平成 28年 4月21日 警 察 庁 平成27年 度会計監査実施結果 について 1 重点項目及び対象部署 契約及び捜査費の執行を重点項目とし、全120部署に対して実施した。 2 会計監査の実施結果 (1) 特徴 私 的流 用 等故 意によ る不 適正事 案はな かった が、計 数誤り 等の会 計 経理上の過誤が 見受けられた。 (2) 主な指示事項・指導事項 ア 契約 ○ 発注したコピー用紙の代金が未払いになっていたほか、同コピー 用紙の納品書に検収年月日等を記載していなかった(指示事項)。 イ 捜査費の執行 ○ 支払伝票等に誤った精算金額を記入したため、支給漏れ又は過払い となっていた(指導事項)。 ウ その他の項目 ○ 行 程 の一 部を誤 って 旅費を 支給し たため 、鉄道 賃と半 日当分 が 過払いとな っていた(指示事項 )。 3 今後の方針 平成28年度会計 監査実施計画に基づ き、会 計監査を実施すると ともに、 会計経理指導を実 施し、より適正な会 計経理の推進を図る 。 平成28年4月21日 平成27年度会計監査実施結果報告書 警 察 庁 (目 次) 1 はじめに 1 2 平成27年度の会計監査実施の概要 1 (1) 重点項目 1 (2) 対象年度 1 (3) 対象部署 1 (4) 実施方法 1 3 会計監査実施結果 (1) 契約関係 ア 会計監査実施状況 (ア) イ 2 2 全国で行われている同種契約及び中央調達物品の活用、維持管理 状況関係 (イ) 2 2 物品購入等に係る契約関係 3 会計監査実施結果に基づく措置 3 (ア) 指示事項 3 (イ) 指導事項 3 (ウ) その他具体的措置状況 4 (2) 捜査費関係 ア 会計監査実施状況 4 4 (ア) 執行内容関係 4 (イ) 事務手続関係 5 (ウ) 現金等の管理関係 5 (エ) 聞き取り調査関係 5 イ 会計監査実施結果に基づく措置 5 (ア) 指示事項 6 (イ) 指導事項 6 物品管理関係 6 (3) ア 会計監査実施状況 6 イ 会計監査実施結果に基づく措置 7 (ア) 指示事項 7 (イ) 指導事項 7 (4) 旅費その他の経費関係 7 ア 会計監査実施状況 7 イ 会計監査実施結果に基づく措置 7 (ア) 指示事項 7 (イ) 指導事項 8 4 不適正な経理処理に係る自主調査実施部署に対する確認状況 8 5 平成26年度会計監査に基づく指示事項・指導事項等の改善措置状況の確認 8 (1) 指示事項・指導事項 8 (2) 全国で行われている同種契約及び中央調達物品の活用、維持管理 9 6 別表 平成28年度の会計監査に向けて 9 10 1 はじめに 本 報告 は、 会計の 監 査に関する規則(平成16年国家公安委員会規則第9号) 第 6条の 規 定に基 づ き、平成27年度に警察庁が行った会計監査の実施状況 を 報告するものである。 2 平成27年度の会計監査実施の概要 (1) 重点項目 重点項目は、契約及び捜査費とした。 契 約に ついて は 、 厳しい財政状 況を受けて、予 算の無駄遣い 防止を主 た る 目 的と し て、 捜査 費につい ては 、私 的流 用等の 重大事案防止 を主たる目 的とした監査を行うため、それぞれ重点項目とした。 (2) 対象年度 平 成26年 度の執 行 を 中心に、会計監 査実施時点までの平成27年度の 執行 についても併せて対象とした。また、必要に応じて、平成25年度以前の執行に ついても対象とした。 (3) 対象部署 会計監査責任者別の対象部署は、別表のとおりであり、平成27年4月から 平成28年3月までに、全120部署(警察庁内部部局、3附属機関、7管区警察 局 、 7管 区 警察学 校 、 47都道府県警 察及び47都道府 県情報通信部、北 海道 警察の4方面本部及び4方面情報通信部)に対して実施した。 (4) 実施方法 平成27年度の会計監査においては、 ○ 捜査経験を有する警察官を含む体制で実施した ○ 警察本部から遠隔地に所在する警察署に対しても実施した ○ 重点項目の契約については、 ・ 経 済性 、 効 率性 及び 有効性 の有 無に主眼を 置い た監 査を 実施 する と とも に、 全 国で 行 わ れて いる 同種 契約の 締結 状況や 中央調 達物品 の活 用、維持管理状況について監査を実施した ・ 物 品購 入 等 に係 る契 約につ いて は、取引業 者の 関係 帳簿 と警 察の 会 計 文 書 と の 照 合 に よ る 不 整 合 点 の 調 査 を 行 う と と も に 、「 物 品 購 入 等 に係 る契 約 の適 正 確保の 徹底について (平成21年11月12日 付け警察庁 丙会 発第 142号 )」 等を踏まえた 物品購入等に 係る契約の適正確保のた - 1 - めの措置の推進状況について確認した ○ 重点項目の捜査費については、 ・ 捜 査費 執 行 件数 の多 い捜査 員に 対し重点的 な監 査を 実施 する とと も に 、「 捜 査 費 の 適 正 な 執 行 の 確 保 の 徹 底 に つ い て ( 平 成 22年 12月 20日 付 け 警 察 庁 丙 会 発 第 141号 外 )」 に 基 づ き 、 警 視 庁、埼玉県警察、千葉 県警察、神奈川県警察、愛知県警察、大阪府警察、兵 庫県警 察及び 福 岡 県警察に対して、会計監査を2回実施した ・ 会 計監 査 の 際、 都道 府県警 察の 会計課幹部 及び 捜査 費等 指導 担当 官 (注 1) 等 に対 し 、 捜査 費経 理の 適正な 執行 などに ついて 指導・ 教養 を実施した ものである。 3 会計監査実施結果 会 計監査 を 実施し た 結果 、重点項目を含む各監査項目について、改善措置 を 講 じ る 必 要 が あ る も の を 指 示 事 項 ( 注 2 )、 ま た 、 自 ら 必 要 な 措 置 と し て 改善を図るものを指導事項(注3)等として記載した。 (1) 契約関係 ア 会計監査実施状況 (ア) 全国で行われている同種契約及び中央調達物品の活用、維持管理 状況関係 全 国 で行 わ れて いる 同種 契 約 に つ いて は、 契約内容、契 約方法 及び 予定価格の積算方法等が部署ごとに異なっていないかとの観点で、 ○ 射撃場保守等委託契約 を対 象と し 、中 央 調 達物 品の 活用 及び維 持管 理状況 につい ては、 配分 物品の有効活用の観点で、 ○ ドクターヘリ離着陸用通信資機材(アナログ簡易無線機) ○ 車両(小型輸送車(鉄道警察隊用)等) ○ 鑑識資機材(多点式温度測定計等) を対 象に 、 それ ぞ れ 、関 係文 書の 点検、 担当 職員等 からの 聞き取 り調 (注1) 「捜査費等 指導担当官 」は、都道府県警察の本部の捜査を担当する各部に置かれ、 捜 査費 等の適 正かつ効 果的な執行 を確保する ため、警察 署及び部内 各課を巡回 業務 指導することとされている。 (注2 ) 「指 示事項」は 、警察庁の 行う会計の 監査に関す る訓令(平 成16年警察庁訓 令第 8 号) 第9条 (会 計監査 の結果に基 づく措置) 第1項によ り指示する 事項をいう。 (注3 ) 「指 導事項 」は、訓 令第9条第 1項による 指示によら ずとも、自 ら必要な措 置を 講 じるよう指 導すること により、改善を図ることができると認められる事項をいう。 - 2 - 査等により確認した。 (イ) 物品購入等に係る契約関係 契 約 の必 要 性又 は契 約 方 法 や 予 定 価格 の積 算根拠 等を関 係文書 で点 検す ると と もに 、 担 当職 員か らの 聞き取 り調 査や取 引業者 の関係 帳簿 と警 察の 会 計文 書 と の照 合に よる 不整合 点の 調査に より不 適正な 経理 処理の有無を確認した。 イ 会計監査実施結果に基づく措置 会計 監査 を 実施 し た 結果 、お おむ ね適正 であ ると認 められ たが、 指示 事項・指導事項は下記のとおりである。 (ア) 指示事項 ○ 契約手続の不適切な取扱い ・ 発注したコピー用紙の代金25,488円が未払いになっていたほか 、 同コピー用紙の納品書に検収年月日等を記載していなかった ・ 乾 電 池の 購 入 にお いて、 年度 末に おける 在庫 数を 考 慮 する こと なく調達を行っていた ・ 液 晶 モニ タ ー の修 繕契約 を締 結し たにも かか わら ず 、 修繕 せず に代品を納入させていた 事 例 が あ った こ と から 、改善 措置 を講 じるよ う指 示し た ( 3県 情報 通信部(宮城、千葉、鹿児島 ))。 ○ 契約履行確認の不適切な取扱い 健康診断に係る受診人数の確認不足により、2,042円が過払いとな っていたことから、返納するよう指示した(関東管区警察局 )。 (イ) 指導事項 ○ 契約手続の不適切な取扱い ・ I T 教養 用 端 末の インタ ーネ ット 接続サ ービ スに つ い て、 使用 実態と異なる契約を行っていた ・ 業 者 が請 書 と 併せ て提出 した 設計 業務着 工届 等の 届 出 日及 び委 託 業 務 期 間が 契 約 締 結前 の 日付 とな ってい たに もか か わ らず 、こ れを十分に確認しないまま受領し、契約手続を進めていた ・ 警 衛 警備 に 伴 う宿 泊施設 の賃 貸借 契約に おい て、 予 定 価格 調書 を作成していなかった ・ 健 康 管理 医 業 務委 託契約 にお いて 、支出 負担 行為 を 規 程に 定め られた整理時期に行っていなかった 事 例 が あ った こ と から 、改善 を図 るよ う指導 した (関 東 管 区警 察学 校、四国管区警察学校、徳島県警察、千葉県情報通信部 )。 ○ 契約履行確認の不適切な取扱い ヘリコプター用赤外線カメラ装置の点検に伴う履行確認について 、 - 3 - 契 約 担 当 官等 か ら 検査 を命ぜ られ た検 査職員 が実 施す べ き とこ ろ、 こ れ を 行 って い な かっ たこと から 、改 善を図 るよ う指 導 し た( 神奈 川県情報通信部 )。 (ウ) その他具体的措置状況 ○ 全国で行われている同種契約 射 撃 場 保 守等 委 託 契 約に つ いて は、 発注方 法や 予定 価 格 の積 算方 法 を 長 期 にわ た り 見直 してお らず 、結 果とし て随 意契 約 等 を継 続し て い る 部 署が 一 部 認め られた こと から 、競争 契約 導入 等 の 検討 につ い て 指 導 する よ う 、関 係する 警察 庁内 部部局 に対 し、 申 し 入れ るこ ととした。 ○ 中央調達物品の活用、維持管理 ・ ド ク ター ヘ リ 離着 陸用通 信資 機材 (アナ ログ 簡易 無 線 機) につ い て は 、 警察 、 消 防 、ド ク ター ヘリ 運用機 関の 3者 間 に おい て、 運 用 に 関 する 調 整 や 合同 通 話訓 練が 行われ てい ない 部 署 が一 部認 め ら れ た こと か ら 、 効果 的 な運 用に ついて 指導 する よ う 、関 係す る警察庁内部部局に対し、申し入れることとした。 ・ 車 両 (小 型 輸 送車 (鉄道 警察 隊用 )等) につ いて は 、 使用 が低 調 で あ る 部署 が 一 部 認め ら れた こと から、 各都 道府 県 警 察の 実情 を 踏 ま え た車 両 配 分 計画 を 作成 する よう、 関係 する 警 察 庁内 部部 局に対し、申し入れることとした。 ・ 鑑 識 資機 材 に つい ては、 多点 式温 度測定 計等 2品 目 を 抽出 し確 認したところ 、活用されていない部署が一部認められたことから 、 さ ら な る 活用 方 策 に つい て 検討 す るよ う、 関係 する 警 察 庁内 部部 局に対し、申し入れることとした。 ○ 情報システムの活用 警 察 庁 人 事・ 給 与 関 係業 務 情報 シス テムが 、十 分に 活 用 され てい な い 状 況 が認 め ら れた ことか ら、 シス テムの 有効 活用 に 向 けた 取組 を 確 実 に 推進 す る よう 、関係 する 警察 庁内部 部局 に対 し 、 申し 入れ ることとした。 (2) 捜査費関係 ア 会計監査実施状況 (ア) 執行内容関係 捜査費を対象とする会計監査については、 ○ 現金 出 納簿 及 び 捜査 費証 拠書 類等を 点検 し、文 書の不 備や矛 盾点 の有無等の確認 - 4 - ○ 関係 文 書 の確 認結 果を 踏 ま え 、 捜査 費を 執行した具体 的な状 況等 に つ い て 、取 扱 者 等の 幹部職 員及 び指 定した 捜査 員等 か ら の聞 き取 り調査による確認 ○ 必要に応じ、執行の対象となっている店舗の確認 等により実施した。 (イ) 事務手続関係 捜 査 費 の 執行 に 携 わる 取扱者 等の 幹部 職員が 実施 する 毎 月 の所 要見 込額 の算 定 、取 扱 責 任者 への 交付 額の申 請か ら現金 の受領 、捜査 員等 への交付から執行後の精算までの各手続について、 ○ 取扱 者 等 の幹 部職 員が 、 捜 査 費 経理 に関 する必要な知 識を有 し、 捜査員等に対して指示・指導等を適切に行っているか ○ 取扱 者 等の 幹 部 職員 が、 捜査 費執行 の必 要性、 妥当性 につい て、 責 任 を 持 って 判 断 し、 また、 当該 執行 に関し て捜 査員 等 か ら執 行時 の状況の報告を求め、対面のうえ十分に確認しているか ○ 取扱 者 等 の幹 部職 員及 び 捜 査 員 等が 、捜 査費執行の各 段階に おい て捜査費証拠書類を適切に作成しているか ○ 取扱 者 等 の幹 部職 員が 、 作 成 さ れた 捜査 費証拠書類を 自らの 責任 で点検し、決裁しているか 等を聞き取り調査等により確認した。 (ウ) 現金等の管理関係 現金 、現 金出納 簿 及び捜査費証拠書類のほか、捜査員に対して捜査 諸雑費の保管・管理状況を確認した。 (エ) 聞き取り調査関係 聞 き 取 り 調 査 を 実 施 し た 所 属 数 は 、 合 計 835所 属 ( 警 察 本 部 等 374 所属、警察署461署)である。 なお、聞き取り調査実施人数は、合計6,170人であり、その内訳は、 次のとおりである。 イ ○ 取 扱 者(警察本部所属の課長、警察署長等) 765人 ○ 補 助 者(警察本部所属の次長、警察署副署長等) 784人 ○ 中間取扱者(大規模警察署の課長等) ○ 中間交付者(警察本部所属の課長補佐、警察署の課長等) 1,621人 ○ 捜 査 員 173人 2,827人 会計監査実施結果に基づく措置 会計 監査 を 実施 し た 結果 、お おむ ね適正 であ ると認 められ たが、 指示 事項・指導事項は下記のとおりである。 (ア) 指示事項 該当なし。 - 5 - (イ) 指導事項 ○ 計数誤り 支払伝票等に誤った精算金額を記入したため、支給漏れ又は過払い とな って いた こ とから 、追給(1,000円)又は返納(400円)するよう 指導した(2県警察(静岡、福岡))。 ○ 捜査費の執行手続に関する不適切な取扱い ・ 取 扱 者等 が 自 ら執 行する 場合 であ っても 捜査 費支 出 伺 を作 成す べきところ、これを作成していなかった ・ 一 般 捜査 費 の 申請 及び精 算に 係る 決裁は 、決 裁し よ う とす る取 扱 者 等 が 、一 般 捜 査 費を 執 行し よう とし又 は執 行し た 捜 査員 等と 対面した上で行うべきところ、これを行っていなかった ・ 取 扱 者等 が 捜 査費 支出伺 を作 成し 決裁す べき とこ ろ 、 中間 交付 者がこれを作成し、取扱者等の決裁を受けていた 事例があったことから 、改善を図るよう指導した( 警察庁内部部局 、 3県警察(岐阜、広島、愛媛 ))。 ○ 現金出納簿及び保管現金の不適切な取扱い ・ 取 扱 者の 交 替 時は 、発令 日を もっ て引継 ぎを 行う べ き とこ ろ、 これを行っていなかった ・ 取 扱 者の 交 替 時は 、前任 者及 び後 任者が 現金 出納 簿 に 署名 すべ き と こ ろ 、記 名 し て いた 。 また 、交 替検査 実施 者が 署 名 押印 すべ きところ、これを行っていなかった ・ 取 扱 者等 に よ る現 金の保 管に つき 、不在 時に 施錠 設 備 のあ る机 等 に 金 庫 を保 管 し て いた も のの 、施 錠用の 鍵を 手許 保 管 して いな かった 事例があったことから 、改善を図るよう指導した( 警察庁内部部局 、 2県警察(愛媛、長崎 ))。 ○ 捜査費証拠書類の不適切な取扱い 中間交付者は、捜査諸雑費を捜査員に交付した都度、その交付状況を 捜査諸雑費交付書兼支払精算書に記載すべきところ、精算時に交付状況 と支払精算状況を一括して記載していたことから、改善を図るよう指導 した(広島県警察)。 (3) 物品管理関係 ア 会計監査実施状況 物品 管 理 につい て は 、関係文書の点検及び担当職員等からの聞き取り 調査に併せて、実際の管理状況を確認した。 イ 会計監査実施結果に基づく措置 - 6 - 会計 監査 を 実施 し た 結果 、お おむ ね適正 であ ると認 められ たが、 指示 事項・指導事項は下記のとおりである。 (ア) 指示事項 ○ 物品管理手続の不適切な取扱い 研 究 に 伴 って 取 得 す べき 物 品に つい て、物 品管 理手 続 が 未実 施で あったことから 、改善措置を講じるよう指示した( 科学警察研究所 )。 (イ) 指導事項 ○ 物品管理手続の不適切な取扱い 工 事 に 伴 って 取 得 し た物 品 につ いて 、物品 管理 手続 が 一 部未 実施 で あ っ た こと か ら 、改 善を図 るよ う指 導した (群 馬県 警 察 、神 奈川 県警察、富山県情報通信部 )。 (4) 旅費その他の経費関係 ア 会計監査実施状況 旅費につ い ては、 旅 行命令簿及 び旅 費請 求書 等の 関係文書 の点 検並び に担当職員等からの聞き取り調査により、旅行事実を確認した。 その 他 の 経費に つ い ては、関係帳簿の点検及び担当職員からの聞き取 り調査により、事務手続の妥当性などを確認した。 