石岡測地観測局について

(別紙1)
石岡測地観測局について
石岡測地観測局は、VLBI 観測施設、GNSS 観測点、重力測定室などを備えています。これ
らの様々な測地技術を組み合わせてプレート運動や地球回転などの地球規模の変動を監視
するとともに、国際標準に準拠した我が国の位置の基準を提供します。
1. VLBI 観測施設
石岡測地観測局では、アジアで初めて最先端の VLBI 観測施設を導入しており、これまで
の VLBI 観測を担ってきた国土地理院のつくばの施設をはるかに超える性能を有しています。
・はるか彼方にある天体から地球に届く電波を
巨大なパラボラアンテナで受信して地球上の
数千 km 離れたアンテナ間の距離を、わずか 1mm
の誤差で測ります。
・世界各国が国際連携のもとで行う共同観測に
基づいて日本の地球上での正確な位置(緯度・
経度)を決定します。
・日本の全ての位置の測定の基準となります。
石岡 VLBI 観測施設
プレート運動など地球の動きを監視すること
で、常に正確な位置を求めることができます。平成 23 年東北地方太平洋沖地震では、
地面が広い範囲で大きく動きましたが、VLBI で変動を迅速に把握したことで、地震後の
日本の正確な位置が定まり、復旧・復興に不可欠な GNSS などによる迅速な測量が可能
となりました。
・地球の回転の変化など地球の運動を正確に測定することで、国際的な時刻の管理に必要
となる「うるう秒」の挿入決定に利用されます。
世界の VLBI 観測局が捉えた地球の動き
VLBI で測った地球の自転の変化とうるう秒
2.GNSS 観測点
石岡測地観測局には、GNSS 観測点を併設しています。GPS を
はじめとした GNSS 衛星の信号を受信して位置を決定していま
す。
・VLBI で決定した位置の基準に基づいて、全国約 1,300 か
所の電子基準点(GNSS 観測点)の正確な位置を定めること
で、国内のどこでも効率的に正確な位置の測定が行えるよ
うになります。
・国際的な観測に参加することで、数多くの GNSS 観測点で
GNSS 観測点
地球の動きが把握できることから、さらに詳細な地球の形
の把握ができるようになります。こうして求めた地球の形から VLBI と共に国際標準と
なる正確な位置の基準(測地基準座標系)の構築に貢献します。
3.
重力測定室
石岡測地観測局は、筑波山の安定した地盤に位置するため、
安定した重力測定が行えます。施設には、重力測定を行うため
の重力測定室を設けています。
・重力(重力加速度)を正確に測ることで、高さ(標高)の
基準となる基準面(ジオイド)の正確な形を定め、高さの
基準を構築します。
重力測定室
・重力測定室では、国際標準に適合する重力計を複数用い
て、国際標準に準拠した世界共通の重力値を同時に測定し
ます。
・国内の機関と協力して 1 年に 1 回、比較観測を行って重
力計同士が同じ値を正確に示すことを確認します。
重力計(FG5 絶対重力計)