 口の増大に向けて、まだまだ伸びる潜在力がある都市でもあります。 岐阜市の地域色ある観光資源を生かして、国内外からの誘客に向けて、既存 の観光資源をさらに磨きあげるほか、民間主体の様々なイベントなどによる誘 客なども支援しながら、観光滞在日数の拡大や、本市に文化やスポーツなどで 来訪する交流の活発化を図ります。 また、観光、交流の振興による、岐阜市民の地域資源の認識を高めることで、 地域の誇りの醸成にもつなげます。 <施策事項> (1)外国人誘客のための観光地域づくり ・ 国では、観光庁を設立し、訪日外国人2千万人を目標にしたビジットジ ャパン戦略を展開しており、すでに2013年には、1千万人を達成した ところですが、岐阜市においても外国人観光客の増加が見て取れます。 中部地区では、太平洋側から日本海側までの観光ルートをイメージした 昇龍道プロジェクトが進んでいますが、こうした外国人誘客の動きを見据 え活用しながら、岐阜市としての観光業や関連する産業の活性化に向けて、 海外から人々を呼び込むためのプロモーションや、外国人観光客の多くが 不便と感じている無料公衆無線LAN環境の整備、看板等の多言語化を図 るなど、受け入れのための環境を整備していきます。そして、信長公の時 代に、国際的な交流が岐阜のまちであったことを再生できるような、海外 からの外国人観光誘客が進むような施策に取り組んでいきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観指標:観光資源の豊かなまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値48.4%をアップ ・客観指標:主要施設観光客数 目標 → 523,098人以上 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (外国人に分かりやすい観光地域づくり) ○ 外国人観光客等の誘客を促進するため、多言語化のガイドラインを作 成する一方で、案内看板やパンフレット等の多言語化の支援や観光案 内所のリニューアル、無料公衆無線LAN環境の整備をするなどの外 国人に対応した観光地域の充実を図っていきます。 20 (海外からの誘客に向けたプロモーション) ○ 国内外で実施する観光プロモーション活動等の支援、海外からのツ アー造成や観光情報発信を行うことができるメディア、ランドオペレ ーターの招請等を実施します。 (2)地域資源を活用した観光振興 ・ 岐阜市は、1300 年以上の歴史を誇る、「長良川の鵜飼漁の技術」が国の 重要無形民俗文化財に指定されたことを新たな出発点として、長良川鵜飼 文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けて、市民とともに取り組んでいま す。また、「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜のストー リーが、文化庁に「日本遺産」第 1 号として認定されました。今後これら を生かして、他の観光地域との差別化を図りながら、国内外からの誘客及 びおもてなしができる体制を整えていきます。 また本市は、40万人を超える都市でありながらも、長良川、金華山と いった自然環境にも恵まれ、身近に清流や緑といった自然を体感できる環 境が整っている都市であります。 これら地域の資源や特性を、岐阜市を魅せる観光資源として、生かし、 磨きあげながら本市でしか味わえない、体験できない観光事業を推進して いきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観指標:観光資源の豊かなまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値48.4%をアップ ・客観指標:主要施設観光客数 目標 → 523,098人以上 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (観光交流施設の活用) ○ 観光客の増加を図れるよう、岐阜市の重要な地域資源を生かした主要 観光施設である岐阜城や長良川うかいミュージアムのハード・ソフト の整備に努めます。 ○ 岐阜市における滞在型観光資源として確立するため、本市ならではの 魅力を備えた体験型プログラムを実施する団体の支援の充実を図り ます。 (地域資源のブラッシュアップ) ○ 長良川鵜飼文化のユネスコ無形文化遺産登録への取り組みに向けた PR や調査研究を実施していきます。 ○ ぎふ長良川鵜飼のマスコットキャラクター「うーたん」を広く観光 PR 21 に活用するとともに商標登録による土産品等への利用を促進します。 ○ 全日本学生落語選手権「策伝大賞」をシンボルイベントとして開催し、 各種落語会の開催支援や、安楽庵策伝の顕彰を実施するなど、落語発 祥の地・岐阜を「笑いのメッカ」として、全国に PR していきます。 ○ 長良川や金華山、岐阜城を背景とした長良川薪能を開催し、多くの観 光客が訪れる岐阜の夏の風物詩として定着させていきます。 ○ FC 岐阜を支援することにより、地域スポーツ推進とスポーツ文化の普 及を図るとともに、全国を舞台に活躍する FC 岐阜を通じて、全国に 岐阜市の魅力を発信していきます。 (おもてなし力の充実) ○ 市内観光客の周遊性を向上し、滞在時間を増やすため、体験プログラ ムの定常化や、まちなか案内人など観光ボランティアガイドによる観 光案内活動を支援するとともに、鵜飼観覧船事務所と長良川うかい ミュージアムを結ぶ渡し船を運航します。 (都市間連携による広域観光) ○ 織田信長公が天下への足掛かりとして城を構えた地である4市(岐阜 市、近江八幡市、小牧市、清須市)による信長公居城連携協議会や岐 阜・下呂・郡上観光宣伝協議会、さらには、岐阜県と長良川流域の 4 市(岐阜市、関市、美濃市、郡上市)による長良川流域観光推進協議 会による宣伝、誘客など、広域観光の充実を図ります。 (農観連携) ○ 都市近郊型農業という本市農業の特徴を生かし、長良川や金華山に代 表される観光資源を活用した「岐阜市版のグリーンツーリズム」のあ り方を検討していきます。(再掲) (3)岐阜市ブランド活用による地域活性化 ・ 1567年に信長公が稲葉山城に入り、井口と呼ばれていた当時の地名 を岐阜と改名してから、平成29年に、450年を迎えます。また「信長 公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜のストーリーが、日本遺産第1 号に認定されましたが、日本の歴史上の転換期となる中世戦国時代の重要 な舞台となったのが、岐阜市であります。 信長公のほかにも、落語発祥の地とも言われており、こうした歴史に基 づく都市ブランドの重みを生かしつつ、市中心部に誕生した、知・文化・ 絆の拠点となる「みんなの森 ぎふメディアコスモス」などの新たな岐阜市 の交流機能を活用し、観光・交流施策と市内外への情報発信を組み合わせ、 お笑い、文化、学術、商業、スポーツなどを生かした交流や集客により、 交流人口の増加を促進し、地域の活力を生み出し、市民の岐阜市に対する 誇りを醸成していきます。 22 <重要業績評価指標(KPI)> ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡充または検討するもの〕 ・主観:岐阜市の魅力は何かという設問の項目の選択数 ○ 笑いと感動のまちづくり事業 ○ 高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンの支援 目標 → 基準値4.16個をアップ ・客観:みんなの森 ぎふメディアコスモス入館者数 目標 → 基準値となる平成27年度推計値をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (信長公岐阜城入城、450年の活用) ○ 2017年に織田信長公が「岐阜」と命名してから450年を迎える ことを契機とし、都市ブランド化と観光活性化等を図るためのプロ ジェクト(岐阜市信長公450プロジェクト)を実施します。また、 このプロジェクトと連携してぎふ信長まつりを全国的に PR していく とともに道三まつりについても全国的に PR していきます。 (中心部のみんなの森 ぎふメディアコスモス活用) ○ 本市の中央図書館や市民活動交流センターなどの複合施設である「み んなの森 ぎふメディアコスモス」を活用したイベントを支援すると ともに、施設の機能強化により、更なる魅力向上を図ります。 ○ 「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を中心とした文化によるにぎ わいを創出するため、中心市街地を散策しながら、誰もが気軽に様々 なジャンルの音楽に触れる機会を提供します。 (中心部の集客力向上) ○ 中心商店街地域を会場として定期的に開催するまちなか楽市を支援 します。 23 まちの創生に向けて 【基本目標3】 ・ 活力と持続性あるまちや地域を構築する 優れた教育環境や新たな文化施設、信長公などの都市ブランドの魅力を創出し、 市内外に発信することで、岐阜市の人々が住み続け、あるいは市外からの定住を呼 びこみ、まちの活力を高めることに取り組みます。