第1章 PDFファイル - 和歌山県ホームページ

第1章
地域医療構想策定の趣旨
(1)地域医療構想策定にあたっての背景等
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団 塊の世代が7 5歳以上となる 2025年( 平成37年) には、全国的に 医
療需要・介護需要のピークを迎えることが見込まれていま す。
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全 国平均と比べ ても高齢化が既 に進展してい る和歌山県に おいては、65 歳
以上の 高齢者人口 は2030年( 平成42年) 頃にピークに 達すると見込ま れ
ています。
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一 方で、県内の 総人口は近年、 減少の一途を 辿っていると ころであり、2 0
10年 (平成22 年国勢調査)に おいて約10 0万人とされ る県内総人口は 、
202 5年(平成 37年)には約 87万人、2 040年(平 成52年)には 約
72万人にまで減少することが見込まれています。
(P5(国立社会保障・人口問題研究所による人口推計( その1))
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ま た今後、人口 減少に加えて人 口構造が変遷 していく中で 、地域医療に関 し
て は 、 単 な る 量 的 な 管 理 だ け で は な く 、「 治 す 医 療 」 の み に と ど ま ら な い 「 治
し、支える医療」への質的転換も求められることとなりま す。
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こ のような経緯 ・背景から、将 来に向けてど のような医療 提供体制を構築 し
ていくのかが大きな課題となります。
(2)地域医療構想の位置付けについて
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「 持続可能な社 会保障制度の確 立を図るため の改革の推進 に関する法律( 平
成25年法律第112号)」に基づく措置としての「医療介護総合確保推進法」
の 成 立 ( 医 療 法 等 関 係 法 律 の 改 正 )( 平 成 2 6 年 6 月 成 立 ) を 受 け て 、「 将 来
の目指 すべき医療 機能別提供体制 」を示す「地 域医療構想」 を、各都道府県 に
おいて策定することとされたところです。
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和 歌山県におい ても、平成27 年度以降、県 内各二次保健 医療圏単位で地 域
の医療 関係者及び 市町村、保険者 等により構成 される「圏域 別検討会」を新 た
に 設 置 し て 、 和 歌 山 県 地 域 医 療 構 想 ( 以 下 、「 地 域 医 療 構 想 」 又 は 「 構 想 」 と
言います)策定に向けての検討を重ねてきました。
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本 構 想 の 策 定 に 向 け て 検 討 を 進 め る に あ た っ て は 、「 地 域 医 療 構 想 策 定 ガ イ
ド ラ イ ン 」( 平 成 2 7 年 3 月 厚 生 労 働 省 発 出 、 以 下 、「 ガ イ ド ラ イ ン 」 と 言 い
ま す ) に 沿 っ て 検 討 を 進 め る と と も に 、「 圏 域 別 検 討 会 」 に お い て 聴 取 し た 各
圏域における医療の実情等を踏まえ、本構想を策定したと ころです。
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な お 、 本 地 域 医 療 構 想 は 、 医 療 法 第 3 0 条 の 4 第 2 項 の 規 定 に 基 づ き 、「 医
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療 計 画 」( 以 下 ※ の と お り 、 現 行 は 第 六 次 医 療 計 画 ( 平 成 2 5 ~ 2 9 年 度 ) 期
間中)の一部として、和歌山県が策定するものです。
(※)第七次和歌山県保健医療計画(計画期間:平成30~35年度を予定)
(3)地域包括ケアシステムにおける医療と介護の連携につ いて
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和 歌山県では、 65歳以上の高 齢者の人口が 2030年( 平成42年)頃 に
ピーク を迎えると 予想される中で 、高齢者が可 能な限り住み 慣れた地域でそ の
有する 能力に応じ て、自立して安 心した生活を 営むことがで きる社会を構築 す
ることが重要となります。
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そ のためには、 医療と介護サー ビスとが一体 的に提供され る「地域包括ケ ア
システム」を構築する必要があります。
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医 療分野では、 入院から在宅医 療に至るまで 一連のサービ スが切れ目無く 提
供 さ れ る よ う 、 地 域 医 療 の 人 材 確 保 等 に 取 り 組 む と と も に 、「 病 床 機 能 の 分 化
・連携 」を推進し 、効率的で質の 高い医療提供 体制の構築( 再編)を行うと と
もに、在宅医療提供体制の充実を図っていきます。
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一 方、介護分野 においては、介 護が必要とな る全ての方々 を、市町村が設 置
する「 地域包括支 援センター」が 把握するとと もに、それら の方々が施設サ ー
ビスや 在宅介護サ ービス及び生活 支援事業を漏 れなく享受で きるような仕組 み
を構築していく必要があります。
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限 られた医療資 源・介護資源を 効率的に活用 し、これらの 取り組みを行う こ
とにより、和歌山県の実情に合った地域包括ケアシステム を実現するとともに、
その円滑な運営が求められるところです。
(4)地域医療構想の果たすべき役割とは
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地 域医療構想は 、各構想区域( 圏域)におい て各医療機関 の機能分化と連 携
を図り 、高度急性 期・急性期から 回復期、慢性 期、在宅医療 に至るまで将来 の
医療需 要を踏まえ 、患者の病状に 合った質の高 い医療提供体 制を構築しよう と
するものです。
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地 域 医 療 構 想 を 策 定 す る に あ た っ て は 、「 ① 病 床 の 機 能 の 分 化 及 び 連 携 の 推
進 」「 ② 在 宅 医 療 の 充 実 」「 ③ 医 療 従 事 者 の 確 保 ・ 養 成 」 な ど に つ い て 、 医 療
の課題 を抽出し、 その課題解決の ために取り組 むべき将来の 施策等の方向性 を
示すこととなります。
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本 構想は、県民 が住み慣れた地 域で安全・安 心な暮らしを 営むことができ る
社会の実現に向けて、和歌山県が策定するものです。
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