— 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。— 使用上の注意改訂のお知らせ 2016年4月 製造販売 このたび、標記製品の「使用上の注意」の記載内容を改訂いたしましたのでお知らせいたします。 今後のご使用に際しましてご参照下さいますようお願い申し上げます。 ◇改訂内容(改訂部分抜粋) エクア錠50mg 改訂後(2016年4月改訂) 改訂前 4 .副作用 4 .副作用 (1)重大な副作用 (1)重大な副作用 1) 〜7) (略) 1) 〜7) (略) 8) 類 天疱瘡(頻度不明) :類天疱瘡があらわ ➡追記 れることがあるので、水疱、びらん等があ らわれた場合には、皮膚科医と相談し、投 与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 筋骨格系障害 (2)その他の副作用 頻度不明 1 %〜 5 %未満 − − 1 %未満 関節痛 (表略) ➡追記 〔下線部( ) 改訂〕 エクメット配合錠LD・HD 改訂後(2016年4月改訂) 改訂前 4 .副作用 4 .副作用 (1)重大な副作用 (1)重大な副作用 1) 〜8) (略) 1) 〜8) (略) 9) 類 天疱瘡(頻度不明) :類天疱瘡があらわ ➡追記 れることがあるので、水疱、びらん等があ らわれた場合には、皮膚科医と相談し、投 与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 (2)その他の副作用 頻度不明 筋骨格系障害 筋肉痛注1) 1 %〜 5 %未満 − 1 %未満 頻度不明 筋骨格系障害 筋肉痛注1) 関節痛 注1)胃 腸症状、けん怠感、筋肉痛等は乳酸アシドーシスの初 期症状であることもあるので注意すること。 1 %〜 5 %未満 1 %未満 − − 注1)胃腸症状、けん怠感、筋肉痛等は乳酸アシドーシスの初 期症状であることもあるので注意すること。 〔下線部( ) 改訂〕 ◇改訂理由 及び 解説 1 .厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知(薬生安通知 平成28年 4 月21日) に基づく改訂 「副作用 (1)重大な副作用」の項:“類天疱瘡”を追記 国内において報告が集積されたことから追記いたしました。 以下に症例の概要を紹介いたします。 【症例 1 】 患者 性 年齢 使用理由 (合併症) 1日投与量 投与期間 男 糖尿病 100mg 80代 (高血圧、高尿 9ヵ月以上 酸血症) 詳細不明 症状・経過及び処置 類天疱瘡 日付不明日: 中止約9ヵ月前: 中止153日前: 中止137日前: 中止123日前: 中止117日前: 中止108日前: 2型糖尿病に対し、本剤(エクア錠)100mg/日投 与開始。 頭皮、頚部、両前腕に水疱形成し暫くすると治る ことを繰り返していた。近医皮膚科を受診し精査 されたが診断に至らず。 A病院皮膚科を紹介受診した。 緊満性水疱、紅斑が散在し、皮膚生検では表皮下 水疱、水疱内に好酸球、基底膜にIgG、C3の線状 沈着を認め、水疱性類天疱瘡(BP)と診断された。 入院し副腎皮質ステロイドによる治療が開始。 白血球10,190/μL、好酸球11%、CRP5.73であった。 抗BP抗体は371であった。 ミノサイクリンを併用。 副腎皮質ステロイドは30mg/日より開始。 副腎皮質ステロイドは27mg/日へ減量。 −2− 備考 国内自発 報告 中止94日前: 中止93日前: 中止80日前: 投与中止日: 中止21日後: 不明日: 副腎皮質ステロイドは24mg/日へ減量し、外来で の経過観察となった。 2型糖尿病に対してはインスリンが追加され、本剤 は継続されていた。 退院。 プレドニゾロンは22mg/日となる。 本剤の投与は中止。 びらんを認めたためプレドニゾロンは22mg/日と なる。 抗BP180抗体は76と改善傾向となる。好酸球0.4%、 CRP0.05。 完治した。 併用薬:インスリン、シロドシン、フェブキソスタット、トコフェロール、メコバラミン、メチルメチオニンスルホ ニウム、モサプリド、セチリジン、プレガバリン、ラベプラゾール 【症例 2 】 患者 性 年齢 使用理由 (合併症) 男 糖尿病 90代 (高血圧、脂質 異常症) 1日投与量 投与期間 100mg 460日間 症状・経過及び処置 類天疱瘡 投与開始日: 投与460日目: (投与中止日) 中止20日後: 中止115日後: 糖尿病に対して本剤(エクア錠)100mg/日投与 開始。 水疱が上背部、前胸部、腰部、前腕、下腿に発現。 本剤投与中止。 皮膚科にて皮膚生検実施。水疱性類天疱瘡として 矛盾しない。 軽快。 備考 国内自発 報告 併用薬:エゼチミブ、グリメピリド、ピオグリタゾン 【疾患の解説】 類天疱瘡: ◦概要 各種の自己免疫性水疱症は、皮膚構成蛋白に対する自己抗体(IgG)により、皮膚の細胞接着が障害 されて水疱を形成する疾患である。自己抗体は補体結合により細胞−基底膜接着を障害するとされて いる。自己抗原としてヘミデスモソーム上のBP180あるいはBP230が知られているが、主にBP180 が病原性に関係しているとされている。水疱性類天疱瘡を主とする、類天疱瘡群の疾患は、全身に水 疱形成し、組織学的に表皮下水疱を示し、抗表皮基底膜部抗体を検出する皮膚疾患である。 ◦症状 水疱性類天疱瘡では全身の皮膚に、広範囲の浮腫性紅斑が生じ、大型の緊満性水疱、びらんが多発す る。口腔粘膜病変はないか、あるいはわずかに存在する。ニコルスキー現象は通常陰性である。病理 所見として、好酸球浸潤を伴う表皮下水疱が特徴である。水疱周辺組織の表皮基底膜にIgGまたは補 体C3の線状沈着がほぼ全例で検出され、表皮基底膜に結合する自己抗体を患者血漿中に検出するこ ともある。また、Enzyme-linked ImmunoSorbent Assay(ELISA)法などを用いて自己抗体を検 出することがある。 −3− ◦治療法 中等症以上の類天疱瘡の治療ではステロイド内服が中心である。軽症例では、ステロイド軟膏、ジ アフェニルスルホン(DDS)、ミノマイシン、アクロマイシン、ロキシスロマイシンが奏効すること もある。難治例や治療抵抗性の場合、ステロイドパルス、血漿交換、大量静注ヒト免疫グロブリン (IVIG)などを併用する。 (2015年11月、乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンの効能・効果に“水疱性類天疱 瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合) ”が追加された。 ) 参考:難病情報センターホームページ 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。 ) http://www.nanbyou.or.jp/entry/4526 2 .自主改訂 「副作用 (2)その他の副作用」の項:“関節痛”を追記 国内において報告が集積されたことから追記いたしました。 ☆改訂添付文書も併せてご参照下さい。 最新の添付文書情報は、 「医薬品医療機器総合機構ホームページ」 の 「医薬品に関する情報」 (http://www. pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html) にてご確認ください。 《今回の改訂内容につきましては医薬品安全対策情報 (DSU) No.249 (2016年5月) に掲載される予定です。 》 【資料請求先】 ノバルティスダイレクト 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1 EQA01422ZA0001DA120 −4−
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