また、大幅な税収増が期待でき ない中で、行政サービスや都市機能を効率的に維持し、社会基盤の最適な活用がで き、持続性あるまちづくりや広域連携に取り組む必要があります。 現在、岐阜市では、岐阜市総合計画基本構想の将来都市像のひとつに掲げる「多 様な地域核のある都市」に向け、コンパクト&ネットワークのまちづくりに取り組 んでいますが、今後とも、市民にとって暮らしやすく、 “住み続けたい”と思えるよ うな定住環境を整えるため、道路をはじめとする生活・産業基盤の整備とこれらの 効果的な活用を図るとともに、公共交通ネットワークの再構築や、中心市街地の活 性化、周辺地域の振興など、都市としてのにぎわいがあり、機能的で利便性の高い まちづくりを進めます。 ひとが生き生きと暮らし、しごとの場ともなるまちの活力を高めるとともに、行 政サービスや都市機能を効率的に維持するためコンパクト&ネットワークの都市づ くりの推進や、広域的な機能連携、 「防災立市」実現による災害への備えなど、地域 の特性に即した地域課題の解決と活性化に取り組むことで「まちの創生」を図って いきます。 ・ <まちの創生 ○ 数値目標> 社会動態転入超過(平成31年度) ※海外・不明分除く 平成26年度値△898人 ➢ 基本目標3 まちの創生に関連する岐阜市の基本計画等 ・ 岐阜市住宅マスタープラン ・ 岐阜市都市計画マスタープラン ・ 2期岐阜市中心市街地活性化基本計画 ・ 岐阜市総合交通戦略 ・ 岐阜市地域公共交通網形成計画 ・ 岐阜市地域防災計画 ・ 協働のまちづくり推進計画 24 【まちの創生における施策の基本的方向】 1 魅力ある都市の創出と発信による定住化の促進 ・ まちの魅力は、人々を集め、にぎわいを生み出すとともに、岐阜市に住み続 ける、あるいは人が移り住むための大きな要素となりますが、とりわけ都市の 核となる中心市街地に人が住み、商業等が活発化して活力ある地域であること が重要となります。 こうした中心部の魅力のほかにも、岐阜市には、豊かな自然や歴史、食など の独自性ある地域資源もあれば、教育、健康、医療といった人々の暮らしに直 結する、若い世代の魅力になる居住環境の良さもあります。これらを市内外に 対して発信することで、岐阜市の良さを広く知らしめ、理解を得て、居住を促 すことが必要性となっています。 魅力ある中心市街地を創出しつつ、岐阜市の様々な地域性や暮らしやすさな どを高める取り組みを進め、これらを発信していくことで、市民の定住化を進 めていきます。 <施策事項> (1)中心市街地の活性化 ・ 中心市街地の活性化については、2期岐阜市中心市街地活性化基本計画 の着実な推進を基本としながら、都心の魅力を高め、まちのにぎわいを創 出し、居住人口の増加を図るとともに、人が集い、にぎわいの拠点ともな る再開発事業を推進するほか、駅前から柳ケ瀬、みんなの森 ぎふメディア コスモスまでの中心部を一体的に捉えて、それぞれの特徴を生かした施策 により、人々の流れと回遊性をつくり、岐阜市全体の活力の核としていき ます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:中心市街地のにぎわいが高まっていると思うと回答した人の割合 目標 → 基準値12.8%をアップ ・客観:歩行者、自転車通行量(柳ケ瀬周辺) 目標 → 基準値36,368人/日をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (中心部の都市機能充実とまちなか居住の推進) ○ 賃貸住宅の家賃の一部助成など、単身者をはじめ、まちなか居住しよ うとする世帯に対する支援を充実させます。 ○ 中心市街地の活性化のため、岐阜駅東地区や高島屋南地区などの市街 地再開発組合等に対し、市街地再開発事業補助金を交付し、事業推進 25 をサポートします。 (中心部の集客力向上) ○ 中心市街地の公園を対象に、植栽を実施するなど、緑被を向上させま す。 ○ 市立中央図書館や市民活動交流センターなどの複合施設である「みん なの森 ぎふメディアコスモス」を活用したイベントを実施、支援す るとともに、施設の機能強化により、更なる魅力向上を図ります。 (再 掲) ○ 中心部におけるにぎわいを創出するため、 「みんなの森 ぎふメディア コスモス」を中心に散策しながら、誰もが気軽に様々なジャンルの音 楽に触れる機会を提供するとともに、公共交通と快適な歩行環境の確 保を図るトランジットモール交通社会実験などさまざまな取組みを 実施します。 ○ 中心商店街地域を会場として定期的に開催するまちなか楽市を支援 します。 (再掲) (2)シティプロモーション等、情報発信力の強化 ・ 岐阜市には、市民の誇りと愛着を生み出す、長良川、金華山、織田信長 公、長良川鵜飼などの歴史資源をはじめとした、いいところ(ええとこ) が沢山あり、これを市民と共有し、郷土愛を高めながら、市外にも発信し ていくことが、交流人口や定住人口の増大につながるものと考えます。 特に、若い世代の取り込みを念頭に置いた場合には、若年層のコミュニ ケーションツールである、インターネット環境を活用しながら、効果的な 情報発信に努める一方で、様々な媒介を活用し、本市に関係する企業や団 体の協力も得ながら、高い教育や医療環境、名古屋から近い地理にあるこ となど、快適、安心、便利な岐阜市の優位性をPRし、知ってもらう、来 てもらう、住んでもらうための契機となる取り組みを進めます。 また、岐阜市から愛知県への若年層が多く転出し続けている現状をふま え、岐阜市の若者が岐阜市に住む、あるいは、愛知県に転出した若年層に 戻ってきてもらうような、ホーミング(定住、帰巣)といった考えによる、 シティプロモーションについて取り組みます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:このまちに住み続けたいと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値77.1%をアップ ・客観:ええとこたんとHPアクセス数 目標 → 基準値となる平成27年度推計値をアップ 26 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (ふるさと納税制度の活用) ○ 岐阜市のふるさと納税制度をPRするとともに、岐阜市の農産物や、 お土産品、鵜飼乗船などの返礼を通じ、岐阜市の情報発信の充実を図 ります。 (おもてなしによるPR) ○ 岐阜のまちの歴史・文化・自然等についての知識や教養を持ち、観光 客に対するもてなしができる、まちなか博士の育成を推進します。 (東海圏、東京圏のシティプロモーション) ○ 若年人口の流出が顕著である愛知県及び市内の若者の岐阜市の良さ を知るためのシティプロモーションを実施します。 ○ 岐阜市のブランド化を推進する、モノやコト、観光などについて、東 京事務所を活用した情報発信を行います。 2 災害に強く、持続性あるコンパクト&ネットワークの都市づくり ・ 都市の持続性においては、人々が住み続けることが最も重要となりますが、 これに応える基本は、便利で快適でありながら、安心して住める地域づくりが 必要となります。 戦後の長期にわたり、全国の多くの都市が、中心部から郊外部へと人口集中 地区が広がり、市街地の外延化が進み、人口の低密度化が進みました。また、 道路や上下水道などの社会インフラの整備も拡大しましたが、今後の人口減少 社会においては、これらの社会インフラの維持や更新を効率的、効果的に行う 必要があります。 これからの都市機能のあり方は、中心部に高度な都市機能を集約しつつ、周 辺部に生活機能を集約していくような、集約型の都市構造を目指すとともに、 これを公共交通でつないでいく、コンパクト&ネットワークのまちづくりが基 本になると考えます。 また、日本は、元来、台風や地震などの自然災害に見舞われることが避けら れない地勢にあり、こうした災害への対応力のあるまちは、人々の住むための 魅力ともなります。 これらを、都市全体として捉えて、住民の安心と利便性、持続性の観点から、 災害に強く、持続性ある集約型の都市構造に向けた取り組みを進めます。 <施策事項> (1)コンパクト&ネットワークの都市づくり ・ 人口減少と本格的な高齢社会を迎えるなかでは、拡散した市街地を抱え たまま人口が減少することとなれば、市街地の低密度化が進み、市民の日 27 常生活を支える都市機能の維持が困難となることが想定されます。 こうした中で、都市全体を中心部と周辺部として俯瞰し、それぞれの地 域において、歩いて買い物などの暮らしの用件を済ませることができるよ うな適度な範囲に生活機能が集約されながらも、目的に応じてバスや鉄道 などの公共交通で移動できるような、中心部の拠点と、地域の生活拠点を 長期的な視点で形成し、繋いでいくまちづくりが必要となります。 