イ 会計監査実施結果に基づく措置 会計監査を実施した結果、おおむね適正であると認められたが、指示 事項・指導事項は下記のとおりである。 (ア) 指示事項 ○ 旅費の過払い 行程の一部を誤って支給したため、鉄道賃(80円)と半日当(1,100円) の合計1,180円が過払いとなっていたことから、返納するよう指示し た(和歌山県情報通信部 )。 ○ 旅費支給手続の不適切な取扱い 航 空 機 利 用の パ ッ ク 商品 を 使用 した 旅行に おい て、 出 張 者に 変更 が 生 じ た にも か か わら ず、当 該パ ック 商品を 取り 消さ な い など 、適 切 さ を 欠 く取 扱 い とな っ て い た こと か ら 、 改 善措 置 を 講じ るよ う指 示した(四国管区警察局 )。 ○ 諸謝金の過払い 鑑定書については、400字詰め原稿用紙の枚数に換算して金額を算 出しているが、スペースを文字数として計上したため、179,250円が 過 払 い と なっ て い たこ とから 、返 納す るよう 指示 した ( 鹿 児島 県警 察 )。 (イ) 指導事項 - 7 - ○ 旅費の支給漏れ又は過払い ・ 日 当 ( 空 港 施 設 使 用 料 を 含 む 。) 及 び 鉄 道 賃 が 支 給 漏 れ と な っ ていた ・ 交 通 費が 既 に 捜査 費で精 算さ れて いるに もか かわ ら ず 、旅 費を 重複支給していた ・ 公用車を利用した午後のみの日帰り旅行に半日当を支給していた ・ 目 的 地内 の 旅 行に 交通費 を要 する 場合に は、 半日 当 を 支給 すべ きところ、交通運賃のみを支給していた 事例があったことから、追給(7,080円~96,769円)又は 返 納 (210円 ~1,490円)するよう指導した(警察庁内部部局、4県警察(滋賀、 和歌山、香川、愛媛 ))。 ○ 旅費支給手続の不適切な取扱い 旅 行 事 実 を旅 行 命 令 簿に 記 載し てい なかっ たほ か、 そ の 一部 につ い て 旅 費 精算 請 求 書を 作成し 支給 して いたこ とか ら、 改 善 を図 るよ う指導した(茨城県情報通信部 )。 ○ 旅費支給手続の遅延 旅 行 終 了 から 精 算 日 まで 3 か月 以上 を要す るな ど、 支 給 手続 に遅 延がみられたことから 、改善を図るよう指導した( 警察庁内部部局 、 鹿児島県情報通信部 )。 4 不適正な経理処理に係る自主調査実施部署に対する確認状況 兵 庫県警察 が実施した 捜査員による捜査費の私的流用事案に係る自主調査結 果について確認監査を実施したところ、当該自主調査結果と異なる事実は認め られなかった。 5 平 成 26年 度 会 計 監 査 に 基 づ く 指 示 事 項 ・ 指 導 事 項 等 の 改 善 措置状況の確認 (1) 指示事項・指導事項 平成26年度の会計監査実施結果において、指示事項・指導事項を通知した部署 について、その改善措置状況を確認した。 平成26年度の会計監査実施結果においては、 ○ 契約手続の不適切な取扱い ○ 物品管理手続の不適切な取扱い に対する計4件の指示事項、 ○ 捜査費の計数誤りによる支給漏れや過払い ○ 捜査費の執行手続に関する不適切な取扱い ○ 物品購入契約に係る経費の負担区分誤り - 8 - ○ 物品管理簿冊の不適切な取扱い ○ 旅費の支給漏れや過払い ○ 講師謝金の支給漏れ 等 に 対す る計25件 の 指導事項 が認 めら れ、 それぞ れ通知された 部署におい ては、 ○ 捜査費や旅費の支給漏れ等による追給又は返納の速やかな実施 ○ 物品管理に係る適正な手続の徹底 ○ 幹部を含めた職員教養の充実 等 、 適正 な 会計 経理 の推進に 向け た種 々の 取組が なされている ことを確認 した。 (2) 全国で行われている同種契約及び中央調達物品の活用、維持管理 平 成26年 度の会 計 監査における 同種契約及び中 央調達物品に ついては 、 ○ 国費車両に係る処分契約及び搭載物品の管理 ○ DNA型鑑定用試薬購入契約 ○ 指掌紋自動押なつ装置修繕委託契約 ○ 調達事務の集約化等に係る契約 ○ 事件情報内偵用システム(タブレット端末) を監査対象項目としたが、平成26年度の会計監査実施結果を踏まえ、より適正 な契約業務を推進するため、関係部署における取組状況を調査したところ、契 約に関する事務連絡の発出や仕様書の変更等必要な改善措置が講じられている ことを確認した。 6 平成28年度の会計監査に向けて 平 成 27年 度 会 計 監 査 実 施 結 果 を 踏 ま え 、 平 成 28年 度 会 計 監 査 実 施 計 画 ( H28.3.24 国 家 公安委員会報告済)に基づき、より適正な会計経理の推進 を図るとともに、厳正な会計監査を行うこととする。 - 9 - 別表 平成27年度会計監査実施状況 1 実施部署 ○ 120部署( 警察庁内部部局 、3附属機関 、7管区警察局 、7管区警察学校 、 47都 道府県 警 察(8 都府県警察は各2回実施 )、47都 道府 県情 報通 信部 並び に北海道警察の4方面本部及び4方面情報通信部) ※ 8都府県警察は、警視庁、埼玉県警察、千葉県警察、神奈川県警察、愛知 県警察、大阪府警察、兵庫県警察及び福岡県警察 ※ 情報通信部は 、各都道府県警察に併せて1回実施( 下記内訳の記載は省略 ) 2 上半期の実施内訳 70部署(4管区警察局、4管区警察学校、27都道府県警察、27都道府県情報 通信部並びに北海道警察の4方面本部及び4方面情報通信部) 会計監査責任者 会 計 監 査 の 対 象 部 署 警 察 庁 長 官 中部管区警察局、近畿管区警察局、四国管区警察局、九州管区 警察局、九州管区警察学校、北海道警察本部、函館方面本部、 旭川方面本部、釧路方面本部、北見方面本部、岩手県警察、警 視庁、神奈川県警察、愛知県警察、大阪府警察、愛媛県警察、 福岡県警察、長崎県警察、熊本県警察 管 区 警 察 局 長 中部管区警察学校、近畿管区警察学校、四国管区警察学校、秋 田県警察、山形県警察、埼玉県警察、千葉県警察、新潟県警察、 山梨県警察、富山県警察、石川県警察、兵庫県警察、奈良県警 察、鳥取県警察、島根県警察、香川県警察、高知県警察、佐賀 県警察、大分県警察、宮崎県警察 3 下半期の実施内訳 58部 署 ( 警 察 庁 内 部 部 局 、 3 附 属 機 関 、 3 管 区 警 察 局 、 3 管 区 警 察 学 校 、 28都府県警察及び20府県情報通信部) 会計監査責任者 会 計 監 査 の 対 象 部 署 警 察 庁 長 官 警察庁内部部局、警察大学校、科学警察研究所、皇宮警察本部、 東北管区警察局、東北管区警察学校、関東管区警察局、関東管 区警察学校、中国管区警察局、福島県警察、警視庁、茨城県警 察、群馬県警察、埼玉県警察、千葉県警察、神奈川県警察、愛 知県警察、三重県警察、京都府警察、大阪府警察、兵庫県警察、 和歌山県警察、広島県警察、福岡県警察 管 区 警 察 局 長 中国管区警察学校、青森県警察、宮城県警察、栃木県警察、長 野県警察、静岡県警察、福井県警察、岐阜県警察、滋賀県警察、 岡山県警察、山口県警察、徳島県警察、鹿児島県警察、沖縄県 警察 - 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