岐阜市においては、中心部の都市機能を高めることで拠点性を高めつつ、 周辺部においても、生活機能が維持される都市空間の創出を図るため、基 本となる都市計画関連や公共交通関連の計画を策定し、これに基づいた事 業を実施していきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:コミュニティバスなどの公共交通の便利なまちだと思うと回答した 人の割合 目標 → 基準値45.7%をアップ ・客観:立地適正化計画の策定〔定性指標〕 ☞ 位置付ける施策事業等〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (公共交通の充実) ○ 幹線・支線バスとコミュニティバスが有機的に連携した利便性の高い 公共交通ネットワークを構築するため、市民との協働により、コミュ ニティバスの導入を推進します。 ○ バス優先レーンの導入や乗継拠点の整備、連節バス導入によるバス車 両の高度化などを段階的に進める「岐阜市型 BRT」の拡大を推進しま す。 ○ 岐阜市地域公共交通網形成計画やその実施計画である岐阜市地域公 共交通再編実施計画に基づき、幹線・支線バスとコミュニティバスが 有機的に連携した利便性の高い公共交通ネットワークの構築を目指 します。 (集約型の都市構造) ○ 住宅及び都市機能増進施設の立地の適正化を図るため、立地適正化計 画を策定します。 (2)地域防災力の強化 ・ 東日本大震災をはじめ、これまで全国各地で様々な自然災害が発生して おり、本市においても台風や大雨による風水害や土砂災害に加え、南海ト ラフ巨大地震等の大規模な地震災害の発生が懸念されています。 28 これら従来の想定を超える災害は予見が難しく、岐阜市においても、常 に災害に対応できる体制を、官民共に整える必要があります。 特に災害時の初動は、地域レベルでの自助、共助の対応が重要となるこ とから、地域の共助の体制を支援するほか、迅速、確実な対応と、災害に 強い社会基盤の整備など、行政としての公助の体制を充実するなかで、市 民とともに安心して暮らせるまちづくりに取り組みます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:災害に対して安全なまちだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値54.3%をアップ ・客観:地域の防災訓練参加者数 目標 → 基準値50,154人をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (防災拠点の整備) ○ 南海トラフ巨大地震をはじめとする災害時に、市民の生命・財産等へ の被害を最小限に食い止め、迅速かつ円滑に災害から復旧・復興を果 たすための拠点となる災害対策本部庁舎としての機能強化をするた め、市役所新庁舎を建設します。 (地域防災対策の充実) ○ 防災・減災行動の参考にするため、災害種別に応じたハザードマップ を地域毎に統合し、防災読本として全戸に配布します。 ○ 水害から市民の生命と財産を守るため、水防団を組織し、定期的に訓 練などを実施するとともに、機動的な水防活動を維持するため、水防 倉庫等の水防団施設を整備します。また、洪水時には、水防活動の拠 点として岐阜市長良川防災・健康ステーションを活用します。 ○ 災害から市民の生命と財産を守るための体制づくりとして、南消防署 の建替えを実施するとともに、地域の災害拠点である消防団の庁舎の 整備や消防団が消防活動を円滑に行うために消防車両の更新を実施 します。また、自主防災体制を充実するため、地区別に実施する地域 防災訓練の支援の充実を図ります。 ○ 地域防災の担い手となる人材の育成を図るため、全市立小中学校にて、 家庭・地域と連携した防災教育を推進します。 (3)既存ストックのマネジメント及び活用 ・ 戦後の経済成長を支える社会基盤の整備は、都市の産業発展や、生活の 利便性向上に大きな役割を果たしてきましたが、一方では、減少していく 人口規模に対して、余剰となるストックも多くなることが想定されます。 29 さらに、これらの社会基盤の維持更新が長期的かつ集中する時期がある ことにより膨大な財政負担も想定されることから、社会基盤の維持更新の 考え方について長期的ビジョンや方針を策定し、これに基づいて計画的に 取り組んでいきます。 また、民間の主たるストックである住宅に関して、今後、確実に増える と想定される空き家については、危険空き家と言われる建物について法律 に基づく対応を着実に行いながら、民間の中古住宅の流通活性化などを支 援、活用していくなど、民の力も得ながら、市街地の拡大を抑え、既存の 住宅ストックを活用した施策にも取り組んでいきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:学校や社会教育施設などの公共施設が利用しやすいまちだと思うと 回答した人の割合 目標 → 基準値となる平成27年度実績値をアップ ・客観:公共施設等総合管理計画の策定〔定性〕 ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (公共施設の適正管理) ○ 施設の更新時期を、平準化し、長寿命化を図る道路、橋梁等アセット マネジメントを推進します。 ○ 総務省が策定を要請する、公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推 進にかかる「公共施設等総合管理計画」を策定します。 (空き家対策の実施) ○ 人口減少が懸念される郊外部の大規模な住宅団地における地域住民 主体のエリアマネジメント組織による郊外住宅団地マネジメントプ ロジェクトに取り組みます。 ○ 住宅マスタープランに基づき、民間との連携も視野に空き家等に関す る対策を推進します。 3 岐阜地域広域圏など広域連携の推進 ・ 長期的な人口減少の中で、市町村においては、少子高齢社会への対応や、高 度成長期に整備した社会資本の維持更新による財政需要の増加など、それぞれ の市町村単独で、フルセットの行政サービスを提供し続けるには限界があるこ とから、広域連携により行政サービスを維持する必要性はますます高くなって きます。こうした中で、岐阜市においても、岐阜地域広域圏をはじめとした近 隣市町との広域連携について、相互に住民が行き来する一体的な圏域と捉えて、 圏域の活性化を含めた、連携の取り組みについて検討し、進めていきます。 30 <施策事項> (1)連携中枢都市圏構想検討及び広域連携の推進 ・ 国においては、相当規模と中核性を備える圏域において、市町村が連携 し、コンパクト化とネットワーク化により、人口減少、少子高齢化社会に おいて、一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点 の整備を行うことを目的に、全国において、連携中枢都市圏の形成を進め ています。 岐阜市においては、この国の構想の相当規模と中核性を備える都市の要 件に合致しており、広域連携の推進にあたり、周辺市町の理解も得ながら、 連携中枢都市圏構想についての検討を進めていきます。 また、検討に合わせて、岐阜地域広域圏における周辺市町との連携を密 にしながら、教育や産業などの各分野において、圏域の住民サービスの視 点や地域が活性化する視点から、広域連携を進めていきます。 <重要業績評価指標(KPI)> ・主観:岐阜市と近隣市町が教育や産業などさまざまな分野で協力していく べきだと思うと回答した人の割合 目標 → 基準値となる平成27年度値をアップ ・客観:広域連携の事業数 目標 → 基準値13件(累計)をアップ ☞ 位置付ける施策事業〔新規、拡大、充実または検討するもの〕 (広域連携の推進) ○ 消防の事務委託をはじめとした個々の施策における、広域行政を推進 します。 ○ 岐阜圏域全体の住民サービスの充実や地域が活性化する視点から、 6市3町*で構成する岐阜地域広域圏協議会の運営及び連携を推進し ます。 *6 市 3 町:岐阜市,羽島市,各務原市,山県市,本巣市,瑞穂市,北方町,笠松町,岐南町 ○ 総務省の連携中枢都市圏構想推進要綱に基づく本市の連携中枢都市 圏構想について検討を進めます。 31 Ⅵ 各施策の推進にあたっての方針 1 PDCAサイクルの推進 岐阜市総合戦略に位置づけた取組を着実に推進するとともに、実施効果を検証し ながら、施策の見直しを行っていくため、外部の意見を聞く機会を取り入れるなど PDCAサイクルを構築します。 2 地域の様々な構成者との連携 岐阜市における地方創生の実現には、施策に関わる市民や事業者、団体などの各々 が進めるべき事業を展開していくことが必要です。行政においては、教育機関や金 融機関、産業界などの市内の各主体と連携し、一体となって目標に向けた取り組み を進めます。 3 国の財政支援等の積極的な活用 国総合戦略においては、地方の取り組みを積極的に支援していくことを示してお ります。財政的支援措置などの国の支援策を活用しながら、従来では取り組むこと ができないような事業についても、積極的に取り組みます。 32 参考 基本目標、重要業績評価指標(KPI)の一覧 基本目標の数値目標 基準値(H26 年度) 目標値(目標年度) 資料 出生数 (参考) 3,279 人※H25 数値 3,000 人以上(H31) 岐阜市衛生年報 23% △ UP(H31) 新学卒者を採用した企業の割合を平成 26 年度水準以 上とします 農用地の利用集積率を向上させます 社会動態転入超過 重要業績評価指標(KPI) 岐阜市は子育てしやすいまちだと思うと回答した人の割合 16% △ UP(H31) (参考) -898 人 転入超過(H31) 基準値(H26 年度) 毎 年 度 の指 標 と な る 目標(値) 岐阜市労働実態調査 掲載頁 5 14 14 岐阜市住民基本台帳 24 資料 掲載頁 市民意識調査 6,7 55.4% △ UP 95.1%(速報値) △ UP 6 保育所待機児童及び 放課後児童クラブ待機児童ゼロ (参考) 保育所:0 人 0人 7 (参考) 放課後児童クラブ:5 人 0人 将来の夢や目標を持っていると回答した児童・生徒の割 合 小学校 86.9% △ UP 中学校 67.4% △ UP 生後 4 か月までの乳児がいる家庭への訪問実施率 全国学力・学習状況調査の市の平均正答率と全国の 平均正答率との比較 ― 全科目で全国平均以上 子どもたちにとって教育環境の充実したまちだと思うと回答 した人の割合 50.7% △ UP 図書館図書等貸出件数 1,246,491 件 △ UP 元気で長生きできるまちだと思うと回答した人の割合 (H27 把握予定) △ UP ― 21.2%以下 33.3% △ UP 11 件 △ UP 24.3% △ UP 高齢者人口に対する要支援・要介護認定者数の割合 岐阜市で就職、転職、起業などをしたいと思うと回答した 人の割合 岐阜市事業創業支援補助金活用数 就労環境に恵まれたまちだと思うと回答した人の割合 企業立地件数 ― 5 件以上 常用従業員1人あたり有給休暇取得率 ― 25.9%以上 (H27 把握予定) △ UP 1,157,489 千円 △ UP 48.4% △ UP ― 523,098 人以上 農業などの産業の活力あるまちだと思うと回答した人の割合 主要品目(えだまめ,だいこん,ほうれんそう,かき)販売額 観光資源の豊かなまちだと思うと回答した人の割合 主要施設観光客数 岐阜市の魅力は何かという設問の項目の選択数 みんなの森 ぎふメディアコスモス入館者数 中心市街地のにぎわいが高まっていると思うと回答した 人の割合 歩行者、自転車通行量(柳ケ瀬周辺) このまちに住み続けたいと思うか ええとこたんとHPアクセス数 コミュニティバスなどの公共交通の便利なまちだと思うと 回答した人の割合 立地適正化計画の策定〔定性指標〕 災害に対して安全なまちだと思うと回答した人の割合 地域の防災訓練参加者数 学校や社会教育施設などの公共施設が利用しやすい まちだと思うと回答した人の割合 公共施設等総合管理計画の策定〔定性〕 岐阜市と近隣市町が教育や産業などさまざまな分野で 協力していくべきだと思うと回答した人の割合 広域連携の事業数 4.16 個 △ UP (H27 把握予定) △ UP 12.8% △ UP 36,368 人/日 △ UP 77.1% △ UP (H27 把握予定) △ UP 45.7% △ UP ― 策定 54.3% △ UP 50,154 人 △ UP (H27 把握予定) △ UP ― 策定 (H27 把握予定) 13(累計) 33 全国学力・学習状況調査(国) 9 全国学力・学習状況調査(国) 9 市民意識調査 11 11 市民意識調査 13 13 市民意識調査 15 市民意識調査 16,17 15 16 岐阜市労働実態調査 17 市民意識調査 18 市民意識調査 20,21 観光入込客統計調査(県) 20,21 18 市民意識調査 23 23 市民意識調査 25 25 市民意識調査 26 26 市民意識調査 28 ― 28 市民意識調査 29 29 市民意識調査 30 ― 30 △ UP 市民意識調査 31 △ UP ― 31 平成27年12月25日 平成28年 4月18日改定 岐阜市企画部総合政策課 「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜における ~NO・BU・NA・GA の意を継ぐ総合戦略~ NO decrease population・BUsiness & child rearing・New Achievement・Gifu Active (人口減を止める) (しごと創出と子育て) (新たな達成) (岐阜活性化)
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